# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.66 棋譜ファイル --- 対局ID:15646 記録ID:64d9ce69b63d4d8b61840247 開始日時:2023/08/22 09:00 終了日時:2023/08/23 18:39 棋戦:伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦七番勝負第5局 戦型:横歩取り△3三角型 持ち時間:8時間 秒読み:60秒 消費時間:95▲472△475 場所:徳島県徳島市「渭水苑」 備考:昼休前39手目20分\n2日目昼休前55手目39分\n封じ手時刻:18:02<46手目>\n 振り駒:なし 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:30〜13:30 昼休前消費時間:39手20分 手合割:平手   先手:藤井聡太王位 後手:佐々木大地七段 先手省略名:藤井聡 後手省略名:佐々大 手数----指手---------消費時間-- *藤井聡太王位に佐々木大地七段が挑戦中の伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦七番勝負は、第4局で佐々木が踏みとどまり、現在のスコアは藤井の3勝1敗。 *第5局は徳島新聞社の主催で8月22、23日(火、水)、徳島県徳島市「渭水苑」で行われる。藤井が防衛を決めるのか、それとも佐々木が逆転奪取に望みをつなぐのか。 *立会人は中村修九段、副立会人は武市三郎七段、記録係は松下洸平初段(森安正幸七段門下)、観戦記の執筆は内田晶さん。現地大盤解説会は武市七段と藤井奈々女流初段が担当する。 *本局の先手は藤井で、持ち時間は各8時間。開始時刻は両日ともに9時で、昼食休憩は12時30分から13時30分まで。おやつは10時と15時に用意される。 *なお、1日目の封じ手時刻は18時。手番の対局者が次の一手を封じ、翌日に指し継がれる。 *対局1日目、徳島市の天気は晴れ。外は朝からセミが鳴いており、夏らしい蒸し暑さだ。 *8時40分、立会席には中村修九段、日本将棋連盟常務理事の清水市代七段、記録係の松下初段が座っている。松下初段は和服姿で、自分で着付けたという。 *8時45分、佐々木が先に入室した。薄い桜色の羽織に煤色の袴。下座に着いて信玄袋から懐中時計と扇子を取り出す。藤井を待つ間、しばし両手をつき、顔を伏せて集中していた。 *8時50分、藤井が周囲の関係者にあいさつをしながら入室。薄い空色の羽織に銀鼠色の袴。着席して扇子、電波時計、ウエットティッシュなどを取り出す。そして姿勢を正し、佐々木と呼吸を合わせて一礼。盤上の駒箱に手を伸ばした。 * *【主催】徳島新聞 *https://www.topics.or.jp/ *【特別協賛】お〜いお茶(伊藤園) *https://www.itoen.jp/oiocha/ *【協賛】徳島大正銀行 *https://www.tokugin.co.jp/ *【対局場】渭水苑 *http://www.isuien.com/ *【第5局は徳島対局】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-24f2.html *【1日目の朝】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-4cce.html * *(棋譜コメント入力=夏芽) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *定刻の9時、立会人の中村修九段が「それでは定刻となりましたので、藤井王位の先手でお願いします」と告げた。 *対局者、関係者が一斉に一礼。 *藤井は普段通り、湯飲みの茶を飲み、飛車先の歩を突き出す。 * *【1日目対局開始】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-8026.html 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *佐々木の2手目は△3四歩。 *これは相掛かりや角換わりとは違う出だしだ。 3 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *◆藤井 聡太(ふじい そうた)王位(竜王・名人・叡王・棋王・王将・棋聖)◆ *2002年7月19日生まれの21歳。愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2012年、6級で奨励会入会。2016年、四段(プロ入り)。2021年、九段。棋士番号は307。 *タイトル戦登場は17回。獲得は竜王2期、名人1期、王位3期、叡王3期、棋王1期、王将2期、棋聖4期の計16期。棋戦優勝は9回。 4 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *◆佐々木 大地(ささき だいち)七段◆ *1995年5月30日生まれの28歳。長崎県対馬市出身。深浦康市九段門下。2008年、6級で奨励会入会。2016年、四段(プロ入り)。2022年、七段。棋士番号は306。 *タイトル戦登場は2回。 5 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *王位戦は、新聞三社連合が主催のタイトル棋戦。新聞三社連合は1950年に中日新聞(東京新聞)、北海道新聞、西日本新聞のブロック紙3社で設立され、1973年に神戸新聞、1984年に徳島新聞が加入した。現在は王位戦、女流王位戦、天元戦(囲碁)を開催している。 *タイトル戦の七番勝負は1局ごとに主催新聞社が変わり、今期は第1局から順に愛知県、兵庫県、北海道、佐賀県、そして徳島県と転戦してきた。 *第62期(2021年)からは株式会社伊藤園が特別協賛に加入。現在は棋戦名に「伊藤園お〜いお茶杯」の冠がついている。 6 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *昨日開かれた前夜祭「ファンとの集い」で、中村修九段は戦型予想に相掛かり、そして横歩取りを挙げていた。 *その予想が的中するか。 7 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *藤井の通算成績は335勝67敗(勝率0.833)。 *今年度成績は17勝4敗(0.810)で、対局数ランキング2位タイ、勝数ランキング4位、勝率ランキング9位、連勝ランキング6位(7連勝)。 8 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *佐々木の通算成績は274勝117敗(勝率0.701)。 *今年度成績は19勝9敗(0.679)で、対局数ランキング1位、勝数ランキング1位、連勝ランキング1位(15連勝)。 9 2四歩(25) ( 1:00/00:01:00) *対局室では関係者、報道陣が退室。 *そして藤井は1分を消費し、▲2四歩と飛車先交換に動く。 10 同 歩(23) ( 0:00/00:00:00) *両者の対戦成績は藤井8勝、佐々木4勝。 *6月から棋聖戦と王位戦、ふたつのタイトル戦で争っており、棋聖を防衛した藤井が少し差を広げつつある。 *ただし、直近の王位戦第4局は佐々木が勝利。対藤井戦の連敗を5で止めた。 11 同 飛(28) ( 0:00/00:01:00) *対局開始を見届けた関係者が控室に戻ってきた。 *藤井女流初段がモニターを見ながら「横歩取りですか」とつぶやく。 12 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) *本局はインターネットテレビ「ABEMA」で動画配信されており、対局1日目の解説は梶浦宏孝七段と門倉啓太五段、聞き手は中村真梨花女流四段と脇田菜々子女流初段が務めている。 * *【伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦 七番勝負第五局1日目 - ABEMA】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/9gco17AqhQha1m *【1日目動画中継】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-93d0.html 13 同 歩(87) ( 0:00/00:01:00) *徳島市は四国東部にある徳島県の県庁所在地。中心部には緑のシンボル「眉山」があり、その標高は290メートル。市内には一級河川の吉野川をはじめ、大小134本の川が流れている自然豊かな街である。 *日本を代表する夏祭り「阿波おどり」は400年以上の歴史があり、人形芝居の「阿波人形浄瑠璃」は国の重要無形文化財に指定された伝統芸能。食べ物では新鮮な海産物のほか、すだち、徳島ラーメン、阿波尾鶏(高級地鶏)など、地元徳島産の料理を味わえる店が多くある。 * *【徳島市】 *https://www.city.tokushima.tokushima.jp/ 14 同 飛(82) ( 0:00/00:00:00) *対局場の渭水苑(いすいえん)は元々(故)和田吉郎氏個人の邸宅で、1980年に料亭として開業した。 *「渭水」とは水の集まる都の意味で、水のように人が集まり、憩い、栄えるという願いが込められている。約1000坪の庭園は茶庭、池泉庭園、枯山水庭園の3種があり、2018年の「将棋の日」には日本将棋連盟から感謝状が贈られている。 * *【渭水苑(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-5a76.html *【渭水苑(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-4ea3.html 15 3四飛(24) ( 0:00/00:01:00) *9時9分、藤井の▲3四飛で本局の戦型は横歩取りに決まった。 *「予想通りですね」と控室の中村修九段。 *後手の佐々木は1歩損になったが、そのぶん主導権が取りやすい戦型だという。 16 3三角(22) ( 0:00/00:00:00) *最も実戦例の多い角上がり。 *代えて△3三桂や△8八角成と進める作戦もある。 17 5八玉(59) ( 1:00/00:02:00) *▲5八玉は「青野流」と呼ばれる一手で、青野照市九段が得意にしている形。 *居玉を避け、▲3六歩〜▲3七桂と使っていく展開を目指している。 18 8二飛(86) ( 2:00/00:02:00) *ここまでノータイムで進めてきた佐々木だが、2分を消費し、△8二飛と引き揚げた。 *データベースの前例は50局(▲30勝△20勝)。藤井は先手側で2局指しており、1勝1敗である。 *一方、佐々木は公式戦で初めて指す形。もちろん自身が誘導した局面なので、事前研究が行き届いていることは間違いない。 19 3六歩(37) ( 6:00/00:08:00) *早くも前傾姿勢で集中する両対局者。 *藤井は3筋の歩を進め、右桂が跳ぶための道を作った。 *控室では、中村修九段が現局面を継ぎ盤に並べており、その様子を副立会人の武市七段が横で見ている。 20 2六歩打 ( 1:00/00:03:00) *△2六歩が「垂れ歩」と呼ばれる手筋。次に△2七歩成でと金ができれば大きな戦力である。 *「この局面で先手の選択肢が色々あるので、1時間は考えるかもしれませんね」と中村修九段。前例は▲2八歩、▲3七桂、▲3八金、▲3八銀、▲8三歩の5種が指されている。 *しばらくして佐々木が正座の足を崩す。藤井は脇息に左肘をのせながら考えている。 21 3八金(49) ( 9:00/00:17:00) *藤井は9分の考慮で▲3八金と上がり、着手後に席を立った。 *△2七歩成を受けた一手で、藤井は昨年2月の順位戦で阿久津主税八段と同じ局面を指している。 22 8八角成(33) ( 5:00/00:08:00) *角交換。 *データベースの前例は2局に減り、▲8八同銀△3三金▲3五飛△4四角▲6六角までは同じ進行をたどっている。 23 同 銀(79) ( 4:00/00:21:00) *【1日目対局開始まで(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-6b2a.html *【1日目対局開始まで(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-7009.html 24 3三金(32) ( 1:00/00:09:00) *金立ちで飛車を追う。 *▲3五飛に△4四角を狙いながら、△2二飛という横への活用を含みにしている。 25 8三歩打 ( 2:00/00:23:00) *9時44分、藤井が▲8三歩と前例にない一手を放った。 *「これは1日目で優劣がつく可能性がありますね」(中村修九段) *短時間で▲8三歩を指したということは、藤井の中でも、ある程度経験のある形なのだろう。 *▲8三歩は△同飛に▲8四歩の連打で止めようとしている。 * *※局後の感想※ *「▲8三歩はしょうがないですよね」と話す藤井に対し、佐々木は「代えて▲3五飛△4四角▲6六角もあるかと思いました」とコメント。 *▲6六角以下(1)△同角▲同歩△1二角なら▲7九金。佐々木は▲6六角に(2)△3五角▲同歩△4四歩の順を想定していたという。 26 同 飛(82) (11:00/00:20:00) *佐々木は堂々と取って前に出る。 *控室の継ぎ盤には代えて△2二飛▲8四飛△2七歩成▲2三歩△同飛▲2四歩△同飛▲同飛△同金▲2七金の変化が並んでいた。 27 8四歩打 ( 5:00/00:28:00) *対局前日は藤井が電車、佐々木が飛行機でそれぞれ現地入りした。 *藤井は過去2回、徳島には車を使って淡路島を経由していたが、今回は岡山駅からJRの「快速マリンライナー」と「特急うずしお」を利用。瀬戸内海の景色を楽しめたと話す。 *一方、佐々木は対局者としては初めてだが、プライベートで徳島にある祖谷(いや)温泉に訪れたことがあるという。 28 8二飛(83) ( 0:00/00:20:00) *関係者一行は16時ごろ渭水苑に着き、対局室の検分を行った。 *本局で使われている盤、駒台は渭水苑が所有している品。将棋が大好きだった和田氏の発注で作られたものだという。 *なお、今期は昨年までと対局室のレイアウトが90度変わっており、本局は床の間の前に立会席が設けられている。 * *【検分】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-42ac-1.html 29 3五飛(34) ( 0:00/00:28:00) *時刻は10時を回り、それぞれの控室におやつが用意された。 *1日目午前のおやつは、藤井が「季節の和菓子」と抹茶。佐々木が「季節のフルーツ」とホットコーヒー。 *飲み物のみ対局室に運ばれている。 * *【1日目午前のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-62f1-1.html 30 2二飛(82) ( 1:00/00:21:00) *2筋に飛車を回り、次に△2七歩成の狙いを見せる。 *26手目で単に△2二飛とかわす変化と比べ、先手の持ち駒の歩を少なくしているぶん得という判断だろう。先手は▲2八歩か▲2八銀か。 *控室の中村修九段は「激しい進行で1日目で差がつくかと思いましたが、これは局面が収まりそうですね」と話す。 *手番の藤井が再び離席。佐々木は右手の扇子の先端を口元に当てている。 * *【戦型】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-e8a0.html 31 2八歩打 (33:00/01:01:00) *最後の1歩を使って2筋を受ける。 *先手は歩切れになったが、次に▲8三歩成の狙いが残っている。 32 8二歩打 ( 6:00/00:27:00) *昨日の検分後、両対局者は記念撮影と記者会見に応じた。 *佐々木は「普段と変わらず自然体で臨みたい」、藤井は「第4局の反省点を少しでも改善したい」と意気込みを語る。 *それぞれ相手の印象について、佐々木は「(藤井王位は)距離感をつかむのがうまい受け将棋」、藤井は「(佐々木七段は)バランス感覚が非常に優れている」との回答だった。 * *【対局前日記者会見】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-a120.html 33 7七銀(88) (10:00/01:11:00) *「これは第二次駒組みですかね。先の展開を見据えて指し手を選ぶことになりそうです。例えば先手は▲6六銀〜▲7七桂と組んでいくのか、それとも▲8五飛△7二金に▲6八銀と引いて▲6六歩〜▲6七銀の形を作っていくのか。▲3七桂と跳ねると後手は▲2五飛や▲4五桂の筋を警戒しないといけません」(中村修九段) *一方、控室の片隅では武市七段が色紙への揮毫。詰将棋を書くため、丁寧に筆でマス目を描いている。 34 7二金(61) (15:00/00:42:00) *七番勝負は藤井が3連勝のあと、先週行われた第4局で佐々木が1勝を返した。 *過去、王位戦の歴史の中で3連敗から4連勝の大逆転が1度だけある。成し遂げたのは佐々木の師匠である深浦九段(2009年、第50期)。佐々木は前日の記者会見で「改めてすごいなと感じました」と述べた。 *佐々木にとっては、この第5局が本当の正念場。藤井は先手番が特に強く、現在の通算勝率は8割3分3厘だが、これが先手番のみだと8割9分まで跳ね上がる。 *この第5局を乗り越えることができれば、逆転奪取の光が見えてくるだろう。 * *【師匠の将棋】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-7a25.html *【1日目午前の控室】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-94ad.html 35 6六銀(77) (28:00/01:39:00) *11時39分、藤井が28分の考慮で▲6六銀と出る。 *「6七銀型のほうがバランスはいいのですが、手数がかかりますからね。▲6六銀のあと▲7七桂、▲3七桂と2枚使えれば5筋を狙える形になりますし、▲8五飛〜▲5六角のような形を作ったときに▲6六銀は角頭を守っている意味があります」(中村修九段) *前傾姿勢の佐々木が一度体を起こし、後頭部に手を当てる。 * *※局後の感想※ *代えて(1)▲3七桂△4二銀▲4五桂△3二金▲5三桂成△同銀▲3一角の強襲は、以下△4二銀▲2二角成△同金▲2五飛△2三桂▲5五飛△4一玉で、藤井が「援軍がないので」と自信なさげのコメント。 *(2)▲8五飛△6二銀▲7五歩△6四歩▲8六飛△6三銀▲6六銀△4四金▲4八銀という順も並べられたが、これも「▲7五歩と取っても形がよくなるわけではないので」と、やや否定気味の感想だった。 