# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.64 棋譜ファイル --- 対局ID:15225 記録ID:6458ae6caa48502de0dd8c37 開始日時:2023/05/18 10:00 終了日時:2023/05/18 19:53 棋戦:伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦挑戦者決定戦 戦型:相掛かり 持ち時間:4時間 秒読み:60秒 消費時間:117▲237△239 場所:東京・将棋会館 備考:昼休前24手目15分\n 振り駒:2,0,羽 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜12:40 昼休前消費時間:24手15分 手合割:平手   先手:佐々木大地七段 後手:羽生善治九段 先手省略名:佐々大 手数----指手---------消費時間-- *藤井聡太王位への挑戦を争う、伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦。挑戦者決定戦は羽生善治九段と佐々木大地七段の顔合わせになった。羽生が2度目となる藤井聡王位とのタイトル戦を実現し、タイトル獲得100期の挑戦を目指すか。それとも佐々木が第94期ヒューリック杯棋聖戦に続いて挑戦者となり、藤井聡王位とダブルタイトル戦を繰り広げるのか。 *対局は5月18日(木)10時開始、対局場は東京・将棋会館「特別対局室」。持ち時間は各4時間。先後は振り駒で決定する。 *本局はYouTubeチャンネル「中日新聞 東京新聞 将棋【公式】」とABEMAで中継される。 *【羽生善治九段 佐々木大地七段 王位戦挑戦者決定戦】 *https://www.youtube.com/watch?v=fSg03_wWYJc * *【ABEMA:伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦 挑戦者決定戦 羽生善治九段 対 佐々木大地七段】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/91QwTbUxXAd75H *ABEMAの解説は飯島栄治八段と阿部光瑠七段、聞き手は飯野愛女流初段と野原未蘭女流初段が務める。 * *【主催:新聞三社連合】 *http://live.shogi.or.jp/oui/sansha.html *【特別協賛:お〜いお茶(伊藤園)】 *https://www.itoen.jp/oiocha/ *【王位戦中継サイト】 *http://live.shogi.or.jp/oui/ *【王位戦中継ブログ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/ * *(棋譜・コメント入力=紋蛇) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手。【】内は中継ブログタイトルならびにリンク] 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *9時51分、羽生が王将を据える。54分に羽生の振り歩先で振り駒が行われ、と金が3枚。佐々木の先手が決まった。 * *【対局開始】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-75cb.html 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *羽生の2手目は△8四歩で、相掛かりと角換わりのどちらでも受けて立つ構えだ。ほかに△3四歩で雁木系や振り飛車、横歩取りを目指すのも考えられた。 3 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *◆佐々木 大地(ささき だいち)七段◆ *1995年5月30日生まれ、長崎県対馬市出身。深浦康市九段門下。2016年、四段。2022年、七段。棋士番号は306。 4 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *◆羽生 善治(はぶ よしはる)九段◆ *1970年9月27日生まれ、埼玉県所沢市出身。(故)二上達也九段門下。1985年、四段。1994年、九段。棋士番号は175。 *タイトル戦登場は138回。獲得は竜王7期(永世竜王)、名人9期(十九世名人)、王位18期(永世王位)、王座24期(名誉王座)、棋王13期(永世棋王)、王将12期(永世王将)、棋聖16期(永世棋聖)の計99期。棋戦優勝は45回。 5 7八金(69) ( 1:00/00:01:00) *王位戦は新聞三社連合が主催し、「伊藤園お〜いお茶」が特別協賛する棋戦。予選の勝ち上がり者とシード棋士4人の計12人が、紅白2つのリーグに分かれて戦い、各リーグの優勝者が挑戦者決定戦に進出する。王位と挑戦者は七番勝負でタイトルを争う。 *新聞三社連合は1950年に設立された団体で、中日新聞(東京新聞)、北海道新聞、西日本新聞のブロック紙3社が記事の相互利用などで連携している。現在は神戸新聞、徳島新聞が加わった5社で王位戦、女流王位戦、囲碁の天元戦を主催。 6 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *本局の観戦記は相崎修司さんが担当し、北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙上にて掲載される。