# --- Kifu for Windows (HTTP) V6.54 棋譜ファイル --- 対局ID:2427 開始日時:2013/11/28 09:00 終了日時:2013/11/29 18:23 表題:竜王戦 棋戦:第26期竜王戦七番勝負 第5局 持ち時間:各8時間 消費時間:135▲471△435 場所:富山県黒部市「宇奈月温泉 延楽」 図:投了 手合割:平手   先手:森内俊之 後手:渡辺明 先手省略名:森内 後手省略名:渡辺明 手数----指手---------消費時間-- *渡辺明竜王に森内俊之名人が挑む第26期竜王戦七番勝負は、4局目まで終えて挑戦者の3勝1敗。十連覇を目指す渡辺がカド番に立たされている。 *迎える第5局は11月28・29日(木・金)に富山県黒部市「宇奈月温泉 延楽」で、各日9時から開始される。立会人は淡路仁茂九段、新聞解説は阿部隆八段、記録係は黒沢怜生三段(21歳、高橋道雄九段門下)。 *本局は北海道から沖縄まで、全国で大盤解説会が行われる。詳細は下部のリンク先をご参照いただきたい。 *おなじみとなったニコニコ生放送による解説は、1日目が飯塚祐紀七段と本田小百合女流三段。2日目は藤井猛九段と藤田綾女流初段が務める。 * *(棋譜・コメント入力=烏) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手。【】内はブログ記事、リンク先] * *【竜王戦第5局 全国大盤解説会一覧】 *http://www.shogi.or.jp/kisen/ryuuou/index.html#kaisetsu * *【ニコニコ生放送】 *http://live.nicovideo.jp/watch/lv159127087 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *◆森内 俊之(もりうち としゆき)名人◆ *1970年10月10日生まれ、神奈川県横浜市出身。勝浦修九段門下。1987年、四段。2002年、九段。棋士番号は183。 *タイトル戦登場は22回。獲得は竜王1期、名人8期(十八世名人)、棋王1期、王将1期の計11期。棋戦優勝は12回。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *◆渡辺 明(わたなべ あきら)竜王(竜王・棋王・王将)◆ *1984年4月23日生まれ、東京都葛飾区出身。所司和晴七段門下。2000年、四段。2005年、九段。棋士番号は235。 *タイトル戦登場は18回。獲得は竜王9期(永世竜王)、王座1期、棋王1期、王将1期の計12期。棋戦優勝は7回。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>おはようございます。戦型予想ですが、矢倉になると思います。第3局まで続いた戦型で、後手が△5五歩から急戦矢倉の作戦になると思います。本田さんも同じ予想のようです。 3 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *第5局も矢倉。両者とも今回の七番勝負は矢倉シリーズと決めているようだ。 4 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *渡辺の通算成績は460勝217敗(0.680)。今年度成績は13勝14敗(0.482)。年度対局数ランキング13位タイ。 5 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *森内の通算成績は840勝472敗(0.640)。今年度成績は19勝9敗(0.679)。年度対局数ランキング11位タイ。勝数ランキング11位タイ。勝率ランキング16位タイ。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>ここで▲6六歩が良いか▲7七銀が良いかというテーマで、羽生三冠が「変わりゆく現代将棋」という題名で2冊本を出されています。まだ羽生三冠が二十代の頃でしたが、私も読んで難しい本だと感じました。結局その結論は「どちらもある」でした。 6 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *過去の対戦成績は渡辺18勝、森内13勝。ここ6局はすべて矢倉戦で、3勝3敗と星を分けている。 7 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) *黒部市は富山県東部に位置し、黒部峡谷、宇奈月温泉を有する観光地としてもよく知られる。平成26年度には東京から長野を通って金沢に向かう北陸新幹線が開通し、黒部市にも「黒部宇奈月温泉駅」ができるため、これまで以上の発展をのぞむことができるだろう。 8 5四歩(53) ( 0:00/00:00:00) *竜王戦での富山県対局(黒部市宇奈月温泉「宇奈月国際ホテル」)は、第24局第3局の▲渡辺−△丸山戦以来。第1、2局を連勝して臨んだ渡辺だったが、丸山の一手損角換わりの前に敗戦している。 * *【第24期竜王戦第3局 ▲渡辺−△丸山戦】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/24/ryuou20111108-09.html 9 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *渡辺と森内の対戦では、第22期の第2局が富山県(高岡市「ホテルニューオータニ高岡」)での対局だった。一風変わった出だしから脇システムの形になり、先手番だった渡辺がこれを制している。 * *【第22期竜王戦第2局 ▲渡辺−△森内戦】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/22/ryuou091028.html 10 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *さかのぼって第19期七番勝負の渡辺−佐藤康戦は、第2局が富山対局(黒部市宇奈月温泉「延対寺荘」)だった。佐藤のゴキゲン中飛車に丸山ワクチンからの佐藤新手▲9六歩で立ち向かった渡辺だったが、終盤の競り合いで遅れをとり開幕2連敗。打ち上げのあとに控室で「熱い! もう一番!」とくやしそうにしていたのが印象に残る。七番勝負はその後に渡辺が盛り返し、第7局で防衛を果たしている。 * *【第19期竜王戦第2局 ▲渡辺−△佐藤康】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/19/061101_watanabe-sato.html 11 5八金(49) ( 0:00/00:00:00) *【富山へ飛ぶ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-e27e.html 12 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *ここはひとつの作戦の岐路。▲7八金ならよく指されている定型だが、▲6七金と上がれば早囲いを含みにした藤井矢倉になる可能性もある。 *今シリーズは後手番の勝利が多く、急戦矢倉が改めて注目されている。先手番は淡々と進め、後手番がなにかと工夫するのがここしばらくの将棋界の流れだが、そういった流れも変わってくるかもしれない。 * *【対局検分】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-1734.html 13 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *控室では第3局で新聞解説を務めた豊川孝弘七段の話が出ている。豊川七段といえばダジャレ。 *「そういえばこの前、面と向かって『間に淡路』って言われてなぁ。おもろいからええと思うで」(淡路九段) 14 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00) *その豊川七段は、11月30日18時からニコニコ生放送で「豊川七段と高梨臨のマンモス将棋基礎講座」を行う。ダジャレの新手が出るかどうか。その点も非常に興味深い。 * *【豊川七段と高梨臨のマンモス将棋基礎講座】 *http://live.nicovideo.jp/watch/lv159860066 15 6九玉(59) ( 0:00/00:00:00) 16 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) *「急戦矢倉じゃない。持久戦ですね」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>渡辺竜王はさりげなく△5二金と指しましたが、これは波紋を呼ぶ一手です。相矢倉の戦型では普通の手ですが、私が予想した△5三銀右から△5五歩の急戦がなくなったからです。 17 7七銀(68) ( 0:00/00:00:00) *持久戦の矢倉は第4局に続き今シリーズ2回目。前局は渡辺が▲2五桂と跳ねる作戦を採用したが、棋界全般では宮田新手▲6五歩がよく指されている。いずれにせよその分岐はもうしばらく先の局面だ。 18 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) *【揮毫】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-17c1.html 19 7九角(88) ( 0:00/00:00:00) *【夕食会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-e5ea.html 20 3一角(22) ( 0:00/00:00:00) *【対局開始直前】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-34e7.html 21 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *【対局開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-75cb.html 22 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) *【5度目の矢倉】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-5362.html 23 3七銀(48) ( 0:00/00:00:00) *矢倉3七銀戦法。後手が△4三金右と囲いを急ぐと、▲3五歩△同歩▲同角と歩交換しやすくなる。 24 6四角(31) ( 0:00/00:00:00) *したがって後手は△6四角と出て3筋の歩交換を牽制する。 *ただこれでも▲3五歩はあり、△同歩▲同角△3六歩▲4六銀△4五歩に▲6五歩と突き返して、その変化は先手十分。したがって後手は▲3五歩に△7四歩と突いて、角の退路を作ることになる。それで形勢は五分。あくまで先手が選ぶ作戦のひとつという域は出ない。 25 6七金(58) ( 0:00/00:00:00) *【1日目午前のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-48ae.html 26 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) 27 6八角(79) ( 0:00/00:00:00) *角を上がって、玉が通る道を作る。この手では▲4六角と角をぶつける「脇システム」も指されている。 28 4三金(52) ( 0:00/00:00:00) *【第5局大盤解説は全国で】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-51b1.html 29 7九玉(69) ( 0:00/00:00:00) 30 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00) *【本局の使用駒】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-698e.html 31 8八玉(79) ( 0:00/00:00:00) *【雨の宇奈月温泉 延楽】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-98ee.html 32 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) 33 4六銀(37) ( 0:00/00:00:00) *【大盤解説会の準備進む】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2b3a.html 34 5三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *この手で△7三銀と上がれば攻勢。△5三銀は守勢の構えといわれている。 35 3七桂(29) ( 0:00/00:00:00) *いまではすっかりお馴染みの4六銀・3七桂型だが、出始めた頃は歩越し銀の悪形といわれたこともあった。これは将棋の基本である「歩の下から駒を押し上げていく」という思想に背いているため。 *しかし指されてみると、後手が受けきるのはなかなか難しい。というより普通にやっていたら潰されてしまう。結果を出すことで従来の概念を覆した好例といえるだろう。 36 7三角(64) ( 0:00/00:00:00) 37 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) *端歩は朝のごあいさつ。棒銀にされる含みはないので、ここは△1四歩と受けるのが自然だ。 38 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *「プロ間でもよく指されている形です。後手が△2二玉と上がる手を保留しているのが注目点ですね」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>ここで▲9六歩も考えられますが、ちょっと突きづらいですね。定跡では▲2六歩△2四銀▲3八飛△9五歩▲1八香と進める形が多いです。 39 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *「七番勝負の戦型選択でいえば、急戦矢倉は両者のなかで一段落ついたということでしょう。どちらも課題の局面に向けて、駒を進めているのだと思います」(阿部八段) 40 2四銀(33) ( 0:00/00:00:00) *「どちらも先の仕掛けの局面まで綿密に準備してきていると思います。時間の使い方も、ノータイムではありませんが、確認しつつ少しずつという感じです」(阿部八段) *10時半過ぎ、消費時間は▲森内39分、△渡辺20分。 41 3八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *「後手はもう△2二玉と上がらずに指すつもりでしょうね」と阿部八段。これは渡辺のさっばりした性格を加味しての予想だろう。 42 9五歩(94) ( 0:00/00:00:00) *【富山名物】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-d1b7.html 43 1八香(19) ( 0:00/00:00:00) 44 2二玉(31) ( 0:00/00:00:00) *当たるか当たらないかでいえば、予想の5割は常に裏切られる。