# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.11 棋譜ファイル --- 対局ID:7814 記録ID:5b3c3149627df500040ec063 開始日時:2018/07/10 09:00 終了日時:2018/07/10 19:08 表題:ヒューリック杯棋聖戦 棋戦:第89期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負 第4局 戦型:角換わり腰掛け銀 持ち時間:各4時間 消費時間:133▲237△239 場所:新潟・高島屋 備考:昼休前67手目18分\n 振り駒:なし 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜13:00 昼休前消費時間:67手18分 手合割:平手   先手:羽生善治棋聖 後手:豊島将之八段 手数----指手---------消費時間-- *羽生善治棋聖に豊島将之八段が挑戦する第89期ヒューリック杯棋聖戦(産経新聞社主催、ヒューリック株式会社特別協賛)五番勝負。豊島の2勝1敗で迎えた第4局は7月10日(火)9時から新潟県新潟市「高志の宿 高島屋」で行われる。持ち時間は各4時間。昼食休憩は12時から13時。先手番は羽生。立会人は屋敷伸之九段、副立会は村山慈明七段、記録係は高橋佑二郎二段(加瀬純一七段門下)が務める。産経新聞観戦記は星野崇さんが担当する。 *8時45分、豊島が対局室に入室。下座に着くと信玄袋から懐中時計とチョコレートやカロリーメイトを取り出して、盤の前や脇に置く。 *羽生の入室は8時51分。颯爽と現れた。上座に着くと気息を整えてから一礼して、駒を並べ始めた。 * *【産経新聞社】 *https://www.sankei.jp/ *【ヒューリック株式会社】 *https://www.hulic.co.jp/ * *(棋譜・コメント入力=琵琶) *[棋譜表示の※はコメント入りの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *◆羽生 善治(はぶ よしはる)棋聖(竜王)◆ *1970年9月27日生まれ、埼玉県所沢市出身。(故)二上達也九段門下。1985年、四段。1994年、九段。棋士番号は175。 *タイトル戦登場は135回。獲得は竜王7期(永世竜王)、名人9期(十九世名人)、王位18期(永世王位)、王座24期(名誉王座)、棋王13期(永世棋王)、王将12期(永世王将)、棋聖16期(永世棋聖)の計99期。棋戦優勝は44回。 * *【朝の対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-5cf3.html *【対局開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-75cb.html 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *◆豊島 将之(とよしま まさゆき)八段◆ *1990年4月30日生まれ、愛知県一宮市出身。桐山清澄九段門下。2007年、四段。2017年、八段。棋士番号は264。 *タイトル戦登場は6回。棋戦優勝は1回。 3 2五歩(26) ( 2:00/00:02:00) *【羽生の公式戦成績】 *通 算=1403勝574敗(0.710) *昨年度=32勝22敗(0.593) *今年度=5勝9敗(0.357) 4 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *【豊島の公式戦成績】 *通 算=419勝181敗(0.698) *昨年度=44勝18敗(0.710) *今年度=13勝6敗(0.684) 5 7六歩(77) ( 0:00/00:02:00) *両者の対戦成績は羽生13勝、豊島12勝。タイトル戦での対戦は2014年度の第62期王座戦、同年度の第86期棋聖戦、今期の棋聖戦と3回目となる。過去2回は羽生がいずれも防衛を果たしている。 6 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *作戦の岐路。△3二金に代えて△3四歩なら、▲7八金△3二金から横歩取りになる。 7 7七角(88) ( 1:00/00:03:00) *△3二金▲7七角と進み、角換わり模様に。 8 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *ヒューリック杯棋聖戦は産経新聞社が主催、ヒューリック株式会社が特別協賛する棋戦。予選は一次と二次をトーナメントで行う。その勝ち上がり者とシード者の計16人で決勝トーナメントが行われ、棋聖への挑戦権を争う。持ち時間は一次予選が1時間(チェスクロック使用)、二次予選が3時間、決勝トーナメントと五番勝負が4時間。昨年の五番勝負は羽生善治棋聖が挑戦者の斎藤慎太郎七段を3勝1敗で破り防衛、10連覇ならびに通算16期目の棋聖位を獲得した。 9 6八銀(79) ( 1:00/00:04:00) *羽生の棋聖戦成績は118勝51敗(0.698)。1986年度の第49期からの参加で、今期が41期目となる。1993年度の第62期で初挑戦し、谷川浩司棋聖(当時)を3勝1敗で破り、棋聖位を獲得。その後、5連覇を達成して永世棋聖の有資格者になった。