# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.02 棋譜ファイル --- 対局ID:6248 記録ID:5922bff89c49b70004ceb521 開始日時:2017/05/22 20:09 終了日時:2017/05/22 23:16 表題:王位戦 棋戦:第58期王位戦挑戦者決定リーグ白組5回戦 戦型:角換わり腰掛け銀 持ち時間:各4時間 消費時間:107▲239△239 場所:東京・将棋会館 備考:千日手指し直し局\n前局消費時間\n丸山忠久九段:239分→180分\n佐々木勇気五段:229分→170分\n 振り駒:なし 先手消費時間加算:180 後手消費時間加算:170 手合割:平手   先手:丸山忠久九段 後手:佐々木勇気五段 先手省略名:丸山 後手省略名:佐々勇 手数----指手---------消費時間-- *王位戦挑戦者決定リーグは5月22日(月)に最終一斉対局が行われる。本局は白組の丸山忠久九段(0勝4敗)−佐々木勇気五段(3勝1敗)戦の千日手指し直し局。 *対局は東京・将棋会館で20時9分開始。持ち時間は▲丸山1時間、△佐々木1時間10分。先手は丸山。20時3分、両対局者が対局室に現れた。一礼して、丸山が駒箱に手を伸ばす。 * *※局後の感想※ *55手目、57手目、73手目、107手目に記載。 * *(棋譜・コメント入力=文) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 2六歩(27) (180:00/03:00:00) *20時9分、両者一礼して対局が始まった。丸山はすぐに飛車先の歩を突く。 2 8四歩(83) (170:00/02:50:00) *佐々木は一拍置いてから盤上に手を伸ばした。 3 7六歩(77) ( 0:00/03:00:00) *◆丸山 忠久(まるやま ただひさ)九段◆ *1970年9月5日生まれ、千葉県木更津市出身。(故)佐瀬勇次名誉九段門下。1990年、四段。2000年、九段。棋士番号は194。 *タイトル戦登場は10回。獲得は名人2期、棋王1期の計3期。棋戦優勝は12回。 4 3二金(41) ( 0:00/02:50:00) *◆佐々木 勇気(ささき ゆうき)五段◆ *1994年8月5日生まれ、埼玉県三郷市出身。石田和雄九段門下。2010年、四段。2014年、五段。棋士番号は280。 *2013年、第3期加古川青流戦で優勝。 5 7八金(69) ( 0:00/03:00:00) *挑戦者決定リーグ白組は3勝1敗で3人が並ぶ激戦になっている。4勝1敗で2人以上が並んだ場合はプレーオフ。3勝2敗で4人が並んだ場合は佐々木が優勝、菅井竜也七段が残留となる。 * *【3勝1敗】佐藤天彦名人、菅井竜也七段、佐々木勇気五段 *【2勝2敗】豊島将之八段 *【1勝3敗】渡辺明竜王 *【0勝4敗】丸山忠久九段 * *【第58期王位戦挑戦者決定リーグ】 *https://www.shogi.or.jp/match/oui/58/hon.html 6 8五歩(84) ( 0:00/02:50:00) 7 7七角(88) ( 0:00/03:00:00) 8 3四歩(33) ( 0:00/02:50:00) 9 8八銀(79) ( 0:00/03:00:00) 10 7七角成(22) ( 0:00/02:50:00) *千日手局は丸山の一手損角換わり。指し直し局は手損のない角換わりになった。 11 同 銀(88) ( 0:00/03:00:00) 12 2二銀(31) ( 0:00/02:50:00) *この△2二銀は再び注目されるようになった駒組み。以前は△4二銀と上がり、▲2五歩と決めてこない間は中央を厚くするほうが得と見られていた。最近は先手から桂を跳ねる速攻が出てきたため、早めに△4二玉と備えることのできる形が再評価されている。 