36 6二銀(71) (11:00/00:53:00) *【ファンとの集い(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-0f26.html *【ファンとの集い(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-3460.html *【ファンとの集い(3)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-d3a5.html *【ファンとの集い(4)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-72e4.html 37 8五飛(35) (12:00/01:51:00) *現在、藤井は八大タイトルの七冠を保持しており、来週31日(木)から永瀬拓矢王座との五番勝負を控えている。 *前人未踏の「八冠」成るか。将棋ファンだけでなく、将棋を詳しく知らない人々も藤井の勝敗には注目している。もちろん年内に達成するには、この王位のタイトルを守りきらなければならない。 38 6四歩(63) ( 5:00/00:58:00) *△6四歩を突けば、次は△6三銀と立つのが形。後手は居玉の解消より、金銀のポジショニングを優先している。 *その後、副立会人の武市七段が対局室に入った。昼食休憩の時刻が近づいている。 *「歩越し銀には歩で対抗。△6四歩は▲7七桂〜▲6五桂の筋を防いでいる意味もあります。このあと△4二銀は指すと思いますが、後手は3三の金をどういうルートで使うか。△4四歩〜△4三金という組み方も考えられます」(中村修九段) *12時30分、△6四歩の局面で藤井の考慮が20分を記録し、昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲藤井2時間11分、△佐々木58分。昼食は両者「松花堂弁当」だった。 *佐々木は13時26分、藤井は13時27分に戻った。藤井は前傾になり、扇子をゆらゆらと動かしながら集中。 *そして13時30分、記録係の松下初段から「時間になりました」の声がかかる。 * *【1日目昼食休憩】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-70fe-1.html *【昼食休憩中の控室】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-ed9e.html 39 7七桂(89) (33:00/02:24:00) *13時43分、藤井が▲7七桂を着手。 *次に▲6五桂とは跳ねられないが、▲8九飛と深く引けるようにしている。 * *【1日目対局再開(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-3731.html *【1日目対局再開(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-6ce1.html 40 6三銀(62) ( 5:00/01:03:00) *後手の佐々木は、手持ちの1歩を生かせる順を探したいところ。 *その具体的な例として△5四角と打つ筋を含みに、△1四歩や△9四歩と突いていく順は考えられる。 41 4八銀(39) ( 5:00/02:29:00) *銀を上がり、中住まいの陣形を整える。 *先ほどまで渭水苑付近は青空だったが、少しずつ雲が厚くなってきた。明日の2日目は雨との予報である。 *▲4八銀の着手後、藤井が席を立つ。あぐらの佐々木は悩まし気に背中を丸め、下を向いている。 *昼食休憩時、控室では後手の3一の銀の使い道が検討されていた。△4二銀と上がったあと、△5四歩〜△5三銀は▲3七桂の目標になりやすく、△4四歩〜△4三銀〜△3二金の順では手損が気になるという。 42 4二銀(31) (27:00/01:30:00) *△4二銀は27分の考慮。 *午前中は早い着手が多かった佐々木も、午後に入って時間を使うようになってきた。 43 8九飛(85) (21:00/02:50:00) *控室では地元・徳島市出身の武市七段がモニター前で対局室の様子を見守っている。 *「後手は手持ちの1歩を生かしたいですが、まだ居玉なので、すぐに攻める手は考えにくいですね。△5二玉〜△4四歩〜△4三金の順で組むのが自然かと思いますが、それだと先手も▲4六歩〜▲4七銀〜▲3七桂が間に合ってきます。その進行が嫌なら△4四歩では△4四金かもしれませんね」(武市七段) *時刻は15時を回り、それぞれの控室におやつが用意された。 *1日目午後のおやつは、藤井が「夏のロールケーキ」とアイスティー。佐々木が「季節の和菓子」と抹茶。 *しばらくして藤井が席を立つ。おやつを食べに向かったのだろう。その間、佐々木は脇息に体をのせ、盤面を見ず、顔を伏せた姿勢で熟考している。 * *【1日目午後のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-59ae-1.html 44 4四金(33) (49:00/02:19:00) *封じ手用の封筒を準備していた中村修九段。署名を終え、モニター前に歩みに寄ると「金を出ましたね」とコメント。 *△4四金は▲4六歩に△3五歩を見せて、先手の駒組みを牽制しているという。以下▲3五同歩は△3六角の王手が怖い。 *その後、控室では藤井女流初段の揮毫色紙が話題になっている。字そのものも達筆だが、イラストが筆で描いたとは思えないほど完成度が高い。 * *【恵まれた画才】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-e49a.html *【描き方】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-d122.html * *※局後の感想※ *代えて△4四歩〜△4三金と組む順もあったが、藤井は「△4四金のほうが嫌なのかなと思った」と明かす。 45 4六歩(47) (25:00/03:15:00) *15時57分、藤井が4筋の歩を突き出すと、控室の中村修九段は「あら、これは戦いになっちゃうよ」とつぶやく。そして△3五歩▲4七銀△3六歩▲同銀△1四角▲4七銀△3五金の進行を一例に示した。 *「先手は、それが嫌なら▲4六歩のところで▲6八玉とか▲1六歩とか色々あったと思うので、△3五歩には何か用意の順があるのでしょう。逆に、ここで△3五歩と合わさないと△4四金と上がった意味がないと思うんですよね」(中村修九段) *先述の通り、△3五歩に▲同歩は△3六角の王手があり、以下▲4七銀△2七歩成▲3六銀△3八との変化は、後手のと金の価値が高い。 *佐々木の考慮が30分を超え、グラスの水をひと口。動いていくなら△3五歩だが、ほかにも△3三桂や△7四歩など有力手がいくつか見える。 *その後、△3五歩には▲同歩△3六角に▲4七角と合わせる順が有力とされた。