# --- Kifu for Windows (HTTP) V6.53.2 棋譜ファイル --- 対局ID:1642 開始日時:2012/11/28 09:00 終了日時:2012/11/29 19:31 表題:竜王戦 棋戦:第25期竜王戦七番勝負 第5局 持ち時間:各8時間 消費時間:144▲479△479 場所:新潟・龍言 図:投了 手合割:平手   先手:丸山忠久 後手:渡辺明 先手省略名:丸山 後手省略名:渡辺明 手数----指手---------消費時間-- *渡辺明竜王に丸山忠久九段が挑戦する、第25期竜王戦七番勝負。第4局までを終え、スコアは渡辺の3勝1敗。防衛、9連覇まであと1勝に迫っている。 *第5局は11月28、29日(水、木)に新潟県南魚沼市「龍言」で行われる。本局の立会人は青野照市九段、新聞解説は飯塚祐紀七段、記録係は伊藤和夫三段(23歳、劒持松二八段門下)。 *現地大盤解説は、両日とも片上大輔六段と野田澤彩乃女流1級。ニコニコ生放送解説は、1日目が北浜健介七段と安食総子女流初段。2日目は森下卓九段と山田久美女流三段が務める。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>おはようございます。本日ニコニコ生放送の解説を務めます。戦型予想ですが、おそらく角換わりですね。今日も早い段階で渡辺竜王の角換わり対策がみられるのではないでしょうか。 * *(棋譜・コメント入力=烏) * *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *丸山 忠久(まるやま ただひさ)九段は1970年9月5日生まれ、千葉県木更津市出身。(故)佐瀬勇次名誉九段門下。90年、四段。2000年、九段。棋士番号は194。 *タイトル戦登場は9回。獲得は名人2期、棋王1期。棋戦優勝は12回。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *渡辺 明(わたなべ あきら)竜王は1984年4月23日生まれ、東京都葛飾区出身。所司和晴七段門下。2000年、四段。2005年、九段。棋士番号は235。 *タイトル戦登場14回。獲得は竜王8期、王座1期。棋戦優勝は5回。 3 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *過去の対戦は渡辺13勝、丸山8勝。そのほとんどは角換わり系の将棋で、前期七番勝負と今期の4局目まですべて角換わりだった。 4 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *渡辺の通算成績は424勝197敗(0.683) *丸山の通算成績は742勝402敗(0.648) 5 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *渡辺の今年度成績は22勝10敗(0.687) *丸山の今年度成績は18勝16敗(0.529) 6 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *ここから▲7七角△3四歩▲8八銀△7七角成▲同銀と進めば、手損のない角換わりの将棋となる。 *渡辺は着手後に、何かを思い出すように目を閉じていた。 7 7七角(88) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>これはもう角換わり決定ですね。8五歩型の角換わりは後手の右桂が8五に跳べず窮屈なので、どうしても後手は千日手狙いになります。自分から動くのが好きな方は8四歩型の一手損角換わりを目指すといいでしょう。 8 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *渡辺の手も早い。共通のテーマ図がある場合は、午前中からかなりの手数が進むだろう。 9 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00) 10 7七角成(22) ( 0:00/00:00:00) *渡辺は「龍言」での対局は4回目。最初に竜王を獲得した第17期第7局▲森内−△渡辺戦。三連覇を決めた第19期第7局の▲渡辺−△佐藤康戦。3連敗スタートがらタイに追いついた第21期第6局▲羽生−△渡辺戦。いずれも勝利を収めている。 * *【渡辺竜王と「龍言」】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-520e.html 11 同 銀(88) ( 0:00/00:00:00) *丸山はタイトル戦に9回出場しているが、「龍言」での対局は初めてだ。 12 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *【対局地「龍言」へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-3f47.html 13 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *【対局検分(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-920c.html 14 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) *【対局検分(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-c23c.html 15 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *【関係者夕食会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-a17a.html 16 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *【ニコニコ生放送 NHKBSプレミアム放送予定】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-96d0.html 17 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *【対局開始直前】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-34e7.html 18 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00) *【第5局対局開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-a1b8.html 19 4七銀(38) ( 0:00/00:00:00) 20 6三銀(72) ( 0:00/00:00:00) *やはり本局も相腰掛け銀になりそうだ。 21 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00) 22 5四銀(63) ( 0:00/00:00:00) *【サインが並ぶ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-bfd0.html 23 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) 24 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *【戦型は手損なしの角換わり】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-a391.html 25 5六銀(47) ( 0:00/00:00:00) 26 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) *【名局の宿】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-b26b.html 27 7九玉(68) ( 0:00/00:00:00) *【名宿「龍言」(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-115a.html 28 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) *【名宿「龍言」(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-fe7f.html 29 5八金(49) ( 0:00/00:00:00) *9時半頃、▲5八金までの消費時間は▲丸山13分、△渡辺6分。 * *【名宿「龍言」(3)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-3258.html 30 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00) *【何を持てば詰みますか?】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-0584.html 31 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *途中の手順に若干の違いはあるが、この局面は第1局の天童対局と同じ。第3局は後手の渡辺が△3一玉を急いだため、この局面にはならなかった。 32 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00) *玉を寄ったことで第3局とも合流。その将棋は▲8八玉△6五歩と進んでいた。現局面は過去に3局あり、すべて竜王戦七番勝負で指されている。 *1局目は第23期竜王戦第4局の▲羽生−△渡辺戦で、次の手は▲6六歩(羽生勝ち)。 *2局目が今期第1局の▲丸山−△渡辺戦で、やはり次の手は▲6六歩(渡辺勝ち)。 *3局目が上記の今期第3局。次の手は▲8八玉で、結果は後手の渡辺が勝っている。 33 8八玉(79) ( 0:00/00:00:00) *控室では詰将棋出題合戦が行われている。出題者は青野九段、飯塚七段。解いているのは片上六段と野田澤女流1級。 *「詰将棋を作ろうと思ったことはありますが、完成したことはありません」と片上六段。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>この局面での8八玉は、第3局でも現われた丸山九段の新工夫の一手です。6六歩型だと△7三桂から△6五歩で後手に先攻される可能性があり、今まではあまり指されてきませんでした。今後この定跡がどう進化していくかが楽しみです。 * *※局後の感想※ *「△6五歩と指せば第3局と同じ将棋です」(渡辺竜王) 34 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *控室に吉田正和五段。今期竜王戦七番勝負では、すっかりおなじみの顔だ。 *片上六段に「吉田君は全部来ているの?」と尋ねられ、「第3局の霧島は行けませんでした。第1局は順位戦の対局日と重なっていたので」。 35 6八金(58) ( 0:00/00:00:00) *現局面の前例はなし。どこかで見たような形でも、ちょっとした手順の違いで別の将棋になっていく。ただし数手進んで、また前例に戻るというのもよくあること。しばらくは推移を見守りたい。 *1日目午前のおやつは、渡辺がホットコーヒー、丸山が温泉まんじゅう(4個)とアイスコーヒー。 * *【1日目午前のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-62f1-1.html 36 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00) *桂頭が弱点になりやすいため、思い切った手といえる。渡辺は後手番ながら積極的に駒を運んでいる印象だ。 *「条件次第ですが、△6五桂と跳ねる手を見せています。▲6六歩と突けば無難ですが、それで先手番の得を生かせているかどうか」(吉田五段) *△7三桂までの消費時間は▲丸山24分、△渡辺29分。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>後手の狙いの一例ですが、例えば▲3七桂と跳ねたら△6三金と上がって、そこで▲6六歩なら△6五歩から攻める手でしょうか。 *先に△6五桂と跳ねて▲6六銀△6三金で、次の飛車先交換を確定させる手もあります。ここは先手としても作戦の分岐点ですね。 37 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *丸山の選択は穏やかな▲6六歩。この手の考慮時間は1時間38分。全体の消費時間は▲丸山2時間2分、△渡辺29分。 *控室では、▲6六歩に代えて▲3七桂△6五桂▲同銀△同歩▲7三角△8一飛▲6四桂という筋も挙げられていた。 *片上六段は「この局面、先後を引っくり返したら後手番一手損角換わりの形で前例がないですか? だとしたらパラレルワールドですね」。調べたところ前例はなし。しかし玉の位置を変えれば、ちらほらと出てくる。 *たとえば△6三金▲6七金直と進めてみると、前例は3局。ただし先後は入れ替わっている。 *この局面で1日目の昼食休憩に入った。消費時間は丸山▲2時間2分、渡辺△1時間8分。食事の注文は渡辺がカレーライス、丸山はもち豚の味噌焼き定食。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>ここで△6三金と上がれば、次に△6五歩▲同歩△同桂▲6六銀△6四歩として、飛車先交換を狙えます。 *ただ先ほどと比べて先手も一歩を手持ちにしたり、▲6七銀など形をほぐしやすい利点があります。 * *【1日目昼食休憩に入る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-86d8.html 38 2二玉(31) ( 0:00/00:00:00) *13時38分、昼食休憩を挟んだ47分の考慮で△2二玉が着手された。 *「△3三銀は▲2五桂で当たりになるため、指しにくい。したがって△6三金か△2二玉のどちらか、という局面でした。先後逆ですが、ここから▲3七桂△6三金▲6七金直と指したのが、たしか郷田−谷川戦だったはず」(片上六段) *調べてみると、平成20年のA級順位戦▲郷田真隆九段(現棋王)−△谷川浩司九段戦がヒットした。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>△2二玉で△3三銀だと、▲2五桂が当たりになります。先手は▲2五歩をいつでも突けるので、今度こそ▲3七桂でしょうか。仮に▲2五歩△3三銀▲3七桂と進めると、次に△6五歩から後手が先攻できますね。 39 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *「▲2五歩でしたか。後手は味良く△3三銀と上がりますね。そこで先手が▲3七桂なら、そろそろ△6五歩の仕掛けが来そうです」(飯塚七段) *1日目午後のおやつは渡辺がショートケーキとホットコーヒー、丸山が温泉まんじゅう(4個)とアイスコーヒー。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>▲2五歩ですか。当たりませんね〜。△3三銀▲3七桂だと後手に先攻されますので、△3三銀に▲4五歩△同歩▲3七桂△4六歩▲1五歩△同歩▲3五歩△同歩▲4五桂と攻めていくのでしょうか。 * *【1日目午後のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-59ae.html 40 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) *「しかし▲3七桂以外に指す手はあるの? でもそれは△6五歩と仕掛けられてしまうよね。勢いをつけて▲4五歩とか?」(青野九段) * *この局面で34局の前例と合流した。ただし先後も手番もまちまちであるため、棋譜コメントで説明するのは難しい。なお▲3七桂(△7三桂)と指した将棋は1局もない。 *先後は違うが、昭和51年に指された▲青野照市四段(当時)−△加藤一二三九段戦の対局場は、高輪と記されている。ちょうど将棋会館を建設しており、旧日本棋院の建物を借りている時期だった。 * *【不思議な局面】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-dd8b.html * *【1日目対局再開(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-3731.html 41 4五歩(46) ( 0:00/00:00:00) *16時14分、丸山は音もなく▲4五歩と突いた。1時間46分の考慮。同一局面は2局で、平成2年の▲中原誠−△高橋道雄戦(A級プレーオフ)と同年の▲長谷部久雄−△西川慶二戦(竜王戦3組・本局とは先後逆)。 *後手の飛車が6二にいる形ではよく指されている定跡だが……。あとで玉頭から反撃する筋が残っているため、本譜の8二飛型のほうが率が良さそうだ。 *部分的な進行の一例は、△4六角▲3七角△4五歩▲4八飛。先手は▲4五銀と捨てる手が狙い筋となる。 *▲4五歩までの消費時間は▲丸山4時間37分、△渡辺1時間16分。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>やはり▲3七桂は△6五歩を警戒したのですね。先ほどの▲2五歩の流れからして、▲4五歩は自然な一手です。先手としては1筋、3筋の歩を突き捨ててどんどん攻めなければいけません。 * *【丸山九段動く】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-4aa6.html * *【1日目対局再開(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-3731.html * *※局後の感想※ *「通常とは後手の飛車の位置が違います。それがどう影響するかという将棋ですね」(渡辺竜王) 42 4六角打 ( 0:00/00:00:00) *これで前例がなくなった。6二飛(先後逆で4八飛)型では20局あり、次の手は角を合わせる手と、飛車を端に逃げる手の2通り。 *8二飛型は後手得と見ている控室。丸山の真意をはかりかねている。 *△4六角までの消費時間は▲丸山4時間37分、△渡辺1時間44分。 43 1八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *1時間38分、49分、1時間46分と3手連続で熟考を重ねてきた丸山。この手は少ない考慮での着手だった。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>△4六角に▲3七角だと、△4五歩▲4八飛△4二金右で、次に▲4五銀としても△3七角成▲同桂△5九角でうまく攻めきれません。なので▲1八飛でした。次は△4五歩や△6五歩が候補手です。 * *【経験あり?】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-46e0.html 44 4五歩(44) ( 0:00/00:00:00) *ここから▲4七銀△5五角▲5六銀△4六角の順を繰り返せば千日手。部分的にはよく出る筋だが、通常は渡辺側が先手なので千日手を避けるのが一般的。 *しかし本局は先後がひっくり返っているため、千日手を選びやすくなっている。 45 5八金(68) ( 0:00/00:00:00) *時間を使わずに▲5八金。せっかくの先手番、丸山は千日手にするつもりはなかったようだ。 *次に▲4七金と上がって角をいじめる手が見えている。控室では角の逃げ道を作りながら攻めに転じる、△6五歩が有力視されている。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>次に▲4七金があるので△6五歩でしょうか。一例ですが、▲同歩△同桂▲6六銀△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8六歩と、継ぎ歩と垂れ歩で攻める筋があります。 46 6五歩(64) ( 0:00/00:00:00) *予想されていた△6五歩。もうひとつ、このまま封じ手にするという予想もあった。 * *【本局の盤・駒】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-b44e.html 47 同 歩(66) ( 0:00/00:00:00) *丸山はすぐに▲同歩と応じる。消費時間に差があるため、決めた手は迷いなく指す方針に切り替えたのかもしれない。 *この局面で定刻となり、渡辺がすぐに封じ手の意思表示をした。1日目の消費時間は▲丸山4時間48分、△渡辺2時間46分。 * *■ニコニコ生放送■ *北浜健介七段>次は△同桂で、以下(1)▲6六銀は△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8六歩▲7九玉△8五飛▲8八歩で8筋が受かってはいるものの玉が押し戻され少し指しきれません。(2)▲6八銀は△6六歩▲6七歩でどうか。 *封じ手の候補は△6五桂、△6五銀、△8六歩、△7五歩が考えられます。私としては手厚く攻める△6五桂を指してみたいです。△6五銀ももちろん有力ですね。現在の形勢は僅差ですが私は若干渡辺竜王持ちです。 * *【1日目終了】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-2b4d.html * *【ニコニコ生放送 NHKBSプレミアム放送予定】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-96d0-1.html 48 同 桂(73) ( 0:00/00:00:00) *立会いの青野九段が読み上げたのは△6五同桂。現地の棋士は第一候補として△6五同銀を予想していたが、この手の検討も行われていた。 *「先手は銀を取られてもいいのですが、△5七桂成を許すと苦しくなります。昨日は▲6八銀と▲6六銀を検討しましたが、いずれも△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8六歩の攻めが有力なようです」(吉田五段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>2日目13時より解説をさせて頂きます。△6五同銀に▲同銀△同桂▲6六銀の手順も十分に考えられました。これでも後手が良くなる変化が多いですが、△同桂も自然な一手です。 * *※局後の感想※ *「この局面は指せると思っていたんですが……。しかし結果的には△6五同銀が勝った可能性はあります」(渡辺竜王) 49 6六銀(77) ( 0:00/00:00:00) *桂先の銀、定跡なり。次に▲6五銀右△同銀▲同銀となれば先手桂得になるため、後手はやや忙しい。手堅く映る△6四歩は、▲4七歩と角を追われて面白くない。 *控室の継ぎ盤では△8六歩▲同歩△8五歩▲同歩△8六歩まで進められている。そこで▲6五銀右なら、△同銀▲同銀△8七銀からバラバラにして△8五飛が王手銀取り。きれいな十字飛車が決まる。 * *【1日目夕食会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-4a7e.html * *※局後の感想※ *「▲6八銀かと思っていました。本譜は継ぎ歩、垂れ歩の味に惚れてしまって」(渡辺竜王) 50 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) *攻めるならここ。後手番ながら先攻する形で、不満はないだろう。 * *【2日目朝 対局開始直前】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-7662.html 51 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) *いまのところ丸山から攻める順は見当たらない。しばらくの間、相手の攻めに対応するしかなさそうだ。 * *【封じ手開封】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-91fc-3.html 52 8五歩打 ( 0:00/00:00:00) *「継ぎ歩」と呼ばれる手筋。▲同歩に△8六歩が「垂れ歩」。控室では「手筋は偉大ですね」と、改めてその威力に感心する声が出ている。 