あわせてご覧いただきたい。 7 3八銀(39) ( 0:00/00:01:00) *YouTubeチャンネル「中日新聞 東京新聞 将棋<公式>」、「中日 東京 将棋 サブチャンネル」では、王位戦だけでなく将棋界の情報が発信されている。 * *【中日新聞 東京新聞 将棋<公式>】 *https://www.youtube.com/@chunichishogi *【中日 東京 将棋 サブチャンネル】 *https://www.youtube.com/@chunichishogisub *【Twitter:中日新聞 東京新聞 将棋<公式>@chunichishogi】 *https://twitter.com/chunichishogi?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor * *開幕前には、王位経験者の木村一基九段がリーグを占った。 *【木村一基九段 大胆予想!第64期王位戦紅白リーグを制するのは!】 *https://www.youtube.com/watch?v=lKSHF7AvD1w * *挑戦者決定戦進出を決めた羽生、佐々木のインタビューは以下の通り。 *【羽生善治九段 豊島将之九段 インタビュー 王位戦リーグ紅組】 *https://www.youtube.com/watch?v=MB92NMjY4nE *【佐々木大地七段 全勝で優勝決める 対局後インタビュー 池永天志五段】 *https://www.youtube.com/watch?v=RaWMmjfDndI 8 7二銀(71) ( 1:00/00:01:00) *これまでの対戦成績は、羽生の3勝1敗で2連勝中。直近の対局は、2021年のお〜いお茶杯第62期王位戦挑戦者決定リーグ白組で、佐々木の先手から角換わりになった。 9 9六歩(97) ( 1:00/00:02:00) *戦型は相掛かり。▲9六歩は人気の出だしだ。飛車先交換を遅らせて、△3四歩や△6四歩に▲2四歩△同歩▲同飛から横歩を狙う含みがある。 10 1四歩(13) ( 1:00/00:02:00) *羽生の今年度成績は5勝2敗(0.714) *通算成績は1533勝673敗(0.695) 11 1六歩(17) ( 1:00/00:03:00) *佐々木の今年度成績は8勝1敗(0.889) *通算成績は263勝109敗(0.707) 12 9四歩(93) ( 1:00/00:03:00) *今期の王位戦挑戦者決定リーグの結果は以下の通り。 * *<紅組> *【4勝1敗】 羽生善治九段(優勝) *【3勝2敗】 豊島将之九段(残留) *【2勝3敗】 永瀬拓矢王座、石井健太郎六段、服部慎一郎六段、徳田拳士四段 * *<白組> *【5勝0敗】 佐々木大地七段(優勝) *【4勝1敗】 渡辺明名人(残留) *【2勝3敗】 増田康宏七段、池永天志五段 *【1勝4敗】 冨田誠也四段、岡部怜央四段 * *【伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦リーグ最終戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/64_league/?p=10 13 6八玉(59) ( 0:00/00:03:00) *6八玉型に構えた。やはり飛車先交換を遅らせている。前例は24局あり、多い順に△5二玉(11局)、△8六歩(8局)、△7四歩(4局)、△4二玉(1局)。現局面は王位戦七番勝負で2回登場した局面だ。いずれも△5二玉と指している。 * *【2020/08/19,木村 一基 王位,藤井 聡太 棋聖,第61期王位戦七番勝負第4局】 *http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/61/oui202008190101.html * *【2021/06/29,藤井 聡太 王位,豊島 将之 竜王,お〜いお茶杯第62期王位戦七番勝負第1局】 *http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/62/oui202106290101.html * *【戦型は相掛かり】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-0f38.html 14 8六歩(85) ( 6:00/00:09:00) *6分考えて、羽生は△8六歩を選んだ。▲同歩△同飛▲8七歩に△8四飛と引いて、手順に▲2四歩を受けられる。 15 同 歩(87) ( 0:00/00:03:00) *佐々木は王位戦に第58期から参加し、通算成績は35勝13敗(0.729)。挑戦者決定リーグには第59期から6期連続で参加している。挑戦者決定戦は初となる。 16 同 飛(82) ( 0:00/00:09:00) *羽生は王位戦に第28期から参加し、152勝73敗(0.676)。初挑戦は第34期で、郷田真隆から王位を奪った。第38期、連続5期により永世王位の資格を得ている。王位獲得は18期。第58期に王位を失冠してから、七番勝負の舞台から遠ざかっている。以降は挑戦者決定戦に3度進出したが、第59期は豊島将之、第60期は木村一基、第62期は豊島に敗れた。挑戦者決定リーグ以上は31期連続となる。 * *【それぞれの立場】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-e051.html 17 8七歩打 ( 0:00/00:03:00) *王位戦七番勝負の日程は下記の通り。 * *【第1局】 7月 7・8日(金・土) 愛知県豊田市「豊田市能楽堂」 *【第2局】 7月13・14日(木・金) 神戸市「中の坊瑞苑」 *【第3局】 7月25・26日(火・水) 北海道小樽市「料亭湯宿 銀鱗荘」 *【第4局】 8月15・16日(火・水) 佐賀県嬉野市「和多屋別荘」 *【第5局】 8月22・23日(火・水) 徳島市「渭水苑」 *【第6局】 9月5・6日(火・水) 静岡県牧之原市「平田寺」 *【第7局】 9月19・20日(火・水) 神奈川県箱根町「ホテル花月園」 * *【伊藤園お〜いお茶杯第64期王位戦 七番勝負の日程・開催地決定のお知らせ】 *https://www.shogi.or.jp/news/2023/04/6_7.html 18 8四飛(86) ( 0:00/00:09:00) *本日の千駄ヶ谷は晴れのち曇りの予報が出ている。日中は30度を超えるようで、とにかく暑い。 *東京の対局立会人は、金沢孝史六段が務める。 * *【両者とも好調】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-2ede.html 19 3六歩(37) ( 2:00/00:05:00) *佐々木の師匠・深浦九段は王位戦でタイトル戦に初登場し(第37期)、初タイトルを獲得して3連覇を果たした(第48〜50期)。深浦九段の師匠、花村元司九段も七番勝負に登場している(第3期)。師匠と弟子がタイトル戦に挑戦するだけでも偉大だが、3代に渡ってタイトル挑戦、ましてや同じ棋戦となれば非常に珍しい。 *棋士系統図をさかのぼっていくと、佐々木→深浦→花村→木村義雄十四世名人→関根金次郎十三世名人にたどり着く。将棋界で唯一、4代に渡ってタイトル挑戦している一門といえる(関根十三世名人は終身制だった名人を返上したため、実力制タイトル戦に参加していない)。 * *【棋士系統図】 *https://www.shogi.or.jp/player/images/diagram202011.pdf 20 3四歩(33) ( 7:00/00:16:00) *羽生の師匠、二上九段も王位挑戦の経験者だ(第5期)。「北海道の美剣士」と呼ばれ、相掛かりだとスピーディーなガッチャン銀を得意にした。 *王位戦七番勝負は北海道の対局が恒例となっている(北海道新聞主催)。昨年は七番勝負第2局が北海道札幌市南区の「定山渓」で行われた。同所は1960年の記念すべき第1期七番勝負第1局・大山康晴名人(三冠)−塚田正夫九段戦(1960年)に加えて、第2期の第4局・大山王位−丸田祐三八段戦、第3期の第4局・大山王位−花村元司八段戦も指されている(肩書、段位はいずれも当時)。結果は大山の3戦全勝で、後に永世王位を獲得している。 * *【中継ブログ:お〜いお茶杯第63期王位戦七番勝負第2局】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/63_02/?p=9 21 7六歩(77) (47:00/00:52:00) *11時19分の着手。▲7六歩までの消費時間は▲佐々木52分、△羽生16分。 *47分考えたすえに角道を開けた。代えて▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛としたのが2018年の第44期棋王戦▲羽生−△宮田敦史七段戦で、持久戦になった。結果は羽生勝ち。 *▲7六歩は▲2四歩を保留したまま、後手の態度を見る意味だろうか。例えば玉の位置を△4二玉や△5二玉と決めさせれば、▲3七銀や▲3七桂、また▲4六歩から腰掛け銀など相性のよい攻撃態勢を選べる。△7四飛なら▲7七金と受ける。以下△8四飛に▲7八金だと△7四飛から千日手になってしまうが、▲8六歩〜▲8七金と流行の8七金型を目指してどうか。局面は異なるが、佐々木は4月末の第94期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦・永瀬拓矢王座戦で相掛かり・6八玉型から8七金型に組んでいた。 22 7四飛(84) (20:00/00:36:00) *相掛かりで定番の飛車寄りで、縦歩取りと呼ばれる。▲7七金と受けさせれば、角の利きが止まるので自陣を整備しやすい。例えば△3三角と飛車先交換を防いだときに、▲同角成△同桂と桂頭のキズを作らずにすむ。 23 7七金(78) ( 4:00/00:56:00) *12時、この局面で羽生が15分考えて、昼食休憩に入った。消費時間は▲佐々木56分、△羽生51分。昼食注文は佐々木が「日替わり・甘酸っぱいチリチキンカレー クリームチーズソースがけ」(rico curry)、羽生が「豚しゃぶ弁当(梅しそ)」(鳩やぐら)。対局は12時40分から再開される。 *佐々木、羽生の順に対局室に戻った。 *縦歩取りはひねり飛車とよく組み合わされるが、本局は3筋の位を取れていないので△3四飛と転回できない。△3三角や△5二玉として、△8四飛と戻すことも視野に入れるのだろうか。 * *【昼食休憩】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-bc24.html * *【対局再開】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-2985.html * *※局後の感想※ *羽生は△5五角▲3七銀△3三角も考えたという。