棋聖位獲得は通算16期で、現在10連覇中。 10 7七角成(22) ( 1:00/00:01:00) *豊島の棋聖戦成績は26勝13敗(0.667)。2007年度の第79期からの参加で、今期が11期目となる。第86期で羽生棋聖に挑戦し、1勝3敗で敗れた。五番勝負登場は今シリーズが2回目となる。 *戦型は角換わりになった。先手が▲2五歩を決めているのは△4四歩からの雁木を警戒している意味がある。△4四歩は2筋の歩を交換されてしまう。 11 同 銀(68) ( 1:00/00:05:00) *両者による棋聖戦五番勝負は今期が2回目となる。前回は2015年度の第86期で、棋聖の羽生が挑戦者の豊島を3勝1敗で破って防衛を果たした。あれから3年が経ち、今回は豊島が初戴冠まであと1勝と迫っている。 12 2二銀(31) ( 0:00/00:01:00) *何気ないようでも大事な一手。▲2四歩は△同歩▲同飛に△3五角で後手よし。先手は△5七角成が受からない。同じようでも△4二銀は▲2四歩△同歩▲同飛と飛車先の歩を交換されてしまう。 13 3八銀(39) ( 1:00/00:06:00) *対局場の高島屋は過去に将棋や囲碁の名勝負の数々が繰り広げられてきた名宿。江戸時代の庄屋屋敷が使われている建物は、2004年に国の登録有形文化財に指定された。昨年は五番勝負第4局が行われ、羽生棋聖が挑戦者の斎藤慎七段を3勝1敗で破り、棋聖位を防衛。フロントやロビーには過去の対局写真が飾られている。 * *【泊まれる料亭 新潟県 岩室温泉 高志の宿 高島屋】 *https://takasimaya.co.jp/ *【高島屋】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-742d.html 14 6二銀(71) ( 0:00/00:01:00) *また、高島屋では西村京太郎トラベルミステリー61「越後・会津殺人ルート」のロケが行われた。女将の高島基子さんや旅館のスタッフもエキストラ出演している。フロントには主演の高橋英樹さんや高田純次さん、女優の浅野ゆう子さんや原沙知絵さんと記念撮影された写真が飾られている。 15 7八金(69) ( 1:00/00:07:00) *岩室温泉は1963(昭和38)年に国民保養温泉地に指定された。開湯300年以上の歴史を誇る日本を代表する温泉地として知られる。 * *【岩室温泉郷】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-c455.html 16 3三銀(22) ( 0:00/00:01:00) *本局の模様は、下記の各動画サービスでもライブ配信されている。 * *<ニコニコ生放送> *http://live.nicovideo.jp/gate/lv313817810 *【解 説】戸辺誠七段 *【聞き手】塚田恵梨花女流1級 * *<AbemaTV 将棋チャンネル> *https://abema.tv/now-on-air/shogi *【解 説】先崎学九段、大石直嗣七段 *【聞き手】室田伊緒女流二段、北村桂香女流初段 17 4六歩(47) ( 0:00/00:07:00) *本局は現地と東西の将棋会館で大盤解説会が行われる。 * *■現地 *【日時】14時30分開始 *【会場】高島屋 *【入場料】2500円(ワンドリンクつき) *【解 説】村山慈明七段 *【聞き手】宮宗紫野女流二段 * *■東京・将棋会館 *【日時】16時30分開場・17時開始 *【会場】2階研修室 *【入場料】一般2000円(各種割引あり) *【解説】三枚堂達也六段、斎藤明日斗四段 * *■関西将棋会館 *【日時】16時30分受付・17時開始 *【会場】2階道場 *【入場料】一般1500円(各種割引あり)、道場入場済みの場合は500円引き *【解 説】船江恒平六段 *【聞き手】里見咲紀女流初段 18 7四歩(73) ( 1:00/00:02:00) *先手は腰掛け銀を目指したのによって、後手は△7四歩と突く。早繰り銀の含みがある。「駒組みに幅を持たせた手です。このあと△6四歩から腰掛け銀を目指す順も考えられます」と村山七段は解説する。 19 4七銀(38) ( 0:00/00:07:00) *先手は右銀を繰り出す。▲5六銀と上がって腰掛け銀を目指すのか、4七で保留して▲3六歩と突いて▲3七桂〜▲2九飛〜▲4八金と構える順もある。 20 4二玉(51) ( 0:00/00:02:00) *後手は玉を移動する。4二のままで戦うのか、3一に移動するのか。「玉は4二か3一で、2二に入ることが最近はめっきり減りましたね」と村山七段。 21 3六歩(37) ( 1:00/00:08:00) *居飛車の基本的な一手。▲3七桂の活用や▲3五歩と突いて攻める含みがある。 22 1四歩(13) ( 1:00/00:03:00) *豊島はこのタイミングで1筋の歩を突く。 