# --- Kifu for Windows (HTTP) V6.53.3 棋譜ファイル --- 対局ID:2282 開始日時:2013/10/02 09:00 終了日時:2013/10/02 21:30 表題:王座戦 棋戦:第61期王座戦五番勝負 第3局 持ち時間:各5時間 消費時間:129▲294△264 場所:神奈川・横浜ロイヤルパークホテル 手合割:平手   先手:中村太地 後手:羽生善治 先手省略名:中村太 後手省略名:羽生 手数----指手---------消費時間-- *第61期王座戦は挑戦者の中村太地六段が先勝。第2局は羽生善治王座が勝ち1勝1敗。どちらが先に王手を掛けるのか。注目の第3局は10月2日(水)9時から神奈川県横浜市「横浜ロイヤルパークホテル」にて行われる。立会人は大内延介九段、記録係は杉本和陽三段(22歳・伊藤能六段門下)が、日本経済新聞解説は西尾明六段が務める。持ち時間は各5時間。 *本局はニコニコ生放送にて13時からライブ中継が行われる。解説は野月浩貴七段、聞き手は鈴木環那女流二段が務める。 *【ニコニコ生放送 王座戦第3局】 *http://live.nicovideo.jp/watch/lv147848982 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>王座戦第3局羽生王座対中村六段戦のニコニコ生放送の解説を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。 * *(棋譜・コメント入力=吟) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] *【】内は中継ブログタイトルならびにリンク 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *8時47分、中村が対局室へ。ゆっくりとした所作で対局の準備を進める。中村を狙ってシャッターを切る音が対局室に響く。 *本局は中村の先手に決まっている。第4局は羽生が先手。第5局までもつれ込めば、あらためて振り駒が行われる。 *【対局開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-75cb.html 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *8時53分、羽生が入室。関係者に「おはようございます」と声を掛けて上座へ。やがて駒袋を開けるとサラサラと乾いた駒音が聞こえてきた。 3 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *◆中村 太地(なかむら たいち)六段◆ *1988年6月1日生まれ、東京都府中市出身。(故)米長邦雄永世棋聖門下。2006年、四段。2012年、六段。棋士番号は261。 *タイトル戦登場は昨年の第84期棋聖戦に続き2回目。 4 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *◆羽生 善治(はぶ よしはる)王座◆ *1970年9月27日生まれ、埼玉県所沢市出身。二上達也九段門下。1985年、四段。1994年、九段。棋士番号は175。 *タイトル戦登場は114回。獲得は王座20期(名誉王座)、竜王6期、名人7期(十九世名人)、王位15期(永世王位)、棋王13期(永世棋王)、王将12期(永世王将)、棋聖12期(永世棋聖)の計85期。棋戦優勝は41回。 5 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *本局が行われている「横浜ロイヤルパークホテル」は、みなとみらい21のシンボル的存在として知られている。横浜ランドマークタワー内上層階部にある同ホテル。横浜ランドマークタワーは70階建て、高さ296mの超高層ビルだ。対局は65階にある茶室で行われており256mの高さにある。 *日本で最も高所に位置するホテルであり、1993年に開業した。横浜市内で有数の高級ホテルとして知られている。 *【横浜ロイヤルパークホテル】 *http://www.yrph.com/ *【地上256mの対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/256-a161.html 6 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *現地に野月七段が姿を見せる。東京でニコニコ生放送に13時から出演するはずだが? 関係者が不思議な顔をしていると「朝だけですよ。朝だけ見て帰ります」と話している。フットワークの軽い野月七段らしい。 7 7七角(88) ( 0:00/00:00:00) *今朝の横浜はあいにくの雨。関東に台風が接近している。窓の外はまっ白で、高層階からの景色を楽しむことはできない。 8 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *昨日18時前から行われた検分では「(照明が少し暗いので)障子を開いたらどうでしょう」と羽生が声を掛け、天井の障子が開けられ対局室がいくぶん明るくなった。 *本局に使用されるのは掬水作水無瀬書の盛上げ駒。盤・駒ともに東京・将棋会館から運ばれたものだ。 *【検分】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-42ac.html 9 8八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *角換わりに進みそうだ。 *本局の観戦記を担当するのは河口俊彦七段。河口七段は神奈川県横須賀の出身で将棋世界誌で好評を博した「対局日誌」でおなじみだ。▲8八銀を見た河口七段は対局室を引き揚げ、控室へ戻ってきた。 10 7七角成(22) ( 0:00/00:00:00) *羽生の通算成績は1245勝479敗(0.722)、今年度成績は17勝10敗(0.630)。 *羽生は対局数ランキング1位。今期もすでに27局指しており、相変わらず対局で多忙だ。 11 同 銀(88) ( 0:00/00:00:00) *中村の通算成績は189勝106敗(0.641)、今年度成績は16勝6敗(0.727)。 