単に△3三角とは違い、本譜の▲4六歩〜▲3七桂〜▲4七銀ではなく3七銀型を強要した意味がある。「しかし、手損が過ぎるかと思いました。ちょっとやり過ぎかなと」と羽生。先手は3七銀型に限定されたものの、手順に銀を上がれたので何ともいえない。佐々木は△3三角以下▲8六歩から陣形を整える構想を示唆した。 24 3三角(22) (33:00/01:09:00) *昼食休憩を挟み、33分の考慮で2筋交換を防いだ。 25 4六歩(47) ( 3:00/00:59:00) *先手はじっくりと組んでいる。飛車先交換はできなくなったが、好形の4七銀・3七桂・2九飛型にするつもりだろう。 26 4二銀(31) ( 3:00/01:12:00) *後手は△4四歩〜△4三銀のツノ銀が予想される。さらに△8四飛から一段飛車を目指せば、長い戦いだ。 27 8六歩(87) ( 1:00/01:00:00) *やはり8七金型に組むつもりだ。次に▲7八銀から銀冠を目指すのは、△7六飛▲同金△8八角成で困る。 28 4四歩(43) (23:00/01:35:00) *【じっくりした戦い】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-b2ac.html 29 3七桂(29) ( 3:00/01:03:00) *▲4七銀より▲3七桂を優先した。▲4七銀は△4五歩▲同歩△1五歩▲同歩△5五角▲1八飛△1七歩▲同飛△2八角成が気になったか。 30 6二玉(51) ( 7:00/01:42:00) *6二に玉を囲う。次に△7一玉とすれば美濃囲いに収めた格好になるが、6二玉型のまま右玉に組む可能性もある。 * *※局後の感想※ *佐々木は▲5八金だったかと振り返った。以下△4三銀でどうか。 31 4七銀(38) ( 9:00/01:12:00) *控室には田中寅彦九段が来訪している。 *田中寅九段「△4三銀は普通ですね。後手は△8四飛から一段飛車を目指して組み替えるのかな。そうなると後手は飛車の動きで手損するから、先手は手得を主張できますね。▲8七金と寄るか、▲7八銀〜▲8七銀と銀冠にするか。長い駒組みが続きそうです。佐々木くんは彼が三段のときに研究会をやってもらいました。斎藤明日斗(五段)くんもいて、みんな強くなりました」 32 4五歩(44) (15:00/01:57:00) *14時7分の着手。△4五歩までの消費時間は▲佐々木1時間12分、△羽生1時間57分。 *田中寅九段「ええっ、大丈夫か! △8四飛と立て直す展開は手損になって先手に指したい手が多いから、いま仕掛けないとだめだということなんだね。しかし手になるのかね。どうするの。昭和の感覚だと、4筋は先手から攻める場所だから、ありえないと思ってしまうね。感想戦もしてもらえないんじゃないかって(笑)」 *継ぎ盤では▲4五同歩に△1五歩▲同歩△同香▲1六歩△同香▲同香△1五歩が並ぶ。端で香を交換して、攻めの火種を作ろうというわけだ。ほかに△3五歩と飛車の横利きを通して端からの侵入や桂頭攻めを狙ったり、△8七歩が浮かぶ。△8七歩は▲同金なら△8八角成の角交換、▲9七角なら△9五歩の継続手がある。 *現局面からの一例は、△1五歩▲同歩△同香▲1六歩△同香▲同香△1五歩▲2六飛△1六歩▲同飛△1五香▲2六飛△1七香成▲3八金。以下△1五角▲2九飛△1八成香▲4九飛△1六歩とと金攻めを狙うと▲1九歩△1七成香で失敗する。なので△8七歩▲同金△8八角成▲同銀に△4六歩や△3五歩を絡めてどうか。 * *【羽生九段が動く】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-9612.html * *※局後の感想※ *もしかしたらやりすぎかもと思ったんですが。 33 同 歩(46) (41:00/01:53:00) *41分の考慮で▲4五同歩と応じる。控室には飯島八段、本田小百合女流三段が来訪している。 *飯島八段「△4五歩は正面突破を狙った手です。ちょっと無理気味なのかと思っていましたが、持久戦にしたらきついと羽生九段は判断したということですよね」 *田中寅九段は△1五歩以外に△3五歩▲同歩△3六歩▲同銀△7六飛!▲同金△8八角成▲同銀△5五角を検討している。途中、3筋の利かしを入れた効果で次の△3七角成が飛車銀両取りになる。 * *【鳩森八幡神社】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-1012.html * *【検討風景1】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-dffe.html * *※局後の感想※ *「端とかはやってこないですか」と佐々木。△1五歩▲同歩△3五歩▲同歩△1五香▲1六歩△同香▲同香△1五歩の攻めを警戒していたそうだ。以下▲3四香は△7七角成▲同角△3三歩、△1六歩▲3三香成△同金▲2四歩△1七歩成▲2六飛△2四飛が並べられた。後手は駒損でも突破しようとしているが、羽生はどちらも自信なし。 34 4三銀(42) ( 4:00/02:01:00) *飯島八段「え、△4三銀! いや、全然当たんないよ、これ。いやー、△4三銀か〜」 *じわっと銀を活用する△4三銀は、直前に△4五歩と突いた激しさを思うと予想しにくい。飯島八段はABEMAに出演するため、控室を出ていった。 *田中寅九段と本田女流三段の検討では、後手は△5四銀〜△6五銀〜△7六銀を狙うといわれている。△5四銀に▲5六銀と対抗すれば、△5五銀とぶつけられる。