23 1六歩(17) ( 1:00/00:09:00) *【新潟へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-1857.html 24 6四歩(63) ( 0:00/00:03:00) *【燕三条から岩室温泉】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-7543.html 25 3七桂(29) ( 1:00/00:10:00) *【検分】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-42ac.html 26 7三桂(81) ( 0:00/00:03:00) *【揮毫】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-17c1.html 27 6八玉(59) ( 0:00/00:10:00) *【前夜祭スタート】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-548b.html 28 6三銀(62) ( 3:00/00:06:00) *【花束贈呈、決意表明】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-e8da.html 29 9六歩(97) ( 1:00/00:11:00) *【歓迎の料理】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-e48e.html 30 9四歩(93) ( 0:00/00:06:00) *「端歩が序盤のポイントでした。豊島さんは△9四歩を保留して、その1手を利用して攻勢に出る将棋を指しています。本局は両端を突き合ったのでオーソドックスな展開になりそうです」(村山七段) * *【戦型は角換わり】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-e51c.html 31 2九飛(28) ( 4:00/00:15:00) *下段飛車。次に▲4八金と上がればスキがない好形になる。 32 8一飛(82) ( 0:00/00:06:00) *後手も先手と同じような構えを目指す。 33 4八金(49) ( 1:00/00:16:00) *流行の構え。下段飛車の利きが8九まで通っている。 34 5二金(61) ( 1:00/00:07:00) *「おおっ、5二でしたか」と村山七段は声を上げる。 35 6六歩(67) ( 2:00/00:18:00) *陣形を膨らませる手。6五に争点ができたため、△6五歩の仕掛けを与える可能性もある。▲6六歩がどう影響するかも注目のひとつだ。 36 6二金(52) ( 0:00/00:07:00) *豊島はノータイムで△6二金と上がったばかりの金を寄る。「これは1手ずらす手法ですね」と村山七段。「あえて1手損することで、先手にマイナスの手を指させる狙いです」と続ける。 37 5六銀(47) ( 1:00/00:19:00) *ここで▲5六銀と腰掛け銀にする。 38 5四銀(63) ( 0:00/00:07:00) *後手も対抗して△5四銀と上がる。とにかく両者の指し手が早い。 39 7九玉(68) ( 2:00/00:21:00) *玉を7九に移動する。△6五歩には▲6九飛と迎撃する含みができた。 40 5二玉(42) ( 0:00/00:07:00) *後手は玉を5二に寄る。「これは手待ちの姿勢ですね」と村山七段。 41 8八玉(79) ( 2:00/00:23:00) *囲いに玉を入城する。部分的にはプラスの手だが、玉頭から攻められる展開になったときは7九のほうがいいケースもある。 42 4二玉(52) ( 0:00/00:07:00) *【見どころ・戦型予想】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-df31.html 43 4五桂(37) ( 3:00/00:26:00) *羽生は▲4五桂と跳ねた。「これはもしかしたら…」と村山七段。今期王位戦白組プレーオフの▲豊島−△澤田真吾六段戦と同一局面を迎えている。△4四銀なら▲2四歩から2筋の歩を交換できる。村山七段は「豊島さんが逆を持っているのが興味深いです」と話す。 * *【早い進行】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-83b3.html 44 4四銀(33) ( 1:00/00:08:00) *10時、両対局者におやつが運ばれた。両者ともフルーツ盛り合わせ(桃とオレンジ)。羽生はホットコーヒーを注文した。 *▲豊島−△澤田六段戦の前例は△2二銀▲3五歩△4四歩▲3四歩△4五歩▲同歩と進み、先手が勝った。村山七段は「先手は桂損ですが、歩得の価値が大きいと最近は見ています。後手はカベ銀の悪形に加えて歩がいなくなったことで玉が薄くなっています。実戦的には先手が勝ちやすいと思います」と解説する。豊島はそういった理由で前例から変化したようだ。 * *【10時のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/10-b3b0.html 45 2四歩(25) ( 5:00/00:31:00) *△4四銀に2筋の歩交換を目指す。自然な進行だ。 46 同 歩(23) ( 0:00/00:08:00) 47 同 飛(29) ( 0:00/00:31:00) *先手は1歩を手にした。 48 2三歩打 ( 0:00/00:08:00) 49 2九飛(24) ( 0:00/00:31:00) *すでに前例に別れを告げて、未知の局面に突入している。 50 6五歩(64) ( 0:00/00:08:00) *後手は手番を生かして△6五歩と動く。