阿部八段は素知らぬ顔で淡路九段と談笑している。 45 2五桂(37) ( 0:00/00:00:00) *「あれー、およよよよ」と控室の声。▲6五歩の宮田流は選ばず、第4局と同じ形になった。 *手元のデータベースをあたったところ、前例は32局。1号局は平成9年A級順位戦▲森下−△森内戦で、253手の長手数で森下が勝ったが、途中の分かれは森内がよかった。 *他には平成11年の順位戦▲東(理事)−△淡路(立会人)戦も見つかった。お互いに「ひどい目にあった。ボロボロにされた」と言っているが、勝ったのは淡路九段だった。 * *【「おんなじ将棋やん」】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-1576.html 46 4五歩(44) ( 0:00/00:00:00) *11時13分、渡辺は△4五歩と突いた。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>この手に対して▲3七銀と引くのは△4四銀と上がって後手の陣形が美しい形になり「姿よし」です。ここは▲同銀と取るところです。 47 同 銀(46) ( 0:00/00:00:00) *森内はノータイムで▲同銀。どこまで第4局と同じに進むのだろうか。 48 1九角成(73) ( 0:00/00:00:00) *【宇奈月の街を歩く】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2b4a.html 49 4六角(68) ( 0:00/00:00:00) *「しばらくは変化のしようがないよなぁ」(淡路九段) 50 同 馬(19) ( 0:00/00:00:00) *【宇奈月の街を歩く(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-c59c.html 51 同 歩(47) ( 0:00/00:00:00) *歩が1枚あれば△4四歩で銀を取られてしまうが、あいにくの歩切れ。△5九角と打ち込むのが定跡手順になっている。 52 5九角打 ( 0:00/00:00:00) *2六の歩を狙って△5九角と打ち込む。▲1七角と受けた実戦もあるが、△1五歩から打った角を狙われて面白くない。 53 3七角打 ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>いやぁ、どんどん進みますね。この二人がこの前指した竜王戦第4局とまったく同じ進行です。しかし先後の手番が入れ替わっていますので、どうなるのでしょうか。 54 同 角成(59) ( 0:00/00:00:00) *【宇奈月の街を歩く(3)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-b19e.html 55 同 飛(38) ( 0:00/00:00:00) *もう一度△5九角と打つのは、▲2七飛△4八角成▲6五歩(▲6六角の狙い)で先手十分。以下△3八馬に▲1七飛と逃げられるのが1八香型のメリットで、1七香型の場合は△5九角▲2七飛△4八角成▲6五歩△3八馬に、▲5七飛△4八馬▲2七飛で千日手というのが定説だ。 56 1九角打 ( 0:00/00:00:00) *というわけで、こちらから。▲4七飛と寄ると2八角成で、次に香を取ることができる。その変化の場合は1七香型のほうが得だからややこしい。 57 3八飛(37) ( 0:00/00:00:00) *この手を指して森内が席を外した。どこで第4局から離れるのか。控室の面々は談笑しつつ進行を見守っている。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>これはもうチキンレースですね。どちらが先に竜王戦第4局と手を変えるか。第4局の68手目(△4四馬)では△4四歩と指すほうが多かったので、今回は△4四馬に対して森内名人が何を用意しているのかを見てみたいです。 58 4六角成(19) ( 0:00/00:00:00) 59 4四歩打 ( 0:00/00:00:00) *ここは分岐点のひとつ。△同銀は▲同銀△同金▲7一角△4二飛▲5三角成で先手よし。 *△同金は少ないながら前例があり、▲7一角△4三金引▲8二角成と進んでいる。 *多いのは第4局でも指された△4五馬。金銀交換にはなるが、後手は馬と歩得が主張となる。 60 同 金(43) ( 0:00/00:00:00) *「△同金! 取ったか。こりゃ面白いなぁ」(淡路九段) *ここで第4局に別れを告げた。前例は2局(平成12年5月・早指し新鋭戦▲小林裕−△木村戦。平成24年7月・大和証券杯▲豊島−△渡辺明戦)で1勝1敗。渡辺は後手を持って指し、敗れている。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>渡辺竜王が第4局とは違う手を指しました。▲同銀△同銀▲7一角は歩切れでもあり、先手が攻めきるのは容易でないです。したがって前例では先に▲7一角と打ちました。△4三金引と引くのですが、(1)▲8二角成と(2)▲3四銀が考えられます。 * *【第4局と別れを告げる】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-df18.html 61 7一角打 ( 0:00/00:00:00) *昼食休憩まで20分というところで、森内が▲7一角を着手。前例は△4三金引だが、△4五金も考えられるところ。 62 4三金(44) ( 0:00/00:00:00) *「▲3四銀はあかんの?」(淡路九段) *「そんなん△7二飛で全然切れてるでしょう」(阿部八段) *「そうか、あかんか」(淡路九段) *この局面で定刻の12時30分となり、1日目の昼食休憩に入った。消費時間は▲森内1時間48分、△渡辺1時間7分。食事の注文は、地物ぶりの照り焼き御膳。森内がうな重。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>ここは先手にとって分岐の局面です。(1)▲3四銀、(2)▲8二角成、(3)▲3五歩、(4)▲5五歩、(5)▲1五歩、どれも考えられます。このまま森内名人が昼食休憩に入れると思います。私は(1)▲3四銀を指すと予想します。 * *【1日目昼食休憩に入る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-86d8.html 63 5七金(67) ( 0:00/00:00:00) *13時49分、森内の手が自陣に伸びて▲5七金を着手。これは前例がない。 *「△7三馬と引きますね。これを入れたほうが得だと読んだんでしょう。△5七同馬▲8二角成△4四歩と打てば一応は飛車と金銀の二枚換えになりますか。タイトル戦ですからね、いろいろと読まなきゃいけません」(阿部八段) *その後、時間がたつにつれて阿部八段の見解が変わってきた。どうやら△5七同馬を有力と考え出したようだ。 *「以下▲8二角成△4四歩▲3四銀△同金▲9一馬△6九銀▲7九金でどうかです。△同馬から寄せ切れるかどうか。2五桂も落ちているので魅力的な順ですね」(阿部八段) * *【休憩中の対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-eb76.html * *【森内名人の趣向】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-1494.html * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>▲5七金は前例がない手です。△5七同馬は▲8二角成△4四歩▲3四銀△同金▲9一馬に△6九銀が矢倉の急所で以下▲6八金△同馬▲同飛△5八金▲4六馬△6八金▲同馬△3八飛▲7九金の局面は2五桂も質駒になっていてこれは竜王得意の展開です。 * *※局後の感想※ *「▲5七金は思いつきでしたが……。△7三馬ならどの変化も得になるから、取ってくると思いました」(森内) *「この手は前に調べたことがあって、そのときに△同馬しかないかなと」(渡辺) 64 同 馬(46) ( 0:00/00:00:00) *14時37分、渡辺は素直に△同馬と取った。 *「決断がいいなぁ。まだ山ほど時間があるはずだけど」(阿部八段) *まだ1日目だから、そりゃそうである。 65 8二角成(71) ( 0:00/00:00:00) *すぐに飛車を取る。考えるのは△4四歩と打たれた場面だろう。 66 4四歩打 ( 0:00/00:00:00) *「竜王は良いと思って踏み込んでいますね。しかしここまで両者とも2時間くらいしか使ってないの? すごい踏み込みだなぁ。きっとバランスはとれているんでしょう」(阿部八段) *消費時間は▲森内2時間7分、△渡辺1時間54分。 * *15時になり、対局室に午後のおやつが運ばれた。森内はイチゴショートケーキと紅茶。渡辺はフルーツケーキとアイスコーヒー。 * *【1日目 午後のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-d241.html 67 3四銀(45) ( 0:00/00:00:00) *15時11分、森内が銀を捨てた。△同金と取った局面の駒割りは▲飛△金銀の二枚換えだ。 68 同 金(43) ( 0:00/00:00:00) *【現地大盤解説会始まる】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-0024.html * *※局後の感想※ *「▲8一馬とは指しにくいですか。まあ△6九銀とかける手が、本譜より厳しくなるかもしれませんからね」(渡辺) 69 5一飛打 ( 0:00/00:00:00) *銀捨てからの飛車打ちは淡路九段と東七段が想定していた進行。以下は△4二銀▲8一飛成△5六馬という順を検討しており、「そこで飛車をどこに逃げるか、ですね」と阿部八段。 *対局室モニターには、両者がおやつを食べる姿が映し出されている。いつだったか渡辺は「相手の手番のときには、思考の邪魔になるといけないからおやつを食べない」と話していた。このあたりはそれぞれ流儀があるのだろう。 *もっとも相手が食べていれば話は別で、手番うんぬんを気にしなくていい。あうんの呼吸で、束の間のおやつ休戦である。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段>大激戦ですね。▲5一飛△4二銀▲8一飛成△5六馬▲4七歩△2五銀▲同歩といった展開が考えられます。羽生さんが本で△2五銀▲同歩の交換が悪手になった試しがないと書いていたのを思い出しました。 70 4二銀(53) ( 0:00/00:00:00) *16時34分、渡辺は飛車に当てて銀を引く。ここまでの消費時間は森内▲2時間45分、△渡辺3時間9分。 *控室に富山県出身の村田顕弘五段。今回は大盤解説会に出演するために現地入りした。 * *【封じ手の準備】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-5648.html 71 8一飛成(51) ( 0:00/00:00:00) *自然な手は、飛車に当てながら3四の地点に利かす△5六馬。味付けするなら△7五歩もあるが、やや悠長に過ぎるか。 * *【再び大盤解説会場へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-c62a-1.html * *※局後の感想※ *「△7五歩と突かれる手が嫌だったですが」(森内) *一例は▲9一竜△7六歩▲同銀△7七歩▲同桂△2五銀▲同歩△6四桂で、そこまで進めば後手有望。 *「そうでしたか。駒損しているから急いでいかなきゃいけないと思ってしまって。本譜のように馬を引き付けられる展開になるなら、△6九銀は面白くなかったです。△7五歩のほうがよかったです」(渡辺) 72 6九銀打 ( 0:00/00:00:00) *渡辺はいきなり△6九銀と掛けた。「これは一番強い手ですよ」と阿部八段。 *ここでいう「強い」は棋力ではなく、気のこと。臆さずに直線的に決着をつけにいく強気な手という意味だ。 *この局面で定刻の18時に。淡路九段が「次の一手を封じ手にしてください」と声をかけると、森内は間を置かず立ち上がった。1日目の消費時間は森内▲4時間7分、渡辺△3時間12分。対局は翌29日9時から再開される。 * *■ニコニコ生放送■ *飯塚祐紀七段(1日目)>△6九銀には▲7九金で受かるかと思っていましたが、△5八金が重いように見えて意外にうるさい攻めです。以下▲6八桂△2五銀▲同歩△6七桂で攻めが切れません。現局面は私は後手を持って指してみたいです。 *この封じ手は結構むずかしい。7八金を取られたくないので、(1)▲6八金か(2)▲7九金が有力です。また(3)▲4六桂もあると思います。△7八銀成▲同飛△2五銀▲同歩△3三金引▲6八銀打が一例です。私は(1)▲6八金と予想します。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段(2日目)>おはようございます。この封じ手を当てるのは難しいですね。私は▲6八金ではないかと予想します。 * *【のっぴきならない局面】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-3513.html * *【淡路九段、阿部隆八段の封じ手予想】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-237b.html * *【森内名人封じる】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-83b3.html * *【1日目夕食会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-4a7e.html * *※局後の感想※ *「▲7九金と引かれても自信なかったですが……。△5八金に▲6八銀で足らないかと思いました」(渡辺) 73 6八金(78) ( 0:00/00:00:00) *立会人の淡路九段が封じ手を読み上げる。大方の予想は▲6八金と▲7九金のいずれかという感じだったが、森内が選んだのは▲6八金。相手の主力である馬に当たりとつける、これも「強い手」だ。 *「こう指すと、ばたばたと進みそうです。△同馬▲同飛△5八金までは行くでしょう。そこで▲4六馬か▲6七飛か」(阿部八段) *9時45分を過ぎたが、渡辺はまだ指さない。控室では△6八同馬▲同飛△5八金▲6七飛△2五銀▲8六歩△5七金打▲6九飛△同金▲8七玉△6七金▲9一竜の局面で寄りがないかが調べられている。 *「そこで△7七金▲同桂△8九飛▲8八合駒△9六桂という筋では寄らないですか?」と上田女流三段。△9六桂の捨て駒は▲9五竜〜▲9六玉の脱出ルートを事前に消す終盤の手筋だ。 *「うーん、△8九飛に▲8八香△9六桂▲同歩△9九飛成▲9八金でどうかな。ちょっと寄らない気がする。しかし△9六桂は鋭いね。さすが上田さんです」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>金を逃げる手で▲6八金か▲7九金かの2択でした。当初は▲7九金のほうが有力と思いましたが、読んでみると▲6八金のほうが良いと分かってこちらの手を予想していました。 * *【封じ手開封まで】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-8857.html * *【封じ手は▲6八金】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-8100.html 74 同 馬(57) ( 0:00/00:00:00) *9時55分、渡辺は背筋を伸ばして△6八同馬を着手。