現局面で▲5八金△5四銀▲6六歩△5五銀に▲6七金右は玉頭の守りが堅いものの、右辺が薄くなるので△4六歩などの不安がつきまとう。 * *※局後の感想※ *▲5八金△5四銀▲6六歩も有力。以下△5五角〜△3三桂と飛車のコビンを狙うのは少し無理しているようで、△6四歩▲6七金上△8四飛▲7八玉△7四歩でどうかだが「歩損していて、じっとしていて、よくわからない」と羽生。 35 4八金(49) (23:00/02:16:00) *金を立って、バランスよく構えた。次に▲2九飛と引きば好形になり、△1五歩▲同歩△同香▲同香に△同角が桂取りにならないので端の動きに強い。デメリットは6筋の守りが薄いこと。 * *※局後の感想※ *佐々木は△1五歩や△3五歩、△5五角を組み合わせた攻めがちらついていたので、▲4八金と備えたという。しかし本譜は自信がなかったそうだ。 36 5四銀(43) ( 5:00/02:06:00) *15時21分の着手。グイっと銀が出てきた。△7六銀を防ぐ▲6六歩は、△6四歩から△6五歩と狙われかねない。控室に高見泰地七段が来訪した。 *高見七段「100年ぶりぐらいに控室にきた気がします(笑)。後手は飛車角銀で攻めかかろうとしているので、先手はそれを押さえれば模様がよくなります。ここ10手ぐらいが勝負どころです。形勢は互角だと思います」 *後手の攻めの手段は△6五銀〜△7六銀、△8七歩▲同金△8八角成、△1五歩▲同歩△同香、△3五歩の桂頭攻め。先手はそれらの組み合わせを読んで、攻めを封じる必要がある。 *佐々木が手を止めている。「ここで先手が残り1時間になったら嫌ですね。持ち時間に差がつくと後手持ちになります」と高見七段。佐々木と同世代で交流があり「彼なら▲6六歩と突く気がします」とも話した。 *16時6分、佐々木の残り時間は1時間を切った。「まだ駒が本格的にぶつかっていないので、後手を持ちたいです」と高見七段。 * *【検討風景2】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-c049.html 37 6六歩(67) (55:00/03:11:00) *55分の考慮で、高見七段の予想通り▲6六歩で△6五銀を受けた。現局面までの消費時間は▲佐々木3時間11分、△羽生2時間6分。 * *【佐々木七段、55分の長考】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/55-0723.html * *【天井カメラの映像】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-6c22.html 38 6四歩(63) (19:00/02:25:00) *攻撃態勢を整えていく。△6五歩▲同歩△同銀から△7六銀と攻めれば理想的で、△6五歩に放置されても△8七歩▲同金△6六歩でつながる。なのでその前に6筋を厚くしたいところ。高見七段は▲5六銀や▲5六歩△6五歩▲5七金を候補に挙げている。 39 5六銀(47) ( 0:00/03:11:00) *銀には銀で対抗した。後手は△5五銀とぶつける筋を中心に攻めを練りたい。 *高見七段「△7一玉と引いたりすると、▲7八玉や▲2九飛のほうが価値が高そうなので指しにくいです。△8四飛と形を整えるのはありそうです(銀交換後に▲8五銀で飛車を取られる筋を消す)。△5五銀や△6五歩▲同歩△5五銀と攻めるのはありそうですが、かなり成算がないと指せません」 *高見七段と入れ違いで、控室に中村太地八段が来訪した。 *中村太八段「△5五銀と△6五歩▲同歩△5五銀の攻め、どちらも嫌ですよ。特に人間的には」 * *【検討風景3】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-8e86.html * *※局後の感想※ *「いやぁ、飛車かどっちか迷ったんですよ」と羽生。△8四飛は▲4四歩で「ちょっとぬるいですよねぇ。しょうがない」と話していたので、本譜の決戦は妥当という認識だった。 40 6五歩(64) (34:00/02:59:00) *34分の考慮で羽生が襲いかかった。 41 同 歩(66) ( 0:00/03:11:00) 42 5五銀(54) ( 0:00/02:59:00) *後手の駒が伸びてきた。飛車角が目一杯働いている。先手はバランス型ゆえに陣形がバラバラで、神経を使う。 *銀交換を避ける▲6七銀は、△4六銀から△3五歩が嫌だと中村太八段。 43 同 銀(56) ( 0:00/03:11:00) *あっさりと取った。 44 同 角(33) ( 0:00/02:59:00) *△3九銀の筋をどう受けるか。▲2六飛や▲2九飛が浮かぶ。 45 5六銀打 ( 1:00/03:12:00) *手厚く受ける。角を引かせれば、△3九銀の筋が緩和される。 46 3九銀打 ( 3:00/03:02:00) *勝負にいった。中村八段の検討で出ていた手で、▲1八飛△8七歩▲5五銀△8八歩成▲同銀が並んでいた。以下▲1八飛△2九角▲3八金は、△1八角成▲同香△2八銀成(▲同金は△4八飛)▲4八金△2七成銀で、次の△2八飛が厳しい。 47 1八飛(28) ( 0:00/03:12:00) 48 8七歩打 ( 0:00/03:02:00) *40手目△6五歩からバンバン進んでいる。双方、予定の順のようだ。 *▲8七同金は△8八角成と角交換で5六の銀を空振りにできる。 