# --- Kifu for Windows (HTTP) V6.52 棋譜ファイル --- 対局ID:1590 開始日時:2012/11/08 10:00 終了日時:2012/11/08 15:29 表題:大山名人杯倉敷藤花戦 棋戦:第20期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負 第1局 持ち時間:各2時間 消費時間:111▲120△120 場所:東京・将棋会館 図:投了 手合割:平手   先手:里見香奈 後手:矢内理絵子 手数----指手---------消費時間-- *里見香奈倉敷藤花に矢内理絵子女流四段が挑戦する、第20期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負が開幕する。過去の対戦成績は里見8勝、矢内3勝。 *対局は11月8日(木)東京・将棋会館にて10時開始。持ち時間は各2時間(チェスクロック使用)、使い切ると1分将棋。昼食休憩は12時〜13時。先後は振り駒で決定する。立会人は藤井猛九段、記録係は竹下貴重奨励会初段(19歳・中尾敏之五段門下)が務める。 * *9時57分、振り駒が行われた。歩とと金が同数で振り直した結果、「歩」が3枚。里見の先手に決まった。 * *(棋譜・コメント入力=八雲) *【】=中継ブログ *※=感想戦の内容 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *定刻の10時に対局開始。一礼の後、里見はすぐに角道を開けた。 * *【対局開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-75cb.html 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *矢内は30秒ほど間を置いて△3四歩。 * *【対局開始前】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-cda0.html 3 7五歩(76) ( 0:00/00:00:00) *両者の過去の戦いは11局あり、その全てで里見は中飛車を採用していた。今日は▲7五歩で石田流模様の立ち上がり。新たな戦型が見られそうだ。 4 8八角成(22) ( 0:00/00:00:00) *矢内はすかさず角交換。石田流を封じる作戦だ。序盤から主導権を巡る激しい火花が散っている。 *里見が時間を使っている。ここは▲8八同銀、▲8八同飛のどちらもあるところ。▲8八同飛なら△4五角と打って激しい展開になる。 5 同 飛(28) ( 0:00/00:00:00) *4分ほど考えた里見は▲8八同飛と応じた。激しいほうだ。 *手元のデータベースでは、実戦例が15局。先手10勝、後手15勝と後手がリードしている。 * *里見 香奈(さとみ かな)倉敷藤花は、1992年3月2日生まれの20歳。島根県出雲市出身。森けい二九段門下。女流棋士番号は33。2004年女流2級、11年女流五段。タイトル戦登場は11回、獲得は11期。現在、女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花の4タイトルを保持。11年関西奨励会に1級で入会、現在初段。 6 4五角打 ( 0:00/00:00:00) *両成りを見せる角打ち。 * *矢内 理絵子(やうち りえこ)女流四段は、1980年1月10日生まれの32歳。埼玉県行田市出身。関根茂九段門下。女流棋士番号は16。93年女流2級、2004年女流四段。タイトル戦登場は17回、獲得は6期。棋戦優勝は2回。 7 7六角打 ( 0:00/00:00:00) *6七の地点を受けながら▲4三角成を見せて対抗する。 8 4二玉(51) ( 0:00/00:00:00) *「ここで▲3八金なら穏やか。▲3八銀なら大乱戦ですね」(藤井九段) 9 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *里見は激しいほうで。一歩も引かない覚悟だ。 10 5四角(45) ( 0:00/00:00:00) *角交換から△2八角を狙っている。 11 7八飛(88) ( 0:00/00:00:00) *里見の今年度成績は9勝2敗(0.818) *通算成績は126勝46敗(0.733) 12 7六角(54) ( 0:00/00:00:00) *矢内の今年度成績は13勝6敗(0.684) *通算成績は335勝205敗(0.620) 13 同 飛(78) ( 0:00/00:00:00) *里見と矢内、両者によるタイトル戦は初めてだが、番勝負は2007年のレディースオープントーナメント決勝三番勝負を戦っている。