53 同 歩(86) ( 0:00/00:00:00) *【開封された封じ手】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-0255.html 54 8六歩打 ( 0:00/00:00:00) *ここでどうするか。 *(1)▲5九角は△8五飛に▲8七歩で頑張る狙いだが、先に△6四角と引かれて手に窮する。▲6五銀右は相変わらず十字飛車の筋がある。 *(2)▲7七桂は△同桂成▲同銀に、△2七桂のB面攻撃が厳しい。そこで▲3七桂打ではいかにも苦しい形。 *(3)▲7九玉は△9五歩▲同歩△同香の攻めがある。▲同香なら△8五飛▲8八歩△9五飛で好調。△9五同香に▲9七歩と受けても、今度は△1五歩と逆サイドを突かれて困る。▲同歩△1七歩▲同飛△2八角成と成れば、最低でも飛車角交換に持ち込めそうだ。 * *【魚沼市場】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-8ae9.html * *※局後の感想※ *「この垂れ歩に期待したのですが……」(渡辺竜王) 55 7九玉(88) ( 0:00/00:00:00) *危険地帯から避難する▲7九玉。ここで△8五飛は味消しで、▲8八歩△1五歩に一回▲4七歩と追われて忙しい。以下△6四角なら▲6五銀右△同銀▲7七桂△8一飛▲6五銀。△7三角も、△8一飛まで同様に進めて▲6五桂が角当たりになる。 *後手は△9五歩と△1五歩、両端から攻める筋がある。サッカー日本代表でいえば、左ウイングバックの長友佑都選手、右ウイングバックの内田篤人選手がサイドからの攻め上がりをうかがっているような格好だ。 * *▲7九玉までの消費時間は▲丸山4時間58分、△渡辺3時間16分。2日目午前のおやつは、渡辺がホットコーヒー、丸山が温泉まんじゅう(4個)とホットコーヒー。 * *【2日目午前のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-ee89-1.html * *【10時35分の対局室モニター】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/1035-35e5.html * *※局後の感想※ *「こう引かれて、わからなくなってしまった。これが大変だとすれば、△6五桂では△6五銀がよかったかもしれない」(渡辺竜王) *控室で検討されていた△1五歩と△9五歩を絡めて攻める筋は、両者とも否定的だった。渡辺はタイミングよく▲4七歩と角を追われる手が嫌だったそうだ。 56 4二金(52) ( 0:00/00:00:00) *11時26分、渡辺の手は自陣に伸びた。攻めの順ばかり調べていた控室の検討陣から「ほう、これは当たらない手です」と声が出た。この手の消費時間は1時間41分。ここまでの通計も▲丸山4時間58分、△渡辺4時間57分とほぼ並んだ。 *「手を渡しても狙いが残っている、ということですか」(吉田五段) *「控室の検討では出ない手ですね。△4二金右よりも良い手はないでしょうと。堂々としています」(飯塚七段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これはすごい手ですね。竜王らしい手だと感じました。金が5二にいた方が6筋や7筋をカバー出来ているので、金を玉側に寄せる手は考えていませんでした。玉を堅くする手で、対局者ならではの読みが入っていると感じました。 * *【大長考の末の△4二金右】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-25f0.html * *※局後の感想※ *「攻める手がうまくいかないので、消去法で選びました。しかしこれでは自信がない」(渡辺竜王) 57 3五歩(36) ( 0:00/00:00:00) *部分的には、先手の反撃筋として挙げられていた手。すぐにどうということはないが、鉄壁の後手陣に嫌味をつける意味がある。 *自然な対応は△3五同歩だろう。そこでまた次の手が難しい。 * *【雨の南魚沼市】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-6073.html * *※局後の感想※ *この手では▲8四歩もあった。△同飛なら▲8八歩と受けて、飛車の位置を悪くする意味。 58 同 角(46) ( 0:00/00:00:00) *△3五同歩は陣形が乱れると判断したのか、渡辺は△同角で取った。「一手ずつ、予想が外れます」と飯塚七段。 *とはいえ次に△4四角と銀取りに当てる味もあり、この手も十分に考えられるところだった。 *「△3五同角は玉形の安定を重視した手ですね。進行の一例は▲7三角△8五飛▲8八歩△4六角▲5一角成△9五歩▲同歩△9七歩でしょうか。以下▲同香は△9八歩、▲同桂は△8一飛と馬に当ててから△9六歩と攻めます」(飯塚七段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>後手の金の位置が3二と4三ならば上に厚く△3五同歩と取りやすいのですが、本局は3二と4二ですので、△3五同歩と取ったときに3四の空間が開くのが気になるところです。したがって△4二金右と寄った手の継続で、△3五同角と取りました。 * *【魚沼市場】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-8ae9.html 59 7三角打 ( 0:00/00:00:00) *飯塚七段が予想した手。4六角の利きがなくなったため、ここに角を打つ手が生じた。 * *【新潟名物(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-e30a.html 60 8五飛(82) ( 0:00/00:00:00) *【新潟名物(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-c4d1.html 61 8八歩打 ( 0:00/00:00:00) *【新潟名物(3)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-d40a.html 62 4六角(35) ( 0:00/00:00:00) *このあたり、飯塚七段の予想が当たっている。▲同角成と取るのは△同歩で、手順に4筋の歩を伸ばされてしまう。 63 5一角成(73) ( 0:00/00:00:00) *控室に田中寅彦九段が来訪。「▲5一角成はどこかで△8一飛が当たりになるのでねぇ……うーん」。 *代えて挙げられていたのは▲6四歩。角交換を避け、あくまで9一の香を狙う考え方だ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ここでは▲5一角成ではなく、▲6四歩と垂らしたかったですね。 64 9五歩(94) ( 0:00/00:00:00) *「控室の予想通りに進むとナンタラカンタラと言いますが、どうなるでしょうか。▲同歩△9七歩の攻めは厳しいように思えます」(飯塚七段) *この局面で2日目の昼食休憩に入った。消費時間は▲丸山5時間36分、△渡辺5時間15分。食事の注文は、渡辺がお刺身定食。丸山がぶりかまの照り煮定食。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>現局面で昼食休憩に入りました。(1)▲9五同歩には△9七歩▲同香△9八歩があります。(2)▲6五銀右△同銀▲7七桂が飛車銀両取りで調子が良さそうですが、△8一飛が馬取りで先手が困ります。私は後手持ちです。 * *【2日目 昼食休憩に入る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-a728.html 65 4三歩打 ( 0:00/00:00:00) *14時14分、再開から44分たったところで▲4三歩が着手された。△同銀なら▲6五銀右で桂を取ることができる。 *したがって後手は△4三同金直が自然だろう。以下予想されるのは、▲5二馬△9六歩▲7四馬の順。しかし7筋の歩を取ると△7七歩のたたきが生じ、先手陣は相当に危ない形だ。 * *【休憩を挟んでの長考】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/1-7c18.html 66 同 金(42) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>(1)△同銀は▲6五銀右で桂が取られます。