49 5五銀(56) ( 0:00/03:12:00) 50 8八歩成(87) ( 0:00/03:02:00) 51 同 銀(79) ( 0:00/03:12:00) *△4八銀不成▲同飛は、局面がすっきりして先手がペースを握っている。後手は歩切れで手を作りにくい。 * *【いよいよ開戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-3156.html * *※局後の感想※ *△2七角は▲1七飛と浮かれてしまう。 52 2九角打 ( 5:00/03:07:00) *飛車を取りにいった。▲5八金は△1八角成▲同香に△3八飛で後手好調。桂香だけでなく、先手玉を射程に入れている。 *まだ中村太八段の検討通りだ。▲3八金よりは、▲3八飛△同角成▲同金がまさるという。以下△2八銀成▲4八金△2七成銀と進んだときに▲5六角と打てば、△2八飛に▲3九角で飛車が捕まる。先述した▲3八金△1八角成▲同香の変化とは、香の位置が大きく飛車が狭い。 53 3八飛(18) ( 0:00/03:12:00) 54 同 角成(29) ( 3:00/03:10:00) 55 同 金(48) ( 0:00/03:12:00) 56 2八銀成(39) ( 0:00/03:10:00) *恐ろしいほど検討通りに進んでいる。▲2八同金は△4八飛から取り返されるので、▲4八金で成銀を重くさせたい。 57 4八金(38) ( 0:00/03:12:00) *△3九飛は▲5六角が△3八成銀を防ぎながら8九の桂を守る絶品の一手。以下△1九飛成に▲6四歩で攻めに角が働き出す。 58 2七成銀(28) ( 0:00/03:10:00) *△2八飛のスペースを作る。中村太八段の第一感は▲5六角。ここに手がいくのがプロ筋のようだ。△2八飛なら▲3九角がぴったり。△3九飛は消せないものの、△2八飛と玉をにらむ位置に打ち込まれるのに比べれば、先手玉の脅威が全然違う。 59 5六角打 ( 1:00/03:13:00) *【あっという間に終盤間近】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-e266.html 60 3九飛打 ( 2:00/03:12:00) *残り時間は▲佐々木47分、△羽生48分と切迫している。 * *※局後の感想※ *▲6四歩は△3七成銀▲同金△同飛成▲7八玉△5七竜▲6五角打△7六飛で「やばいかなと思って」と佐々木。▲7六同金は△6八金までの詰みがある。▲7六同角は△5六竜でどうか。△7六飛の局面を羽生は「でも難しいか」「そうかぁ。でも本譜のほうが(先手)玉が深いので」と話していた。 61 7八玉(68) (15:00/03:28:00) *「いや、さすがだなぁ」と中村太八段。▲6四歩と伸ばしたいが、▲7八玉が佐々木大地流の好手と検討していたところだった。△3七成銀と桂を取られても▲5八金と逃げれば、後に▲6八金と玉を固めて非常に堅い。8七の空間も玉の逃げ道として生きる。 * *【佐々木七段らしい手】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-9eab.html 62 3七成銀(27) ( 5:00/03:17:00) 63 5八金(48) ( 0:00/03:28:00) *後手は何手も攻めの手を指しているものの、成銀が重くて効率が悪くてなかなか先手玉に迫れていない。「実戦的に勝ちやすいのは先手だと思います」と中村太八段。玉が安全な形になれば、▲6四歩の攻めがわかりやすい。 64 1九飛成(39) ( 2:00/03:19:00) *羽生は桂香を補充して、チャンスを待つ。 * *※局後の感想※ *羽生は自信を持っていたものの、実際は容易ではなかった。 65 6四歩(65) ( 2:00/03:30:00) *グイグイと歩が伸びてきた。すぐに▲7四角だと△6九角があるが一旦、▲6八金と寄ってからなら安全に飛車角交換できる。 *後手は玉頭にプレッシャーをかけられている。反動がきついのを承知で攻め込むにしても、△4九竜や△2八竜は▲6八金で逆効果だ。 *高見七段が控室に戻ってきた。中村太八段と継ぎ盤を挟む。ABEMAのAIで示されていた△4三桂を聞くと「ひぇー」。中村太八段は「そうなるよねぇ」とうなずいた。△4三桂は5五の銀をどかして△6四飛と払う狙い。△4三桂に▲7四角は△同歩で、△6九角が楽しみだ。 * *※局後の感想※ *△4三桂▲6三歩成△同銀▲6六銀△5四飛▲6八金も検討された。 *以下(1)△8七歩に、▲7九銀は△3六成銀▲8三角成△7二金▲6五馬△6四香▲5四馬△同銀で「これをやるしかなかったですか」と羽生。ただ▲7九銀に代えて、佐々木は▲8七同玉△5六飛▲同歩△8九竜▲4三桂はどうかと話した。先手玉は△9七香(▲同香は△9八角、▲9七同玉は△9五歩)で寄りそうだが、▲6七角でしのいでる。 *「じゃあ△8七歩じゃないのか」「大変なのか」と羽生。(2)△9五歩も「いやー、違いますよね」といいながら(2)△9五歩の代案を示した。▲同歩なら端に細工できるようになので、(1)の△8七歩▲同玉△8九竜の変化になったときに寄せやすくなる。佐々木は△9五歩に▲6五銀を挙げた。以下△6四香▲同銀△同銀▲6三歩△5二玉▲4四歩が並べられ、羽生は自信なしだった。 *最善は(3)△5九竜▲7九銀△4八成銀だという。次に△5八成銀から迫る。 *「そっか、本譜は△2八竜▲7九銀の交換が入ったから損というわけなんですね。もともとそんなにいいというわけじゃないんだ」羽生。 66 2八竜(19) (16:00/03:35:00) *消費時間が逆転した。