そのときは2勝1敗で矢内が先輩の力を見せた。 14 2八角打 ( 0:00/00:00:00) *「大乱戦。大乱戦だけど、定跡化されつつある進行ですね」(藤井九段) 15 5五角打 ( 0:00/00:00:00) *1一の香取りで角を設置。受けさせて▲7四歩と飛車のコビンを攻めるのが真の狙いだ。 16 3三桂(21) ( 0:00/00:00:00) *タイトル6期を誇る矢内だが、最近はタイトル戦出場の機会がなかった。最後の番勝負は2010年4月のマイナビ女子オープン五番勝負で、今回は2年半振りのタイトル戦出場となる。 17 7四歩(75) ( 0:00/00:00:00) 18 同 歩(73) ( 0:00/00:00:00) *飛車取りを恐れず堂々と応じる。序盤早々の飛車角交換は、陣形が低く飛車打ちの隙が少ないので角のほうが有利な場合が多い。ただし、本譜の先手には飛車を取って狙いの一手がある。 19 8二角成(55) ( 0:00/00:00:00) 20 同 銀(71) ( 0:00/00:00:00) 21 1八飛打 ( 0:00/00:00:00) *角を捕獲した。これが先手の狙い筋だ。 22 3九角打 ( 0:00/00:00:00) *角を重ねてつなぐ。まだ定跡といえる進行だ。 * *【石田流から大乱戦へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-c72b.html 23 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *「最新形は▲6六飛という実戦例がありましたね。▲6八銀は旧来の形。どちらもまだ結論の出ていない形です」(藤井九段) *実戦例は4局で、戦績は2勝2敗の五分。前例は全て△7三桂としているが、矢内はここで時間を使っている。 24 7三銀(82) ( 0:00/00:00:00) *10時35分頃の着手。矢内の新手だ。 *「銀ですか。これは新手ですね。これには▲3六歩と突いて▲3七銀を狙うのが第一感です。△7三桂に▲3六歩だと△4五桂▲5八金左△6五桂の筋があるので無理ですが、銀なら▲3六歩と突けそうです。そこで△5五角成▲3九金△9九馬で戦えると見ているのかな」(藤井九段) *10時50分頃、控室に関根紀代子女流六段が来訪した。 *里見が長考している。 *「▲3六歩△5五角成以下の順は後手が少し苦しい印象です。▲3六歩に何かいい手がないと△7三銀は疑問手になるかもしれませんね。里見さんは、ここで良くできる可能性ありと見て、全ての変化を読んでいるのでしょう」(藤井九段) *控室では藤井九段の検討が続いている。▲3六歩△4五桂に▲5八金左か▲5八玉。そこでじっと△6四銀が発見された。次に△7三桂と跳ねる狙いだ。「そうか、△6四銀で難しいですね。△7三銀は疑問手かもしれないと思いましたが、そんなことはなかった。矢内さんの秘策かもしれません」と藤井九段。 * *※感想戦 *△7三銀は「やってみたかった手」と矢内。どこかで△6四銀と活用する狙いで、本譜はそのチャンスを逃してしまったとのことだ。 25 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *11時27分、およそ52分の考慮で▲3六歩。 *ここで△5五角成は、▲3九金△9九馬に▲3七銀を控室に訪れた西村一義九段が指摘。以下△8九馬▲3五歩△同歩▲2六銀で先手良しで、藤井九段と見解が一致した。 26 4五桂(33) ( 0:00/00:00:00) *▲3七銀を防ぎながら5七の地点を狙う。 27 3九金(49) ( 0:00/00:00:00) *▲5八金左や▲5八玉には△6四銀が嫌だったか。里見は2枚の角を消しにいった。 28 同 角成(28) ( 0:00/00:00:00) *【午前中の控え室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-654e.html 29 4八角打 ( 0:00/00:00:00) *角を合わせて馬を消す。先手が23手目に▲6六飛とする展開や、後手の24手目が△7三桂だった場合でも現れる変化だ。7三銀の形が後手の得なのか損なのか、非常に難しい。 *11時50分頃、北尾まどか女流初段が控室に来訪した。 *矢内が時間を使っている。△4八同馬の他に△2八金とつなぐ手も考えているのかもしれない。 *矢内が20分ほど考えたところで12時を回り昼食休憩に入った。消費時間は▲里見1時間7分、△矢内52分。昼食の注文は、里見が「うな丼・ざるそばセット」(みろく庵)、矢内は注文なし。