# --- Kifu for Windows (HTTP) V6.54 棋譜ファイル --- 対局ID:2359 開始日時:2013/11/07 09:00 終了日時:2013/11/08 18:54 表題:竜王戦 棋戦:第26期竜王戦七番勝負 第3局 持ち時間:各8時間 消費時間:105▲477△465 場所:福岡・二日市温泉 大丸別荘 手合割:平手   先手:森内俊之 後手:渡辺明 手数----指手---------消費時間-- *渡辺明竜王に森内俊之名人が挑む第26期竜王戦七番勝負は、第2局まで終えて森内の2連勝。十連覇を目指す渡辺は、ここから巻き返すことができるのだろうか。 *第3局は11月7、8日(木、金)に福岡県筑紫野市「二日市温泉 大丸別荘」で行われる。立会人は加藤一二三九段、新聞解説は豊川孝弘七段、記録係は黒川智紀二段(21歳、石川陽生七段門下)。 *ニコニコ生放送での解説は、1日目が田丸昇九段と上田初美女流三段(9時から封じ手まで)。2日目は森下卓九段と安食総子女流初段が務める(9時から終局まで)。 *14時頃に福岡入りした一行は、マイクロバスで「大丸別荘」へ。過去に竜王戦を開催(平成12年の▲羽生−△藤井戦)したこともある、将棋に縁の深い名宿だ。 * *(棋譜・コメント入力=烏) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手。【】内はブログ記事、リンク先] * * *【ニコニコ生放送】 *http://live.nicovideo.jp/watch/lv152237731 * *【大丸別荘での竜王戦対局】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-4175.html 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *◆森内 俊之(もりうち としゆき)名人◆ *1970年10月10日生まれ、神奈川県横浜市出身。勝浦修九段門下。1987年、四段。2002年、九段。棋士番号は183。 *タイトル戦登場は22回。獲得は竜王1期、名人8期(十八世名人)、棋王1期、王将1期の計11期。棋戦優勝は12回。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *◆渡辺 明(わたなべ あきら)竜王(竜王・棋王・王将)◆ *1984年4月23日生まれ、東京都葛飾区出身。所司和晴七段門下。2000年、四段。2005年、九段。棋士番号は235。 *タイトル戦登場は18回。獲得は竜王9期(永世竜王)、王座1期、棋王1期、王将1期の計12期。棋戦優勝は7回。 * *第1局、第2局に続き、三度目となる▲7六歩△8四歩の出だし。 *この手を見た森内が間を置き、対局室の報道陣が退出していった。 3 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *そして矢倉へ。この手で▲2六歩なら角換わりが濃厚だった。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>本日はニコニコ生放送の解説を勤めます。宜しくお願いいたします。立会人が加藤一二三九段ということで存在感ありますね。戦型予想ですが、現在3手目まで進んでいまして8割くらい矢倉に進むでしょう。 4 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *「矢倉ですね。また△5三銀右急戦、やるんでしょうか」(豊川孝弘七段) 5 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *前夜祭の席で加藤九段は「森内さんは加藤流の▲7七銀をやるかもしれない。▲6六歩ばかりだと面白くないからね。森内さんは▲7七銀を指したこともあります」と話していた。残念ながら本局は▲6六歩。 * *【前夜祭の談話】 *加藤「これから少し、豊川さんと将棋の見所を、まあいろいろと話をしたいと思います。わたくしは福岡県の嘉麻市の出身なんですね。生まれたときは市ではなくて町でしたけれど、いまは嘉麻市になっております。小学校の4年生のときに、将棋の……そうだ! 新聞の将棋欄を見まして、醍醐味というものを子供ながらに悟りました。それがわたくしの将棋棋士としてのスタートです。以来、読売新聞社主催の九段戦、十段戦、竜王戦をずっと指し続けておりまして、ほぼだいたい60年近く、読売新聞社主催のですね、対局を続けています。わたくしはですね、名人にもなっていますけれども、読売新聞社主催の以前の十段戦で、三度、十段になっています、ハイ。大山名人・十段を負かし、中原名人・十段を負かし、それに米長永世棋聖を負かし、三度十段になっています。わたくしとしましても、もっとも多く獲得したタイトルですので、読売新聞社様とは、非常に息が合っていると思います。えー、それでですね……」 * *豊川「すみません。すみません。加藤先生」 * *加藤「ああ、こりゃ。豊川さんです。どうぞどうぞ」 * *豊川「すみません。加藤先生、1局目と2局目はどうだったでしょうか。渡辺竜王と森内名人の対局ですが」 * *加藤「はい、そうですね。1局目はですね、ニコニコ生放送の解説をしまして、ニコニコ生放送の解説は私がやったときに、にじゅうまんにん! の将棋ファンが見たそうです。内容はですね、ひとことでいえば大熱戦。第2局も同じ戦型になりまして、これは私も経験がありますけれど、七番勝負などのタイトル戦では自信と自信、研究と研究がぶつかりあいますので、よく出だしが同じ形になることが多いんですね。問題は明日、明日ですよ。森内名人の先手番なんですけれども、豊川さんも知っていると思いますけれども、森内名人は先手番が大好きなトップ棋士なんですよ。どうやったら振り駒で先手になるかと、家で1000回も振り駒をしたという、これ本当の話なんですよね。戦型としましては、森内名人はもしかしたら加藤流の矢倉をですね、可能性としてはやるかもしれません。えっとそれはまず、ななろくふ、はちよんのふ、ろっぱちぎん、さんよんふ、ななななぎん、ですね。これが加藤流の出だしです」 * * * 6 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *棋士は総じて負けず嫌い。特にトップ棋士の負けん気の強さは、表情に出なくとも盤上に出る。 *さて△5三銀右急戦で先後ともに負かされている渡辺、本局ではどの形を選ぶだろうか。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>ここらへんは定跡なので20手くらいはパタパタと進むのではないでしょうか。 7 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) *過去の対戦成績は渡辺17勝、森内12勝。今期竜王戦の第1局が、ほぼ2年ぶりの対局だった。 8 5四歩(53) ( 0:00/00:00:00) *森内の通算成績は838勝471敗(0.640)。今年度成績は17勝8敗(0.680)。 *渡辺の通算成績は458勝216敗(0.680)。今年度成績は11勝13敗(0.458)。 9 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *渡辺が△5三銀右急戦を指向するなら、森内側も避ける理由はないだろう。両者とも淡々とした表情で駒を進めている。 10 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *ニコニコ生放送の解説を務めている田丸九段も急戦矢倉が得意。薄い玉型から華々しく攻めまくるその姿は、長髪の風貌とあいまって「ライオン丸」と呼ばれていた。 