残り時間は▲佐々木30分、△羽生25分。 67 6八金(58) ( 0:00/03:30:00) 68 4三桂打 ( 0:00/03:35:00) *このタイミングで△4三桂を放った。▲6六銀なら△6四飛と払える。 *中村太八段は帰途に着いた。現在、控室では高見七段が検討している。 69 6三歩成(64) ( 2:00/03:32:00) *銀を引く前に、取られる拠点を成り捨てて形を乱す。 70 同 銀(72) ( 0:00/03:35:00) 71 6六銀(55) ( 0:00/03:32:00) *延々とねじり合いが続いている。先手は玉の堅さ、後手は桂得と6筋の嫌みを解消できたのが主張になる。形勢はまだまだ難しい。 72 5四飛(74) ( 4:00/03:39:00) *質駒の飛車を逃げて、今度は先手の角を質駒にする。タイミングよく△5六飛から追い込めれば面白い。羽生がピンチを技で切り抜けた印象だ。 *高見七段「▲6九歩は△6四香なので、▲7九銀か▲6七金寄と側面を固めたいです。以下△3六成銀は激戦ですね」 *▲7九銀と▲6七金寄は、数手前の△2八竜に対応している。いきなり激しく攻めると△5九角や△5九銀で反撃されるので、その前に自陣に手を入れておけば反動を抑えられるというわけ。 73 7九銀(88) ( 4:00/03:36:00) *18時34分の着手。双方ともに終盤に入ったところから自陣に手を入れている。曲線的に粘り強く指して、相手に決め手を与えない。 * *【依然として激戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-bd2e.html * *※局後の感想※ *羽生は(1)△4八成銀も考えたが、▲8七玉△8八歩▲同銀△5八成銀▲7八金寄△6八成銀▲同金△同竜▲7九銀打△5八竜▲8三角成△7二金▲6五馬で「(先手玉を)追い過ぎている気がした」。佐々木も自信がありそうだった。(2)△3六成銀は▲8八玉△4六成銀▲6五角△6四飛▲7八金寄で「忙しいですかねぇ」と羽生。 74 8二香打 (13:00/03:52:00) *残り8分になるまで考えて、自陣に香を打った。 *高見七段「この手は思いつきませんでした。▲8三角成とされると忙しくなるのを嫌ったんでしょう。あとは△8五歩▲同歩△9三桂から△8五桂の攻めを狙っています」 *現局面で▲6五銀は△6七歩▲同金寄△8四飛が予想される。▲7五角で△8六飛は受かるが、後に△5五桂と使われる味もあるのでちょっと指しにくいか。 75 6五銀(66) ( 4:00/03:40:00) *高見七段と対局立会人の金沢六段、ABEMAに出演していた野原女流初段が継ぎ盤を動かす。「わからない」の声が漏れる。 76 5五飛(54) ( 3:00/03:55:00) *狭いところに飛車を逃げた。 *高見七段「これは▲6四歩△5二銀▲4四歩が嫌ですよ」 77 6四歩打 ( 1:00/03:41:00) *再び玉頭に拠点ができた。羽生の狙いはまだわからない。 78 5二銀(63) ( 0:00/03:55:00) 79 4四歩(45) ( 0:00/03:41:00) *後手は飛車が邪魔をして、桂の逃げ場がない。かなり忙しい。佐々木は扇子で激しくあおぐ。 * *【先手が抜け出す】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-f661.html 80 6七歩打 ( 0:00/03:55:00) *▲6七同角は△6五飛がある。 81 同 金(77) ( 0:00/03:41:00) 82 2五飛(55) ( 1:00/03:56:00) *後手の手番なら△5五桂がぴったりなのだが。△2七飛成と竜を作っても、先手玉への響きが薄い。はっきり手が遅れており、佐々木よしがはっきりした。 83 4三歩成(44) ( 0:00/03:41:00) 84 同 金(32) ( 0:00/03:56:00) *高見七段「自分なら▲2六歩を打ちますね。△同飛なら▲5五桂がきついですし、△5五飛なら▲6六角が抜群です」 85 7五桂打 ( 1:00/03:42:00) *19時6分の着手。現局面までの消費時間は▲佐々木3時間42分、△羽生3時間56分。俗手の攻めで、▲6三歩成からはがすのが厳しい。 86 8五歩打 ( 0:00/03:56:00) *羽生は勝負手を繰り出せるか。▲8五同歩に△9三桂から△8五桂が予想される。 87 同 歩(86) ( 1:00/03:43:00) 88 8六歩打 ( 1:00/03:57:00) *高見七段「先手優勢で、かなりわかりやすいと思います。というのも、8筋に拠点を作られてもカナ駒を渡さずに攻めることができるんですね。例えば▲3二角と打っておいて、▲6三歩成から寄せが浮かびます。これが▲6三金とか打ち込む攻めだと、後の△8七金が気になります」 89 3二角打 ( 1:00/03:44:00) *次に▲6三歩成△同銀▲4三角成で崩壊する。 90 4四金(43) ( 1:00/03:58:00) 91 2一角成(32) ( 0:00/03:44:00) 92 3九竜(28) ( 0:00/03:58:00) *△8七歩成▲同玉△7九竜とされてはいけないので、▲7七金寄がぴったり。△2九飛成〜△7九竜としたいが、それは▲2九同角と取られてしまう。 * *【先手勝勢】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-f178.html 93 7七金(67) ( 3:00/03:47:00) *残り2分の羽生に対し、佐々木は13分を残している。