12 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *対戦成績は羽生の6勝、中村の1勝。 13 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *中村の王座戦成績は16勝7敗(0.696)。中村は第55期から王座戦に出場しており、7期目で五番勝負のひのき舞台に登場した。 14 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *羽生の王座戦成績は84勝20敗(0.808)。王座を20期獲得しており、最高峰の五番勝負の数字も含んでのもの。驚愕の勝率だ。 15 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *立会人が大内九段、観戦記担当が河口七段とくれば思い出させるのは、前期第4局。千日手になり指し直しに。決着がついたのは2時2分。羽生が渡辺明王座を下して、王座に返り咲いた一局だ。 *【第60期王座戦第4局千日手指し直し局 ▲羽生善治二冠−△渡辺明王座(肩書きは対局当時)】 *http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/60/ouza201210030102.html *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>先手角換わりの序盤では早めに9筋の端を詰めるのがポイントです。もし△9四歩と挨拶しなかったら▲9五歩とさらに端を詰めて玉のふところを広くする狙いです。二手かけても相手の陣形に対応できるということです。 16 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) *「通いなれた道だから早いな」(大内九段) 17 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *本局のスケジュール * 9時 対局開始 *12時 昼食休憩 *13時 対局再開 *15時 午後のおやつ *18時 夕食休憩 *19時 対局再開〜終局まで 18 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00) *互いに腰掛け銀にするためのルートだ。 19 4七銀(38) ( 0:00/00:00:00) *控室には『将棋世界』の11月号が並んでいる。表紙には鋭い視線の中村の顔がある。王座戦第1局の観戦記がカラーページで掲載されている。 20 6三銀(72) ( 0:00/00:00:00) *本局の日本経済新聞社大盤解説会は18時開始。会場は大手町日本経済新聞本社(東京都千代田区大手町1−3−7) 入場は無料、解説は渡辺明竜王、聞き手は加藤桃子女流王座。 *将棋会館道場大盤解説会は18時30分会場、19時開始。東京・将棋会館2階研修室にて行われる。入場料2,000円(各種割引有) 解説が藤井猛九段、聞き手は矢内理絵子女流四段。 21 6八玉(59) ( 0:00/00:00:00) *昨年も「横浜ロイヤルパークホテル」で王座戦(第2局)が行われている。渡辺明王座(当時)に羽生が挑戦したシリーズで3勝1敗で羽生が奪取した。 *【▲渡辺明王座−△羽生善治二冠(肩書きは対局当時)】 *http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/60/ouza201209050101.html 22 5四銀(63) ( 0:00/00:00:00) 23 7九玉(68) ( 0:00/00:00:00) *今期は第1局を中村が先勝。後手の羽生が一手損角換わりを用いた。先手の中村が早めに▲3七桂と跳ねる凝った序盤になる。終盤は羽生が自陣飛車の粘りを見せるも、中村が対羽生戦で初勝利を挙げた。 *【王座戦第1局 ▲中村−△羽生】 *http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/61/ouza201309040101.html 24 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) *第2局は矢倉になり先手の羽生は矢倉に組み換える。本格的な戦いが始まったのが20時すぎだった。1度は5九まで入った中村玉を羽生が押し戻しで制した。手数は203手、終局時刻は23時21分。まれにみる大熱戦だった。 *【王座戦第2局 ▲羽生−△中村】 *http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/61/ouza201309180101.html * 25 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) 26 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *関係者が「けっこうなペースで進んでますね」と声を発する。 *「この辺りは、そうですね。まだ進むと思います」と西尾六段。 *時刻は9時30分。 27 5六銀(47) ( 0:00/00:00:00) 28 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) 29 5八金(49) ( 0:00/00:00:00) 30 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00) *△4一玉を着手して羽生は扇子をゆらゆらと動かす。 31 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) 32 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00) 33 3七桂(29) ( 0:00/00:00:00) *先手は攻めの桂を跳ねる。同じように△7四歩〜△7三桂と後手も同形に進めると先手に先攻されてまずい。角換わりは後手の待機策が注目だ。 *「△3三銀▲8八玉△4二金右▲4八飛と回ったときに後手は△2二玉とは入りにくいんですね。△2二玉でなければ△7四歩ですかね。