(2)△同金左は囲いが著しく弱体化しますので、(3)△同金直で取ると思います。そこで▲4一馬や▲5二馬が先手の狙いだと思いますが、二歩しかないところで一歩を使ったのですから決断の一手ですね。 * *【2日目 対局再開(渡辺竜王)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-6564.html 67 4七歩打 ( 0:00/00:00:00) *「これは難しい組み合わせですね」(青野九段) *「△3五角なら▲7三馬……ということでしょうか」(田中寅九段) *しかし△6四角と引いても、▲5二馬△6三歩▲6五銀直△同銀▲7七桂の順がある。どうやって局面をまとめるか。ここは時間をつかいたい場面だ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>「打ちたくない歩」と解説していましたが、角取りに打ちました。ここで打つのならば63手目の▲5一角成に代えて▲6四歩と打ちたかったですが……。先手の一連の手順は少し不可解な印象を受けます。 * *【2日目 対局再開(丸山九段)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-a98c.html * 68 3五角(46) ( 0:00/00:00:00) *こちらへ。やはり△6四角は飛車角が近く、当たりが強いようだ。 * *【竜王戦記念扇子】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-ac89.html 69 7三馬(51) ( 0:00/00:00:00) *丸山の指し手は早かった。馬を活用して、相手の攻め駒をいじめていく方針だ。▲7三馬までの消費時間は▲丸山6時間19分、△渡辺5時間31分。 *後手の狙い筋として、△4六歩▲同歩△4四角▲6七金右△6六角▲同金△5七桂成。次の△2五飛を見ている。 *しかし△4六歩を▲同歩と取ってくれるお人よしがいるはずもなく、手抜かれて緩手になりそうだ。控室では田中寅九段、飯塚七段、吉田五段が後手の攻めの組み合わせを考えている。 70 4四角(35) ( 0:00/00:00:00) *4六にいた角が、ぐるりと回って4四に来た。▲6七金右には、一回△8一飛と引いて手を渡すのが有力なようだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>6六銀を狙っての角引きは、味が良いです。(1)▲5五銀直と出たいところですが、△同銀▲同銀に(A)△3五角と出て次に△5七桂成を狙われても、(B)△同角▲同馬△5七桂成(飛車で馬取り)でも後手良しです。したがって(2)▲6七銀でしょう。 * *【2日目の現地大盤解説会場】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/255/ 71 6七銀(56) ( 0:00/00:00:00) *丸山の選択は▲6七銀。 *「▲6七金右ですと、平凡に△6六角▲同金△5七桂成▲7七桂△6五歩で、後手一手勝ちになります」と田中寅九段。 * *※局後の感想※ *「対局中はおかしくしたかと思っていましたが、もともとこちらが良いわけではないのかもしれません」(渡辺竜王) 72 7五歩(74) ( 0:00/00:00:00) *5六の銀が6七に引いたため、6五桂を取られる心配は薄れた。そこでピシリと△7五歩。 *角換わりで7筋(3筋)の歩を突き捨てるのは、まさに筋中の筋。▲同歩なら△7七歩のたたきが生じるし、放置しても△7六歩の取り込みが厳しい。 *2日目午後のおやつ、渡辺がチョコレートオレンジケーキとホットコーヒー、丸山が温泉まんじゅう(5個)とホットコーヒー。 *15時20分、控室では▲9一馬△7六歩▲6四馬の順が調べられている。馬の働きが強く、先手陣も簡単には崩されないようだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>▲7四馬と歩を取られる直前に突き捨ての歩を入れました。この手は「手筋中の手筋」です。 *ここで(1)▲9一馬ならば△7六歩の取り込みが大きな一手になります。(2)▲7四馬ならば△8一飛と引いておいて、▲6五銀には△6六歩が激痛です。 * *【2日目 午後のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-b560-1.html * *※局後の感想※ *代えて△8一飛は有力だった。以下▲9五歩に△9八歩▲同香△9七歩▲同香△9八歩や、△7五歩の攻め筋がある。 *「▲7二馬△4一飛と飛車を追っても、9筋と7筋の絡みだけで手にされそう。自信がないですね」(丸山九段) 73 9一馬(73) ( 0:00/00:00:00) *15時26分、丸山側に残り時間を示す紙が出された。1時間を切ると、60から1分ずつ数字を消していく仕組みだ。 *直後に丸山の手が伸びて▲9一馬。駒割りは先手香得になった。 74 7六歩(75) ( 0:00/00:00:00) 75 6四馬(91) ( 0:00/00:00:00) *田中寅九段と片上六段は、△7七歩成▲同桂△同桂成▲同銀△8七桂の順を並べている。以下▲6八玉△9九桂成と香を補充して、△6一香の田楽刺しを狙う意図。 *この手を指してすぐに丸山が席を立った。渡辺はゆっくりとした動作でケーキに手を伸ばした。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>先手としては「これしかない」手順ですね。香得して馬を要所に据えて、あとは後手の指し手に対応するしかないでしょう。おそらく先手としては最善の手順です。△6六角▲同銀△7七銀▲同桂△同歩成▲同銀△同桂成▲同金の攻めは無理気味ですね。 76 7七歩成(76) ( 0:00/00:00:00) *こう指せば▲同桂△同桂成▲同銀までは一本道。その局面は手が広そうだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>単に歩を成りました。▲同桂△同桂成▲同銀のあとの渡辺竜王の攻め方に注目したいです。 77 同 桂(89) ( 0:00/00:00:00) *ここまでの消費時間は▲丸山7時間2分、△渡辺5時間50分。丸山の残りは58分。 78 同 桂成(65) ( 0:00/00:00:00) 79 同 銀(66) ( 0:00/00:00:00) 80 8七桂打 ( 0:00/00:00:00) *継ぎ盤では、この手を指された片上六段が「(先手に)勝ちが出ない将棋のような気がします」と話していた。後手の桂香がきれいにさばけているのが大きいようだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは気付かない手ですね。新しい感覚の手で、渡辺流といった桂打ちです。 *(1)▲同歩は△同歩成で先手がいけませんので、(2)▲6八玉△9九桂成▲7四馬△8一飛と進むと思います。昔ならば桂を打って香を取る手は筋が悪いと言われていましたが。 * *※局後の感想※ *「△8七桂ではちょっと変ですよね……」(渡辺竜王) 81 6八玉(79) ( 0:00/00:00:00) *【現地大盤解説会(青野九段&飯塚七段)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-6830.html 82 9九桂成(87) ( 0:00/00:00:00) *これで駒割りは後手の2歩得。△6一香を受けるため▲6六歩と傷口をふさいでも、今度は△7一香と歩切れを突かれた香打ちを喫してしまう。 *先手は右辺の飛車、桂、香が残っているのが痛い。対して後手は遊び駒が1枚もない。玉の安全度、駒割り、駒の効率とすべて後手が上回っており、はっきり優勢になったといってもよさそうだ。 *△9九桂成までの消費時間は▲丸山7時間10分、△渡辺5時間50分。 83 3六桂打 ( 0:00/00:00:00) *好所の角をどかしにいく。田中寅九段は△5五角▲7四馬△8一飛▲5六歩まで進めて、吉田五段に「どう?」と問いかける。