11 5八金(49) ( 0:00/00:00:00) *【関係者現地着】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-d8ae.html 12 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *【検分1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-42ac.html 13 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *控室では早速、加藤九段が継ぎ盤に駒を並べ始めた。「さて、両者の調子を見るために最近指した将棋を並べましょうか」。 * *【午前の控室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-785b.html 14 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00) *【検分2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-11ff.html 15 6九玉(59) ( 0:00/00:00:00) 16 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *持久戦を目指すなら、先に△5二金のほうが手が広い。 17 6七金(58) ( 0:00/00:00:00) *さあ、次の手だ。 18 5三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *やはり来た。負けっぱなしでは引き下がれない。 *ここでの次の一手は▲2六歩が多い。ほかに▲5七銀右もあるが、これはやや切っ先を外した指し方。相手の研究を迎え撃つつもりなら前者だろう。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>あ、やっぱりね。直近の3局も△5五歩▲同歩△同角の後手番急戦矢倉に進みました。本局もそうなりそうですね。 19 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *第2局のときに現地を訪れていた森下卓九段は「森内さんの、渡辺さんへの対抗心は相当に強いと思います」と話していた。ここでも変化技ではなく、力でねじふせにいく▲2六歩を選んだ。 20 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *この手に代えて△5五歩は、▲6五歩と突き返されて後手失敗。以下△5六歩には▲2二角成△同金▲5五角の飛金両取りが決まる。 21 7七銀(68) ( 0:00/00:00:00) *8八角の利きを重くさせてから……。 22 5五歩(54) ( 0:00/00:00:00) *△5五歩と突く。これが手順というもの。 23 同 歩(56) ( 0:00/00:00:00) *【検分3】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-6ec8.html 24 同 角(22) ( 0:00/00:00:00) *【前夜祭1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-a2ff.html 25 7九角(88) ( 0:00/00:00:00) *この手では▲2五歩△5四銀▲2四歩から飛車で歩を交換する指し方もあるが、最近は少なくなった。 *先手が角を8八に置いておくのは、後手が△2二角と引き、△6四歩から△6五歩のように攻めてくる筋を警戒する意味がある。最近は△7三角型が主流になっているため、居角の将棋が減っている。 26 7三角(55) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>前例通りですね。それにしても進行が早いです。 27 4六角(79) ( 0:00/00:00:00) *角交換になると▲5五角の筋が残るため後手不満。したがって交換を避けるが、△6四歩と突くと▲6五歩△6二飛▲5七銀△3三銀▲7五歩△同歩▲6六銀左で先手ペースになる。 28 6四銀(53) ( 0:00/00:00:00) *ここで▲6八角と引いたのが第1局の▲森内−△渡辺戦。一度出た角を引いて早めの戦いを避ける、曲線的な指し方だ。 * *【第26期第1局▲森内−△渡辺戦】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/26/ryuou201310170101.html 29 7五歩(76) ( 0:00/00:00:00) *森内は積極的に戦いを起こす▲7五歩を選択。第2局で渡辺が採用した手だ。 * *【第26期第2局▲渡辺−△森内】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/26/ryuou201310280101.html 30 8四飛(82) ( 0:00/00:00:00) *【前夜祭2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-3946.html 31 7四歩(75) ( 0:00/00:00:00) *【前夜祭3】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-5834.html 32 同 飛(84) ( 0:00/00:00:00) *【前夜祭料理】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-48f0.html 33 5六歩打 ( 0:00/00:00:00) *【朝の対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-5cf3.html * *【対局開始まで】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2bf2.html 34 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00) *永世竜王を懸けた第21期の七番勝負で、羽生を相手に渡辺が指した新手△3一玉。この手が発見されたことで、△5三銀右急戦の奥がグッと深くなったといわれている。 *ここで▲6五歩△同銀▲7三角成△同桂▲8三角と攻めるのは、△7二角▲7四角成△同銀で後手が指しやすくなる。▲8三角のところで▲6六歩も、△5一金▲6五歩△同桂で、銀損ながら攻めが続く形で後手がやれる。 * *【第21期竜王戦第6局▲羽生−△渡辺戦】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/21/081210-h.html 35 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *午前のおやつは、渡辺がホットコーヒー。森内の注文はなかった。 * *【1日目午前のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-62f1.html 36 5一金(61) ( 0:00/00:00:00) *【初手と2手目を指す対局者】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-c706.html 37 7六歩打 ( 0:00/00:00:00) *「まったく同じですよ。見事ですね。2局目とまったく同じです。ある意味、この形を究めたいということでしょう。二人の指した手順がそのまま定跡になると思います」(豊川孝弘七段) *10時半過ぎ、この手までの消費時間は▲森内32分、△渡辺29分。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>5年前の竜王戦第6局▲羽生―△渡辺戦では現局面から▲2四歩△同歩▲同角△6二角として△2六歩と飛車先を押さえる筋がありましたね。