以下△2七歩成▲同歩△同角成には▲同金△同飛成▲8三歩成△同歩▲1八角△2八竜▲8三角成で、この攻め合いは先手のほうが速い。 *佐々木の長考が1時間を超え、時刻は17時を回った。外は西日が強くなり、対局室周りの戸が一部閉められている。 *「方針が決まれば指すと思うのですが、この局面で封じ手になる可能性もなくはないと思います」(中村修九段) *17時30分を過ぎ、封じ手の18時まで残り30分を切った。 *△3五歩以外だと△3三桂、△7四歩、△5二玉、△1四角などが予想手に挙がっている。仕掛けるか待つか、あとがない佐々木にとっては決断を要する大事な場面だ。 *17時48分、中村修九段と武市七段が対局室に入った。記録係の松下初段が封じ手用紙の準備を進めている。 *18時、立会人から「定刻の時間になりましたので、次の一手を封じ手ください」と告げられた。 *佐々木は、しばらく右手を首に当てたまま動かなかったが、18時2分、封じる意思を示して用具一式を受け取る。 *封じ手の考慮時間は2時間4分。よって1日目の消費時間は▲藤井3時間15分、△佐々木4時間23分。 *18時8分、封じ手の記入を終えた佐々木が戻った。2通の封筒は藤井の手に渡り、赤いペンで署名が入る。そして封筒は再度、佐々木に手に戻り、改めて立会人の中村修九段に預けられた。 *封じ手予想は中村修九段が△1四角、武市七段が△5二玉、藤井女流初段が△7四歩、松下初段が△5四金とバラバラだった。封じ手は翌日の9時に開封される。 *対局2日目、徳島市は早朝雨が降っていたが、少しずつ空が明るくなってきた。渭水苑の玄関からは、うっすらと虹が見える。 *8時40分、立会席は中村修九段を中央に、関係者が座って待機している。 *佐々木は8時46分、藤井は8時48分に入室。それぞれ座布団周りに私物を置き、一礼した藤井が駒箱のフタを開ける。 *1枚ずつ交互に駒を並べていく両対局者。そして40枚の駒が並べ終わると、松下初段による1日目の指し手の読み上げが始まった。 *8時58分、中村修九段が「それでは封じ手を開封します」と立会席から移動。そして2通の封筒にハサミが入れられた。 * *【1時間超えの長考】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-397f.html *【佐々木七段が2時間超えの長考で次の一手を封じる】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-bfe5.html *【封じ手】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-4646-1.html *【封じ手予想】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-7809.html *【対局2日目の朝】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-fb32.html * *※局後の感想※ *「▲4六歩は危なかったかもしれない」と藤井。代えて▲1六歩で△1四角を牽制しておく手もあった。 46 1四角打 (124:00/04:23:00) *「封じ手は△1四角です」(中村修九段) *その声のあと佐々木が盤上に角を打ち下ろす。そして改めて全員で一礼し、対局2日目が始まった。 *この端角は中村修九段が予想に挙げていた一手。5八の玉に狙いを定めている。 *数分後、報道陣が退室。藤井はウエットティッシュを1枚取り出し、首元の汗を拭う。 *「▲4七銀なら△3五歩と合わせますね。▲4七角なら△7四歩と突いて、それはまた駒組みになると思いますが、角の打ち合いになれば先手は4七銀型が作りにくい、ということですね」(中村修九段) *昨日同様、対局2日目も「ABEMA」による動画配信があり、解説は中村太地八段と勝又清和七段、聞き手は貞升南女流二段と中村桃子女流二段が務めている。 *再開から30分が過ぎたが、藤井が前傾姿勢のまま考え続けている。 *武市七段は「▲4七角は打ちづらいでしょう」と話し、▲4七銀か▲6八玉ではないかと予想。 *武市七段と藤井女流初段は、このあと10時30分から渭水苑の向かい「祥雲閣」で、県内在住の小中学生を対象にした指導将棋教室を行う。 * *【伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦 七番勝負第五局2日目 - ABEMA】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/9gcnyJEdvm6PD9 *【封じ手は△1四角】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-9a6b.html *【封じ手開封】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-91fc-1.html *【2日目動画中継】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-9fb2.html * *※局後の感想※ *感想戦では代えて△3五歩は▲同歩△同金▲6八玉△7四歩▲4七銀が並べられ、佐々木は「幸せになる形が分からない」とコメント。 *ほかに△7四歩▲4七銀△3三桂▲3七桂△5二玉▲5六歩△2四飛▲5五銀という順も示されたが、藤井は「後手だけ1歩切られているので、動かれるかと思った」と話す。 47 4七銀(48) (63:00/04:18:00) *10時3分、佐々木の離席中に藤井が手が動いた。▲4七銀は1時間3分の長考だった。 *時刻が10時を回り、それぞれの控室におやつが用意されている。 *2日目午前のおやつは、藤井が「季節のフルーツ」、佐々木が「抹茶」。佐々木の抹茶には阿波の和三盆が添えられている。 * *【2日目午前のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-ee89-1.html * *※局後の感想※ *代えて▲4七角は△7四歩▲7五歩△3五歩▲7四歩△3六歩で、常に△3七歩成を含みにされるのが先手にとって嫌だという。 48 3五歩打 ( 1:00/04:24:00) *席に戻った佐々木は、短時間で△3五歩と合わせた。 *▲同歩は△同金と前進し、そのあと端角の利きを生かして△4六金と出る狙いがある。 *途中△3五同金に先手は▲6八玉とかわしたいが、△2七歩成▲同歩△4七角成▲同金△2七飛成で、この変化は角銀交換でも後手の竜が強力だ。 