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加藤桃子女流王座が五番勝負を振り返る(part7)
座談会 加藤桃子女流王座 深浦康市九段 瀬川晶司四段
Part7 五番勝負を振り返って「今よりも成長していたい。」
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今回の五番勝負を通じて一番印象に残った一手を教えてください。
加藤
印象に残った手はたくさんあります。でも五番勝負を忘れないでいるためには第4局の最終盤で指してしまった▲5五歩(第1図)です。
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この局面ではひとつ下の5六に歩を打っていれば加藤さんの勝勢でした。私はこの局面の時に控え室にいたのですが、控え室が騒然となったのをよく覚えています。深浦さんはいかがでしたか?
深浦
どの将棋も印象深いです。この一手というのはなかなか難しいです。ただあえていうならば第3局で加藤さんが指した△6三飛(第2図)が印象に残っています。
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全体を通じて今回の清水さん対加藤さんという戦いはどういう印象を持ちましたか?
深浦
清水さんは積極性がでていましたし、それに対して加藤さんがどう対抗するのかというのが僕のひとつの見方だったのですが、加藤さんが非常に落ち着いていたというのが第一印象です。
清水さんも加藤さんがタイトル戦初出場にもかかわらずこんなに落ち着かれたら、やりにくさがあったのではないでしょうか。そういうのが第5局の清水さんらしさが出なかったひとつの要因にもなると思っています。
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ありがとうございました。瀬川さんはいかがでしたか?
瀬川
やっぱり僕も▲5五歩だよね。
一同
(笑)
瀬川
第4局は将棋連盟の大盤解説会で解説していましたが聞き手の井道さんに「▲5五歩は間違いでしょ?」っていったら「先生、間違いではありません!」っていわれました(笑)。でも全体を通じていい将棋が多くてとてもおもしろいシリーズだったと思います。加藤さんが成長していくのがなんとなくわかりました。こうした大舞台で少しずつ強くなっているのを感じました。清水さんは残念な結果になってしまいましたが清水さんも力を出し切ったというのがあると思います。
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では加藤さん、今後の抱負をお願いします。
加藤
次は初めての防衛戦になりますが、自分の力を出し切れるようにそして落ち着いて指せるように心がけていきたいと思います。奨励会は来年の防衛戦を戦っている頃には今よりもって成長して上にいれるよう日々努力をしていきたいと思います。
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ありがとうございました。では深浦さん、加藤さんにメッセージをお願いします。
深浦
女流王座になったということで僕もタイトルをとった時にそうだったのですが周りの目が違ってくると思います。取材も増えてきます。ただ、加藤さんが今までのタイトルホルダーと違うのは奨励会員ということでその辺りが加藤さん自身でも苦労することがあると思います。でも将棋に集中することを基本にしていればそう戸惑うことも少ないと思いますし、これから違った面も増えてくるかと思いますが今回の五番勝負を忘れずにがんばって欲しいなと思います。
加藤
ありがとうございます。
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では、瀬川さんお願いします。
瀬川
改めて初タイトルおめでとうございます。同門として嬉しいです。プロの四段というのをかなえて欲しいので女流王座を防衛しつつ四段になってくれることを願っています。 いろいろあると思うけど自分の目標をぶらさないでがんばって欲しいと思います。
加藤
ありがとうございます。
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皆さん、ありがとうございました。以上で五番勝負の振り返り対談を終了したいと思います。(完)
※2011年12月30日 於:東京・将棋会館
構成・司会 株式会社リコー 馬上勇人 なお、段位、肩書きは当時のもの。
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Part5 リコー杯女流王座戦第5局