結果は渡辺勝ちでした。 * *【同一手順続く】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-536c.html 38 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) *10時50分、渡辺が△3三銀を着手。第2局は△3三桂だった。この手の前例は1局のみ(第70期名人戦第3局▲森内−△羽生戦。平成24年5月)。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>△3三銀でした。渡辺竜王は前局で森内名人が指した△3三桂を指しませんでしたね。次は△4二金上〜△2二玉と玉形を安定させるでしょう。 39 6五歩(66) ( 0:00/00:00:00) *森内は20分足らずで▲6五歩と突き出した。これは名人戦のときと同じ手。森内にとっては答えの出ている形なのだろうか。 40 同 銀(64) ( 0:00/00:00:00) *▲6五歩と突けばもう収まらない。 41 7三角成(46) ( 0:00/00:00:00) 42 同 桂(81) ( 0:00/00:00:00) *【大盤解説会始まる】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-a6a0.html 43 8二角打 ( 0:00/00:00:00) *名人戦のときには、この▲8二角で先手よしの結論が出されていた。あえてその局面に誘導した渡辺、我が道を突き進む森内。見ているだけなのに、背筋が凍る思いだ。 * *【驚きの手順】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/43-af38.html 44 2二玉(31) ( 0:00/00:00:00) *これが渡辺の研究手。2連敗で迎えた本局、やはり用意の手があったのだ。 * *【大丸別荘1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-1d44.html * *※局後の感想※ *「これでどうかなと思っていました」(渡辺) 45 9一角成(82) ( 0:00/00:00:00) *「当然そうやりますね。これで△4二金上と固めるということなんだろうな」(青野照市九段) *「信じられませんね。香損してじっとしているというのは現代的な感覚です」(豊川孝弘七段) *「森内さんの手つき、やや怒っている感じがしますね」(観戦記担当の小暮克洋氏) *「ひょー、もうこんなに激しく。じゃじゃじゃ、検討しましょうね。検討を」(加藤一二三九段) 46 4二金(51) ( 0:00/00:00:00) *名人戦で羽生は、44手目に△2二玉ではなく△8六歩と突いていた。歩を渡さずに玉を固め、相手の出方を見るというのが渡辺の工夫なのだろう。 *「プロの通常の感覚では、△3三銀からの手順は後手思わしくないと思います。渡辺竜王の独自の感覚ということですね。驚きました。ここから時間を使う展開になると思います」(豊川孝弘七段) *ここまでの消費時間は▲森内51分、△渡辺1時間4分。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>堂々と金上がりは意外でした。候補手を挙げると、じっくりいくなら入城する▲7九玉や飛車の横利きを通す▲5七銀。他にも▲9二馬も考えられそうです。 47 6八玉(69) ( 0:00/00:00:00) *12時10分過ぎ、森内はグッと玉を立った。 *「代えて▲7九玉は、△5八角と打たれる手があります。また▲5七銀も△8六歩▲同歩△8八歩で手になりそうです。隙を作らないなら▲5八玉か▲6八玉ということですね」(青野照市九段) *控室で調べられているのは、△4四銀と上がって攻めに厚みを加える手。その次に△3三金右と上がる味もよい。 *この局面で定刻となり、1日目の昼食休憩に入った。消費時間は▲森内1時間47分、△渡辺1時間20分。食事の注文は森内が天丼、渡辺がカツ丼。 *対局は13時30分に再開された。14時を過ぎたが、渡辺は考え続けている。控室を訪れた中田功七段は「△4四銀と上がりたいですね。▲2四歩△同歩▲同飛なら、△1二玉▲2八飛△3五銀という順も考えられます。どんどん攻めたいので後手持ちです」。 *しばらくして村山慈明六段来訪。「後手のこの順は知りませんでした。私は将棋の作り的に先手を持ちたいです」。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>ひぇー、▲6八玉ですか。この手はバランスを重視した手です。▲7九玉は角の打ち込みの隙が多く、▲5七銀は△5四銀から△6五桂があるので改めて局面を見ると▲6八玉はいい手ですね。ここまで来ると後手としても△1四歩と突いて様子をみたいです。 * *【1日目の昼食】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-bc1d.html * *※局後の感想※ *「▲6八玉は想定外でした。▲5八玉なら△4四銀からバリバリ攻めていくつもりだったのですが。▲6八玉に△4四銀は、あとで△5七歩とたたく手がないので指しにくいですね」(渡辺) *「他の手も難しいと思ったので」(森内) 48 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *14時15分、渡辺はじっと端歩を突いた。第2局でも端を突いて懐を広げるタイミングがあったが、そのときは攻めの手を選んでいた。本局はいささか心向きが違うのかもしれない。 *14時45分、控室の検討陣は▲8二馬を有力と見ている。「△1四歩との交換なら先手が得じゃないかな。あきら、どう攻めていく?」(加藤一二三九段) * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>端歩の突き合いは渡辺竜王が有利だと思いますので、▲9二馬や▲5七銀を本線に読んでいるのでしょうか。 * *【48手目の加藤九段の見解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/48-d9ef.html * *【対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2985.html * *※局後の感想※ *「▲8二馬と引くのは、本譜と同じように△7五歩から攻められてしまいます」(森内) 49 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *「▲9六歩? そう、そう? ひええ、これは想定外」(加藤一二三九段) *15時になり対局室に午後のおやつが運ばれた。森内はモンブランと紅茶。渡辺はチョコレートケーキとホットコーヒー。 *ここまでの消費時間は▲森内2時間36分、△渡辺2時間5分。 * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>この▲9六歩は意外ですね。将来左に逃げるならば有効ですが、このタイミングで玉の懐を広げるのは、さすがは名人と言ったところでしょうか。 * *【頂上決戦の応酬】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-0436.html * *【1日目午後のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-59ae.html 50 7五歩打 ( 0:00/00:00:00) *16時8分、渡辺の手が駒台に伸びた。 *「△7五歩ですか。ひええ。△4四銀とは上がらないつもりかなと思いましたが、そうですかぁ。これ▲同歩に△7六歩と踏み込んでいくんですねぇ。すごい、強い手だ。わたし泣きそうですけど。