これを▲同銀と取るのは、△7八金▲9八玉△8八金打までの3手詰め。 75 同 飛(38) ( 0:00/00:00:00) *【全国大盤解説会をお楽しみに】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2aaa.html 76 5八金打 ( 0:00/00:00:00) *ここは大きな分岐点。候補手は▲4六馬と▲6七飛だが、控室の検討陣は飛車をかわす▲6七飛を本線に検討している。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>ここから▲4六馬△6八金▲同馬△2八飛▲7九金△5八金の進行が有力です。先手の守りが堅くなりましたが、渡辺竜王は飛車を取って攻めるのが得意ですから大変ですね。この変化はお互いのバランスが取れていて長期戦です。 * *※局後の感想※ *「▲6七飛は△5七金打▲6九飛△同金▲9六歩△6七金▲9一竜△7九金で、結構うるさいかなと。やってこないと思いました。まあ気持ちよいので▲4六馬と引きますよね」(渡辺) 77 4六馬(82) ( 0:00/00:00:00) *着手が告げられた瞬間、阿部八段は「えー? そう指しましたか。それはどうなんでしょうねぇ」と声を上げた。ちょうど控室で▲6七飛先手有望説が確定しつつあったからだ。 *10時過ぎ、対局室に午前のおやつが運ばれた。渡辺がホットコーヒー、森内の注文はなし。 *ここから△6八金▲同馬△3八飛▲7九金と進めば長期戦。△4五歩と突けば決着は早い。 *△4五歩には▲3五歩が攻めの筋。以下△4六歩▲3四歩△6八金の局面で後手玉に詰みがあるかどうか。詰将棋の達人として知られる村田顕弘五段は「わずかに詰まないような気がします」。詰まないなら先手の選択肢は限られてくるが……。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>この▲4六馬は比較的着手が早かったですね。森内名人は封じ手で▲6八金を決めてからは▲4六馬まで想定できる手順でしたからね。ここで渡辺竜王はまた選択に迫られる局面になりました。(1)△6八金が有力ですが、(2)△4五歩も考えられます。 * *【2日目 午前のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-66ed.html * *※局後の感想※ *「まだ△4五歩でしたか。本譜は勝ち目がなくなってしまったので」(渡辺) *渡辺が読んでいたのは、以下▲5八飛△4六歩▲6八飛△7八金▲同飛△同銀成▲同玉△4七歩成の順。 *「パッと考えてちょっと足らないかなと。しかしそっちだったですね」(渡辺) 78 6八金(58) ( 0:00/00:00:00) *渡辺の選択は一直線の△4五歩ではなく、長期戦含みの△6八金だった。先ほどの▲6七飛の変化、そして今の△4五歩の変化。おそらく感想戦で両者の読み筋が明らかになるだろう。 79 同 馬(46) ( 0:00/00:00:00) *【2日目 午前の控室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-833d.html 80 4八飛打 ( 0:00/00:00:00) *飛車は4八から。「後で▲4六桂と打たれる筋を考えてのことでしょう」と阿部八段。 *「これ何受けるの? 7九に香車かな」(淡路九段) *すかさず阿部八段に「香車はありませんけど」と突っ込まれる。こういうやりとりを昨日から3度は見たから、きっと関西独特のお約束なのだろう。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>あまり近いところに飛車を打つのは違和感があって、▲5九金が気になるところです。しかし先に△7八金と王手で打てるので大丈夫です。この△4八飛は▲7九金△5八銀成▲7八馬△5七成銀のときに▲4六桂と打つ手を消しています。 81 7九金打 ( 0:00/00:00:00) *こう打っておけば先手玉は容易には寄らない。 82 5八銀成(69) ( 0:00/00:00:00) *これは昨日から阿部八段が挙げていた手順。「馬を取らせたくないので、▲7八馬でしょうね」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>(1)▲7八馬に(A)△5七成銀と引いて次に△6七成銀と寄る手、それから(B)△6九金とベッタリ打つ手も俗手ながら有力です。▲同金△同成銀の局面で後手の攻めを切らすのは大変です。ここは(2)▲4六桂で攻め合うタイミングかもしれません。 83 7八馬(68) ( 0:00/00:00:00) *「難しいです。形勢は、大盤解説会だったらどちらかが良いとビシッと言うのですが、控室で検討する棋士の前ではなかなか断言できませんね。次の一手は△7五歩か△6九金か。△5七成銀は▲3九角から成銀を取ってスッキリさせる筋が気になります」(阿部八段) *11時20分頃、消費時間は▲森内4時間42分、△渡辺4時間47分。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>ここは(1)△5七成銀と(2)△6九金のどちらかだと思います。先ほどから渡辺竜王のほうは2択を選ぶ局面が多いですね。 84 6九金打 ( 0:00/00:00:00) *「△6九金でした。着実な手ですね」(村田顕五段) *次は△2五銀▲同歩△7九金▲同玉△6九金から迫る狙い。 *11時27分、渡辺がスッと席を立った。森内は前傾姿勢になっている。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>△6九金に代えて△5七成銀ですと▲3九角がありましたね。△5八飛成▲5七角△同竜の局面は後手の攻めが切れます。だから△6九金しかないわけですね。しかしここで▲4六桂はあります。△同飛成と取ると▲6九金△同成銀▲同馬で先手良しです。 85 同 金(79) ( 0:00/00:00:00) *12時をまわったところで、森内が▲6九金と金を取る。 * *【黒部川沿いを歩く(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-3b53.html 86 同 成銀(58) ( 0:00/00:00:00) *【黒部川沿いを歩く(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-8a40.html 87 5七角打 ( 0:00/00:00:00) *「「△6九金を▲同金と取って、△同成銀に▲5七角と打ったんですか。△1八飛成▲4八歩ということですね。▲5七角は後手の攻めを遅らせながら後手陣に利かす角打ちです」(阿部八段) * *【2日目 午前の現地大盤解説会場】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-c79d.html * *※局後の感想※ *「▲4九歩△1八飛成▲4八金でも全然ダメかと思いました。しかし本譜も苦しいですね」(渡辺) 88 1八飛成(48) ( 0:00/00:00:00) *「渡辺竜王、自信を持ってそうな表情ですよ。ただ▲4八歩に△2九竜くらいの手では、▲4六桂と打たれて後手まずいような気がします」(阿部八段) 89 4八歩打 ( 0:00/00:00:00) *「僕は急に(後手を持って)自信がなくなってきました」(村田顕五段) *「△6九金の局面はどうやるかなと思って見ていたんだけど、なるほどの手順でしたね。森内鉄板流。ここからまた面白くなりそうです」(阿部八段) *ここまでの消費時間は▲森内5時間20分、△渡辺4時間54分。