対局は13時に再開する。 *【昼食休憩】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-ab46.html 30 同 馬(39) ( 0:00/00:00:00) *13時を回り対局再開。矢内はすぐに△4八同馬とした。 * *【昼食休憩時の特別対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-e054.html 31 同 玉(59) ( 0:00/00:00:00) *里見もほぼノータイムで応じる。 *再開したところで控室には井道千尋女流初段が来訪した。 * *【対局再開】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-2985.html 32 8八角打 ( 0:00/00:00:00) *先手陣の隙を狙って角を打ち込む。 33 6六角打 ( 0:00/00:00:00) *角を合わせて消しにいく。△6六角成には▲同飛が▲6三飛成を見た先手になる。 34 同 角成(88) ( 0:00/00:00:00) *【今日の千駄ヶ谷】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-84f4.html 35 同 飛(76) ( 0:00/00:00:00) *再度の△8八角には▲7七角△同角成▲同桂△8八角▲6三飛成△6二金▲6五竜で先手がいいようだ。△5五角と外から打つ手もある。以下▲6三飛成△6二金▲6五竜△9九角成▲4五竜△8九馬が予想される進行。そこで先手から厳しい手があるかどうか。 *控室では△5五角はあとで角取りが忙しいので△3三角が検討されている。さらに工夫して△1五角と王手で打って、▲2六角に△3三角と引くひねった順もあるようだ。 36 1五角打 ( 0:00/00:00:00) *控室で藤井九段が予想していた△1五角が着手された。 *13時20分頃、控室に高群佐知子女流三段が来訪。 *▲2六歩と受ける手も考えられるようだ。以下△同角▲3九玉△4八金▲2八玉。そこで△4四角と飛車取りに引ければ調子がいいが、▲1五角の王手金取りでしびれる。現在は△4四角のところで△5二玉とする変化が検討されている。 37 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *7分ほど使って▲2六歩。▲2六角のほうが無難だが、それでは消極的と見たようだ。 *検討は△2六同角▲3九玉に△5二玉を本線と見て進められている。△4八金の王手をすぐに決めないほうがいいようだ。△5二玉に▲4六歩と桂を取りにいくのは、△4八金▲2八玉に△4四角。次に△6六角と飛車を取って△3九飛の狙いが厳しく、これは先手大変とのこと。 *13時35分頃、竹部さゆり女流三段、渡辺弥生女流1級が控室に来訪。 38 同 角(15) ( 0:00/00:00:00) 39 3九玉(48) ( 0:00/00:00:00) *13時40分頃、控室に千葉幸生六段が来訪。 *控室の推奨手は△5二玉。対して▲4六歩は前述したように先手が悪くなる。藤井九段は△5二玉に▲6五飛を指摘した。 * *※感想戦 *ここで△6四銀が有力だった。△7三銀とした矢内の新手の狙いを継続する手で、矢内も当初は△6四銀の予定だったという。以下▲4六歩△5五銀▲6三飛成△4六銀▲6一竜△4八金▲2八玉△3八金▲2七玉△4八角成▲7七角で難解。矢内はこの変化を読んだ上で、わずかに自信なしと見て△6四銀を断念したようだ。 40 4八金打 ( 0:00/00:00:00) *矢内は王手を決めた。 *△4八金までの消費時間は▲里見1時間16分、△矢内1時間29分。 41 2八玉(39) ( 0:00/00:00:00) 42 3八金(48) ( 0:00/00:00:00) *さっぱりと銀を取った。▲3八同玉に△4四角と引けば▲1五角の筋はない。 43 同 玉(28) ( 0:00/00:00:00) *△3七銀と打つのは▲2七玉で続かない。△4四角が予想されている。 44 4四角(26) ( 0:00/00:00:00) *▲6三飛成が検討されている。以下△6二金▲6五竜△5四銀▲5六竜△9九角成が検討の一例。優劣はいまのところ不明だ。 45 7七角打 ( 0:00/00:00:00) *▲7七角は控室では予想されていなかった。△3七銀▲同桂△同桂成▲同玉に△6六角と飛車を取って△3九飛が指摘されている。 *14時頃、控室に遠山雄亮五段が来訪。さっそく千葉六段と継ぎ盤を挟んで検討が始まった。 *△3七銀には▲3九玉でギリギリ受かりそう、とのことで△2七銀▲同玉に△6六角〜△3九飛が検討されている。 