森内さんは棋譜用紙を見ていますが、もしかしたら動揺を隠しているのかもしれません」(中田功七段) *「これはなかなか、面白い手があるもんですね。驚きの手です」(加藤一二三九段) * *■ニコニコ生放送■ *田丸昇九段>直線的な手順で▲7五同歩△7六歩▲7四歩△7七歩成▲同桂△7六歩▲6五桂△7七銀▲同金上△同歩成▲同玉△6五桂▲7六玉の局面は先手陣の上部が広いですが、改めて見ると後手の攻めも結構うるさい気がします。 * * *【15時30分ごろの大盤解説会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/1530-8f7d.html 51 同 歩(76) ( 0:00/00:00:00) *「取った」(豊川孝弘七段) *「ここからまた進みそうですね」(村山慈明六段) *「ずいぶん進むかもしれない」(中田功七段) 52 6四飛(74) ( 0:00/00:00:00) *控室では△7六歩も解決していなかったが、渡辺はノータイムで△6四飛。7六に空間を作ったことで、▲7三馬に△7六歩▲8八銀の壁形を強いることができる。 *ここまでの消費時間は▲森内3時間8分、△渡辺3時間8分。ちょうど並んでいる。 *17時過ぎ、加藤九段が一人で継ぎ盤に向かっている。▲7三馬△7六歩▲8八銀△5六銀▲6六歩△6七銀成▲同金△4九角……そこからいくつか変化を並べて、「堅いんだよな、あっちの玉が」とぽつり。△4九角以下、▲3九銀には△5八金▲7八玉△5六歩▲同金△5五歩がぴったりの攻めで、そこまで進むと後手の攻めが決まっている。 *このまま定刻の18時となり、森内がすぐに封じ手の意思表示をした。当初は▲7三馬が本線と見られていたが、▲6六歩や▲5八香も考えられるようだ。選択肢が多い局面で封じ手にすれば、相手は数通りの順を考えることになる。もちろん全部すっきり忘れて明日に備える手もある。そのあたりは棋士の個性であり、駆け引きともいえるだろう。 *1日目の消費時間は▲森内4時間26分、△渡辺3時間8分。対局は翌朝9時から再開される。 * *■ニコニコ生放送(1日目)■ *田丸昇九段>▲6六歩△7六歩▲6五歩△7七歩成▲同桂△6五桂▲同桂△同飛は後手としては手になっているが勝負としては互角の形勢でしょう。また▲7三馬△7六歩▲8八銀△5六銀▲6六香△6七銀成▲同金△5四飛▲5六歩△4九角で形勢不明ですがこれは先手も怖いですね。他にも▲5八香も候補としてありそうです。 *森内名人が長考しましてこの局面で封じ手となりました。封じ手は▲7三馬や▲5八香、▲6六歩、▲7九玉が考えられます。▲7九玉は△7六歩でどうでしょうか。▲6八銀は△4四角が嫌なので、▲8八銀と引くしかなく壁形になって指しづらそうです。 *また▲5八香は△7六歩▲8八銀でこれも壁形になって指しづらそうですが、次に▲7三馬と桂を取られると後手は攻め駒不足になりそうです。そこで後手からの手が難しいように思うので、私は▲5八香か▲5九香が封じ手と予想します。本日はニコニコ生放送をご視聴頂きありがとうございました。明日は森下九段が解説しますので、こちらもどうぞお楽しみください。それでは失礼いたします。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>おはようございます。本局は封じ手の予想がとても難しいのですが、▲5八香か▲7三馬だと思います。どちらかというと▲5八香が最有力と予想します。 * *【加藤九段の52手目での見解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/52-efc2.html * *【森内名人が53手目を封じる】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/53-ca10.html * *【豊川七段による封じ手局面の見解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-9a45.html * *【中田七段による封じ手局面の見解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-1e97.html * *【村山六段六段の封じ手局面の見解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-08eb.html * *※局後の感想※ *「ここで▲5八香ですか。それも想定していませんでした。筋は△8六歩▲同歩△8七歩ですかね。▲同金△7六歩▲8八銀と進めて……」(渡辺) *「いやぁ、▲5八香は考えませんでしたが、打てませんね。自信ありません」(森内) *▲8八銀に△3五角と打ち、この変化は後手がやれるようだ。▲5七銀には△5六銀と出る手が成立する。 53 7三馬(91) ( 0:00/00:00:00) *封じ手は▲7三馬。駒得を拡大しつつ飛車に当たりをつける、もっとも自然な手といえるだろう。後手からの攻め筋は幅が広いが、将棋は一度に3手も4手も指せるわけではない。しっかりと1手に1手を返して局面を沈静化していけば、最終的には駒得が生きてくる。 * *【封じ手は▲7三馬】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-6eef.html * *※局後の感想※ *「代えて▲6六歩は△7六歩から駒をさばかれてしまってまずそうです。▲7三馬はこれくらいで、しょうがないですね」(森内) 54 7六歩打 ( 0:00/00:00:00) *駒損の渡辺は堅い玉形を生かしてこのまま攻めきりたい。 *渡辺の攻め、森内の受け。第3局は両者の持ち味が出た展開となった。 * *【対局再開まで1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-85f1.html 55 8八銀(77) ( 0:00/00:00:00) *しばらくは言いなりになるしかないところ。▲5七銀から▲6六歩まで行けば攻めを跳ね返せるが、手番は渡辺。当然△5六銀と出てくるだろう。 56 5六銀(65) ( 0:00/00:00:00) *【対局再開まで2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-0856.html 57 6四馬(73) ( 0:00/00:00:00) *読みの蓄積があるのだろう。このあたりは両者とも時間を使わずに進めている。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>飛車を取ったということは先手が決めに行ったと見て良いでしょう。森内名人は自信のある局面だと思っているはずです。これはもう「二日目の夕方」といった局面ですね。 58 6七銀成(56) ( 0:00/00:00:00) *▲6四馬は意外だったのか、森内の着手を見た渡辺はじっと天井を見つめていた。しかしここは△6七銀成の一手。考慮は1分に満たなかっただろう。 59 同 金(78) ( 0:00/00:00:00) 60 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00) *1日目の検討で中田功七段は「飛車を取るのは歩が伸びてくるので指しにくい」と話していた。森内はどのような組み立てを描いているのか。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>渡辺竜王が秀でている特徴としては「戦(いくさ)上手である」点が挙げられます。言葉で説明するのは難しいですが、勝負どころでの押し引きや見極めが正確で早い印象です。 61 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *受け切りは難しいと判断し、森内は攻め合いの順を選んだ。ただこういった変化になったときに△1四歩がよく利いている。