13 3八銀(39) ( 0:00/03:00:00) 14 6二銀(71) ( 0:00/02:50:00) 15 4六歩(47) ( 0:00/03:00:00) 16 6四歩(63) ( 0:00/02:50:00) 17 4七銀(38) ( 0:00/03:00:00) 18 6三銀(62) ( 0:00/02:50:00) 19 6八玉(59) ( 0:00/03:00:00) *角換わり腰掛け銀の定跡形に進んでいる。持ち時間が少ないので、序盤は時間を使わずに進みそうだ。 20 1四歩(13) ( 0:00/02:50:00) 21 1六歩(17) ( 0:00/03:00:00) 22 4二玉(51) ( 0:00/02:50:00) 23 3六歩(37) ( 0:00/03:00:00) 24 7四歩(73) ( 0:00/02:50:00) 25 5八金(49) ( 0:00/03:00:00) 26 7三桂(81) ( 0:00/02:50:00) 27 5六銀(47) ( 0:00/03:00:00) 28 3三銀(22) ( 0:00/02:50:00) *20時23分、対局が始まって初めて丸山が手を止めた。佐々木が席を立つ。王位戦の対局は本局を残すのみとなった。 29 9六歩(97) ( 3:00/03:03:00) 30 6二金(61) ( 0:00/02:50:00) *端を手抜いて金の活用を急ぐ。6二金型は主流の駒組みで、次に△8一飛と引いた形が角の打ち込みに強い。 31 4五歩(46) ( 0:00/03:03:00) 32 8一飛(82) ( 0:00/02:50:00) 33 4六角打 ( 0:00/03:03:00) *4筋の位を取って▲4六角と据えるのは有力な作戦のひとつ。後手の攻めを牽制しながら、自陣の模様を徐々によくする方針だ。 34 9四歩(93) ( 0:00/02:50:00) 35 6六歩(67) ( 0:00/03:03:00) *今日行われた紅組の木村一基八段−澤田真吾六段戦と似た進行になっている。 * *【第58期王位戦挑戦者決定リーグ紅組5回戦 ▲木村一基八段−△澤田真吾六段】 *http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/58/oui201705220401.html 36 3一玉(42) ( 1:00/02:51:00) *澤田六段は△5二玉〜△6一玉で右玉に組み替えていた。佐々木はオーソドックスに左に囲う。 37 3七桂(29) ( 1:00/03:04:00) 38 2四角打 ( 0:00/02:51:00) *控室では対局を終えた棋士らが継ぎ盤を囲んでいる。「△2四角は斬新な気がする」と村山慈明七段。 39 同 角(46) ( 0:00/03:04:00) 40 同 銀(33) ( 0:00/02:51:00) 41 5五角打 ( 1:00/03:05:00) 42 3三銀(24) ( 0:00/02:51:00) 43 7九玉(68) ( 0:00/03:05:00) 44 6五歩(64) ( 0:00/02:51:00) *データベース上に同一局面の実戦例はないが、両者の指し手は早い。「丸山さんは自信があるんでしょうね」と村山七段。 45 同 歩(66) ( 3:00/03:08:00) 46 5四銀(63) ( 0:00/02:51:00) 47 4六角(55) ( 0:00/03:08:00) *1局ある実戦例に合流した。▲豊島将之七段−△千田翔太五段戦(2016年11月、叡王戦本戦、肩書は当時)だ。結果は後手勝ち。 48 7五歩(74) ( 0:00/02:51:00) 49 2五桂(37) ( 0:00/03:08:00) 50 2四銀(33) ( 0:00/02:51:00) *控室で「これは豊島−千田戦の1局だけだよね」と渡辺明竜王。