「豊島さんが△4四銀と上がったのは、後手から攻めていけることに期待したからだと思います」と村山七段はいう。 51 同 歩(66) (21:00/00:52:00) *羽生は21分と時間を掛けて▲6五同歩と応じた。▲6九飛と迎撃する手もあったが、羽生は自然な手で応じる。 52 7五歩(74) ( 0:00/00:08:00) *豊島は7筋の歩も突き捨てる。▲7五同歩は△6五桂と跳ねる意味。「以下▲6六銀は△8六歩▲同歩△同飛が王手銀取りの十字飛車で先手がまずいです」と村山七段。 53 6九飛(29) ( 2:00/00:54:00) *飛車を6筋に転回して6五の歩を支える。「先手は次に▲6四歩と突いて▲6三角と強引に攻める手もあります。後手玉が4二にいるため、6筋方面から攻めるのが効果的になります」(村山七段) 54 7六歩(75) ( 3:00/00:11:00) *後手は7筋の歩を取り込む。「後手は玉形が不安定なので反動がきついと思います。▲7四歩も残っていますし。後手が景気よく攻めているようですけど、攻め駒を攻められる展開になると後手玉が近いのがマイナスになるので、慎重な攻めが要求されます」(村山七段) 55 同 銀(77) ( 5:00/00:59:00) 56 8六歩(85) ( 0:00/00:11:00) *7七の銀が移動したので△8六歩が生じた。 57 同 歩(87) ( 0:00/00:59:00) *【弥彦山(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-8a1d.html * *【弥彦山(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-f126.html * *【弥彦山(3)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-021b.html 58 同 飛(81) ( 0:00/00:11:00) *▲8七歩は△7六飛と銀を取られてしまう。形よい▲8七銀か、上部に厚い▲8七金か。 59 8七金(78) ( 2:00/01:01:00) *「ディフェンスラインを上げて豊島さんの攻めを前線で受け止める意味ですね」(村山七段) 60 8一飛(86) ( 0:00/00:11:00) *【ばらの園】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-05e1.html 61 8六歩打 ( 1:00/01:02:00) *後手は▲7四歩が残っているが…。 62 6七歩打 ( 3:00/00:14:00) *豊島はわずか3分で△6七歩と打った。▲7四歩が見えているだけに大胆な一手といえるだろうか。「▲6七同飛は△5九角〜△8六角成が狙いです。豊島さんはこの局面を研究してきましたね。さすがです」と村山七段はうなる。豊島の消費時間はわずか14分。 * *【早指しを続ける豊島八段】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-4e4d.html 63 2二歩打 (12:00/01:14:00) *11時ちょうどの着手。▲2二歩までの消費時間は▲羽生1時間14分、△豊島14分。 *▲2二歩は△同金ならカベ金の悪形になる。「△2二同金なら▲7四歩から強気に攻める手もありそうですね。ここは選択肢もありますし、考えるでしょう」と屋敷九段はいう。日本将棋連盟常務理事の森下卓九段は「△3三桂と跳ねられてどうでしょうか。後手は玉が4二にいますので有効だと思います。働きのある4五桂に働きの弱い2一の桂をぶつけられるわけですから」と解説する。 *控室では屋敷九段、森下九段、村山七段の3棋士とも後手を持ってみたいと口をそろえる。屋敷九段は「△3三桂に先手がどう指すかわかりませんし、先手を持ってまとめる自信がありません」と話している。 *その後、継ぎ盤で検討していた村山七段が「なるほど▲2二歩は△3三桂でお手伝いかと思ったのですが、よく見るとイヤな手ですね。△3三桂に自然な▲7四歩は△6五桂と跳ねられてどうするのかと思いましたが、そこで▲3三桂成と桂を取るということでしょうか。形は△3三同銀ですが、▲6六桂の反撃が気になります。以下△6三銀と銀が逃げれば▲6五銀右と先手が桂を取ることができますから」と解説する。 *11時30分、控室に宮宗紫野女流二段が到着した。大盤解説会で聞き手を務める。今月7日に女流二段に昇段したばかりだ。方々で「昇段おめでとうございます」と祝福の声が飛び交っていた。 * *※局後の感想※ *▲2二歩に豊島は「研究ではやりにくいと思っていたのですが、警戒しないといけない筋でした」と反省する。羽生は▲2二歩で▲5八金を考えていた。「金を使うのが本筋だと思ったが、△3七角から催促される手もあり善し悪しです」と語る。 64 4五銀(44) (32:00/00:46:00) *豊島は32分の考慮で△4五銀直と桂を取った。意表の一手に「検討がすべて無駄になりましたね」と苦笑いを浮かべる検討陣。「▲4五同歩に後手はどう攻めるのでしょうか」と村山七段は首をかしげる。 * *【激化】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-0c94.html * *※局後の感想※ *控室で検討されていた△3三桂は▲5八金で先手ペースとされた。