先手の▲9六歩は8八銀が壁になっているため、玉を広くする役割を果たしているとはいえない。 62 同 歩(23) ( 0:00/00:00:00) *△1四歩と突いた手を生かすなら、▲2四歩には△同歩と応じたいところ。端歩の効果で▲2三歩△同金▲1五桂のような筋が利かなくなっている。 63 5一飛打 ( 0:00/00:00:00) *「森内さんは急にギアチェンジをした感じですね」(村山慈明六段) *「これはこれは。当方はにゃんにゃんにゃんとして、うーむ。どう指せばほめてもらえるのかな」(加藤一二三九段) *▲5一飛は次に▲2三歩の攻めを狙っている。この変化では▲9六歩が、△9五角の王手飛車取りを消す意味で役に立っている。 *控室では△4四角の味がよいと見られている。▲6六歩なら△6五歩。▲5五歩にも、じっと△6五歩と伸ばしていく。先手は歩を使ってしまうと▲2三歩の攻めが利かなくなってしまう。 *「歩がなくなると、春風亭、もとい小技が利かなくなります。歩は攻守の幅を広げる魔法の駒なんです」(豊川孝弘七段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>5筋の守りにも利いていますので、攻防の飛車打ちです。指し手もどんどん進んでいますし、これはもうお互いに「斬り合い100%」の進行ですね。 * *【ギアチェンジ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-3f94.html 64 4四角打 ( 0:00/00:00:00) *10時過ぎ、渡辺が△4四角を着手。ここまでの消費時間は▲森内4時間33分、△渡辺3時間57分。加藤九段は「そうだよね、そうだよね。だと思った。あきらは打つと思った。プロの第一感はこうだもんね」とうれしそう。 *自分の手番になるのを待っていたのだろう、森内が渡辺に何か語りかけた。それから席を立って部屋の隅に移動する。どうやらエアコンを調節してもいいかどうかを聞いていたようだ。 *2日目午前のおやつは、渡辺がホットコーヒー。森内は注文なし。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>「ponanza」の評価関数は渡辺竜王が+151でリードという評価ですね。私も後手の方を持ちたくなってきました。第2局の北海道対局で私も現地へ行きましたが、渡辺竜王は第2局に比べて今日の方が自信を持っているように見えます。 * *【2日目午前のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-ee89.html * *※局後の感想※ *「これくらいですよね」(渡辺) *「控室では好手といわれていましたよ」(加藤) 65 5五歩打 ( 0:00/00:00:00) *歩は使いたくないが、他に銀取りを受ける手段も見当たらない。控室は△6五歩以外では、△6二角と引いて飛車の逃げ場所を聞く手を調べていた。以下▲6一飛成には△7一金。▲8一飛成は△4五角から△2七金の筋が生じる。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>「打てない歩」と解説しましたが、森内名人は耐え難きを耐えて辛抱しました。▲5五歩に代えて▲5五銀と打つのは△5二金打▲4四銀△5一金▲3三銀成△同金右で、後手陣が堅くて後手良しです。銀を打つならば△5五同角に▲6六銀としたいです。 66 6五歩(64) ( 0:00/00:00:00) *自然な流れで急所に歩が伸びてきた。 *「▲7六金と歩を取りたいです。どうなるにせよ、8八銀を使わないで終局させたくないので」と村山六段。あわよくば▲7六金のあと、▲7七銀から▲7八玉と9筋方面に玉を逃げていき、先に指した▲9六歩を生かしたい。 *消費時間は▲森内4時間51分、△渡辺4時間。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>後手の手番でしたら△7三角と打つ手が厳しいです。▲6一飛成に△5五角右と出られると、二重に角の利きが通って先手陣に受けがありません。先手側の理想を言えば、▲7六金と歩を取ってから▲7七銀で壁銀を解消したいです。 67 5六銀打 ( 0:00/00:00:00) *11時23分、森内は5六に銀を打って天王山を守った。直接的には△7三角から△5五角右と出る手を防いでいる。このあと▲6五銀から▲7六銀と歩を取り、▲7七銀まで上がれれば二枚銀の立派な形だ。 *5筋を受けられたので、△3五角と使う手が有力そうだ。▲5七銀は△3九角があるし、4六や5七に桂香を打つのも気がきかない。△4九角と置いておき、△2七金と△5八金を狙う筋が受けにくそうだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>さすがは名人という感じで、銀を打ってガッチリと受けました。しかし△6六金と打つ手が厳しいと思います。また△7三角や△3五角も有力です。 * *【佐藤秀司七段控室へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-a360.html * *※局後の感想※ *「△6六金は▲5八桂くらいでも、はっきりしないかと思いました」(渡辺) 68 7三角打 ( 0:00/00:00:00) *銀を打って受けたところをこじあけに行く、なんとも頑固な一手。横に逃げると△5五角右▲同銀△同角で、8八の銀が受けにくい。 *問題は▲5四飛成のときにどうするか。△6四金から△5五金と出ていくでも、振りほどくのは難しそうだ。 *中田功七段と佐藤秀司七段は、▲6一飛成△5五角右▲同銀△同角に、▲9七角と打つ手を調べている。なるほどその局面は容易ではないか。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>私の推奨した△7三角でした。代えて△3五角は▲4六桂△4九角で攻め切れれば良いのですが、切れると一気に負けてしまいます。△7三角に(1)▲5四飛成は△6四金▲4五竜△5五金で後手圧勝でしょう。したがって(2)▲6一飛成と指すでしょう。 * *【2日目午前の大盤解説会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-f628.html 69 6一飛成(51) ( 0:00/00:00:00) *【二日市温泉】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-8d99.html 70 5五角(73) ( 0:00/00:00:00) *昼食休憩前に、ぱたぱたと指し手が進んでいる。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>指し手が難しいところでしたが、渡辺竜王はノータイムで△5五角右と指しました。渡辺竜王は見切りが早いですね。 * *【大丸別荘3】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-84bf.html 71 同 銀(56) ( 0:00/00:00:00) *【大丸別荘4】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-026c.html 72 同 角(44) ( 0:00/00:00:00) *駒割は▲飛桂香△金の交換。先手がほぼ飛車得している。 *▲9七角と打つと、△8六歩▲6五竜△8七歩成▲5五竜△9七と▲同銀△4四角の進行が予想される。先手側がこの筋を避けるなら、▲7九角とこちらから受けることになるか。 *この局面で森内が記録係に声をかけ、数分早く昼食休憩に入った。消費時間は▲森内6時間13分、△渡辺4時間38分。食事の注文は、森内がカレーライス。渡辺は親子丼。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ここで△8八角成と銀を取る手をどう受けるかが本局のポイントですね。