先手としては△7四歩を突かせたいんですよ。まあ突かせてよくなるという訳ではありませんが。先手は▲6六歩を突いてないですよね。最近は6六を突かないのが優秀ではないかと言われているんです」と西尾六段。 *▲3七桂に羽生が手を止める。中村は席を外している。 *【角換わり定跡最新手順】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-1f4e.html 34 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) 35 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) 36 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) *「あと5手くらい進めば形が見えてきますね」(西尾六段) 37 4八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *後手は△2二玉と入るのはやや危険だ。△4二金右と固めて待つ指し方がオーソドックスだ。 38 4二金(52) ( 0:00/00:00:00) *駒を押しつけるように着手。 39 8八玉(79) ( 0:00/00:00:00) *中村は軽い手つきで玉を入城させる。 40 2二玉(31) ( 0:00/00:00:00) *△4二金右と備えてから玉を入る。 41 1八香(19) ( 0:00/00:00:00) *「▲1八香は相手に1手指してもらおうという手ですね」と西尾六段。 *相手の体勢が崩れたときに攻める。最善形を巡る攻防だ。 42 1二香(11) ( 0:00/00:00:00) *△4三金直も考えられたが羽生は穴熊を目指す△1二香。穴熊は許さんと▲2五桂と跳ねるか。 *同一局面は5局まで絞り込まれた。▲2五桂が3局、▲2五歩が1局、▲2八飛が1局。先手2勝、後手2勝、1千日手とまったくの五分。 *前例の中には中村の将棋もある。8月に行われた屋敷伸之九段戦(王将戦二次予選)。その対局では先手の中村が▲2五桂△2四銀に▲1九角と据えている(結果は後手の屋敷九段の勝ち)。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>4八飛型に対しては4二金のまま待っているのがよく、後手はこの形を崩したくないのですね。そのための手待ちが△1二香になります。ほかに△9三香も考えられました。 43 2五桂(37) ( 0:00/00:00:00) 44 3七角打 ( 0:00/00:00:00) *銀を逃げずに△3七角。 *「うんうん。これもありますね。飛車が1八へ逃げる手がありません。これもたしか前例があるはずです。糸谷、大平の順位戦だったと思います。▲3三桂成△同金直▲3八飛△2六角成▲4七金までは進むと思うのですが、そこから大変です」西尾六段。 *スラスラと話す西尾六段。たしかに前例は今年の6月に行われたC級1組順位戦、▲糸谷哲郎六段−△大平武洋五段戦だけ。棋士の記憶力の正確さには、いつも驚かせられる。 *【前例は1局に】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-b03c.html *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>1八香型で唯一マイナスになると考えられているのが、この△3七角です。▲4九飛△2六角成で次に△3六馬が5八金と1八香の両取りです。 45 3三桂成(25) ( 0:00/00:00:00) 46 同 金(32) ( 0:00/00:00:00) *△3三同金直までの消費時間は▲中村12分、△羽生35分。 *「これは粘っこい将棋になりそうです。相手の手を消すような。お互い1カ所でも網を破られたらおしまいですから」(野月七段) *局面が動かなくなり野月七段と西尾六段は窓際に立ち、景色を見ながら話している。天気が回復して窓からは横浜市内が見えている。 *野月七段が関係者に挨拶をして対局場をあとにした。 *「△3七角の将棋は中村さんはあまり考えていなかったでしょうね。『こっちか』という感じだったでしょう。逆に羽生さんとすれば△3七角の将棋を指そうと思っていたのでしょう」(西尾六段) *中村の考慮が1時間40分を超える。大長考になった。「次の手が指されれば、午前中はあと3手か4手進むと思います。▲3八飛と指してしまって後手の手を見てから考える人もいると思うんですけどね。▲3八飛に△4六角成なら▲3七銀と打って馬をどんどん圧迫していくような指し方もあると思います。これだけ考えているということは▲2八角と打つ手も読んでいるかもしれません。ただ△4八角成▲同金で手番が後手ですからねぇ。いきなり△8六桂というような手もしっかり先手は読まないといけません。ちょっといきなり打つのは切れてしまいそうですが。あとは▲2八角に△2六角成も考えないといけませんし。▲2八角と打つのなら時間を使っているのも頷けますね」と西尾六段。 *▲2八角△2六角成▲4五歩△4八馬▲同金△7五歩▲6四角△9二飛と西尾六段は継ぎ盤を並べ「難しい……」とひと言。「△9二飛に▲8三角と打って。後手陣は飛車に弱い形なので飛車を取ってしまいたのですが」と続ける。 *11時56分、羽生が立ち上がる。中村が昼食休憩に入れたようだ。羽生が対局室を出た1分後、中村も席を立った。対局室から戻った大内九段が「休憩に入りました」と関係者に声を掛ける。 *△3三同金に中村が1時間48分使って昼食休憩。 *消費時間は▲中村2時間0分、△羽生35分。対局は13時再開される。 *昼食の注文は羽生がビーフときのこの横浜醤油ガーリックピラフ、フレッシュジュース(グレープフルーツ)。中村が葉山牛のスペシャル手ごねハンバーグステーキ(和風ソース・ライス付き)、フレッシュジュース(グレープフルーツ)。 *【昼食休憩】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-bc24.html *【昼食】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-e7a1.html 47 3八飛(48) ( 0:00/00:00:00) *「時間になりました」と大内九段。