「2二歩が残っていると(そちらは)イヤな形ですよね」と羽生。豊島は△4五銀直に代えて△8五歩を考えた。8筋にアヤをつけてから本譜に進める意味。しかし、「1歩使うのはやりすぎかと思って」という。 65 同 歩(46) ( 6:00/01:20:00) *「次の手が注目です」と村山七段。「△6五銀と攻めるのでしょうか」と続ける。 66 6五銀(54) ( 2:00/00:48:00) *11時41分の着手。 *豊島の指し手は△6五銀。「すごいなぁ。これで勝ったら強すぎるなぁ」と森下九段はうなっている。 *屋敷九段、森下九段、村山七段、宮宗女流二段が囲んでいる継ぎ盤には、▲6五同銀右△同桂▲2一歩成△6八銀▲2九飛△5五角▲7七歩に△8五歩が並んでいる。以下▲8五同銀は△7五桂が詰めろになる。また、▲8五同歩は△8六歩▲同金に△7七桂成が厳しい。「うまくいくかわかりませんが、こう進めば後手の攻めが続きそうです」と屋敷九段は解説する。村山七段は「リスクを取って攻め合い勝ちを目指した順ですね」という。 *12時、この局面で羽生が18分使って昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲羽生1時間38分、△豊島48分。昼食の注文は羽生が稲庭うどん(温)、天ぷら、おにぎりのセット。豊島がハンバーグランチ。対局は13時から再開される。 *再開して10分以上が過ぎたが、羽生はまだ次の手を指していない。「形勢は難しいですが、対応を間違えると一気に負けになってしまいますので、羽生さんのほうが神経を使います」と屋敷九段はいう。 * *【昼食休憩に入る】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-97d2.html * *【昼食休憩時の対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-e82f.html 67 同 銀(56) (35:00/01:55:00) *対局再開。昼食休憩後の指し手。 *13時17分、羽生は昼食休憩を挟む35分の考慮で▲6五同銀右とした。 * *【対局再開】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-2985.html 68 同 桂(73) ( 0:00/00:48:00) *豊島はノータイムで銀を取り返す。ここで羽生がどう指すか。▲6五同銀は△7五桂が厳しいとの評判だ。 69 2一歩成(22) ( 5:00/02:00:00) *控室の検討どおりに進んでいる。△6八銀と打てば▲2九飛△5五角▲7七歩△8五歩と進むだろうか。「組み合わせを考えているのだと思います。豊島さんはいいペースで進んでいると感じているのではないでしょうか」と屋敷九段は話す。 *村山七段と宮宗女流二段の継ぎ盤に動きがあった。前述した△6八銀▲2九飛△5五角▲7七歩△8五歩は▲7五角が攻防手になるという。以下△8六歩は▲5四桂△3三玉に▲8六角でどうか。△8六同飛から強襲すると、▲2二銀△同金▲4二銀△3二玉に▲3一とで後手玉が詰んでしまう。したがって△5五角では△6六角がまさるが、それでも宮宗女流二段が指摘した▲7五角と打つ手があるという。以下△8六歩は▲5四桂△4一玉(△3三玉は▲6六角が王手になる)▲6六角△8七歩成▲同銀△8六歩▲7四角△6三桂▲8二歩△同飛▲8三歩で、先手玉が寄らない。▲7五角に△同角と取るのも▲同銀△6三桂▲6四角で、後手がはっきりしない。村山七段は「個人的な感想ですが、実は駒得の先手が少しだけいいんですかねぇ」とつぶやく。現局面は先手が銀得を果たしている。 * *【豊島八段が腰を落とす】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-a5f9.html 70 5五角打 (49:00/01:37:00) *14時13分の着手。△5五角までの消費時間は▲羽生2時間0分、△豊島1時間37分。 *豊島は49分の考慮で天王山に角を打った。▲7七歩△6八銀▲2九飛△8五歩となれば検討と合流する。「先に△6八銀は▲2九飛△5五角に▲9八玉を気にしたのかもしれません」と森下九段は解説する。本譜の△5五角に▲9八玉は△7八銀が生じる。 * *※局後の感想※ *代えて7五に利かす△6六角も検討された。以下▲7七歩△6八銀▲2九飛△8五歩▲6四角△8六歩▲5四桂△4一玉▲8六角△同飛▲同金△7七銀不成▲同桂△同桂成▲9八玉△5四歩▲8一飛△5一桂▲6三歩△5五角打▲9七玉と進む。豊島は「先手玉に詰めろが続くかどうか。少し形が変わると▲5一飛成から(後手玉が)詰まされるので」と振り返る。 71 7七歩打 ( 4:00/02:04:00) *14時17分の着手。 *歩を打って王手を防ぐ。「ここは△6八銀しかないと思いますが…」と森下九段はモニターを見てつぶやく。 *その後、村山七段は「先に△8五歩のほうがいいでしょうか。▲7五角には△6四銀と弾くことができますので。細かいですね」と説明する。「なるほど、確かに△8五歩を先にしたほうがいい気がしますね」と森下九段も同意する。控室の継ぎ盤には△8五歩▲7五角△6四銀▲同角△同角▲8五歩△8六歩▲9七金△9五歩の順が並ぶ。形勢は後手よしとのこと。また、▲7五銀打は△同角▲同銀△6八銀で、いずれも先手が支えきれそうにない。