▲9七角は考えられます。 *(1)△8六歩には▲6五竜△8七歩成▲5五竜△9七と▲同銀で徹底防御に出ます。(2)△6六金には▲5七銀で飛車の横利きを通しつつ銀を活用します。 * *【2日目の昼食】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-e1b6.html 73 7九角打 ( 0:00/00:00:00) *森内は再開後すぐに▲7九角と打った。目標になりやすいため指しにくいが、▲9七角がまずければこれしかない。 *控室では△8六歩▲6五竜△6四金▲7六竜△8七歩成▲同竜△6六歩▲7七金△7五金まで並べられ、「やはり先手がきついのでは?」という見解だった。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>8八銀にヒモを付けた角打ちですが、▲9七角と違う点は△8六歩▲6五竜△8七歩成▲5五竜と進んだときに、▲9七角と打っていればと金で角を取られますが▲7九角ですとと金では取られない点です。 * *【大盤解説会の案内】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-00ab.html 74 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) *やはり筋はここ。森内は▲2七香や▲3六桂の筋で反撃に出たいが、タイミングが難しい。6五歩の存在が大きく、桂香を渡すと6六に打つ手が厳しくなる。 * *【対局室の様子】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-5719.html 75 6五龍(61) ( 0:00/00:00:00) *控室では佐藤秀七段と村山六段が継ぎ盤を挟んでいる。△6四金▲7六竜△8七歩成▲同竜△6六歩▲7七金△6五金▲5九桂……一気に押し切れそうな形だが、最後の桂打ちが粘りのある手。まだはっきりとした順は発見されていない。 * *■ニコニコ生放送■ * 森下卓九段>コンパクトで堅い守りから細い攻めを繋げる渡辺竜王に対し、▲7九角と踏ん張って▲6五竜と自陣に引いて徹底防戦し、相手の攻めを切らせようとする手順も、いかにも森内名人らしい組み立てですね。 * *【対局再開】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-2985-1.html * *【加藤九段による75手目の見解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/75-8da6.html * *※局後の感想※ *「△8八角成▲同角△8七歩成は、完切れになるのが怖かったので指せませんでした。本譜は攻めが切れるということはなさそうなので」(渡辺) 76 6四金打 ( 0:00/00:00:00) *控室では△8八角成▲同角△8七歩成▲5五角に、△6四歩や△5四歩といった筋が調べられていた。いけそうな雰囲気はあるが、7九角を手順に使われるだけに選びにくい順だったか。 * *【14時ごろの控室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/14-b966.html 77 7六龍(65) ( 0:00/00:00:00) *この変化は一筋縄ではいかない、というのが控室の見解。先手陣はいびつな格好になるが、長引きさえすれば駒得を主張することができる。 78 8七歩成(86) ( 0:00/00:00:00) *この瞬間に歩を成れば▲同竜の一手。▲同銀は△9九角成と香を取られていけない。 79 同 龍(76) ( 0:00/00:00:00) *「うーん、これは容易に決まらないので展開的に森内ペースなんですかねぇ。しかし堅い玉で攻めているから、やはり渡辺ペースかもしれない(村山慈明六段)」 *「休憩明けの▲7九角には驚いたけど、ここまで進んでみると大変なんだなぁ。△6六歩と打たれても、▲5九桂と受ける形がしっかりしてる。△6四金ではなくて△8七歩成という攻めもやってみたかったけれども」(加藤一二三九段) *15時になり、対局室に2日目午後のおやつが運ばれた。森内はオレンジジュース。渡辺はチーズケーキとホットコーヒー。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>△6六歩か△7八歩だと思います。何と言っても渡辺竜王は駒が少ないですから、慎重に時間を使って読み筋を確認すると思います。 * *【2日目午後のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-4a35.html 80 6六歩打 ( 0:00/00:00:00) *ひとつの継ぎ盤を、加藤一二三九段、豊川七段、中田功七段、佐藤秀七段、村山六段が囲んでいる。 *どうやら▲7七金△6五金▲5九桂には、露骨に△6七銀と打ち込む手があるようだ。以下▲同桂△同歩成▲同玉△3六桂と進むが、15時10分現在は後手がやれるというムード。 * *【NHK BSの中継案内】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-e191.html 81 7七金(67) ( 0:00/00:00:00) *△6五金に▲5九桂は、△6七銀と強引に攻めて相当。現在は△6五金に▲2五歩の攻め合いが検討されている。「アジの開き直りですね」と豊川七段。 *ここまでの消費時間は▲森内6時間43分、△渡辺5時間43分。 * *【15時ごろの控室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/15-2ab8.html * *※局後の感想※ *「なかなか攻めがヒットしないですね。△6五金は▲5九桂で大変です」(渡辺) 82 6七銀打 ( 0:00/00:00:00) *いきなりの打ち込み。これはシンプルに勝負をつけにいった手だ。▲5九玉は△7八歩▲同金△8六歩でつぶれるので、▲同金△同歩成▲同玉と進めるしかないか。そこで△6六歩と王手されたときにどこに逃げるか。 *16時少し前、森内はおしぼりで額をぬぐっている。「これは困った顔をしていますよ。演技ではない感じです」と観戦記担当の小暮克洋氏。「わが将棋界に演技派はいませんですよ」と加藤九段。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この△6七銀は、将棋界用語で「カチ込む」といった手です。▲同金△同歩成▲同玉と進んだ局面は、5五角の角筋が通ってきましたので△6五金と出られると先手側も嫌です。しかし▲2五歩の継ぎ歩攻めも早いので、この攻めで良いのかは分かりません。 * *【大宰府1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-4f0d.html 83 同 金(77) ( 0:00/00:00:00) *「取るしかなかったんですね。▲6九玉と逃げるのも、△7八歩▲同金△同銀不成▲同玉△6七金▲6九玉△7五金で、次の△8六歩が厳しいです」(中田功七段) * *【15時50分ごろの大盤解説会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/1550-02d5.html 84 同 歩成(66) ( 0:00/00:00:00) *【大宰府2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-7a0c.html 85 同 玉(68) ( 0:00/00:00:00) *△6六歩のときにどう対処するか。▲7六玉は△7四歩、▲5八玉は△7八歩でまずそうだ。 *「攻めがつながりそうです。