すぐに中村の手は飛車をつかみ▲3八飛。モニターを見ていた西尾六段は「うん。そうだよなぁ」と口にする。 *控室に吉田正和五段が顔を見せた。 *13時4分、羽生が対局室に戻ってきた。ゆったりしたモーションで眼鏡を外して丁寧に拭いている。 *13時になりニコニコ生放送の野月七段の解説も始まった。 *【対局再開】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-2985.html 48 2六角成(37) ( 0:00/00:00:00) *「うん、そうですよね。それで▲4七金だと思います」(西尾六段) 49 4七金(58) ( 0:00/00:00:00) *「うんうん、そうだよなぁ。なんであんなに考えたんだろう。まあこの後の展開を考えたんでしょうけど」(西尾六段) 50 2七馬(26) ( 0:00/00:00:00) *お茶をひと口すすってから△2七馬を着手。 51 4八飛(38) ( 0:00/00:00:00) *「ここが難しい。候補手はいくつかありそうです。△3五歩か、2筋に桂を打つ(△2六桂や△2五桂)手もありそう。△5五桂は▲同銀△同銀▲5六歩がありますからダメですね」と西尾六段。 52 3五歩(34) ( 0:00/00:00:00) *まだ前例の▲糸谷六段−△大平五段戦と同様に進行している。△3五歩以下▲同歩△3六歩▲4九角△2六馬▲3八飛と進み先手の糸谷六段が制している。 *△3五歩ではなく△2五桂を考える西尾六段。「△2五桂はダメっすね。▲1九角と打たれて△3五歩には▲4五歩で」と話す。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>△3五歩は▲同歩なら△3六歩からと金を作りに行く狙いです。▲3八銀と受けるのも先手の飛車の利きが止まるので自信はありません。 53 4五歩(46) ( 0:00/00:00:00) *「おっ、ついに新しい局面。角を打とうとしてますね。4六か1九へ。△3六歩なら▲1九角と打ちそうっすね」と西尾六段は話す。 *新たな局面が出現して西尾六段も心なしか嬉しそうだ。 *勝又清和六段、伊藤真吾四段が控室に姿を見せた。横浜での対局なので、今後も棋士がどんどん来訪すると思われる。 *羽生がカメラの方に視線を向けている。カメラ側には大きな窓がある。外の景色を眺めているのだろうか。羽生は背中を反らせ立ち上がる。中村は記録係の杉本三段に声を掛け、棋譜を手に取った。 *「△3六歩▲1九角で後手の指し方が難しいですね。△2五桂は▲6四角と飛び出されてしまいます。△6三銀と引くのでは弱気すぎます。△6二飛と回るのは▲5一銀と打たれてしまいます。ここは長考してもおかしくない局面です」(伊藤真四段) *【未知の局面へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-6733.html 54 3六歩(35) ( 0:00/00:00:00) *13時50分、羽生は取り込んだ。 *△3六歩と取り込んだあとも羽生は厳しい表情で横に体を揺らす。 *▲1九角に△3七桂と打つのは▲2五銀がぴったりのようだ。 55 4六角打 ( 0:00/00:00:00) *▲4六角までの消費時間は▲中村2時間13分、△羽生1時間14分。 *▲1九角と筋は同じだが、中村は4六から。 *関係者がおやつのメニューを持って対局室へ。まずは羽生に、続いて中村に。中村がしばし考えた末に決断。糖分補給は重要だ。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲4六角は△3七歩成を受けつつ、▲6四角を狙っています。▲6四角に対しては△7三桂打か△9二飛とかわします。△6三歩と次に打たれても▲1九角と逃げれるのが1八香型のメリットです。 56 4五歩(44) ( 0:00/00:00:00) *優雅な手つきで△4五歩と手を戻す。▲6四角と出てこいと言っている。 *控室では西尾六段と伊藤真四段が検討。もう1面は勝又六段と吉田五段が継ぎ盤を囲み、それを河口七段が見ている。 *▲6四角△9二飛▲8三銀△9三飛▲8二角成が考えられる進行だが、先手が馬を作った局面をどう見るかだ。 *中村は首を振りながら盤面を見続ける。 *『将棋世界』誌上にて勝又六段が連載している「突き抜ける現代将棋」。11月号は居飛車基本3大戦法の巻。角換わりも掲載されてあり、まさにタイムリーだ。 *西日が対局室に差し込み大内九段が心配して対局者に声を掛ける。対局者は西日を特に気にしていないようだ。 *△4五歩に中村の考慮は25分を超えた。 57 6四角(46) ( 0:00/00:00:00) *30分ほど時間を使って角を飛び出す。 58 9二飛(82) ( 0:00/00:00:00) *▲8三銀△9三飛▲8二角成は桂を拾えない(8三の銀が取られてしまう)。また馬筋がそれると△3七歩成も生じる。「▲8三銀と打つ手がたいして面白くないのであれば▲8二銀と打って確実に桂・香を取りにいったほうがいいかもしれません」と勝又六段。 59 8二銀打 ( 0:00/00:00:00) *「おっ当たった」と勝又六段。確実に桂・香を拾う路線だ。 *「▲8二銀に△2五桂はないですかね」と吉田五段。 *「えっ、お互いに上部を開拓するの」と勝又六段。 *△2五桂に▲3八歩と受けるのは△1八馬と香を取られてしまう。 *西尾六段と伊藤真四段の継ぎ盤で検討されているのは△2五桂▲8一銀不成△6二飛▲7三角成△6一飛▲7二銀不成△3一飛▲3八歩。互いに上を広くする順だ。 *森下卓九段の快活な声が聞こえる。関係者1人、1人に挨拶をしている。丁寧な森下九段らしい。手には差し入れの大福。 *15時7分、対局室におやつが運ばれた。羽生がモンブラン、ホットコーヒー、中村がチョコレートケーキとモンブラン、アイスティー(氷なし)。両対局者とも、おしぼりで手をぬぐい、おやつに手を伸ばした。対局はしばし休戦だ。 *【相入玉含みの展開も】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-3c07.html *【おやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-6c0a.html *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲8二銀は次に▲8一銀不成と桂を取って、飛車を逃げると角を成り込む狙いがあります。