46 6六角(44) ( 0:00/00:00:00) *矢内は単に飛車を取った。 *「単取りですか」(千葉六段) *「タンドリーチキンで」(藤井九段) 47 同 角(77) ( 0:00/00:00:00) *【午後の控室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-2058.html 48 3五歩(34) ( 0:00/00:00:00) *「なるほど、単に飛車を取って△3五歩はいい手順ですね。先手は玉と飛車の位置が悪くて大変かもしれません」(藤井九段) *控室では45手目▲7七角で、先手がやや形勢を損ねたと見られている。 *「ここは勝負手が必要ですか。▲3四角と打ちます」(千葉六段) *▲3四角以下△2四飛▲2五金△同飛▲同角△2六金が検討の一例。後手が押し気味だが、まだ難しいようだ。 49 3三角打 ( 0:00/00:00:00) *「王手して5五に馬を作る狙いですか。そうか、指されてみればいい手です。控室の検討を上回る手の応酬が続いていますね。熱戦です」(藤井九段) 50 5二玉(42) ( 0:00/00:00:00) *△5二玉までの消費時間は▲里見1時間43分、△矢内1時間36分。 51 5五角成(33) ( 0:00/00:00:00) *▲3三角〜▲5五角成はさすがの手順と見られていたが、ここで△2五飛が厳しいと言われている。△2五飛は△2七銀を狙いつつ、先手がそれを受ければ△3六歩が抜群の味。△2五飛に▲2八飛も△同飛成▲同玉△3六歩で後手がいい。以下▲4五馬は△2五飛が王手馬取り。 * *※感想戦 *この局面で△2五飛は▲4五馬と桂を取られて自信がなかったと矢内。里見も▲4五馬の予定だったという。 *以下△2七銀▲3九玉△1八銀成▲同香に(1)△2七飛成は▲3八金で攻めが続かない。(2)△2八飛打や△2七飛打には▲1九金の受けが妙手でやはり攻めが続かないとのこと。 *「検討陣は▲1九金の妙手に気が付かずに△2五飛で後手良しと見ていました。両対局者の読みが検討をはるかに上回っていましたね。さすがです」と感想戦終了後に藤井九段が語ってくれた。 52 4四銀打 ( 0:00/00:00:00) *矢内は手堅く銀を打った。 53 4六馬(55) ( 0:00/00:00:00) 54 3六歩(35) ( 0:00/00:00:00) *※感想戦 *代えて△6四銀ならまだ難しかったようだ。本譜は後手が切れ模様で差がついたとのこと。感想戦はここで打ち切られた。 55 同 馬(46) ( 0:00/00:00:00) 56 3七歩打 ( 0:00/00:00:00) 57 4九玉(38) ( 0:00/00:00:00) *▲3七同桂は△同桂成▲同馬に△4五桂が嫌味のようだ。 *控室に片上大輔六段が来訪した。 58 6四銀(73) ( 0:00/00:00:00) *▲4六歩と切らしにいくのが有力と見られている。 *「後手は攻めが切れる恐れが出てきました。ピンチだと思います」(検討陣) *52手目△2五飛はその後の検討で有力から、後手勝勢とまで言われていた。チャンスを逃して一転して後手がピンチを迎えている。将棋は怖い。 59 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *検討陣推奨の▲4六歩が指された。△5五銀右には▲7七角で後手の攻めが細いと言われている。 *14時40分頃、控室に相川春香女流3級が来訪。検討中の男性棋士にお茶を入れる気配りを見せている。 60 6五銀(64) ( 0:00/00:00:00) *銀を真っ直ぐ立った。 *△6五銀までの消費時間は▲里見1時間46分、△矢内1時間55分。 61 8八角(66) ( 0:00/00:00:00) *14時45分、控室には上田初美女王が来訪している。 *形勢は「居飛車が自信ないように思います」と上田女王。 62 3八飛打 ( 0:00/00:00:00) *ガツンと飛車を打ち込んだ。玉の間近に飛車を打たれてドキドキしてしまうところだが、放置して▲4五歩と取って大丈夫のようだ。 63 4五歩(46) ( 0:00/00:00:00) 64 1八飛成(38) ( 0:00/00:00:00) *この手を指すところで矢内が持ち時間を使い切った。ここからは1分将棋となる。 65 同 馬(36) ( 0:00/00:00:00) *後手は攻めを続けるのが難しい。 66 4五銀(44) ( 0:00/00:00:00) *【午後の控室2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kurashikitouka/2012/11/post-ee56.html 67 8二飛打 ( 0:00/00:00:00) *先手が満を持して寄せに出る。 