棋士の記憶力は恐ろしい。 51 6七金(58) ( 2:00/03:10:00) *前例をたどる進行。丸山はぼんやりと天井を見上げる。「先手は金銀4枚がくっついているから悪い理屈がないよね」と渡辺明竜王が話すと、村山七段がうなずく。 52 6五銀(54) ( 0:00/02:51:00) 53 6三歩打 ( 0:00/03:10:00) *6二金・8一飛型に対する急所の一打。△6三同金は▲7二銀のキズが生じて危ない。玉に寄せるなら△5二金だが、ここでは▲7三角成と桂を取られる。角が利いていない場合でも、7二の地点に隙ができるので指しにくい。そこで△7二金とかわすことになる。 54 7二金(62) ( 1:00/02:52:00) 55 5五角(46) ( 0:00/03:10:00) *この手で前例を離れた。丸山がノータイムで指したところに、水面下の研究を感じさせる。前述の叡王戦では代えて▲6五銀△同桂▲6六銀△2五銀▲同歩△5四桂と進み、後手の攻勢が続いた。この▲5五角にはどう受けるか。6筋に銀の質駒があるので、△3三桂ではいかにも心細い。村山七段に聞くと「受けはないので攻め合うんです」という答え。一例はここから△7六歩▲同銀△6六歩▲同金△同銀▲同角△4六角。以下▲2九飛なら△2五銀▲同歩△6五歩▲7五角△6六桂と、ここまで進めば後手の攻めが刺さっている。後手は2筋に桂の質駒があるのがポイントで、桂を使って攻めが続く形になればいい。 *20時56分、佐々木が手を止めている。丸山が席を立つ。佐々木はグラスの水を飲み、首をかしげる。 * *※局後の感想※ *「1手変わるだけでわからなくなっちゃいますね。研究不足でした」と佐々木。ここでは△7六歩が有力だった。以下▲同銀△同銀▲同金△8六歩▲同歩△3九角▲2七飛△4八角成で難しい。佐々木は「7筋で歩がぶつかっているんだから、取る一手でした」と悔やんだ。本譜は佐々木に誤算があった。 56 8六歩(85) (14:00/03:06:00) *21時1分、佐々木の手が動いた。飛車先を突き出して攻めに弾みをつける。丸山は額を押さえた。佐々木は顔をしかめて天を仰ぐ。 *自然な応手は▲8六同歩だが、▲8六同銀と取れば△7六歩が銀当たりにならない。 57 同 銀(77) ( 7:00/03:17:00) *21時9分、丸山の手が動いた。丸山の選択は銀。後手は△7六歩が甘くなったので、別の手段で迫る必要がある。控室では「後手は攻めるしかないが、攻めが細い」との評判。 * *※局後の感想※ *銀で応じたのが好判断だった。「銀では取りづらいかなと思って、あまり読みが入っていなかったです」(佐々木) 58 6六歩打 ( 6:00/03:12:00) 59 同 金(67) ( 0:00/03:17:00) 60 同 銀(65) ( 0:00/03:12:00) 61 同 角(55) ( 0:00/03:17:00) 62 2五銀(24) ( 0:00/03:12:00) *質駒を取る切り札を発動。後手は△7四桂と両取りに打つ手がある。 63 同 歩(26) ( 0:00/03:17:00) 64 4六角打 ( 0:00/03:12:00) *控室で検討されていた筋で進んでいる。継ぎ盤では▲2七飛が示され、「手が見えない」と阿久津主税八段がつぶやく。以下△1九角成では▲2四歩△同歩▲1一角成で、互いの攻めの響きが大きく違う。 *佐々木が席を立った。丸山は大きな扇子を広げてあおぐ。 65 2七飛(28) ( 4:00/03:21:00) *検討陣の見解は丸山ペース。先手の▲1一角成を上回る手段がないと見られている。継ぎ盤では△7四桂▲1一角成△8六桂▲同歩△2二銀▲1二馬△1三金が調べられている。駒を投資して馬を捕獲し、粘りに出る順だ。 *佐々木は紙パックの飲料をストローで飲み、首をかしげた。 66 3三桂(21) ( 3:00/03:15:00) 67 4四歩(45) ( 1:00/03:22:00) *丸山は着手してグラスに水を注ぐ。