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>竜の直通を歩で止めながら、次に▲6九馬で成銀を取る手を見ています。ここで△5八金と角取りに打つと、▲2四角△同歩▲4六桂で先手の攻めが続きそうです。ゲスト出演の佐藤康光九段も▲5七角から▲4八歩と進めて先手が良いと言っていました。 * *【なるほどという手】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-7d12.html 90 2七龍(18) ( 0:00/00:00:00) *渡辺はさして時間を使わず、角に当てて竜を引いた。なお大盤解説会場で淡路九段は、6九の成銀を助ける△5八金を挙げていたようだ。「しかしその瞬間に後手玉に殺到する順があるからなぁ」。 *この局面で2日目の昼食休憩に入った。消費時間は▲森内5時間32分、△渡辺5時間6分。食事の注文は、渡辺がうな重。森内がビーフカレー。対局は13時30分に再開される。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>これは▲2四角△同歩▲6九馬△2五歩と進みますね。その局面はよく見ると駒の損得はあまりないです。△2七竜では△2九竜と思いましたが、この手順を渡辺竜王が一番粘れると見たのでしょう。 * *【2日目 昼食休憩に入る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-a728.html * *【全国大盤解説会をお楽しみに(再掲)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2aaa.html 91 2四角(57) ( 0:00/00:00:00) *13時30分に対局再開が告げられると、森内はすぐに▲2四角と銀を取った。再開後の手は両者が揃ってから指されることが多いが、渡辺の姿はまだ見えない。 *13時33分、渡辺が対局室に。着座するとすぐに前傾姿勢になった。 *「これは、名人が優勢なんですね。△同歩は成銀を取らずに▲4六桂が厳しいです。竜王、ちょっとしんどいかもしれませんよ。やはり▲5七角(87手目)が相当によい手だったということでしょう」(阿部八段) * *【2日目 対局再開(森内名人)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-12ed.html 92 同 金(34) ( 0:00/00:00:00) *やはり歩では取れなかった。しかし△2四同金は次に桂を取る楽しみがなく、つらい手という印象がある。 *阿部八段の見解に、村田顕五段も同調している。攻めるなら▲4一銀や▲3三桂打。もちろん▲6九馬と成銀を取る手も有力だ。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>本当は△同歩で桂取りを見せたいのですが、▲4六桂と打たれて後手が厳しいです。 * *【2日目 対局再開(渡辺竜王)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-6564.html 93 6九馬(78) ( 0:00/00:00:00) *落ち着いて成銀を取り、駒割は▲銀桂△金香の交換でほぼ五分。 *「2五桂の存在が大きいですね」(阿部八段) *「△6七香のような手だと、▲3三桂打が厳しくなります。うーん、その局面は寄っていそうですね」(村田顕五段) *▲3三桂打は次に▲2一竜までの詰めろ。△同桂は▲2一金で詰み。金や銀で取るのでは玉が薄くなるため、何があってもおかしくない。 * *【対局室から見た風景】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-cd28.html * *※局後の感想※ *「成銀を取られて、ダメですね」(渡辺) 94 6七香打 ( 0:00/00:00:00) *これは村田顕五段が危ないといっていた香打ち。他に有効手がなかったのか、それとも先の局面でうまい手を用意しているのか。 *次に△6九香成と馬を取った形は、先手玉に△7七竜以下の詰めろがかかっている。ただこの瞬間はいわゆるゼット。駒を何枚渡しても絶対に詰まない形だ。 *▲3三桂打には、ほぼ△同銀と取る一手。そこで▲同桂成△同玉と追っていくのは2四金が手厚くはっきりしない。 *「△3三同銀のときに▲3一銀や▲4三銀といった手が成立しないかを考えています」と村田顕五段。真剣なまなざしで盤面モニターを見つめている。 *しかししばらくして、「どうも寄りがないような気がしてきました」と肩を落とす。 *「▲3三桂打△同銀に▲4三銀は詰めろではないので△6九香成で先手負け。▲3三桂打△同銀に▲3一銀は△同金▲3三桂成△同桂の局面で、やはり詰めろが続かないように思います。以下▲3一竜と切っても△同玉▲4三銀△3二金で、残り金銀3枚では足りない感じです。ということで、いまは▲4七馬が有力かなと思っています。後手が△6九角と来れば、▲4六馬で後手玉に詰めろ(▲3四桂以下)をかけてどうでしょうか」。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>早く手番を握りたいので、▲6八桂よりも▲6八銀打としたいです。▲6九馬で「やれやれ、ひと段落」といった所で△6七香を打たれてみると、少し嫌な変化はありますね。渡辺竜王とすれば早く△2六竜から△2五竜とポイントの2五桂を外したいです。 * *※局後の感想※ *「次の▲6八銀打にはびっくりしました。▲6八桂と手番を渡されても攻めがないと思っていたので」(渡辺) *感想戦では▲7八馬△6九角▲7九馬△7八金▲同馬△同角成▲同玉△6九角▲8八玉△6八香成(△7七竜以下の詰めろ)▲9八玉の順も検討された。ただそこで△7七竜▲同桂△2五金(△8六桂以下の詰めろ)で面倒なところもある。「先手は選ばない変化ですね」と渡辺。 95 6八銀打 ( 0:00/00:00:00) *14時49分、森内は▲6八銀打と自陣に手を入れた。 *「これを打っておいて、後に▲3三桂打を狙っていくということやな。手堅い手や」(淡路九段) *後手が△6八同香成と来れば、▲同馬と取り返した手が▲3四桂からの詰めろになる。 *「△2九竜と入って▲7八銀と使わせる順はあるのですが、持ち駒が金桂だけでも▲3三桂打の筋が厳しいです」(村田顕五段) *「後手も角と金を持っているため、ジリ貧という展開にはならないでしょう。いずれにせよ大熱戦になりました」(阿部八段) *14時50分過ぎ、消費時間は▲森内6時間39分、△渡辺5時間16分。 *2日目午後のおやつは、渡辺がイチゴショートケーキとアイスコーヒー。森内はオレンジジュース。 * *【2日目 午後のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-b560.html * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>△6八同香成に(1)▲同銀と(2)▲同馬の2種類取り方があります。 *(1)▲同銀には△2六竜▲3三桂打△2五竜▲2一竜△3三玉が一例。(2)▲同馬には△5七銀(馬筋を止める)と打ってどうか。 *他に△6八香成の他に△5七金といった手もありますね。 96 同 香成(67) ( 0:00/00:00:00) *15時19分、渡辺は銀を取った。部分的には銀と香の交換だが、互いに歩が少ないので香の価値も低くない。 97 同 馬(69) ( 0:00/00:00:00) *【15時20分の控室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/1520-cd6d.html 98 5七銀打 ( 0:00/00:00:00) *馬の利きを遮断して自玉の詰めろを消す。