68 6二金(61) ( 0:00/00:00:00) 69 7二金打 ( 0:00/00:00:00) *「思い切って寄せにいきましたね。後手に金を渡すと先手も怖いところがありますが、大丈夫と読んだのでしょう」(藤井九段) 70 5一金(41) ( 0:00/00:00:00) *里見は8八の角を動かしかけて手を戻した。 71 3三角成(88) ( 0:00/00:00:00) *あらためて角を持って▲3三角成。△3八歩成▲同玉△3五飛で抜く筋があるが、馬を取らせて▲4五馬が厳しいようだ。 72 3八歩成(37) ( 0:00/00:00:00) 73 同 玉(49) ( 0:00/00:00:00) *この手を指して里見も持ち時間を使い切った。両者1分将棋。 *大詰めを迎えた控室に、谷川浩司九段が来訪した。 74 3五飛打 ( 0:00/00:00:00) 75 3七歩打 ( 0:00/00:00:00) *継ぎ盤は△3三飛▲4五馬△5四銀まで進められて、決め手を探している。 76 3三飛(35) ( 0:00/00:00:00) 77 4五馬(18) ( 0:00/00:00:00) 78 5四銀(65) ( 0:00/00:00:00) *「少し形が悪いですが」と前置きして、谷川九段が▲7一銀を指摘した。 79 7一銀打 ( 0:00/00:00:00) *「寄せは俗手で」と言われる。この手が厳しいようだ。 80 8四角打 ( 0:00/00:00:00) 81 6二金(72) ( 0:00/00:00:00) 82 同 角(84) ( 0:00/00:00:00) 83 同 銀成(71) ( 0:00/00:00:00) 84 同 金(51) ( 0:00/00:00:00) 85 7二金打 ( 0:00/00:00:00) *もう一度金を打つ。 86 6一金打 ( 0:00/00:00:00) *△5一金で千日手模様で粘っても、冷静に△5六馬ぐらいでチャンスがない。矢内は受け一方の手は指さずに、最後までしっかりと強い受けを指す。 87 同 金(72) ( 0:00/00:00:00) 88 同 玉(52) ( 0:00/00:00:00) 89 5四馬(45) ( 0:00/00:00:00) *スパッと切って決めにいった。 90 同 歩(53) ( 0:00/00:00:00) 91 5三銀打 ( 0:00/00:00:00) *△7二銀でもうひと頑張りできるか。 92 7二銀打 ( 0:00/00:00:00) *「里見さんなら、ここから詰みを読んでいそうですね」(藤井九段) 93 5二金打 ( 0:00/00:00:00) 94 同 金(62) ( 0:00/00:00:00) 95 同 銀成(53) ( 0:00/00:00:00) 96 同 玉(61) ( 0:00/00:00:00) *△7一玉は▲7二飛成から明快に詰みだったと検討陣。 97 7二飛成(82) ( 0:00/00:00:00) 98 6二銀打 ( 0:00/00:00:00) 99 6一銀打 ( 0:00/00:00:00) *△4一玉と引けば詰みはないようだ。しかし▲6二竜で受けなしになる。 100 5三玉(52) ( 0:00/00:00:00) *△5三玉には詰みがある。矢内もわかっていて、首を差し出したのだろう。 101 6二龍(72) ( 0:00/00:00:00) 102 同 玉(53) ( 0:00/00:00:00) 103 7一角打 ( 0:00/00:00:00) *里見は迷いない手つき。 104 7三玉(62) ( 0:00/00:00:00) 105 6五桂打 ( 0:00/00:00:00) 106 8四玉(73) ( 0:00/00:00:00) 107 8五銀打 ( 0:00/00:00:00) *△8五同玉に▲7七桂以下の詰み。 108 同 玉(84) ( 0:00/00:00:00) 109 7七桂(89) ( 0:00/00:00:00) 110 7五玉(85) ( 0:00/00:00:00) 111 5三角成(71) ( 0:00/00:00:00) *ここで矢内が投了した。 *以下は△6四合に▲8六金△8四玉▲8五金までの詰みとなる。 *終局時刻は15時29分、消費時間は両者2時間を使い切った。 *倉敷藤花三番勝負は里見倉敷藤花が先勝。第2局は11月23日(金)倉敷市・倉敷市芸文館で行われる。 112 投了 ( 0:00/00:00:00) まで111手で先手の勝ち