49 1六歩(17) (16:00/04:34:00) *藤井は合わされた歩を取らず、じっと端歩を突いて角に圧力をかけた。 *控室の継ぎ盤に▲1六歩△3六歩▲1五歩△2五角▲4八玉の順が並ぶ。 *単に▲4八玉と寄る手も考えられたが、2手かけて角を追うのが大きいと見たようだ。 50 3六歩(35) ( 3:00/04:27:00) *【封じ手開封まで(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-ba4d.html *【封じ手開封まで(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-5c54.html 51 1五歩(16) ( 1:00/04:35:00) *▲1五歩までの消費時間は▲藤井4時間35分、△佐々木4時間27分。 52 2五角(14) ( 0:00/04:27:00) *ノータイムで上に逃げる。 *控室では、△2五角▲4八玉△3五金は▲8五飛があるため、△2五角▲4八玉△3四金の順でどうかと言われている。 *△3四金は次に△4四歩と突く狙いで、△4五歩まで進めば後手の攻めに厚みが出る。 53 5六角打 ( 7:00/04:42:00) *10時35分、藤井が▲5六角を打つと、控室の中村修九段は「これは最強の手。相手の強気な指し手に強気に対抗していますね」とコメント。 *ただし、△7四歩〜△5四歩〜△5五歩まで進むと打った角が捕まるため、先の変化に成算がないと選べない角打ちだ。 *△7四歩には▲7五歩か。ほかに▲1七桂△1六角▲3六銀という順も考えられるが、△3八角成▲同角に△3七金と打たれる切り返しがある。 *対局室は佐々木が正座で、藤井があぐら。佐々木は左手に扇子を握り、前傾姿勢になっている。 *継ぎ盤に△7四歩▲7五歩△5四歩▲7四歩△7六歩▲8五桂△5五歩の変化が並ぶが、そこで▲8三歩成△同歩▲7三桂成と踏み込んでどうなっているか。 *時刻は11時を回り、佐々木の考慮が30分を超えた。外は先ほどまでの青空が一変し、どんよりと曇ってきた。この2日間、徳島市は天気の移り変わりが激しい。 *11時35分、佐々木の長考が1時間に達した。途中、脇息にうずくまるように下を向き、苦しんでいるようにも見える。本人は現局面の形勢をどう感じているのか。 * *【対抗の角打ち】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-288c.html *【指導将棋教室】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-1960.html 54 7四歩(73) (74:00/05:41:00) *△7四歩は相手の角筋を止めた意味で、すんなり▲8三歩成△同歩▲同角成の強襲を通してしまうと、居玉の後手は危ない。 *時刻は12時を回り、昼食休憩まであと30分を切った。形勢が大きく揺れ動きそうな重要な場面。このあと対局者は、食事をゆっくり味わって取れるだろうか。 *控室の中村修九段は▲7五歩△5四歩▲7四歩△7六歩▲8五桂△5五歩の変化を並べて「後手が有望ではないか」との見解。以下▲8三歩成△同歩▲7三桂成△同桂▲同歩成△5六歩▲6三とに△4一玉と早逃げした形が捕まりにくいという。 *12時30分、△7四歩の局面で藤井の考慮が39分を記録し、昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲藤井5時間21分、△佐々木5時間41分。昼食は両者ともに「鉄火丼」だった。 *13時19分、手番の藤井が対局室に戻った。再開時刻より10分以上早い。そして着席して前傾姿勢。扇子を開閉し、時折クルリと回して盤上に集中している。 *13時25分、佐々木も部屋に戻ってきた。ベットボトルの茶をグラスに注ぎ、再開前に喉を潤す。 * *【2日目昼食休憩】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-7583-1.html * *※局後の感想※ *代えて△3三銀には▲1七桂△1六角▲3六銀△3八角成▲同角△3七金▲2五桂と進めて先手十分の展開。 55 7五歩(76) (42:00/05:24:00) *13時33分、藤井が▲7五歩を決行した。 *控室の武市七段が「いきましたね。一直線の攻め合いですか」とコメント。 *△7五同歩は▲8三歩成△同歩▲同角成で8筋を突破できる。 * *【2日目対局再開】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-cbd8-1.html 56 5四歩(53) ( 3:00/05:44:00) *佐々木は落ち着いた手つきで△5四歩。 *どうやら控室で検討していた順で進みそうだ。 57 7四歩(75) ( 1:00/05:25:00) *「早いですねえ」と控室の中村修九段。果たして、どちらが読み勝っているのか。 58 7六歩打 ( 0:00/05:44:00) *7筋の歩が切れたタイミングで、一発桂頭に手裏剣を投げる。 * *※局後の感想※ *感想戦で藤井は「代えて△4一玉なら(先手が)困っているんじゃないかと」とコメント。以下▲1四歩に△5五歩と攻め合われる変化を気にしていた。 59 8五桂(77) ( 3:00/05:28:00) *軽く8筋にかわし、次は▲7三歩成が狙いの攻め。 60 5五歩(54) ( 1:00/05:45:00) *5筋の歩を突き出し、角の逃げ場がない。 *武市七段と藤井女流初段は、このあと15時から大盤解説会を担当するが、どうやらそれよりも早く終盤戦に入りそうだ。 61 8三歩成(84) ( 2:00/05:30:00) *角は助けられないため、藤井はもう前に出るしかない。 * *【阿波おどり会館】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-a479.html 62 同 金(72) ( 1:00/05:46:00) *佐々木の△8三同金に控室の中村修九段、武市七段は少し意外そうな反応。 *先ほどまでの検討では、代えて△8三同歩で「後手が指せそう」と言われていた。 *金で取るメリットしては▲7三桂成△同桂▲同歩成△5六歩▲6三と△4一玉と進んだ際に、相手の飛車が8筋から侵入しにくい点が挙げられる。 *藤井の考慮が20分を経過した。 *「おそらく藤井王位は△8三同歩を本線で読んでいたと思うので、いまは読み直しているところでしょう。