ここは▲7八馬と寄って玉の堅さ重視で指すか、3三に駒を打ち込む筋で一気に寄せに行くか。 *この手までの消費時間は▲森内6時間40分、△渡辺5時間45分。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>(1)▲同馬△同竜に▲6八銀打で弾くか、(2)▲7八馬や(3)▲7九馬と逃げるか。しかし(2)▲7八馬には△2六竜、(3)▲7九馬には△6七金で先手側にも嫌な変化があります。思っていたよりも後手の攻めを切らすのは容易ではないですね。 99 3三桂打 ( 0:00/00:00:00) *「あれっ、決めに行った。これは危ないんちゃうの?」(淡路九段) *「僕は寄せ切る自信ありません。しかし森内さんは▲7八馬と逃げるような棋風ではないですからね」(阿部八段) *「△3三同銀▲同桂成△同玉だよね。そこで何があるのか」(淡路九段) *94手目△6七香の局面で▲3三桂打とした変化と比べると、先手の持ち駒が変わっている点(銀と香)、5七に銀の質駒がある点が違う。これがどう影響してくるのだろう。 *一例は△3三同銀▲同桂成△同玉▲3五香。△同金▲同歩は後手玉が詰めろになるため、▲3五香には△3四歩と受けることになりそうだ。 * *【桂を放り込んで攻める】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-ad7f.html * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>先手が攻めるには3三へ打ち込む筋で行くのですが、玉を上部へ逃がす心配もしなくてはいけません。△同銀に(1)▲4一銀は△6八銀成▲同銀△6九角▲3二銀成△同玉で後手玉が不詰で後手勝ち。(2)▲同桂成△同玉▲2一竜は△3一金打があります。 * *※局後の感想※ *「どこまで行っても勝ち味が薄いです」(渡辺) 100 同 銀(42) ( 0:00/00:00:00) *16時20分、渡辺が△3三同銀を着手した。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>次の手が注目です。いよいよ勝敗の行方が見えてくるかもしれません。ここで森内名人がどのような手を用意しているのか。 101 同 桂成(25) ( 0:00/00:00:00) 102 同 玉(22) ( 0:00/00:00:00) *検討の本線もこの順だった。▲2一竜と桂を取る筋は△3一金打で忙しくなるため、タイミングを計る必要がある。 103 3五香打 ( 0:00/00:00:00) *玉の上部脱出を防ぐ香打ち。△同金は▲同歩が、▲3四金△2二玉▲3一銀からの詰めろになる。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>この手は指されてみれば「なるほど」の手です。▲3五香△3四歩の交換を入れれば、後手玉の周りが狭く見えます。 * *※局後の感想※ *「▲3五香が利くんではダメですね。△同金は▲同歩が詰めろです」(渡辺) 104 3四歩打 ( 0:00/00:00:00) *ここで▲4一銀と打つ手が詰めろかどうか。阿部八段が考えているが、即詰みはないようだ。「ただ▲6八銀と手を戻して先手勝ちという可能性はあります」。 105 2一龍(81) ( 0:00/00:00:00) *森内は▲2一竜と桂を取った。この手は▲2二銀△同金▲3一竜以下の詰めろ。 *後手は当然△3一金打と受けるが、それで続くかどうか……。「△3一金打に▲1一竜では自信ないので、▲2二銀△同金上▲4一竜(▲4五桂以下の詰めろ)でしょうか。うーん、受けているうちに上部が抜けてくるような気がしますが」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>△3一金打には▲2二銀△同金上▲4一竜でしょうか。次に▲4五桂△同歩▲4四銀を狙っています。 * *【金を打たれたときに……】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-5e86.html 106 3一金打 ( 0:00/00:00:00) *大盤解説会場から、村田顕五段と上田女流三段が戻ってきた。 *「△3四歩(104手目)に▲4一銀はなかったですか?」(村田顕五段) *「それは詰めろじゃないんだよね。でもどこかで銀を補充する順もあるから難しい」(阿部八段) *「ええ。本譜は現局面で寄せが見えなかったので」(村田顕五段) 107 1一龍(21) ( 0:00/00:00:00) *森内は時間を使わずに香を補充。これで△3五歩と取れば駒の損得はなくなるが、今の状態のほうが後手玉が安定している可能性もある。 *「後手玉が一気に寄る形ではなくなりました。長期戦ですね。ただ長くなるのであれば馬を取られる形は避けたかったような気がします。96手目で▲6八同銀と取ったほうがよかったかもしれないということです」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>後手に金を使わせたので、先手陣への攻めが緩和されたと見て竜を逃げながら香を補充しました。昨日の昼過ぎからずっと終盤をやっていて、いまも互角だということに驚いています。 108 6八銀(57) ( 0:00/00:00:00) *まずは馬を取る。この手は△7七竜以下の詰めろ。 109 同 銀(77) ( 0:00/00:00:00) 110 6四桂打 ( 0:00/00:00:00) *この手も△7六桂からの詰めろ。対しては銀を上から受けるか、下から受けるか。 111 6七銀打 ( 0:00/00:00:00) *▲6五銀なら後手玉へのプレッシャー(駒が入れば▲4五桂△同歩▲4四銀△同玉▲5五銀からの詰み筋がある)があったが、守りは弱い。森内は▲6七銀打と下から打って、玉を固めるほうを選んだ。 *「次に▲5三銀と打たれると後手は相当受けにくいですね。ただ△3五歩から△2六竜として上部脱出する筋もありますから、まだまだ紆余曲折あると思いますね」(阿部八段) *17時過ぎ、消費時間は▲森内7時間11分、△渡辺6時間47分。森内は残り49分。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>森内名人としては自陣をしっかり守って、ゆっくり勝ちに行こうという方針だと思います。現局面は角と金香の二枚替えですが、次に△3五歩と香を取れば後手が駒得になります。ですが駒効率は後手が悪く4四の地点も弱点です。 * *【さあここだ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-6c3d.html 112 3五歩(34) ( 0:00/00:00:00) *香を取りつつ上部脱出を目指す。▲同歩と取れば後手玉は狭いが、△同金と取られてはっきりしないか。 *「▲5三銀△3四玉▲4七香はどないかな。△2六竜に▲3八桂と打って」(淡路九段) *「△2九竜▲2六銀(金)に△同竜▲同桂△2五玉として、命がけで入玉しにいきます」(阿部八段) *「大変か。じゃあ△2六竜▲3八桂△2九竜のときに▲2六歩か」(淡路九段) *「先生、歩はありません」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>この手は香を入手しながら上部への逃げ道を開けて大きな一手です。普通は▲同歩と取って次に▲3四香を見せます。しかし後手の2四金が働いているうちは「先手の勝ち」は出ないですね。この2四金が後手陣の要で急所の駒ですね。 113 5三銀打 ( 0:00/00:00:00) *「▲5三銀は次に▲4五銀を狙っています。