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>(1)△5五角には▲7四馬△8一飛▲5六歩として、後手は角の逃げ場に困ります。したがって(2)△3五角と逃げると思います。▲7四馬△8一飛と進めた後の手が難しいです。後手はB面攻撃として、△2六香から右下の桂香を取る順があります。 84 3五角(44) ( 0:00/00:00:00) *渡辺は△3五角を選んだ。頭は互いに弱点、桂頭の位置取りは安定していると判断したのだろう。 *継ぎ盤では▲2四歩△同歩▲2七香が調べられている。次に▲2八飛と活用できればかなりの迫力だ。吉田五段が「まだまだ大変な気がする」とつぶやいた。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>いまは先手が2歩損ですが、一番いなくてはいけない場所の歩がいないんですね。6六と7六に歩がいないのが先手としてはツライところです。 85 7四馬(64) ( 0:00/00:00:00) *飛車取りに当てながら、△6一香の筋を避ける。右辺の手から左辺の手。盤面全体を使った戦いになってきた。 * *【渡辺竜王優勢だが……】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-eccf.html 86 8一飛(85) ( 0:00/00:00:00) 87 2七香打 ( 0:00/00:00:00) *待望の▲2七香。「丸山さんの背筋が伸びてきたね」と、モニターを見ていた田中寅九段。ここまで受け一方だったが、ようやく攻め合いの順が見えてきた。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>先手は2八飛、3七桂の形を作って、▲2四歩△同歩▲2五歩までいけば申し分ないです。この3手の間に後手がどうするかです。△7一飛▲7三歩△6一香と歩切れを狙う指し方が考えられます。 * *【先手待望の反撃】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-1ec8.html * *※局後の感想※ *「こちらが攻められる展開になるとは。いっぺんに嫌な形になりました。てっきり自分の攻めが切れるかどうかという将棋だと思っていたので」(渡辺竜王) 88 7一飛(81) ( 0:00/00:00:00) *8筋にいたままでは働きの弱い飛車を7筋に使う。▲7三歩と打たせて歩切れにさせ、後の香打ちを効果的にする狙い。 *消費時間は▲丸山7時間27分、△渡辺6時間29分。 * 89 8五馬(74) ( 0:00/00:00:00) *歩を温存して、じっと馬を引く。 *後手は香を渡して▲2六香打と重ね打ちされる順は避けなければいけない。香の値段が高い局面ゆえ、盤上の銀との交換くらいでは割りに合わないのだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>4一へのラインを残しておかないと勝負にならないと見て、8五に馬を引きました。8四へ寄れば6六の地点にも利いて守備が手厚くなりますが、この▲8五馬は守りという点では少し不安定な位置という印象です。 * *【2日目 17時を回る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/17-84a1.html * *※局後の感想※ *「ここのあたり、形勢はどうなんでしょうか」(渡辺竜王) *「▲2七香の前までは後手良しだと見られていましたが」(青野九段) *「しかし次に▲2八飛としても、さらに▲2六香打まで指さないと手にならないので……」(丸山九段) 90 4六歩(45) ( 0:00/00:00:00) *どちらの玉も金銀4枚で囲われているため、すぐに攻略するのは難しい。△4六歩は、△4五銀の催促を見せている。▲同歩なら△4六角が生じるため、先手は▲2八飛と寄りにくくなる。 91 同 歩(47) ( 0:00/00:00:00) 92 同 角(35) ( 0:00/00:00:00) *忙しいところで、じっと歩交換。一気に攻めるのではなく、緩急をつけて局面を動かしに行った。次は△3五歩の催促や△2八香のマッサージが見えている。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>いろいろ後手の狙いはありますが、真の狙いは次に△2八香と打って桂香を拾いに行くB面攻撃ではないか、と思います。 93 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *この手を指す直前に、記録係の伊藤和夫三段が秒を読んだ。丸山の残りは10分を切っている。 * *【丸山九段 残り10分を切る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/10-6837.html * *※局後の感想※ *「ここは△2四同歩でしたか。継ぎ歩をされて自信がなかったのですが」(渡辺竜王) *「▲2五歩に△同歩▲2四歩△2六香でまずいと思いました」(丸山九段) *渡辺は最後の△2六香が見えておらず、しきりに感心していた。 94 同 銀(33) ( 0:00/00:00:00) *銀で! 現地控室の青野九段と飯塚七段、BS放送の阿久津主税七段、中村太地六段、ニコニコ生放送の森下九段が一斉に驚きの声をあげた。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>はぁ〜! 銀で! 銀で取るものですか。△2四同銀は思い切った手ですね。驚きました。 * *【ニコニコ生放送 NHKBSプレミアム放送予定】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-96d0-1.html 95 同 香(27) ( 0:00/00:00:00) *「▲2四歩に△同歩は、▲2五歩の継ぎ歩攻めが嫌だったんでしょうか?」(飯塚七段) 96 同 歩(23) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>後手が香を2枚持ったのが非常に大きいです。先手が歩切れになったら、7筋や6筋に香を重ねて打つだけで、先手の受けが厳しくなります。 97 4四歩打 ( 0:00/00:00:00) *金の行き場を打診する。△3三金寄が形だが、▲5二馬と入られる手もいやらしいか。 *17時半、▲4四歩までの消費時間は▲丸山7時間52分、△渡辺6時間37分。 98 3三金(43) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この金寄りは形の定跡ですね。終盤で金が縦に2枚並ぶ形は大変堅いのです。先手としては▲5二馬と入って攻めに活路を見い出すしかないでしょう。 99 5二馬(85) ( 0:00/00:00:00) *次は▲5三馬。それを受けて△5一香と打つのは、▲6二馬と飛車に当てられて忙しくなる。 *控室では△6六歩▲同銀左△6五歩▲7七銀△6六香▲5三馬△5一飛▲5二銀△同飛▲同馬の順を調べていたが、これは後手容易ではない。 *と、そこへBS放送で解説している阿久津七段の「▲5三馬のときに△7六歩」という指摘が聞こえてきた。「瞬発力っぽい」と片上六段。すぐに△7六歩の局面が作られ、「良さそうな手だ」と声が上がる。 *△6六歩以外にも、△4二歩や△7二飛も有力なようだ。渡辺は慎重に時間を使っている。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>第一感は△6六歩です。▲同銀左△6五歩▲7七銀△6六香と玉頭を攻められる順が厳しいと思います。 * *【渡辺竜王 腰を落とす】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-5d59.html 100 4二歩打 ( 0:00/00:00:00) *手堅く△4二歩と打ち、自陣の嫌味を消す。▲5三馬には△5一飛▲5二銀△同飛▲同馬と進め、握った手番を生かして反撃に転じるということだろう。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>意表の手ですね。 * *※局後の感想※ *「最初は受けずに先手玉を寄せにいこうと思っていたのですが、寄らないんですね」(渡辺竜王) 101 2五歩打 ( 0:00/00:00:00) *玉頭に味付け。