▲7三桂成からいくと△3五桂の反撃が厳しいので、△8三同金には▲7三歩成から考えたいです」(中村修九段) * *【終盤戦の入り口】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-4d58.html * *※局後の感想※ *代えて△8三同歩が有力だった。以下▲7三桂成△同桂▲同歩成△5六歩▲6三と△4一玉▲7二と△3五桂▲4八金打△5七歩成▲同玉△6五歩▲同銀△4七桂成▲同金右△7七銀▲8三飛成△5五金▲6四銀まで並べられ、佐々木は「こちらのほうが勝負でしたか」、藤井は「結構痛いかもしれない」との感想。 63 7三歩成(74) (35:00/06:05:00) *▲7三歩成に35分を費やした藤井。残り時間は2時間を切った。 64 5六歩(55) ( 3:00/05:49:00) *「△5六歩のところで、代えて△5四銀は▲6二との王手が嫌ですかね。△同玉なら▲8三角成△同歩▲9三桂成で」(武市七段) *「それは確かに嫌ですね」(中村修九段) 65 6三と(73) ( 0:00/06:05:00) *▲6三とは▲5二銀までの詰めろ。 66 4一玉(51) ( 0:00/05:49:00) *佐々木はすぐに玉を寄る。 *「代えて△5七歩成は▲同玉で、あとで▲5三歩と垂らされる筋ができてしまうので、歩成りの王手は入れないほうがいいでしょうね」(中村修九段) *現局面の駒割りは角と銀の交換。後手の駒得ではあるが、先手の6三のと金も価値が高い。 67 5六歩(57) (23:00/06:28:00) *じっと玉頭の歩を取り除く。 *△5七歩成の王手を消しながら、△6五歩に▲5七銀と引けるようにしている。 *一方、控室では武市七段と藤井女流初段が15時から始まる大盤解説会場に移動。少し前から祥雲閣のエントランスには開場を待つファンが並んでいた。 68 3五金(44) ( 0:00/05:49:00) *藤井の考慮中に指し手を決めていたのか、△3五金の着手は早かった。 *次の狙いは△4六金▲同銀△3七歩成の開き王手。また、△4四歩と突けば2五の角が自陣に守りに利いてくる。 * *【眉山に登ろう】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-7f96.html 69 5七玉(58) ( 1:00/06:29:00) *藤井は、2本の指で押すようにして自玉を上に滑らせた。 *2五の角の利きを避けながら、場合によっては▲6四と〜▲7五銀の上部開拓を含みにしている。 *時刻は15時を回り、両対局者のおやつが用意された。 *2日目午後のおやつは、藤井がアイスレモンティーのみ、佐々木が「季節の和菓子」と抹茶。 * *【2日目午後のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-4a35-1.html 70 2七歩成(26) (21:00/06:10:00) *「△2七歩成ですか。ちょっと狙いがすぐに分からないですけど、成り捨てたということは、何かやっていくのでしょう」(中村修九段) *△2七歩成は▲同歩と取らせることで、あとで△3七歩成▲同桂△4七角成と踏み込んだときに2筋の飛車先が軽くなるようにしている。 71 同 歩(28) ( 2:00/06:31:00) *▲2七同歩までの消費時間は▲藤井6時間31分、△佐々木6時間10分。 * *【名物】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-1a95.html *【大盤解説会】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-693c.html 72 3七歩成(36) ( 0:00/06:10:00) *「ひええ、いったよ。決まるんだろうか。自信ないけどなあ」(中村修九段) *△3七歩成は▲同桂でも▲同金でも△4七角成と切っていく考えだろう。 *しかし、▲3七同桂△4七角成▲同金△2七飛成で竜ができたとしても、相手に角を渡すので直後に厳しいカウンターパンチが飛んできそうだ。 *対局室では、藤井が頭を低くし、左手で口元を押さえながら熟考している。 *飛車の侵入を警戒するなら▲3七同桂△4七角成に▲同玉だが、そこで△3六角や△3六歩などがあり、この変化もかなり際どい。 *藤井がちらりと窓の外を見る。渭水苑周辺は、いつの間にか大雨になっている。 *そして15時45分、藤井の持ち時間が残り1時間を切った。 * *【決まるんだろうか】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-5289.html 73 同 桂(29) (44:00/07:15:00) *藤井は44分の読みを入れ、▲3七同桂と取り払った。 * *【藤井王位、残り時間が1時間を切る】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-5f0e.html 74 4七角成(25) ( 0:00/06:10:00) *角切りの王手。 75 同 金(38) ( 4:00/07:19:00) *「いやあ、▲4七同金ですか。やっぱり普通の人とは違うんだねえ」(中村修九段) *△2七飛成で竜を作られても大丈夫という藤井の判断だ。 * *【街並み】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-594a.html 76 2七飛成(22) ( 2:00/06:12:00) *控室では△2七飛成に▲5三とが示されている。以下△同銀は▲6三角が王手竜取り。 *よって、継ぎ盤を動かす中村修九段は▲5三とに△2八竜と入り、▲6三角△3二玉▲4二と△同玉と進めた局面を考えている。 *藤井は残り30分を切った。佐々木は姿勢を正し、開いた扇子で口元を覆う。 77 2四歩打 (14:00/07:33:00) *藤井はと金を残し、2筋に歩を垂らした。左右から挟み撃ちにする寄せを狙っている。 *控室は▲2四歩に(1)△3六銀と打つ変化を調べている。以下▲同金△同金▲2三角△3二歩▲3三歩で先手が調子よさそうだが、そこで△7九角と打つ退路封鎖の捨て駒があり、この変化は先手玉が詰む。 *よって(1)△3六銀には▲同金△同金に▲6八玉と引いてどうか。(2)△3六歩は▲2三角の王手に△3二歩の受けが利かず、この変化は後手が怖い。 *あぐらで体を前後に揺らす佐々木。途中でグラスの茶をひと口飲む。 *「この▲2四歩というフワッとした手がいいんですね。