「早かったですね」と村山七段の声。 68 同 歩(43) ( 0:00/03:15:00) *「どうするんだろう」と渡辺明竜王。「▲5五銀打と打つのかな」と阿久津八段。継ぎ盤に▲5五銀打△1九角成▲4四銀△6四香が並び、渡辺明竜王が「これ本当に向こう(後手)寄るの?」とつぶやく。検討が進み、以下▲4三銀打△6六香▲3二銀成△同玉▲4三金で後手玉は寄り筋とされた。ここまでの手順で後手に変化の余地は少ないという。 *21時38分、丸山が両手で頭を抱えた。 69 5五銀打 (14:00/03:36:00) *21時42分、丸山の手が動いた。銀が放たれると、控室で歓声が上がる。「読みきった」という声も出た。佐々木は前傾姿勢で盤面をのぞき込む。 *控室では△1九角成▲4四銀に、△7四桂▲7五角△6四香という順を佐々木慎六段が指摘。検討が再開された。「寄らないと焦るね」という渡辺明竜王の声が聞こえる。 70 1九角成(46) ( 5:00/03:20:00) 71 4四銀(55) ( 3:00/03:39:00) *控室では、ここで△6四香ではなく△7四桂▲7五角△6四香の佐々木慎六段説が有力といわれている。「桂と香の2択か」と阿久津八段。 *21時52分、佐々木が駒台に手を伸ばしたと思うと引っ込めた。 72 7四桂打 ( 1:00/03:21:00) *佐々木の選択は桂。控室で後手の最善と見られていた手だ。 73 7五角(66) ( 0:00/03:39:00) *丸山はすぐに角を上がる。ここで△6四香が馬の利きを生かした攻防手。対して先手がどう迫るか。▲4三銀打は△4二歩▲3二銀成△同玉で寄りが見えないといわれていた。 *22時2分、佐々木が時間を使っている。残り30分を切った。 * *※局後の感想※ *ここで△6四香は▲4三銀打△4二歩▲3二銀成△同玉▲2四歩△同歩▲3三銀成△同玉▲4五桂が調べられ、「ダメですね」と佐々木。 74 6三金(72) ( 9:00/03:30:00) *堂々と歩を払う。控室で「王者だ」という声。丸山がのけぞるようにして頭を抱えた。 75 4三銀打 ( 0:00/03:39:00) *銀の重ね打ちで迫る。次は▲3二銀成△同玉▲4三金と数で押していけばいい。継ぎ盤には△4二歩▲3二銀成△同玉▲4五銀が示されている。 76 4一香打 ( 2:00/03:32:00) *必死の防戦。継ぎ盤では▲4二歩△同香▲3二銀成△同玉▲5三銀成が調べられている。より決めつけるなら、手順中▲5三銀成の前に▲4三歩△同香を入れる順が有力なようだ。 77 4二歩打 ( 5:00/03:44:00) 78 同 香(41) ( 0:00/03:32:00) *控室では渡辺明竜王、木村一基八段、阿久津八段、村山七段、佐々木慎六段が残って継ぎ盤を囲んでいる。丸山が頭を抱える姿がモニターに映る。22時20分、丸山の残り時間が10分を切った。 79 3二銀成(43) ( 8:00/03:52:00) *22時22分、丸山が着手。残り時間は8分。 80 同 玉(31) ( 0:00/03:32:00) 81 4三歩打 ( 0:00/03:52:00) *検討陣の予想的中。単に▲5三銀成は△6四銀が気になる手だった。 82 同 香(42) ( 0:00/03:32:00) *佐々木はいつの間にか上着を羽織っている。脇息にもたれてうつむく。 83 5三銀成(44) ( 0:00/03:52:00) *先手は▲4三歩△同香を入れておいたことで、ここで△6四銀なら▲4二金と打てる。 84 同 金(63) ( 0:00/03:32:00) *丸山は席を立っている。佐々木は記録係の手元に目をやる。 85 同 角成(75) ( 1:00/03:53:00) *先手は角を成り込んで好調な攻めが続く。後手は△4二金が自然な受けだが、▲6三馬が飛車当たりでつらい。