リコー杯女流王座戦決勝五番勝負 両対局者インタビュー

清水市代女流六段

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清水市代女流六段記念すべき第1期のリコー杯女流王座戦決勝五番勝負に進むことができましたが今の率直な感想を聞かせてください。
清水
リコー杯女流王座戦は新棋戦として誕生した当初から将棋界のみならずいろいろな分野の方々からも注目されてきました。そういったなかでのスタートでしたので私にとってもすごく楽しみな反面、緊張感をいつも以上にもって臨んでいました。そういうまさに注目される棋戦のなかで五番勝負という桧舞台にでられるということは女流棋士としてすごく光栄なことですし、今までの自分をだせるタイトル戦にしたいと思っています。
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ここまでの戦いを振り返ってみていかがでしたでしょうか?
清水
一局、一局相手も違うし内容もそれぞれだったんですけど共通していえるのは「我慢・辛抱」の展開が多かった気がしています。
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リコー杯女流王座戦についての印象を教えてください。
清水
参加資格について女性であればどなたでも参加できるというのはすごく斬新ですし画期的で初めてこの棋戦ができると聞いた時に鳥肌が立つようなすごく新鮮な気持ちが強かったです。そういうなかでプロとしての自覚・意識をより強くもっている棋戦でもあります。
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ここからは五番勝負の話になりますが対戦相手の加藤桃子奨励会1級にはどういう印象を持たれていますか?
清水
感想戦での清水女流六段本当に礼儀正しく謙虚でかわいくて、あまりたくさんお話はしたことがないのですが、同じ女性として奨励会でがんばっていることで注目をしていましたし応援していました。実際に会って話をすると将棋に対するひたむきさや言葉遣いがしっかりしていてすごく好印象を持っています。また、将棋を見るたびに強くなっているなという印象があり自分のなかでは指すのがとても楽しみです。五番勝負が終わった後には自分にとってプラスになることがすごくあるだろうなという期待感があります。
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加藤さんが小さい頃に清水さんの将棋を並べていたという話をされていましたが、そういった相手と対戦するというのはどういうお気持ちですか?
清水
最近は女流棋士同士でも若手との対戦が増えているのですが、私の将棋を並べてくれたということ自体はとても嬉しいことですし、励みになります。
また私にとっては彼女の若々しいエネルギーとまさに伸び盛りの最新の研究をしている頭脳と指せるというには嬉しいですね。
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五番勝負はどのような戦いをしていきたいですか?
清水
まだ加藤さん自体がすごく若いですし、一局、一局強くなっていると思いますので過去の資料があまり役に立たないという気がしています。
逆に盤に向かった時に感じられる感覚を大切にして、自分が積み重ねてきたものをすべて盤上にだせるような五番勝負になればいいと思っています。
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最後に五番勝負に向けた意気込みをお願いします。
清水
今回、リコー杯女流王座戦から初めて女流棋界を応援してくださった方や今まで長く私のことを応援してくださっている皆さんにこれが清水市代の将棋だと喜んで頂けるような内容の将棋を目指して五局、精一杯努めたいと思います。

※敬称略。段位、肩書きは当時のもの。

加藤桃子奨励会1級

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記念すべき第1期のリコー杯女流王座戦決勝五番勝負に進むことができましたが今の率直な感想を聞かせてください。
加藤
加藤桃子奨励会1級ここまで来ることができてとても嬉しいです。
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ここまで来られると思っていましたか?
加藤
ここまで来たいと思っていました。
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ここまでの戦いを振り返ってみていかがでしたでしょうか?
加藤
予選は逆転勝ちの将棋が多かったんですが本戦に入ってからは自分らしい将棋を指すことができたと思います。
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リコー杯女流王座戦についての印象を教えてください。
加藤
アマチュアの方から女流棋士、奨励会員も参加することができてとても賑やかな棋戦だと思いました。
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リコー杯女流王座戦に自分達(奨励会員)もでられると聞いた時はどう思いましたか?
加藤
局後の記者会見での加藤奨励会1級びっくりしました。
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チャンスがきたと思いましたか?
加藤
いい機会というか、いい経験ができると思い楽しみでした。
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ここからは五番勝負の話になりますが対戦相手の清水市代女流六段にはどういう印象を持たれていますか?
加藤
他の棋士の方から聞いたのですが清水さんは精神力がすごい方だと聞いています。 そして女流棋士を代表する先生だと思っています。
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清水さんの棋風についてはどういう印象がありますか?
加藤
棋風は私と似ていると思います。相居飛車で攻め将棋の印象があります。
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加藤さんにとって清水さんはどんな存在ですか?
加藤
小学生の頃に将棋年鑑などで清水先生の棋譜を並べていました。その時は「すごいなぁ」という憧れの気持ちで一杯でした。
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これから五番勝負がはじまりますがどういった戦いをしていきたいですか?
加藤
戦型は相居飛車になると思います。清水先生の方が経験があると思うので私はそれに見合った勉強の量をしていこうと思っています。
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最後に五番勝負に向けた意気込みをお願いします。
加藤
五番勝負に向けてたくさん相居飛車の勉強をしてくるのでその成果が出せるようにがんばりたいと思います。

※敬称略。段位、肩書きは当時のもの。