△2四同竜とは引けないですし」(中村修九段) *応手を待つ藤井が一度後ろを振り返る。外の雨が先ほどより強くなっており、静かな対局室にいると雨音がよく聞こえるようだ。 *17時11分、佐々木も残り1時間を切った。第6局につなげるためにも勝ちの変化を探し出したい。 *佐々木の考慮が1時間を経過した。「最終盤ですからねえ」と中村修九段。もう可能な限り、このまま時間を投入するだろう。 *△3六銀、△3六歩以外だと(3)△3八竜という手が示されている。次に△4七竜と金を取る狙いで、△3八竜に▲2三歩成なら△4七竜▲6八玉△3八竜▲7九玉△2九竜と進めてと金が抜ける。 *17時18分、ついに両者の消費時間が並んだ。佐々木は険しい表情で読み続ける。 * *【退路封鎖】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-7cc5.html 78 3六銀打 (96:00/07:48:00) *18時ちょうど、佐々木が△3六銀を打つ。藤井の離席中の着手だった。 *残り時間は▲藤井27分、△佐々木12分。 *藤井が戻ると、入れ替わるようにして今度は佐々木が席を立つ。 *控室の検討手順は▲3六同金△同金▲6八玉。その局面で何を用意しているか。 * *【攻め合い】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-6d3f.html * *※局後の感想※ *代えて(1)△3六歩は▲3三歩△同桂▲2三角△3二銀▲同角成△同玉▲2三銀△4一玉▲7三桂成と進めて先手勝ち。 *また、(2)△3八竜▲4八銀△7七歩成▲同金△3六銀の順なら▲同金△同金▲5二銀△3一玉▲3二歩△2二玉▲2三歩成△同玉▲4五角△3四歩▲3六角△6八角▲同玉△4八竜▲5八角打で、佐々木は「後手が体力負け」と話す。 79 同 金(47) ( 6:00/07:39:00) *藤井は6分の考慮で銀を取り、そのまま前傾姿勢を保つ。 80 同 金(35) ( 0:00/07:48:00) *△3六同金の局面は、次に△7九角▲同金△4七金打以下の詰めろになっている。 81 6八玉(57) ( 0:00/07:39:00) *スッと軽い手つきで玉を引く。 82 2八竜(27) ( 0:00/07:48:00) *竜を一段潜って王手。 83 3八歩打 ( 1:00/07:40:00) *「▲3八歩△同竜としてから▲7九玉と引けば1九の香がすぐに取れない、ということですね」(中村修九段) 84 同 竜(28) ( 0:00/07:48:00) *△3八同竜を指したあと、佐々木が開いた扇子でパタパタと顔をあおぐ。 85 7九玉(68) ( 0:00/07:40:00) *合駒せずに玉を逃げていく。 86 5九角打 ( 0:00/07:48:00) *△5九角は、次に△7八竜▲同玉△7七金以下と、△6八金▲8八玉△7八金以下の2通りの詰めろ。 *渭水苑の外ではゴロゴロと大きな雷の音が鳴り響いている。 87 6八銀打 ( 5:00/07:45:00) *銀を投入し、2つの詰めろを同時に受ける。 88 3七角成(59) ( 0:00/07:48:00) *「▲6八銀と使ってくれたので、どちらの玉もすぐに寄るという感じではなくなりましたね」(中村修九段) * *【長期戦か】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-51ca.html 89 7三桂成(85) ( 2:00/07:47:00) *藤井は桂をクルッとひっくり返し、飛車先を通した。 *外は稲光とともに一際大きな雷鳴が轟く。 *▲7三桂成は△同桂に▲8三飛成と金を取る狙い。以下△同歩は▲5二角と打って後手玉が詰む。 90 8七桂打 ( 7:00/07:55:00) *妖しい桂の王手が飛んできた。 *▲8七同飛に△2九竜と入る読みか。8七の地点に呼び込めば△2九竜▲8八玉に△8九金と打って詰む。 * *【勝負手】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-d6bf.html 91 同 飛(89) ( 3:00/07:50:00) *残り時間は▲藤井10分、△佐々木5分。 92 2九竜(38) ( 0:00/07:55:00) *攻防の竜。 *先手の合駒を強要し、どこかのタイミングで△2四竜と払いたい。 93 6九桂打 ( 0:00/07:50:00) *犠打でもらった桂で竜の王手を受ける。 94 4七馬(37) ( 0:00/07:55:00) *馬を寄せて△6九竜▲8八玉△8九金以下の詰めろ。 *「先手は▲8八玉か▲3九歩か。▲8三飛成と金を取る手もありますかね」(中村修九段) 95 8三飛成(87) ( 2:00/07:52:00) *▲8三飛成の局面で佐々木が「負けました」と深く頭を下げた。 *投了以下(1)△8三同歩は▲5二と△3一玉▲3二銀△同玉▲2三金△3一玉▲2二角までの詰み。 *(2)△6九竜や(3)△6九馬なら▲8八玉と逃げて先手玉に詰みはない。 *終局時刻は18時39分。消費時間は▲藤井7時間52分、△佐々木7時間55分。 *この結果、七番勝負は藤井が4勝1敗でタイトルを防衛。王位4連覇を達成した。 * *【先手勝勢】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-f178.html *【藤井王位が4連覇】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-fff4.html *【終局直後インタビュー】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-c7a5.html *【大盤解説会に向かった対局者】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-f730.html *【感想戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-10da-1.html *【防衛記者会見】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-a3b2.html *【一夜明けて】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/08/post-ba7f.html 96 投了 ( 0:00/07:55:00) まで95手で先手の勝ち