先手は角を取らせて頑張る順を探すしかないと思います」(中田功七段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>△6六歩▲5八玉△7八歩に▲4六角で勝負する感じでしょうか。「4枚の寄せは切れない」と言われていますが、渡辺竜王の攻め駒は現在3枚です。ここは渡辺竜王の腕の見せ所です。 * *【大盤解説会の案内】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2013/11/post-00ab.html * *※局後の感想※ *ここは△6六歩のほうがよかったようだ。渡辺は▲5八玉△7八歩▲4六角の順を気にしていたが、△同角▲同歩△5七歩で攻めが続いていた。 *「そうでしたか。これを逃したから大変になったいですね」(渡辺) 86 7五金(64) ( 0:00/00:00:00) *渡辺は単に△7五金と出た。次に△8六歩と竜を押さえられると攻め合いに出にくくなる。怖いところもあるが、思い切って▲8一竜と入りたい。 *16時40分過ぎ、控室で継ぎ盤を挟んでいるのは豊川七段と山田久美女流三段。二人は▲2五歩と打って十字飛車を狙う筋を調べている。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>(△7五金は聞き手の安食女流推奨の手で)さすが安食さんです。この手は好手で決めに行っていますね。次に△8六歩と打たれると竜が使えなくなるので▲8一竜と入りますが、そこで△7八歩▲4六角△6六金▲5八玉△4六角▲同歩△5七歩と進めば後手良しです。 87 5八玉(67) ( 0:00/00:00:00) *まずは玉の位置を直す。△8六歩なら▲7八竜と引いて金に当てるということだろう。NHKBSでは阿久津主税七段が、△8六歩▲5七竜△6五金の順を解説している。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この手の意味は、△8六歩には▲5七竜と横へ動かして使おうということです。△8六歩▲5七竜に△6五金と寄った局面が問題です。そこで▲5六銀に△6六金打で攻めが繋がっているかどうか。 88 8六歩打 ( 0:00/00:00:00) *動向を聞く。この竜が受け一方の駒になってはつまらないので、逃げる場所には気を遣わなければいけない。 89 7八龍(87) ( 0:00/00:00:00) *△7七歩とたたくか、単に△6六金と出ておくか。先手玉は一手▲4九玉と引けば安定するので、後手はこの瞬間にポイントを稼ぎたい。控室で並べられているのは、△7七歩▲同銀△8七金▲6九竜△7七金▲6一竜。「これは先手の持ち駒が多いね。あふれちゃう。ちょっと後手の攻めが重いんじゃないかな」(加藤一二三九段) *17時過ぎ、消費時間は▲森内7時間36分、△渡辺6時間44分。森内は残り24分。 90 7七歩打 ( 0:00/00:00:00) *「たたいた。ここはこうだよね。▲同銀には△8七金ではなく△7六歩と打つんだ」(加藤一二三九段) 91 同 銀(88) ( 0:00/00:00:00) 92 7六歩打 ( 0:00/00:00:00) *「▲8八銀と引く一手に△6六金と出ていく。二人はこのあたり読み筋通りなんだな」(加藤一二三九段) 93 8八銀(77) ( 0:00/00:00:00) *BSで解説している阿久津七段は「△7七金と打ち込んでいくんですかね」と話している。それを聞いた加藤九段は「かかか、かち込み! そうか。そっちのほうがいいかもしんない」と驚きの表情だ。 94 6六金(75) ( 0:00/00:00:00) *△7七金も有力な手段だったが、7五の金が残る展開を懸念したか。渡辺は力をためて駒を活用した。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは森内名人の方も受け切ることは難しいので、どこかで玉頭へ攻めていくと思います。 * *※局後の感想※ *「この手も甘かった。あとで△7七金打としているんだからなぁ。△6六金に代えて△7七金打なら一手早いですよね。本譜は玉頭攻めを面倒みなければいけなくなってしまって」(渡辺) 95 2五歩打 ( 0:00/00:00:00) *このタイミングで攻め合いを選択。△同歩は▲同飛が王手角取り。部分的には非常に厳しい攻めだが、問題は彼我の玉の安全度。どちらが先に行く着くか。 *一例は△6七金打▲同竜△同金▲同玉△8八角成▲同角△8七飛▲7七銀打△同歩成▲同角△7六歩▲同玉△8九飛成。「そこまで行けば後手勝ちですね。次の△8七歩成が詰めろになるので。しかし△8七飛のときに▲6六玉と逃げてどうですか? △8八飛成▲2四歩△2七歩▲2三銀と打ち込んで、それは先手がやれそうな気がしますよ」(加藤一二三九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この手が先手待望の反撃です。森内名人はここがベストなタイミングと判断したのでしょう。もちろん△同歩は▲同飛の十字飛車で王手角取りが掛かるので後手はこの継ぎ歩は取れません。 *森下卓九段>「ponanza」は△7七金打▲6九竜△6八歩▲3九竜△8八金▲同角△6七金▲同玉△8八角成▲7六玉を読んでいるようです。人間では指しづらい順ですが、先手側も嫌なところがあって大変ですね。 96 7七金打 ( 0:00/00:00:00) *「ひいい、打ち込んだ。これはこれは、これですね。▲同桂△同歩成▲同銀△同金▲2四歩△7八金のときに攻めていけば先手がやれるんじゃないかな」(加藤一二三九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>「ponanza」推奨の△7七金打でした。まさに「カチこんだ」といった手ですね。△6七金打も考えられましたが、渡辺竜王は△7七金打を選びました。 97 同 桂(89) ( 0:00/00:00:00) 98 同 歩成(76) ( 0:00/00:00:00) *「森内さんは▲同銀だな。取るつもりでやっているはずだ。ここは山場だな」(加藤一二三九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ここは単に▲6九竜と逃げる手もありますし、▲7七同銀△同金としてから▲6九竜もあると思います。 99 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *「あれ! これはどうなんだ。僕の推察では、▲同銀△同金を入れてから▲2四歩ならいけたと思ったんだけど」(加藤一二三九段)」 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この手は驚きました。△7八と▲2三銀△3一玉▲5三桂の時、後手に受けがあるかどうか。 100 同 銀(33) ( 0:00/00:00:00) *歩を払って玉頭の憂いを断っておく。▲同角や▲同飛は△2三歩ですっきりしてしまうため、▲2三歩△同金▲2五歩と攻めていくのが筋だ。 *「▲2三歩△同金▲2五歩は、△7八と▲2四歩△7九とで後手玉は詰みますか」(村山慈明六段) *調べてみるとどうやら詰まない。ならば後手勝ちか。 *「それならここで▲7七銀というのもあるか。いやいや、もう何が出てもおかしくないぞ」(中田功七段) *中田七段が示したのは、▲7七銀△同金▲2四角△2三歩▲4六角△同角▲7七竜の進行。なんともアクロバティックな手順だ。以下△6五桂▲7一竜△5七銀▲6七玉△4四角▲3一銀△同金▲4六歩△7一角と進めたときに後手玉が詰むかどうか。「ニャンとも言えない」(加藤一二三九段) *18時7分、森内の残りは10分になった。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>△同銀ですか。しかしここで△同銀では後手が自信ないと思いますが……。 *(1)▲同角は△2三歩で先手が忙しくなるので、(2)▲2三歩△同金で▲2五歩と攻めるのですが、そこで△7八とと竜を取るのでしょうか。 * *※局後の感想※ *「こう取るのでは自信ありませんでした」(渡辺) 101 7七銀(88) ( 0:00/00:00:00) *残り5分まで考えて▲7七銀。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは現地控室の手順ですね。この後は△同金▲2四角△2三歩▲4六角に(1)△同角▲7七竜が想定手順ですが、(2)△5七歩▲同銀に△6五桂も後手にとって有望な順です。大熱戦で、これは今年の名局賞の候補です。 102 同 金(66) ( 0:00/00:00:00) *ここで▲6九竜と逃げるのは、△6八歩で大駒2枚が止まってしまう。 * *※局後の感想※ *次の▲2三歩で、どうやら再び後手が良くなったようだ。代えて▲2四角△2三歩▲4六角△同角▲7七竜△6五桂▲7一竜の展開は先手有望だった。 *以下△3五角は▲5三歩。△5七銀▲6七玉△4四角は、▲3一銀△同金▲4六歩△7一角▲2三飛成△同玉▲2四歩△3三玉▲2三金から後手玉を追い、上部を手厚くしてから自陣に手を戻せば、先手に分のある形勢。「△6六歩と△7七金打、2回逃したから苦しくなっているんですね」(渡辺) 103 2三歩打 ( 0:00/00:00:00) *▲2四角では足りないと見た。これは△同金▲2五歩△7八金▲2四歩△7九金の局面をどう判断するかの勝負。そこで先手玉が詰めろになっていなければ、後手玉に必至をかければいい。 * *森下卓九段>ここで▲2三歩ですか。さすがですね。 104 同 金(32) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>▲2三歩を打った以上は、△同金に▲2五歩と打つしかないですね。 105 2五歩打 ( 0:00/00:00:00) *「△7八金▲2四歩だよね。どっちが詰まないの?」(加藤一二三九段) *「どうやらどっちも詰みません」(中田功七段) *ということは……。18時22分、渡辺の残りは25分。 *現局面で△2七歩▲同飛が利けば、△7八金▲2四歩△7九金▲2三歩成△3一玉と進めた形で、先手玉が詰めろになっているようだ。ただし△2七歩が入る保障はどこにもない。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>(1)△2七歩とたたいて▲同飛△2六歩▲同飛△1五銀とするのか、(2)△7八金で竜を取るのか、悩ましい局面です。 106 2七歩打 ( 0:00/00:00:00) *ギリギリの利かし。▲同飛が入れば2七の地点がふさがるため、前述の変化で先手玉が詰む。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>渡辺竜王は△2七歩を選びました。この手には▲同飛と取ると思います。そのあとの手順の一例は、△2六歩▲同飛△1五銀に▲5六飛といった展開が予想されます。 * *※局後の感想※ *▲2四歩は△6六桂▲5七玉△7八桂成で後手勝ち筋。 107 同 飛(28) ( 0:00/00:00:00) *入った。これで△7八金▲2四歩△7九金の形が、△6七角▲同玉△6六飛▲5八玉△6九飛成▲5七玉△5六歩からの詰めろになっている。 108 7八金(77) ( 0:00/00:00:00) *現状の速度計算は後手に分がある。あとは先手が攻防手をひねりだせるかどうかの勝負。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>へぇー、なるほど。△2七歩▲同飛の交換を入れてから△7八金でした。これには▲2四歩と銀を取るしかありません。 109 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *真っ直ぐ突き進む。 110 7九金(78) ( 0:00/00:00:00) *渡辺は間を置かずに角を取った。加藤九段は盤面モニターではなく、対局室の様子をじっと見つめている。 111 2三歩成(24) ( 0:00/00:00:00) 112 3一玉(22) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ここで先手玉が詰めろならば、▲4九玉などで受けなければいけません。詰めろでなければ▲5三桂と打ちたいです。しかし先手玉は詰めろになっていると思います。 * *※局後の感想※ *後手玉に詰みはなく、ここでは先手負けになっている。攻防風に▲5六銀と打っても後手玉が詰めろにならない。 113 6五桂打 ( 0:00/00:00:00) *「うん、うんうんうん。これなんだ」(加藤一二三九段) *なんとこれが詰めろ逃れの詰めろになっているようだ。先手玉を△6七角▲同玉△6六飛▲5八玉△6九飛成▲5七玉△5六歩▲同玉△6六竜▲4五玉と進む変化で、6五の桂が陰になって5四へのルートが出来ている。 *「いやぁ、▲4五玉に△4四歩だと打ち歩詰めだ」(佐藤秀司七段) *「打ち歩はダメだ。規約でそう決まっています」(加藤一二三九段) 114 6九角打 ( 0:00/00:00:00) *確信に満ちた手つきで△6九角。▲4九玉△5八銀▲3八玉に△4七銀成からバラバラにして△4六飛で……。そうか、これは詰んでいる。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは森内名人がウッカリしましたね。先手玉を詰ます形は△6七角から入るのが筋ですが、△6九角から先手玉を詰ますのは見えづらいですからね。先手玉は詰みですね。 115 4九玉(58) ( 0:00/00:00:00) 116 5八銀打 ( 0:00/00:00:00) *秒を読まれながら、森内はちらりと長机のほうに目をやる。直後に「残り一分です。これより一分将棋となります」と黒川二段。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この筋で詰みとは恐れ入りました。渡辺竜王は読みきっていますね。この順はコンピュータ的な詰み手順で、これは時間がない状況で見落とすのは仕方ないと思います。森内名人にとっては不運としか言いようがないです。 117 3八玉(49) ( 0:00/00:00:00) 118 4七銀成(58) ( 0:00/00:00:00) *この手を見た森内は、ゆっくりとした動作でグラスの水を飲んだ。 119 同 銀(48) ( 0:00/00:00:00) 120 同 角成(69) ( 0:00/00:00:00) *▲同玉△4六飛に▲3八玉は、△4九銀▲3九玉△6六角以下。▲5八玉は△5七歩から詰む。 121 同 玉(38) ( 0:00/00:00:00) 122 4六飛打 ( 0:00/00:00:00) *30秒まで読まれたところで、森内が「負けました」と一礼した。終局は18時54分、消費時間は▲森内7時間59分、△渡辺7時間47分。 *これで七番勝負は渡辺1勝、森内2勝。第4局は11月21、22日(木、金)に香川県綾歌郡「サン・アンジェリーナ」で行われる。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ここで森内名人が投了しました。森内名人も秘術を尽くしましたが、渡辺竜王は△6九角から詰ます順を読みきっていました。以下は▲5八玉△5七歩▲同玉△4五桂▲6七玉△6六飛以下で先手玉は即詰みです。 *113手目に△6七角からの詰めろを消す順を読んで▲6五桂と打ったのはさすがと思いましたが、△6九角から詰ました渡辺竜王の底力は凄いと感じました。最後のところは森内名人を責めるよりも渡辺竜王の終盤力を称えるべきだと感じています。 *第2局までは渡辺竜王の良さが見られませんでしたが、この第3局は細い攻めを繋げて最後は見事に即詰みを読みきりました。これで竜王が1勝を返してシリーズも面白くなると思います。最後までご覧頂きましてありがとうございました。 123 投了 ( 0:00/00:00:00) まで122手で後手の勝ち