形勢に加えて、持ち時間にも余裕がある。 94 8五香(82) ( 0:00/03:58:00) *歩切れを解消した。 95 8八歩打 ( 0:00/03:47:00) 96 6七歩打 ( 0:00/03:58:00) *▲6七同金寄は△8七歩成▲同歩△同香成▲同玉△7九竜、▲6七同金上は△2八飛成とされる。 97 同 角(56) ( 0:00/03:47:00) *6五の銀には馬のヒモがついているので、△6五飛とは取られない。角が2九の地点に利かなくなったので△2九飛成とできるものの、▲4九歩が角を生かして堅い。 98 4七成銀(37) ( 0:00/03:58:00) *高見七段「飛車を五段目に残して、▲1一馬に△6五飛を見せて牽制しています。でも現局面で▲2六歩△同飛▲1一馬が気持ちよいです」 99 9七桂(89) ( 6:00/03:53:00) *高見七段「ひぇぇ。大丈夫か? 見える手だけど、ひぇー。踏み込むんですね」 *端桂で香は助からない。しかし△2八飛成▲8五桂△5七成銀と勝負されたときがわからないという。 100 2八飛成(25) ( 0:00/03:58:00) *佐々木の手が止まっている。 *高見七段「▲8五桂△5七成銀▲5八歩△2九竜上で受けにくくなります。以下▲6三歩成△7一玉▲6九歩は、△6八成銀から△6九竜で削られますよ」 101 8五桂(97) ( 4:00/03:57:00) *「やった!」「いやー」「大丈夫か」 *控室で悲鳴が上がる。高見七段の指摘していた逆転筋に入ったか。 102 5七成銀(47) ( 0:00/03:58:00) *▲5八歩は先述したように、△2九竜上で玉の真下を狙われて受けにくい。 103 4九歩打 ( 0:00/03:57:00) *高見七段「落ち着いた手ですね。でも勝ち方としては、先手がかなり怖いです」 * *【最終盤の攻防】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-8c92.html 104 6七成銀(57) ( 0:00/03:58:00) *とにかく、重たかった成銀が角と交換になった。問題は後手玉はどれほど耐えきれるかだ。 105 同 金(77) ( 0:00/03:57:00) 106 6六歩打 ( 0:00/03:58:00) *手筋のたたきで薄くする。 107 同 金(67) ( 0:00/03:57:00) 108 4九竜(39) ( 0:00/03:58:00) *高見七段「いや、体感としてはかなり先手も危ないですよ。▲6三香△5一玉▲6一香成△同銀は、△7七香から先手玉が詰むと思うんです。以下▲同玉は△7九竜、▲6七玉は△6八竜」 109 5八歩打 ( 0:00/03:57:00) *高見七段「落ち着いてますけど、この流れはもう一山ありそうですよ」 110 4六角打 ( 1:00/03:59:00) *羽生は一分将棋に入った。△4六角は▲6三香を牽制している。香が持ち駒に入れば、△7七香▲同金△7九角成だ。 111 6三歩成(64) ( 0:00/03:57:00) *佐々木が寄せにいった。どの駒を渡していいかがポイントになる。 112 同 銀(52) ( 0:00/03:59:00) 113 同 桂成(75) ( 0:00/03:57:00) 114 同 玉(62) ( 0:00/03:59:00) 115 6四歩打 ( 0:00/03:57:00) 116 5二玉(63) ( 0:00/03:59:00) 117 3二馬(21) ( 0:00/03:57:00) *詰めろで受けにくい。 *高見七段「後手は△7七香とか△7七銀と打てないと、先手玉を詰ませられません。それを見越して、桂を渡す寄せに出たんですね」 *この局面で羽生が投了した。後手玉は受けがなく、先手玉は詰まない。終局時刻は19時53分。消費時間は▲佐々木3時間57分、△羽生3時間59分。佐々木は初の王位戦挑戦、そして藤井聡王位とのダブルタイトル戦を決めた。第1局は7月 7・8日(金・土)に愛知県豊田市「豊田市能楽堂」で行われる。 * *【終局直後】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-bb10.html * *【感想戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-10da.html * *【記者会見】 *https://kifulog.shogi.or.jp/oui/2023/05/post-1155.html * *【佐々木大地七段 羽生善治九段に勝ち 藤井聡太王位に挑戦】 *https://www.youtube.com/watch?v=jh5lMw3arUs * *【「指していると楽しくなるような」王位挑戦 佐々木大地七段 記者会見】 *https://www.youtube.com/watch?v=rldEupU1WnU * *※局後の感想※ *佐々木「こちらが愚形の瞬間に動かれてまとめづらいかなと思っていて、ちょっと作戦失敗かなと思っていました」 *羽生が中盤で積極的に攻める展開になり、両者とも後手ペースの認識だったようだ。しかし実際の形勢はなんともいえず、羽生は *「じゃあずっと難しかったのか。桂香を取って調子いいのかと思っていたら、向こうは全部はさばけているから」と総括した。 118 投了 ( 0:00/03:59:00) まで117手で先手の勝ち