それを防いで△6三歩にはかまわず▲8一銀不成(▲1九角は△6四桂か△3七桂)△6四歩▲9二銀成△3七歩成と進みますが、形勢は難しいでしょう。 *※局後の感想※ *「▲8二銀に有効手がないようでは、△3七角(44手目)そのものがダメかもしれません」と羽生。 *▲8二銀から先手がペースを握った。 60 6三歩打 ( 0:00/00:00:00) *おやつを食べ終えた羽生が着手したのは△6三歩。 *「ロクサン歩ですか〜。予想してなかったなぁ。角を引かせたほうが得だと」(勝又六段) 61 1九角(64) ( 0:00/00:00:00) *【ニコニコ生放送】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-0fce.html *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲1九角で▲8一銀不成△6四歩▲9二銀成の変化は△3七歩成も残るのでこの順は選びませんでした。 62 6四桂打 ( 0:00/00:00:00) *角の利きを遮断して8二の銀を狙う。 *「▲9一銀成△同飛▲2九香が痛そうな気がするんですが、おかしいなぁ」と森下九段。 *▲9一銀成△同飛▲2九香には△3七歩成▲同金△5九銀が継ぎ盤に並ぶ。「△5九銀で飛車をうまく生還させられない気がします」(勝又六段) *「なるほど△5九銀ねぇ。う〜ん」と言って森下九段は腕組みでモニターを見る。 63 8一銀成(82) ( 0:00/00:00:00) *香を取って▲2九香は自信が持てなかったか。中村は桂に手を伸ばした。 64 7五歩(74) ( 0:00/00:00:00) *▲7五同歩△7六歩に▲6八銀と引かされるのは面白くない。「こういった場合は▲9八玉が筋なのですが、本局は9二へ飛車がいますからねぇ」と森下九段。 65 6七銀(56) ( 0:00/00:00:00) *▲6七銀までの消費時間は▲中村2時間52分、△羽生2時間11分。 *銀を引いて受けに使う。 *モニターを見ると両対局者とも映っていない。杉本三段が1人まっすぐ盤面を見ている。 *△7六歩▲6八銀△2六馬▲2八飛△4四馬▲3六金を西尾六段が検討している。「▲3六金に△5五銀と出れなければおかしいですね。△5五銀には▲4八飛と回って。以下△6六銀は▲4五金と出て、これは先手がいいと思います」と話す。 *関係者が対局室へ入り、夕食の注文を聞いている。羽生がメニューを見ている間も中村は盤を見たままだ。 *雨が上がりお日様がでて、空には虹が見える。思わずカメラを構える記者たち。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲6七銀と先に受けましたね。△7六歩、△7六桂でどちらがいいかはこの後の展開にもよります。後手は△3二金寄や△2四歩等のじっとした展開も有力です。また、先手は▲9一成銀△同飛▲2九香の馬取りの狙いもあるので注意が必要です。 *【先手が瞬間的に銀得】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-8045.html * 66 7六歩(75) ( 0:00/00:00:00) *上野裕和五段が控室を訪れた。 *△7六歩には銀を引くものと思われている。 *「▲6八銀には△4六歩▲同角に△4五銀と出ると思います」と森下九段。河口七段が森下九段へ「んで、どっちがいいんだね」と単刀直入に聞く。「駒得は裏切らないといいますからねぇ」と森下九段。現状は先手の銀得。駒得を愛する森下九段は先手持ちの見解だ。 *青野照市九段も控室を来訪。棋士が多く集まりだし、室温も急上昇。大内九段は対局室に入っている。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>△7六歩にはまず▲6八銀と引く手から考えると思います。▲6八銀がまずいようであれば7六歩を取るでしょう。現局面は先手の中村六段を持ってみたいですが、ニコニコ生放送の形勢アンケートでは後手の羽生王座持ちのユーザーが多いですね。 67 6八銀(77) ( 0:00/00:00:00) *中村は銀を引いて棋譜をしばらく眺めている。やがて席を外した。 *後手は銀を引かせて△8六歩▲同歩△8五歩の継ぎ歩か。△8六歩と取り込めば先手にとって脅威になる。後手はどこかで△3二金寄も指したいところだ。 *中村が対局室に戻り、入れ替わるように今度は羽生が席を立つ。 *【後手の指し手が難しい】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-44f3.html 68 2六馬(27) ( 0:00/00:00:00) *△4四馬〜△5五銀なら攻めに迫力が出るが、その形を先手が許してくれるかどうか。 *※局後の感想※ *「△2六馬が良くなかった。いや元が良くなかったですね。ここでは自信がないです。全部、普通の手なのですが変化のしようがないです。△3二金寄と辛抱しておいたほうが……でもいいって感じじゃないですね」と羽生。 *「ん〜分からないです。馬はいい手だと思いましたが。こちらは馬をどけるしかないです」(中村) 69 2八飛(48) ( 0:00/00:00:00) *△4四馬▲3六金に△5五銀は前述したように▲4八飛で西尾六段は先手持ち。 *羽生の前傾姿勢が深くなっている。 70 4四馬(26) ( 0:00/00:00:00) 71 3六金(47) ( 0:00/00:00:00) *【本局の使用駒】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-698e.html 72 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) *△3五歩が検討され始めたところで、着手された。 *先手の金を2五に引っ張り込む歩だ。 73 2五金(36) ( 0:00/00:00:00) 74 4三金(42) ( 0:00/00:00:00) *「へぇ〜」控室で感嘆の声が上がる。後手玉の脇腹はスカスカになった。脇より頭が重要との判断だ。 *「飛車浮き(▲2六飛)か端歩(▲1五歩)で普通は先手がいいはずですが」(西尾六段) *「んっ、手数は何手まで行った? 74? もうそうんなに行ったか。これは長そうだね。150手は行くよ」と河口七段。 *佐藤紳哉六段が控室へ姿を見せた。佐藤紳六段は神奈川県相模原市の出身だ。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>△3五歩には引くか出るかで迷いますね。▲2五金は▲2四歩△同歩▲同金△同金▲同飛で十字飛車が狙いです。先手が形勢よしと見ているならば▲3七金もあり得るところです。 *ニコニコ生放送の次の一手アンケートでは票が割れましたが、▲1五歩が一番人気でした。確かに現局面は手が広いので迷います。 *【長い勝負か】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-229b.html *※局後の感想※ *「ここで我慢するんだったら△2六馬で△3二金寄と指しておくんでしたね」(羽生) 75 1五歩(16) ( 0:00/00:00:00) *西尾六段が候補に挙げていた端歩。金が2五まで進出しているので端攻めにも迫力がある。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲1五歩を△同歩とは取れないですね。△同歩は▲1三歩でしびれます。△同香は▲1四歩で、△同桂は▲1五金か▲2六金で次に▲1四歩や▲1四桂が残ります。 76 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) *後手の反撃。△8六歩▲同歩は△8五歩の継ぎ歩。 *大内九段が対局室に入った。あと20分で夕食休憩に入る。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>△8六歩に対して▲同歩△8七歩となった局面と、手抜いて△8七歩成とした局面がさほど形勢に影響がないように思うので、私なら手抜いて▲1四歩と指してみたいです。 *※局後の感想※ *△8六歩に代えて△1五同歩▲1三歩△同桂▲2六金△2四歩▲3八飛△3四金右▲1四歩△2五桂▲1五香が検討され「なんか変な将棋だなぁ。しかし指す手がないか。▲1五香には△1七桂成とでもしておくのですかね」と羽生。 77 1四歩(15) ( 0:00/00:00:00) *野月七段が△8六歩を手抜きして攻めたいと解説した▲1四歩だ。 *▲1四歩を着手して中村は窓の方へ視線を向ける。 *西尾六段は△8七歩成に▲同玉と取る手が利くかどうか調べている。顔面で受けても攻めがこなければ怖くない。 *控室は2部屋準備されており、大内九段や青野九段のベテラン組は、別室でモニターを見ている。ただし大内九段は17時40分くらいから対局室に入っている。 *17時55分、両対局者が対局室を出た。やや早いが羽生が夕食休憩に入れたようだ。 *▲1四歩に羽生が14分使って夕食休憩に入った。消費時間は▲中村3時間50分、△羽生3時間27分。 *夕食の注文は、羽生がアメリカンクラブハウスサンド、ジンジャーエール、中村はロイヤルパーク特製ビーフカレー、ジンジャーエール。対局は19時に再開される。 *「先手がいいはずですが、まだ決め手が見つかっていません。長い勝負になりそうですね」と西尾六段は夕食休憩の局面について語ってくれた。 *18時37分には中村は対局室へ戻って考えていた。52分、中村が一瞬席を外して2分ほどして再び戻る。「容易ならざるものを感じているのではないでしょうか」と勝又六段は話す。 *羽生は56分に対局室に戻ってきた。 *【夕食休憩】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-d57e.html *【夕食紹介】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-78de.html 78 3六歩(35) ( 0:00/00:00:00) *対局再開。ここからは終局までノンストップだ。「△3六歩か〜考えてなかったなあ」(勝又六段) 79 2七飛(28) ( 0:00/00:00:00) 80 2四歩(23) ( 0:00/00:00:00) *「複雑な手順だなぁ」声の主は勝又六段だ。 81 2六金(25) ( 0:00/00:00:00) *【200手の気配】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/200-db97.html 82 3四金(43) ( 0:00/00:00:00) *上を厚くしていく羽生。「これはまた200手だよ」と河口七段。 *第2局が203手の激闘。再び大熱戦の予感だ。 *ニコニコ生放送に佐藤慎一四段が出演している。現地でもニコニコ生放送を画面に視線が集まる。 83 8六歩(87) ( 0:00/00:00:00) *中村は落ち着いた手つきで手を戻す。 84 4六歩(45) ( 0:00/00:00:00) *「▲4六同角に△4五銀なら厚み重視。△5五銀なら△6六銀を狙っていますね。▲1五歩と先手が突いた局面を考えれば、後手も楽しみが多い局面になってきたように思います」と西尾六段。 85 同 角(19) ( 0:00/00:00:00) *「うん、取りますよね。△5五銀にはどう指すんだろう」(西尾六段) 86 5五銀(54) ( 0:00/00:00:00) *△6六銀を視野に入れた△5五銀。攻め合いは大丈夫と判断したようだ。羽生は△5五銀を着手して、しばらくして席を立つ。中村はまっすぐ盤上に視線を飛ばす。そして髪をかき揚げる。 *「▲1三歩成に△同香なら▲同香成で、△同桂でも△同玉でも▲5五角△同馬に▲3五香で勝ちたい。▲1三歩成に△同桂でも▲5五角で勝ちにいきたいですね。先手は決めにいきたいところです。決めにいくは言いすぎにしても形勢をはっきりさせたいですね」と西尾六段。 *野月七段の解説を聞いた伊藤真四段は「なるほど。玉を1筋に呼びよせるんですね。一理あります」と話す。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>これは角を切るでしょうね。一例ですが、△同馬▲3五歩△4四金寄▲1三歩成△同香▲同香成△同玉▲3四香で寄ってそうですね。以下△2三金にも▲1四歩とたたけば寄り筋です。 *【急転直下か】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-8e8a.html *※局後の感想※ *「△5五銀に代えて△4五銀は▲2八角△4六歩の瞬間にに裏を取られてしまいますね」と羽生。裏を取られるとは▲1七角のことだ。 87 同 角(46) ( 0:00/00:00:00) *19時31分、中村は決断の角切り。 88 同 馬(44) ( 0:00/00:00:00) *羽生はノータイムで応じる。 89 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) 90 4四金(34) ( 0:00/00:00:00) *【東京・将棋会館の解説会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-2803.html 91 1三歩成(14) ( 0:00/00:00:00) *△1三同香は▲同香成で先手に香を渡す。 *また先手は▲9一成銀と香を拾う手もある。香を入手すれば▲3四香と打つ手が厳しい。 92 同 桂(21) ( 0:00/00:00:00) *羽生は桂で応じた。香は渡しにくい。しかし△1三同桂には▲1四歩がある。ここへきて控室の雰囲気は先手優勢。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>△1三同桂は香を渡しにくいと判断しての非常手段です。おそらく▲1四歩と打つでしょう。現局面は先手よしですが、相手が羽生王座なのでひと筋縄にはいかないと思います。 93 4五歩打 ( 0:00/00:00:00) *△4五同馬は▲4六歩と打つ。これも△同馬なら▲9一成銀から▲4九香が激痛だ。▲4六歩に馬が逃げるのは▲4五桂と打てば、歩が攻めの足場になる。△4五同金は金が上に呼ばれ、3四の地点の利きが1枚減ってしまう。 *「△4五同金は▲9一成銀〜▲3四香で受けが難しくなります。△4五同馬と取って▲4六歩には△5四馬と引いておくのですかね。そこで▲4五桂と打つのは△同金▲同歩に△8七歩〜△7五桂の反撃があるので指しにくいですね。馬で取ると思います」と西尾六段。 *※局後の感想※ *「▲4五歩は危ない指し方かと思ったのですが」(中村) 94 同 馬(55) ( 0:00/00:00:00) 95 3四銀打 ( 0:00/00:00:00) *露骨に打ち込む。守りの金をはがすのは寄せの基本だ。金だけでなく馬にも当たっているのでより厳しい。 *先手が優勢だが、あまり駒は渡せない。桂は渡してはいけない駒。△7五桂が生じてしまう。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲4六歩も有力でしたが、▲3四銀と打ち込みました。狙いは守備駒をはがして後手陣を薄くすることです。ただ後手にかな駒を渡すと7七に駒を打ち込まれる怖さもあります。 96 同 金(44) ( 0:00/00:00:00) 97 同 歩(35) ( 0:00/00:00:00) 98 同 金(33) ( 0:00/00:00:00) 99 3五歩打 ( 0:00/00:00:00) *とにかく頭を押さえつける。 *△3五同金▲同金△同馬は▲4七桂。△2五金は▲1三香成から▲2五金。 *※局後の感想※ *「▲3五歩にはやっぱり固まってしまいますね」(羽生) 100 8七歩打 ( 0:00/00:00:00) *△8七歩まで、残り時間は▲中村39分、△羽生1時間14分。 *ここで切り札を切った。 *「1番やってはいけないのが▲7九玉です」と伊藤真四段。△4四金と逃げられて後手に駒を渡しにくくなる。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>一番いやなタイミングで歩を打ちました。△8七同玉は危険です。7五に桂を打たれたときにトン死しやすいのと、次に△5四馬とされると△7七歩成?△7二飛の狙いがあります。 *【100手目、先手優勢も難解】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/100-9c64.html 101 同 玉(88) ( 0:00/00:00:00) *「玉、ぎょく、ギョクですか〜。玉なんて手があるのか」と控室。 *▲9八玉や▲8七同金は継ぎ盤に並んでいたが、▲8七同玉は調べられていなかった。 *▲8七同金は△7七銀と放り込む手が厳しかった。以下▲同桂△同歩成▲同銀△6七馬が△7九角▲同玉△7八銀▲8八玉△8七銀成▲同玉△7五桂からの詰めろになっている。▲3四歩と金を取る手が間に合わない。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲8七同玉でした。先ほど危険と解説しましたが、△5四馬?△7七歩成に▲9七玉で詰みはありません。先手としてはその瞬間に詰ましてしまおうということですね。 102 3三金(34) ( 0:00/00:00:00) 103 9一成銀(81) ( 0:00/00:00:00) *先手が1番欲しい駒を補充した。 104 同 飛(92) ( 0:00/00:00:00) *玉が露出してきて先手優勢ムードも急接近だ。 *「まあ香を打ちますよね。3四へ。1枚はがしておきたい」と青野九段。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲3四香と打って金が逃げてくれれば後手寄り筋ですが、おそらく逃げずに攻め合うでしょう。具体的には△8五歩と打って攻め合います。現局面は先手持ちなのですが、徐々に差が縮まっている印象です。 105 4六歩打 ( 0:00/00:00:00) *「▲4六歩には△5四馬と引かれてしまいます。▲6五金と打つつもりなのでしょうか。ただ△5四馬と引かれた局面は先手玉はかなり危ないと思うのですが」(西尾六段) *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲4六歩は△5四馬としたとき、次に△7七歩成があるので相当厳しくなります。以下▲3四桂と打っても△同金▲同歩で△8七とからバラして△6九角〜△7五桂で先手詰み筋です。したがって△5四馬には▲6五金と打つしかなさそうです。 *【詰む、詰まない】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-4163.html 106 5四馬(45) ( 0:00/00:00:00) *△7七歩成から先手玉は危ういがまだ詰めろにはなっていないようだ。 107 6五金打 ( 0:00/00:00:00) *手厚く金を打つ。先手は3四に香をたたきこめば攻めには困らない。 108 4三馬(54) ( 0:00/00:00:00) *※局後の感想※ *△4三馬に代えて△8五歩▲5四金△同歩▲3四香△8六歩▲8八玉が検討され「▲8八玉に△8一飛は詰めろじゃないので一手負けですね。ダメです」と羽生。 *△8五歩▲5四金△8六歩▲8八玉△8七銀は▲7九玉△5四歩に▲3四香と打って先手の勝ち筋。「次に8七の銀を取られて、こちらの玉が詰んでしまいます」と羽生。 109 3四香打 ( 0:00/00:00:00) *手番が回った中村は香をたたき込む。 110 8一飛(91) ( 0:00/00:00:00) *香が入るのを見越した飛車寄りのようだ。香が入れば△8二香のロケットだ。先手も▲3三香成と香を渡しにくくなっている。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲3四香に対して△同金や△2三金は先手の攻めが早くなるので、△8一飛と指しました。 111 1五金(26) ( 0:00/00:00:00) *香は渡せないと判断して金を援軍に送る。 *「どちらかが勝ちなんでしょうが、私には分からないです。ただ1つ言えるのは▲1五金は最強の一手です。△6五馬▲同歩△7五銀には▲3三香成から後手玉を狙ってますね。後手の馬に制約を与えているのです。▲1五金に後手の手が分からないですね。▲1五金に黙っていると▲3三香成と取ります。△同玉なら▲3四金から馬が取れます。△同馬は馬筋が反れて先手陣への脅威がなくなります」(伊藤真四段) *【最強の手▲1五金】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/1-a2a8.html 112 8五歩打 ( 0:00/00:00:00) 113 2四金(15) ( 0:00/00:00:00) *後手玉は▲3三金△3一玉▲4三金△4一玉▲2一飛成の詰めろ。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲2四金は厳しい手で、△同金は▲同飛△2三歩▲1四桂で後手玉は詰み。また放っておくと、次に▲3三金の開き王手が厳しく△3一玉▲2一飛成で詰みです。 114 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) *羽生の指し手も早い。「え・え・え」直線的な攻めに控室もとまどいの声。 115 9七玉(87) ( 0:00/00:00:00) *先手玉は金を渡さなければ大丈夫。後手は詰めろを受けなければならない。 *「△2五歩は▲1三香成△同香▲3三香成△同馬に▲2五飛と走って先手が勝ちだと思います」(西尾六段) *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>▲3三金からの開き王手が厳しいので、△2六歩から受けると思います。 *【先手勝勢】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-f178-1.html 116 2六歩打 ( 0:00/00:00:00) 117 同 飛(27) ( 0:00/00:00:00) 118 2五歩打 ( 0:00/00:00:00) *中村は前傾姿勢。羽生の背中はピンと伸びている。 119 3三香成(34) ( 0:00/00:00:00) 120 同 馬(43) ( 0:00/00:00:00) 121 1三香成(18) ( 0:00/00:00:00) 122 同 香(12) ( 0:00/00:00:00) *▲2五飛が▲3三金△同玉▲4五桂以下の詰めろになる。 *中村の残り時間が10分になった。 *河口七段が対局室へ向かった。 123 2五飛(26) ( 0:00/00:00:00) *▲2五飛で後手玉は必至だと言われている。 *△2四馬は▲2四飛△2三歩▲3四桂△3二玉▲4四桂△3三玉▲4二角以下詰む。 124 2四馬(33) ( 0:00/00:00:00) *羽生は金を取って形を作った。 125 同 飛(25) ( 0:00/00:00:00) 126 2三歩打 ( 0:00/00:00:00) *羽生は力なく歩を打った。 *中村の残り時間は8分……7分。最終確認の時間だろう。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>これは▲3四桂から後手玉が詰みのようです。△3三玉は▲4二角で、△3二玉は▲4四桂で詰みます。 127 3四桂打 ( 0:00/00:00:00) 128 3二玉(22) ( 0:00/00:00:00) 129 4四桂打 ( 0:00/00:00:00) *控室は静まり返りモニターを見る。やがてモニターから羽生の「負けました」という声が聞こえた。 *中村が今シリーズ2勝目を挙げ、王座奪取に王手を掛けた。 *終局は21時30分、消費時間は▲中村4時間54分、△羽生4時間24分。第4局は10月8日(火)新潟県南魚沼市「龍言」にて行われる。 *■ニコニコ生放送■ *野月浩貴七段>129手を持って挑戦者の中村六段が勝ちました。以下、△4三玉は▲2三飛成から詰み。△3三玉は▲4二角△4四玉▲5五金△4三玉(△3五玉は▲4五金、△同玉は▲4五金)▲2三飛成で以下簡単な詰みです。 *本局は中村六段が終始ペースを握っていましたね。途中危ないところもありましたが、逆転を許さず抑えて勝ちきったところはさすがだなと思います。本局で中村六段が2勝し、王座奪還に向けて王手をかけました。次局以降の羽生王座の巻き返しに期待します。本日はニコニコ生放送をご視聴いただきありがとうございました。それでは失礼致します。 *【終局直後】 *http://kifulog.shogi.or.jp/ouza/2013/10/post-bb10.html 130 投了 ( 0:00/00:00:00) まで129手で先手の勝ち