△8五歩に▲同歩と取るのも△8六歩▲同金△7七桂成▲同桂△6八銀が厳しい。羽生は後手の猛攻をしのぐことができるのだろうか。 *その後、検討が進み、△8五歩は▲7五角△6四銀に▲8五歩と取ってどうかといわれている。以下△7五銀▲同銀で、後手が攻めきるのが難しい可能性があるという。 *さらに検討が深まって、▲7五同銀以下、△6三桂▲8六銀に△7五角という手が発見された。▲7五同銀は△同桂が金に当たり後手の調子がいい。したがって△7五角には▲6七飛とし、△8六角▲同金△6六銀▲同飛△同角▲7八銀△7五桂▲5四桂△同歩▲6四角△5三金▲7五角△同角▲同金△6六桂▲6二銀で難解といわれている。 *15時、両対局者におやつが出された。両者ともにショートケーキとレモンティーを注文した。 *15時17分、豊島のこの局面での考慮時間が1時間を超えた。連続長考だが、ここにきて潤沢に残しておいた時間を投入してきた。いったいどこまで深く読んでいるのだろうか。 *高島屋では14時30分から大盤解説会が始まっている。 * *【大盤解説会開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-a091.html * *【15時のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/15-43b0.html 72 6八銀打 (77:00/02:54:00) *豊島は1時間17分の考慮で△6八銀を決行した。「△5五角に▲7七歩は読み筋だったと思いますが、確認していたための連続長考でしょう。いろいろ変化はありますが、後手がいけそうな感じがします」と屋敷九段はいう。 73 2九飛(69) ( 6:00/02:10:00) *飛車を手順に2筋に移動して後手玉を狙う。 74 8五歩打 ( 0:00/02:54:00) *手順前後や様々な変化が考えられたが、やはりこの筋が急所のようだ。 *検討に挙がっていた▲7五角は8六の地点を受けながら▲5四桂を見る攻防手。後手は銀を手放したので△6四銀と弾くことができない。羽生は▲7五角と打つのだろうか。また、▲7五角に豊島はどんな手を用意しているのか。 * *【豊島八段が攻勢】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-bf6f.html 75 同 歩(86) (40:00/02:50:00) *羽生は40分の考慮で▲8五同歩と取った。△8六歩が厳しそうに思えるが、羽生はどういった応手を用意しているのだろうか。 76 8六歩打 ( 1:00/02:55:00) *急所のタタキ。▲8六同金は△7七桂成で先手が支えきれそうにないが…。 77 5四桂打 ( 0:00/02:50:00) *△5四同歩と取らせて▲7五角から8六の歩を払う構想のようだ。 78 同 歩(53) ( 0:00/02:55:00) *王手金取りなので後手は△5四同歩と桂を取る。代えて△4一玉と頑張る手もあった。 * 79 7五角打 ( 0:00/02:50:00) *羽生はこの王手に期待したようだ。しかし、以下△5三桂▲8六角に△7四桂でどうか。▲7五角は△7七桂成で、▲同桂は△8六歩のタタキがある。屋敷九段は「単に▲7五角はイヤな変化があったということでしょうか。本譜は善悪は難しいですが、後手の攻めが続く展開になります」という。なお△5三桂では△6四桂もありそうだ。 *豊島の残り時間が1時間を切った。 80 5三桂打 (11:00/03:06:00) *豊島は5三に桂を受けた。森下九段は「△6四桂のほうが先手の角がいなくなったときに△7六桂と銀を取る味がありましたよね」とつぶやく。 * *※局後の感想※ *感想戦で時間を掛けて検討された局面。代えて△6四桂なら難しいながらも後手がよかった。以下▲8六角に△7七桂成は▲同桂△7四桂▲6四角△同角▲7五銀打△8六歩▲6四銀△8七歩成▲同銀△7七銀成▲同玉△8五飛で後手よし。以下▲8六歩は△6六金▲7八玉△7六桂で、▲8五歩と飛車を取ると△6八歩成▲8九玉△7八角▲同銀△同と▲同玉△7七銀から先手玉がぴったり詰む。豊島は△8五飛の局面を不安定だと認識していたが、「けっこういい勝負で続いていく感じなんですね」と語る。対する羽生は「この筋がダメなら負けですね。やっぱり悪かったんですね」と振り返る。 81 8六角(75) ( 1:00/02:51:00) *羽生は狙いどおり歩を取って耐える。 82 7四桂打 ( 0:00/03:06:00) *豊島はこの反撃に期待したのだろう。しかし、先手から▲6四銀と打つ手があるという。△8六桂は▲5五銀△同歩に▲6五銀とこちらの桂を取るのがいい判断のようだ。以下△6五同桂は▲5四桂が厳しい。▲6四銀は後手が6四に桂を打たなかったために生じた反撃だ。 *羽生の残り時間も1時間を切った。 83 6四銀打 (14:00/03:05:00) *羽生の指し手は▲6四銀。検討に挙がっていた有力手とされている一打だ。とはいえ、まだまだ簡単ではない。△8六桂▲5五銀△同歩に▲6五銀が、△同桂に▲5四桂を見た好手となる。だが、△5五同歩に▲8六金と玉頭の桂を外すのが自然なだけに予断は許さない状況だ。ちなみに△5五同歩に▲8六金は、△6三金と上がって▲5四桂を消しておく。以下▲7二角は△7九角▲同飛△同銀不成▲同玉に△6八飛が詰めろ金取りで後手が寄せ合い勝ちとなりそうだ。 * *【寺泊・魚の市場通り(1)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-cf0b.html * *【寺泊・魚の市場通り(2)】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-b955.html * *※局後の感想※ *角取りを逃げずに天王山の角を攻めたのが好着想だった。「▲6四銀が厳しかった。まずくなっている感じがした」と豊島。羽生は「いちばん利いている5五の角を取りにいった」と話す。 84 8六桂(74) (24:00/03:30:00) *△8六桂は24分の考慮。残り30分。 * *【17時過ぎの大盤解説会】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/17-ddd5.html 85 5五銀(64) ( 0:00/03:05:00) *羽生はノータイムで角を取る。 86 同 歩(54) ( 1:00/03:31:00) *話題に上っていた局面。▲6五銀とヒモつきの桂を取るのが好手と見られている。△6五同桂は▲5四桂が厳しい。「羽生さんは6五の桂を取りそうな気配がします」と森下九段はモニターを見つめる。 87 6五銀(76) ( 5:00/03:10:00) *羽生の指し手は▲6五銀。「やはりそうですよね」と森下九段は感心する。 88 2一飛(81) ( 0:00/03:31:00) *豊島はノータイムで△2一飛。と金を払って粘りに出る。しかし、控室の評判は芳しくない。継ぎ盤は▲8六金△6五桂▲5四桂△3一玉▲4二銀△2二玉▲4一角△同飛▲同銀不成△3一金▲6二桂成の順が並ぶ。「こう進めば後手が先手玉に詰めろを掛けるのが難しそうです」と屋敷九段は解説する。先手が手厚いとの見解だ。 89 5四桂打 ( 6:00/03:16:00) *羽生は8六の桂には目もくれず攻め合いに出た。 90 3一玉(42) ( 0:00/03:31:00) *と金を払った効果で3一に逃げ込める。 91 8六金(87) ( 3:00/03:19:00) *桂の王手を利かしてから8六の桂を取る。「上部がスカスカしていて先手玉がなかなか寄らない格好ですからね。△2一飛(88手目)と1手使わないといけないようでは後手が苦しくなったと思います」と森下九段。先手がはっきり優勢になったようだ。 * *【羽生棋聖が優勢に】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-e698.html 92 5二金(62) ( 4:00/03:35:00) *当たりになっている金を玉側に寄せて辛抱する。 *先手は▲2五桂が有力と見られている。次に▲3三銀と打ち込めば後手玉は寄り筋となる。「▲2五桂に△2四銀は後手の攻めが切れてしまいます」と森下九段。 *羽生の残り時間は30分を切った。 93 4六桂打 (19:00/03:38:00) *羽生の指し手は▲4六桂だった。「これはちょっと危うくないでしょうか。△9二角が気になりますが、大丈夫でしょうか」と森下九段はつぶやく。△9二角は6五銀と2九飛をにらんでいる。▲7四角が利けばいいが、△6五桂と銀を取られてどうか。 94 3三銀打 ( 2:00/03:37:00) *豊島は銀を投入して踏ん張る。簡単には土俵を割らない。しかし、▲7四角△5一金に▲3五歩が厳しいか。 95 7五角打 ( 2:00/03:40:00) *羽生は角を7五に打った。△6五桂と銀を取られる手を防いでいる。「これこそ△9二角は大丈夫でしょうか。先手は▲6六歩で耐えるんでしょうか」と森下九段。「確かにイヤですね」と屋敷九段もうなずく。 *互いに前傾姿勢になって低い位置から盤上を見つめている。 96 8七歩打 (11:00/03:48:00) *豊島は貴重な11分を割いて玉頭に歩をたたいた。森下九段は「難しい手だなぁ。▲8七同金で意味があるのだろうか」と首をひねる。残り時間は12分。 97 同 金(86) ( 2:00/03:42:00) *羽生は▲8七同金と応じる。残り18分。 98 7九角打 ( 0:00/03:48:00) *8七の地点を塞いで△7九角と打った。▲7八玉なら△2二玉と上がっておき、△6一飛や△7一飛を狙う勝負手だろうか。「ひぇー、こうやるものですか」と森下九段。屋敷九段も「驚きますね」という。 99 同 飛(29) ( 3:00/03:45:00) *羽生は清算する順を選ぶ。相手の攻めを切らす方針のようだ。 * 100 同 銀成(68) ( 0:00/03:48:00) *この手で100手に達した。△7九同銀成までの消費時間は▲羽生3時間45分、△豊島3時間48分。 *「△7九銀不成は▲9七玉を嫌ったのでしょう」と屋敷九段。 101 同 玉(88) ( 0:00/03:45:00) *後手は飛車1枚の攻めに。しかし、屋敷九段と森下九段はモニターを見ながら怪訝な表情を浮かべている。「大変そうに見えますね」といった声も聞かれる。 102 2二玉(31) ( 0:00/03:48:00) *角筋を避けて6五の銀取りを見せる。 103 7六銀(65) ( 3:00/03:48:00) *当たりになっている銀を逃げたが、対して△3九飛が気になるといわれている。△5九飛成や△1九飛成が受けにくいようだ。 *豊島の残り時間が10分に。