だから先に△3四玉と立つかな」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>次に▲4五銀と打つ(△同歩は▲4四金で詰み)狙いですが、△4一桂と打って催促されたときにどうか。▲4五銀△5三桂▲2五桂で後手玉を下へ落とすことは出来ますが、駒をたくさん後手に渡すので後手良しでしょう。 * *※局後の感想※ *「▲5三銀ではちょっと不安でしたが」(森内) *「複数の狙いがあるので、ちょっと受かりません。厳しかったです」(渡辺) *△3四玉も▲4六金△2六竜▲3八桂で後手まずいようだ。 114 3六龍(27) ( 0:00/00:00:00) *▲4五銀の縛りを防ぐ竜引き。 *「しかしこれ、▲4七香と打ってどうなの? 受けが難しいかと思うんだけど。どうにか攻め切れそうな気がしてきたわ」(淡路九段) *対局室を映すモニターから「森内先生、残り40分です」の声。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>これは4五の地点を守った手ですが、まだ2六歩が居て2五へ逃げられないので危ないですよ。まずは▲4七香と打つ手が見えます。今の△3六竜では△2六竜▲4五銀△4三香も有力だったと思います。 115 2五桂打 ( 0:00/00:00:00) *検討陣が▲3八香△同竜▲4五銀の寄せを検討していたところに「▲2五桂です」と指し手が伝えられた。 *「△同金▲同歩△同竜には▲2八香と打つ手がありそうやな。△同竜に▲4五銀で受けなしやろ」(淡路九段) *「おお、そうですね。たしかに受けがありません」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>▲4七香より良いですね。(1)△同金は▲同歩△同竜に▲2八香△同竜▲1四竜△2四香に▲4五銀で後手陣は受けなし。また(2)△3四玉は▲3三金△4五玉▲4七香△4六香▲同香△同竜▲4七銀で先手良し。しかし(3)△4三玉ではツライです。 * *【満員御礼】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-0b20.html * *【森内名人優勢】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-65cd.html * *※局後の感想※ *「▲4七香なら△4三香で、少し得かなと思いました。本譜が厳しいですね」(渡辺) 116 4三玉(33) ( 0:00/00:00:00) *「△4三玉ですか。ひええ。▲6四銀成△同歩▲3三金は? △5三玉▲3二金△同金で頑張るということですか。いやぁ、尋常な手では勝ち目がないと見たんですね」(阿部八段) *しかし先手玉はまだ遠く、着実に迫ればよさそうだ。後手は△9六桂や△8五香が狙い筋なのだが、その順番が回ってくるかどうか。 *控室の淡路九段と阿部八段は口頭で検討している。しばらく手順を言い合ったあとに、「あかんか」「あきまへん」となる。それを何度か繰り返したあと、前の局面のことを話し出した。 *現局面は決定的に差がついているという判断。すなわち森内の竜王復位が間近に迫っているということだ。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>ここで▲4一銀という手があります。△5三玉には▲3一竜△同金▲5二金△4三玉▲3三金で詰みます。 117 6四銀成(53) ( 0:00/00:00:00) *時刻は18時になろうとしている。日中は対局室から紅葉が臨めたが、もうすっかり暗くなってしまった。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>これは読みにくい手ですね。△同歩に▲3三金と打って攻める感じでしょう。 118 同 歩(63) ( 0:00/00:00:00) 119 3三金打 ( 0:00/00:00:00) 120 5三玉(43) ( 0:00/00:00:00) 121 3二金(33) ( 0:00/00:00:00) *「名人、緊張してますね」(阿部八段) 122 同 金(31) ( 0:00/00:00:00) *▲6四銀成のあと両者の指し手が急に早くなった。 *「▲5一竜には香か桂の合駒かな」(淡路九段) *「先生、もうさすがに。ここは進行を見守りましょう」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>ここでサクッとした手があれば、先手が勝ちます。▲4一竜や▲5一竜が考えられます。「ponanza」は▲3四香を候補手で挙げています。なにげに詰めろになっていて、この手がサクッとしてますか。どうやら森内名人が勝勢になったようです。 123 5五桂打 ( 0:00/00:00:00) *「▲5五桂か。▲3四香という詰めろ金取りもあったけどな」(淡路九段) *「森内さんは頭のなかで石橋をたたきまくったんやろなぁ」(阿部八段) * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>(1)△3一香と竜の利きを止めても▲6三金があります。(2)△同歩には▲5一竜△5二桂に▲5五歩とすれば、後手玉は寄っていますね。 * *※局後の感想※ *「▲5五桂を発見して、勝ちになったかと思いました」(森内) 124 同 歩(54) ( 0:00/00:00:00) *森内の顔に赤みがさしている。 125 5一龍(11) ( 0:00/00:00:00) 126 5二香打 ( 0:00/00:00:00) *渡辺はこの手を指して席を外した。▲同歩でも受けなし。▲5四香から追いかけても寄っている。 127 5四香打 ( 0:00/00:00:00) *渡辺が席に戻る。 *「つらいね。指すしかない。取るしかないねぇ」(淡路九段) 128 同 玉(53) ( 0:00/00:00:00) 129 5二龍(51) ( 0:00/00:00:00) 130 4五玉(54) ( 0:00/00:00:00) *この手を指したあと、渡辺は名残惜しそうに4四と5五の歩を整えた。 *「次の手まで、でしょう」(阿部八段) 131 4七香打 ( 0:00/00:00:00) *これが厳しい。4六に合駒しても▲5四銀で詰み。かといって△同竜では……。 132 同 龍(36) ( 0:00/00:00:00) *「指したか。うん」(淡路九段) 133 同 歩(48) ( 0:00/00:00:00) 134 3六玉(45) ( 0:00/00:00:00) *「森内先生、残り10分です」(記録の黒沢三段) *「50秒だけお願いします」(森内) * * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>ここで▲3八金と打てば、先手はまだ飛車と銀を持ってますので後手玉は寄っています。 135 3八銀打 ( 0:00/00:00:00) *この手を見て渡辺が投了を告げた。後手玉には受けがなく、先手玉が堅いため逆転の見込みはない。 *終局は18時23分。消費時間は▲森内7時間51分、△渡辺7時間15分。 * *■ニコニコ生放送■ *藤井猛九段>ここで渡辺竜王が投了しました。以下は次に▲4六飛があるので防がなければいけませんが、(1)△2六玉は▲2七飛△1六玉▲2六金まで、(2)△3七銀は▲2七金△4五玉▲3七銀で打った銀をタダで取られてしまいます。 *形勢は微妙な状況が続いていました。渡辺竜王がずっと攻め続けましたが森内名人が決め手を与えずに守り、最後は▲3三桂打(99手目)から反撃を決めて寄せ切りました。シリーズ全体を通じて、森内名人の「竜王を獲る」という凄い気迫を感じました。 * *【終局直後】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-bb10-2.html 136 投了 ( 0:00/00:00:00) まで135手で先手の勝ち