最後の一歩。 *「立てたら?」と青野九段。6筋に香を打ち、次に△7六歩を狙うという意味だ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>パチッと音がしました。丸山さんが駒音を立てるのは珍しいです。丸山さんの気迫を感じました。しかしこの瞬間に先手が歩切れになりましたので、△7三香が厳しいと思いますが。 102 同 歩(24) ( 0:00/00:00:00) *「△同歩と取った。すごいね、みんな取っちゃうね」(田中寅九段) *「こう指されたら▲5三馬しかないね」(青野九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>カライ手ですね。相手が歩切れだから、一歩も渡さずに攻めを切らそうとしています。ここは▲1七桂か▲5三馬しかありません。攻めるに歩がなく、守るに歩がない。先手は厳しい局面です 103 9五歩(96) ( 0:00/00:00:00) *なんと、ここで▲9五歩と補充。控室から「一歩竜王!」の声。第13期竜王戦第7局▲藤井猛竜王−△羽生善治五冠(肩書きはいずれも当時)戦。終盤の忙しいところで▲8六歩と歩を補充した手が勝着となったため、「一歩竜王」と呼ばれた。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この手は歩を取っただけの手で、ほとんど「一手パス」に近いです。時間もありませんし、丸山さんにとっては厳しい局面です。しかしこの▲9五歩は執念を感じさせる手です。驚きました。 104 4五銀(54) ( 0:00/00:00:00) *このタイミングで攻めを催促する。△4二歩と打ったのは、こう指したときに▲4三銀と打たれないためだった。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>△4五銀として、▲5三馬の飛銀両取りをあらかじめ交わしながら桂取りで催促しました。間の入れ方がうまいですね、渡辺竜王は。 *ここで▲5三馬には△7三飛と馬に当てます。今度は▲6二馬とされても後手の飛車には角のヒモが付いています。 105 2三歩打 ( 0:00/00:00:00) *丸山の残りは5分。着手後にサッと席を立った。 *「△同玉でしょうか。そこでどう指すか。▲2三歩の効果のほどがまだ見えません」(飯塚七段) *「▲4八飛と回っておくか」(田中寅九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>(1)△2三同金寄は▲4三銀と打たれる手が気になります。(2)△1三玉も▲2二銀で後手は嫌な形です。ここは(3)△2三同玉と取りたいです。逃げるのか何で取るのが最善か悩ましい局面ですが、30分以上時間を残しているのが大きいです。 * *【手に汗握る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-df0e.html 106 同 金(33) ( 0:00/00:00:00) *どこかで見たことのある囲いになった。 * *【今期の竜王戦七番勝負第1局】 *http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/25/ryuou201210150101.html 107 4三銀打 ( 0:00/00:00:00) *ニコニコ生放送の森下九段が指摘していた銀打ち。残り時間の少ない丸山は、相手玉を少しでも薄くして、攻めがわかりやすい形にしたい。 *△3六銀と取れれば話が早いのだが、その瞬間に▲4八飛と活用する手がある。 *「これは(踊り子号に)乗ってるねぇ。着くかどうかはまだわからないけど」(青野九段) *本局を丸山が勝てば、第6局の西伊豆対局が実現する。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この銀のカチこみは後手にとって嫌な気がしたのですが……。先手からは4筋を攻めた後で▲4八飛と回る手が残っています。例えば△3六銀には▲3二銀成△同玉▲4八飛で先手も調子が出てきます。 108 5四香打 ( 0:00/00:00:00) *受けてばかりもいられない。次に△5五香打と重ね打ちすれば、先手玉はいきなり受けなしになる。 * *※局後の感想※ *「こちらの玉の安全度がまったくわかりませんでした」(渡辺竜王) *ここで▲4二銀成は、△同金▲同馬△3一銀で後手が良いようだ。 109 3二銀成(43) ( 0:00/00:00:00) 110 同 玉(22) ( 0:00/00:00:00) 111 7六銀(77) ( 0:00/00:00:00) *これはすごい手があったものだ。△6六歩で銀をタダ取りされるが、7七への逃げ道が大きいと見た。 *上部脱出に望みを託した丸山。渡辺は利き腕の袖をまくり上げる。丸山はカロリーメイトのドリンクを一息で飲み干した。 * *※局後の感想※ *「そろそろ逃げ道を作らないと遅れると思いました」(丸山九段) *「△6六歩では響きが薄いんですね」(渡辺竜王) 112 6四香打 ( 0:00/00:00:00) *「これはきつい。次の△7六飛がほとんど受けなしの手です。▲7七玉と早逃げするしかないですか」(飯塚七段) 113 7七玉(68) ( 0:00/00:00:00) *△6四香と打てば▲7七玉はこの一手。時間を残している渡辺が香を打ったのだから、当然継続手は見えているだろう。 *控室では△5五角▲8六玉△8五歩が有力視されている。▲同馬でお手伝いのようだが、そこで△3六銀と取れば後手玉は安泰。かといって△8五歩を▲同玉と取り切れるとも思えない。 * *※局後の感想※ *△5五角は有力。渡辺は▲8六玉に△8一飛と読み、足らないと判断していた。しかし実際は▲8六玉に△8五歩▲9六玉△6七香成▲同金右△3六銀で後手に分のある形勢。次の△8四桂を受けて▲8四歩としたいが、あいにくの二歩で打てない。 114 5七香成(54) ( 0:00/00:00:00) *△5五角から上に逃がす順は指しにくかったか。渡辺は単に△5七香成と成り込んだ。 * *【渡辺竜王優勢】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2012/11/post-c4b8.html 115 5三馬(52) ( 0:00/00:00:00) *開き直って▲5三馬。歩が手に入ったため、次は▲2四歩がある。 116 7三飛(71) ( 0:00/00:00:00) *いかにも味のよい手。▲6二馬と入っても、次に飛車を取ったあと△6七香成で馬を抜く筋がある。 *18時40分過ぎ、丸山の残りが5分から4分、3分、2分と減っていく。 *渡辺が席を立つ。丸山は「いやぁ」と大きな声を出した。 117 6三金打 ( 0:00/00:00:00) *玉よりも飛車にプレッシャーをかけにいく。 *「後手は飛車が渡しにくいので、すぐに寄せに行くのは難しそうです」(吉田五段) *「これは、簡単じゃないですよ。やはり△5七香成では△5五角のほうがよかったんじゃないですか?」(飯塚七段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ここで飛車を逃げない手も十分考えられます。しかしこの▲6三金は「最後まで負けない」という執念を感じさせる手です。 118 6七香成(64) ( 0:00/00:00:00) *まずは△6七香成。丸山は鼻から下を両手でおおっている。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは取られそうな香で銀を取る手ですから、当然の一手です。▲同金左△同成香▲同金の後の次の一手に注目です。 119 同 金(78) ( 0:00/00:00:00) 120 同 成香(57) ( 0:00/00:00:00) *▲6七同金と取って、そこで明快な寄せがあるかどうか。控室ではまだその手段が発見されていない。 121 同 金(58) ( 0:00/00:00:00) *18時57分、モニターから「渡辺先生、残り15分です」の声。丸山の残りは2分。 *「これは熱海くらいまでは行ったんじゃないですか。