しかし検討陣によると、そこで△1八馬と飛車の取り合いを迫って先手も一筋縄ではいかないという。 86 4二銀打 ( 4:00/03:36:00) *佐々木は銀を打って受けた。「銀だと▲2四歩と突くか迷う」と渡辺明竜王。 87 2四歩(25) ( 2:00/03:55:00) *丸山の手は2筋に伸びた。ここで△5三銀と馬を取るのは▲2三歩成△4二玉▲6三金で左右挟撃形が築ける。後手は△4二銀ではなく△4二金なら、この挟撃の筋がなかった。 88 同 歩(23) ( 1:00/03:37:00) *2筋の突き捨てが入った。これで▲6三馬に△1八馬なら▲2四飛とさばくことができる。 89 6三馬(53) ( 2:00/03:57:00) *飛車と桂の両取り。ここで△8六桂▲同歩△同飛には▲8七歩△7六飛▲4四桂が冷静との評判。以下△4四同香は▲5四馬が王手飛車だ。 90 8六桂(74) ( 3:00/03:40:00) 91 同 歩(87) ( 0:00/03:57:00) 92 同 飛(81) ( 0:00/03:40:00) 93 5四桂打 ( 1:00/03:58:00) *丸山、手にした桂で後手玉に迫った。▲4二桂成△同玉▲5三金△3二玉▲4一馬以下の詰めろだが、飛車の利きが通っているので先手玉も怖い形だ。「男だねえ」と木村八段がうなる。ちなみに代えて▲8七歩△7六飛▲5四桂は組み合わせが悪く、△6八銀▲同玉△5九銀▲同玉△5八金の頓死筋があった。これは4筋の香が働く。 94 8八銀打 ( 3:00/03:43:00) *鋭い王手。4筋は後手の香が押さえているので応手には注意がいる。▲8八同金は△6八金▲同玉△8八飛成で危ない。 95 6九玉(79) ( 0:00/03:58:00) 96 4一歩打 ( 0:00/03:43:00) *22時52分、丸山は一分将棋に入った。頭を抱える姿がモニターに映る。 97 2四飛(27) ( 1:00/03:59:00) *継ぎ盤に△2三歩▲2一金が並ぶ。 98 2三歩打 ( 0:00/03:43:00) 99 2一金打 ( 0:00/03:59:00) *ベタッと金を打って▲2二金打までの詰めろ。△2一同玉は▲2三飛成以下の詰み。受けが難しい。 100 4五桂(33) ( 2:00/03:45:00) *退路を作って▲2二金打の詰めろを受ける。佐々木が天を仰ぐ。丸山は額を押さえる。 101 2二金打 ( 0:00/03:59:00) 102 3三玉(32) ( 0:00/03:45:00) *後手玉に詰みはないが、▲2三飛成△4四玉▲4二桂成で必至がかかる。 103 2三飛成(24) ( 0:00/03:59:00) 104 4四玉(33) ( 0:00/03:45:00) 105 4二桂成(54) ( 0:00/03:59:00) *がんじがらめの必至。先手玉に詰みはない。 106 5七桂(45) ( 0:00/03:45:00) 107 5八玉(69) ( 0:00/03:59:00) *冷静にかわす。ここで△6九銀には▲4八玉でいい。後手は玉が動けないので開き王手の筋がなく、4筋には歩も利かない。先手玉に対する王手が続かない。 *23時7分、佐々木が席を立つ。しばらくして戻ってきた。脇息に肘をついてうつむく。グラスに水を注いで口をつけた。23時15分、佐々木も一分将棋に。50秒を読まれると、佐々木は駒台に手をやって頭を下げた。終局時刻は23時16分。丸山が千日手指し直しの激戦を制した。 * *※局後の感想※ *前例のある進行と合流したが、丸山の研究が上回ったようだ。本譜は△8六歩(56手目)が手順前後で、▲同銀と取られて△7六歩と取るタイミングを失っている。後手は△8六歩に代えて△7六歩と攻めたほうがまさった。佐々木は「△7二金が離れている分だけ悪いんでしょうね」と肩を落としていた。 108 投了 (14:00/03:59:00) まで107手で先手の勝ち