秒読みが始まった。 104 9五歩(94) ( 2:00/03:50:00) *端にアヤをつける。後手が苦しい状況に変わりはないが、手を渡して局面を複雑化する。 105 7四角打 ( 1:00/03:49:00) *この金取りが受けにくいか。△5一金と引かせれば、△6一飛や△7一飛が消える。 106 5九飛打 ( 4:00/03:54:00) *このタイミングで飛車の王手を掛ける。▲6九歩なら△1九飛成と香を入手してチャンスを待つ方針だろうか。 *羽生の残りが10分になった。 107 6九銀打 ( 4:00/03:53:00) *羽生は銀を打って王手を防ぐ。「歩を温存したのは△6一飛の勝負手に▲6二歩で止める意味だと思います」と屋敷九段はいう。 108 1九飛成(59) ( 1:00/03:55:00) *「先手が残しているとは思いますが、嫌みも多く大変に見えます」(屋敷九段) 109 5二角成(74) ( 1:00/03:54:00) *羽生は大きなモーションで金を取った。若干ながら手が震えているようにも見えた。 110 9六歩(95) ( 0:00/03:55:00) *豊島はじわじわと先手玉にプレッシャーを掛ける。一時に比べて局面が混沌としてきたのは間違いない。控室では▲4二桂成〜▲3四桂でどうかといわれている。 * 111 5三角成(75) ( 3:00/03:57:00) *「すごい手ですねぇ」と声を上げる森下九段。△5一香が見えているが…。 * *※局後の感想※ *「馬を2枚作って初めてよくなったと思った」と羽生。 112 6八香打 ( 0:00/03:55:00) *5一ではなく、拠点に香を打ち込む。「▲7八玉にはどうするのでしょうか」と森下九段。 113 7八玉(79) ( 0:00/03:57:00) *△6九竜には▲6七玉と上部に脱出できそうだ。そう進めば打った香を空振りにさせることができるかもしれない。 114 6九香成(68) ( 1:00/03:56:00) 115 6七玉(78) ( 0:00/03:57:00) *香で銀を取る。先手は▲6七玉に△5九竜が気になるが、▲5八金打でしのげそうだ。 116 5九竜(19) ( 1:00/03:57:00) *よく見ると▲5八金打には△6八成香▲同金に△6六歩のタタキが気持ち悪いだろうか。 117 5八金(48) ( 0:00/03:57:00) *羽生は金を寄って軽く受ける。金を残したほうが受けやすいという意味のようだ。 118 4九竜(59) ( 0:00/03:57:00) *焦らずに△4九竜。「なるほど嫌らしくくるなぁ」と森下九段。 119 3四桂(46) ( 0:00/03:57:00) *羽生の手が舞うように▲3四桂。 120 同 銀(33) ( 0:00/03:57:00) *後手は△3四同銀と取るしかない。 121 4二桂成(54) ( 0:00/03:57:00) *銀をずらして桂を成り込む。△4二同金は▲同馬寄が▲3三銀以下の詰めろになっていそうだ。 122 同 金(32) ( 0:00/03:57:00) *後手玉が一気に薄くなった。 123 同 馬(52) ( 0:00/03:57:00) *後手玉は▲3三銀以下の詰めろだ。いよいよ終焉が近づいている。 124 7四桂打 ( 0:00/03:57:00) *先手玉に△6六銀以下の詰めろを掛ける。しかし、後手玉が詰んでいる。 125 3三銀打 ( 0:00/03:57:00) 126 1三玉(22) ( 0:00/03:57:00) *▲3一馬が好手で後手玉は詰む。 127 3一馬(42) ( 0:00/03:57:00) 128 2二桂打 ( 0:00/03:57:00) 129 同 銀(33) ( 0:00/03:57:00) 130 同 飛(21) ( 0:00/03:57:00) *▲2二同馬△同玉に▲3二金と打って後手玉は詰んでいる。 131 同 馬(31) ( 0:00/03:57:00) 132 同 玉(13) ( 0:00/03:57:00) 133 3二金打 ( 0:00/03:57:00) *△3二同玉は▲5二飛以下、△1三玉も▲2五桂と打ってぴったり詰む。 *豊島は一分将棋になるまで考えて投了を告げた。終局時刻は19時8分。消費時間は▲羽生3時間57分、△豊島3時間59分。羽生が勝って2勝2敗になり、決着は最終局に持ち越された。第5局は羽生のタイトル通算100期を、豊島にとっては初戴冠を懸けた大一番となる。対局は7月17日(火)に東京都千代田区「都市センターホテル」で行われる。 * *【終局直後】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-bb10.html * *【大盤解説会場へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-8e33.html * *【感想戦】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/post-10da.html * *【第5局は7月17日(火)に対局】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kisei/2018/07/17-bf2e.html 134 投了 ( 2:00/03:59:00) まで133手で先手の勝ち