先手玉は寄らないでしょう」(青野九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>今シリーズ屈指の終盤戦です。(1)△8三飛には▲8五香から上部を開拓します。竜王の方もまるっきり安全というわけではありません。(2)△9三飛で次に△9五飛を狙いたいですが、▲9四香がありますか。丸山さんもさすがにしぶといですね。 122 5二歩打 ( 0:00/00:00:00) *一気の寄せは難しいと見て、一転受けに回った。▲同馬なら6三金が邪魔をして自陣への利きが消えるし、▲同金は△5三飛と馬を取ることができる。 *丸山はこの局面で一分将棋となった。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>こういう手は嫌なんですよね。△5二歩や△6二歩がすぐに見える手なのですが、▲同馬と取ると馬の筋がズレるのが先手にとってツラいところです。ここで丸山さんは一分将棋ですか、厳しいですね。 123 4三歩成(44) ( 0:00/00:00:00) *一回は成り捨て。△同歩と取らせて、飛車打ちに弱い形にする狙い。 124 同 歩(42) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この成り捨ては先手にとっては良し悪しなんですね。手掛かりを消した手ですから。 125 7三金(63) ( 0:00/00:00:00) *この瞬間は▲4二飛からの詰めろ。 126 5三歩(52) ( 0:00/00:00:00) *「馬がいなくなって、かなり手厚さが消えたね」(青野九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この馬を取れたので、後手は楽になりました。 127 7二飛打 ( 0:00/00:00:00) *モニターから「渡辺先生残り10分です」の声。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは△3三玉と上がると思います。合駒をすると▲2四歩でかえって受けにくくなります。しかしまだまだ分かりませんよ。 128 4二銀打 ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは▲2四歩には△3三金で、とことん受けに徹するという意味ですね。 129 4九香打 ( 0:00/00:00:00) *▲2四歩の楽しみを残して▲4九香。 *「この香もきついですね。後手は寄せ切らないと負けそうです」(飯塚七段) *19時13分、丸山は2本目のカロリーメイトを開けた。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これには△7三角と金を取って、▲同飛成には△5五角で王手竜取りを掛ける感じでしょうか。 130 5五角(46) ( 0:00/00:00:00) *ふんわりとした手つきで△5五角。 *「こう指したら、もう行ったきりになるよ。▲6六金だ」(田中寅九段) *「▲6六歩じゃ△3六銀と桂を取られてしまうからね」(青野九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>角の単引きでしたね。▲6六歩では先手に手番が来ませんので、ここは▲6六金とガツンと行くしかないでしょう。 131 6六金(67) ( 0:00/00:00:00) *「さあさあさあさあ」(青野九段) *先手陣は1八の飛車も利いており、そう簡単に寄るようには見えないが……。 *丸山はグイッと金を立って、カロリーメイトを口にする。 * *※局後の感想※ *渡辺の当初の読み筋は、△5九角▲6八歩△7八金▲同玉△6六角▲6九玉△2六角成で勝ちというもの。しかし▲6八歩のところで▲6八香と合駒されると、最後△2六角成に▲6六香と角を取られる。これに気付いて本譜の順を選んだ。 *しかししかし、その局面は△3六馬と桂をはずすなど厳しい手が多く、先手も角を取っていられるかどうか微妙。感想戦では後手がやれるというニュアンスだった。 132 8七歩成(86) ( 0:00/00:00:00) 133 同 歩(88) ( 0:00/00:00:00) *ニコニコ生放送の森下九段が△7一歩を指摘。▲同飛成なら△6六角から△9三角の王手竜取りがある。 134 5九角打 ( 0:00/00:00:00) *「どういう意味だ?」 *「▲6八歩で?」 *「△8八銀か!」 * *※局後の感想※ *▲6八香は、△8八銀▲同玉△6六角▲同香△7七金▲9九玉△9八歩で後手の一手勝ちのようだ。 135 6八歩打 ( 0:00/00:00:00) *しかし△8八銀には▲6七玉で、寄りがなさそうだ。 *将棋世界の取材で来ている内田晶記者が「△7八金はどうですか?」。なるほど、それなら▲6七玉はない。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>後手の攻めはこれで大丈夫なのでしょうか。△8八銀と打つと思いますが、寄っているかどうかは分かりません。混戦になっていると思います。 136 8八銀打 ( 0:00/00:00:00) *駒台に伸びた渡辺の指がつかんだのは、銀。 137 6七玉(77) ( 0:00/00:00:00) *19時25分、渡辺も一分将棋に入った。 * *※局後の感想※ *ここで△7七金を利かすと▲5七玉で、本譜のように△1九角成▲4五香△1八馬と進めたときに、▲4三香成△同玉▲4四香△5四玉▲5五金△同玉▲5六銀△5四玉▲6五銀左で後手玉が詰んでしまう。 138 1九角成(55) ( 0:00/00:00:00) *これはどうなっているのか。対局室の丸山が頭を抱えこんだ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>これは凄い手ですね。▲同飛に△5四香と打っていこうということでしょうか。 * *※局後の感想※ *▲同飛は△7七金▲5七玉△6八角成▲4八玉△3六銀で、「7六の銀も落ちているので、寄りそうですね」と渡辺。 139 4五香(49) ( 0:00/00:00:00) *馬を取らずに▲4五香。この手が詰めろになっていれば事件だ。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>ほぉ〜、銀を取りましたか。これは後手玉への詰めろになっていないので、△1八馬で後手が勝ちになったと思います。 140 1八馬(19) ( 0:00/00:00:00) *▲4三香成△同玉▲4七香には△4四歩と打ち、どうやら詰みはないようだ。問題は先手玉との兼ね合い。 141 4三香成(45) ( 0:00/00:00:00) 142 同 玉(32) ( 0:00/00:00:00) 143 4四銀打 ( 0:00/00:00:00) *「これは足りないか」(青野九段) * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>△3二玉の一手に▲5三銀成と詰めろを消しながら詰めろを掛けますが、△4一歩と受けられて後手が勝ちですね。139手目に▲同飛と取っていたら先手が勝ちではなかったのかな。 144 3二玉(43) ( 0:00/00:00:00) *▲4三歩には△7七飛▲5六玉△2九馬で先手玉が詰む。▲5三銀成なら詰みは消えているが、△4七飛▲5七歩△3六馬で後手勝ちは動かないようだ。 *丸山はこの手を見て投了を告げた。終局は29日19時31分。消費時間は双方7時間59分。 *これで七番勝負は4勝1敗となり、渡辺の防衛、9連覇が決まった。 * *■ニコニコ生放送■ *森下卓九段>この局面で丸山九段が投了、渡辺竜王が防衛を決めました。先手玉は△7七飛からの詰めろです。139手目で▲1九同飛でしたら△7七金▲5七玉△6八角成▲4八玉に△3六銀で後手が勝ちのようですね。 *本局のハイライトは107手目の▲4三銀の局面ですね。急激に差が詰まったと思いましたが、△5四香〜△6四香と続けて香を打った手順がさすが竜王という組み立てでした。また134手目の△5九角〜△1九角成も見事でした。すさまじい将棋でした。 *渡辺竜王は一分将棋で時間のない局面で、よく△1九角成を決断されたと思います。最後までご覧頂きましてありがとうございました。 145 投了 ( 0:00/00:00:00) まで144手で後手の勝ち