# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.88 棋譜ファイル --- 対局ID:20399 記録ID:694254f20b07563c8d76d040 開始日時:2026/03/29 09:00 終了日時:2026/03/29 18:13 棋戦:第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第5局 戦型:一手損角換わり 持ち時間:4時間 秒読み:60秒 消費時間:77▲217△232 場所:鳥取県鳥取市「有隣荘」 備考:昼休前31手目28分\n 図:投了 振り駒:3,0,藤 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜13:00 昼休前消費時間:31手28分 手合割:平手   先手:藤井聡太棋王 後手:増田康宏八段 先手省略名:藤井聡 後手省略名:増田 手数----指手---------消費時間-- *藤井聡太棋王(六冠)に増田康宏八段が挑戦する第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(主催:共同通信社(第5局主催は新日本海新聞社)、日本将棋連盟、特別協賛:コナミグループ株式会社、第5局協賛:鳥取銀行、グッドヒル、日本海ケーブルネットワーク)は、両者2勝で譲らず、最終局までもつれ込んだ。棋王の防衛か、挑戦者の初タイトル獲得か。対局は3月29日(日)に、鳥取県鳥取市「有隣荘」で指される。最終局につき、先後は振り駒によって決められる。対局開始は9時。持ち時間は各4時間。昼食休憩は12時から13時。立会人は久保利明九段、現地大盤解説会の解説は大橋貴洸七段、聞き手は脇田菜々子女流初段、記録係は戸川悠二郎三段(久保九段門下)がそれぞれ務める。 *現地は対局の朝を迎えた。本日の鳥取市は晴れ。ただしやや肌寒い。 *8時46分、増田が入室。47分に藤井が入室。49分、駒が並べられ始め、52分にすべての駒が並んだ。やがて戸川三段が立ち上がり、振り駒を行う。振り駒は歩が3枚、藤井の先手と決まった。 * *【第5局主催:新日本海新聞社】 *https://www.nnn.co.jp/ *【共同通信社】 *https://www.kyodo.co.jp/ *【コナミグループ株式会社】 *https://www.konami.com/ja/ *【第5局は鳥取対局】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-4d23.html * *(棋譜・コメント入力=潤) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手。【】内は中継ブログタイトルならびにリンク] * 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *9時、久保九段が「定刻となりました。第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第5局を藤井棋王の先手番で始めてください」と開始を告げると両者や関係者が一礼。運命の最終局が始まった。 * *【対局は9時開始】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-fe56.html *【振り駒】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-d297.html 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *振り駒で藤井の先手に決まり、次の注目は戦型となるが、藤井が先手となったことで、増田が角換わりを受けるかどうかが注目となりそうだ。 * *【対局開始】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-75cb-2.html 3 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *ここまで後手番が4連勝の本シリーズ。本棋戦の五番勝負において、後手番が勝ち続けてフルセットにもつれ込んだのは第35期の1回のみ。久保棋王(現九段)−佐藤康光九段が挑戦したシリーズで、最終局も後手番の久保棋王が勝利を収め、棋王初防衛を果たしている。いまから16年前のことで、藤井は7歳でまだ奨励会に入っておらず、増田は12歳で奨励会1級だった。 * *【対局開始前】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-cda0-1.html 4 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *4手目が指されたところで関係者が退室。 5 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *藤井は角換わりを目指す。 6 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) *第3局では6手目に1筋を突いた増田。本局では9筋の歩を突く趣向を見せた。前例は4局で、先手の3勝1千日手。藤井は初めて経験する局面で、増田は後手を持って1局指しているが、結果は敗れている。 * *※局後の感想※ *「端の交換を入れての一手損角換わりで本譜の順になると、通常と比べてこちらが損をしていますね」(藤井) *「ただ、その損がどれくらいのものか」(増田) 7 9六歩(97) ( 5:00/00:05:00) *5分使って端歩を挨拶した。早くも前例がなくなったが、後に合流する可能性は十分にある。 * *◆藤井 聡太(ふじい そうた)棋王(竜王・名人・王位・棋聖・王将)◆ *2002年7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2016年、四段。2021年、九段。棋士番号は307。 *タイトル戦登場は36回。獲得は竜王5期(永世竜王)、名人3期、叡王3期、王位6期(永世王位)、王座2期、棋聖6期(永世棋聖)、棋王3期、王将5期の計33期。棋戦優勝は14回。 8 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *ここで14局の前例に合流した。 * *◆増田 康宏(ますだ やすひろ)八段◆ *1997年11月4日生まれ、東京都昭島市出身。森下卓九段門下。2014年、四段。2024年、八段。棋士番号は297。 *タイトル戦登場は2回。棋戦優勝は2回。 * 9 7八金(69) ( 0:00/00:05:00) *棋王戦は共同通信社と日本将棋連盟が主催する棋戦。特別協賛はコナミグループ。予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士で挑戦者決定トーナメントを行う。挑戦者決定トーナメントは、ベスト4以上が2敗失格制となる。挑戦者決定戦は変則二番勝負で、挑戦権獲得にトーナメントの勝者組優勝者は1勝、敗者復活戦優勝者は2勝が必要になる。 * 10 8八角成(22) ( 0:00/00:00:00) *増田の作戦は一手損角換わりだった。増田が8四歩型の一手損角換わりを用いるのは初めてで、本局のために練ってきた作戦だろう。 11 同 銀(79) ( 0:00/00:05:00) *本局の観戦記は君島俊介さんが担当する。 *棋王戦の観戦記は、河北新報、下野新聞、千葉日報、新潟日報、信濃毎日新聞、山梨日日新聞、静岡新聞、北日本新聞、北國新聞、京都新聞、日本海新聞、山陰中央新報、山陽新聞、中国新聞、愛媛新聞、高知新聞、佐賀新聞、長崎新聞、熊本日日新聞、南日本新聞、沖縄タイムスの21紙に掲載される。 12 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *対局の模様は、ABEMAの将棋チャンネルと囲碁将棋プラスのYouTubeで動画配信される(午前無料、午後は要メンバーシップ登録)。ABEMAの解説は鈴木大介九段と村中秀史七段。聞き手は伊藤沙恵女流四段と和田はな女流1級。囲碁将棋プラスは解説が千田翔太八段と齊藤優希四段。聞き手は本田小百合女流四段。 * *【ABEMA】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/AkN7ZRwE91grpX *【囲碁将棋プラス】 *https://www.youtube.com/watch?v=6zTKrjWyuDs *【動画配信】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-3dae.html 13 3八銀(39) ( 4:00/00:09:00) *現地大盤解説会は13時から、前夜祭でも用いられた「ホテルニューオータニ鳥取」で行われる(受付は終了)。解説は大橋貴洸七段、聞き手は脇田菜々子女流初段。ふたりは午前に同所で共催イベントである小学生指導対局の指導も担当している。 14 3三銀(22) ( 0:00/00:00:00) *△3三銀を見た藤井は顔を手で拭った。 15 3六歩(37) ( 0:00/00:09:00) *藤井の今年度成績は41勝13敗(0.759)。 *通算成績は445勝96敗(0.823)。 *今年度の成績ランキングで現在、対局数3位、勝数3位、勝率2位、連勝8位タイ。 * 16 6四歩(63) ( 2:00/00:02:00) *増田の今年度成績は28勝15敗(0.651)。 *通算成績は335勝173敗(0.659)。 *今年度の成績ランキングで現在、対局数15位タイ、勝数12位タイ、連勝8位タイ。 * * 17 6八玉(59) ( 0:00/00:09:00) *藤井の本棋戦通算成績は31勝9敗(0.775)。第43期からの参加で今期が9期目。棋王は第48期から3連覇中。本局に勝てば連続4期となり、その場合、来期は永世棋王の資格が懸かる戦いとなる。なお、永世棋王の資格条件は、連続5期のみとなる。 * 18 7二銀(71) ( 0:00/00:02:00) *増田の本棋戦通算成績は38勝14敗(0.731)。第41期からの参加で今期が11期目。五番勝負登場は前期に続き2回目。今期は挑戦者決定トーナメントからの出場で、高見泰地七段、吉池隆真四段、糸谷哲郎八段、斎藤明日斗六段に勝って挑戦者決定二番勝負に進出。さらに斎藤明六段に勝って藤井への挑戦権を得た。本局に勝てば初タイトル獲得となる。 *藤井が15分以上考えている。日本将棋連盟の常務理事として来訪している瀬川晶司六段は「このあとは▲3七銀△6三銀▲4六銀と早繰り銀に出るのが自然な進行ですが、そのときに端歩の交換がどう絡んでくるのかがちょっと分からないです。後手は早めに△8五歩を決めることも考えられ、その場合、先手は▲7七銀と上がらずに急戦に出ることも考えられます」と解説した。 19 3七銀(38) (29:00/00:38:00) *29分使い、藤井は早繰り銀の作戦を明かした。着手後。水色の羽織を脱ぐと、丁寧に折り畳んで自身の左に置いた。 20 8五歩(84) ( 1:00/00:03:00) *席を外していた増田は戻るとすぐに飛車先を決めて受けるかどうか尋ねる。 *控室には久保九段が戻っており、「最近は棋士室で指されている研究会で、一手損角換わりはほとんど見なくなりました。藤井棋王も意表を突かれたのではないかと思います」と本局の戦型について述べた。 *前例は2局。初出は▲4六銀で、直近だと▲7七銀が指されており、前者は後手が、後者は先手が勝った。直近の対局は2014年まで遡り、まだ、ともに棋士になってはいない。ただ、先手が豊島将之七段(現九段)だったことを思えば、修行時代の両者の研究対象として勉強した将棋として記憶にあるかもしれず、少なくとも増田は現局面を入念に調べてきているはずだ。 *10時、午前のおやつの時間となった。藤井は「打吹公園だんご、温かい緑茶」、増田は「もちキューブ、モンブラン、ホットコーヒー」。 * *【午前のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-02c9-2.html 21 4六銀(37) (17:00/00:55:00) *4六に銀を出る。8筋を受けずに、急戦志向を示した。 *鳥取県での棋王戦開催は初。直近では2019年に指された第27期大山名人杯倉敷藤花戦三番勝負第1局▲伊藤沙恵女流三段ー△里見香奈倉敷藤花戦が米子市で指された。一般棋戦では、2007年の第65期名人戦七番勝負第2局▲森内俊之名人−△郷田真隆九段戦のほか、2004年の第62期名人戦七番勝負第3局、▲羽生善治名人−△森内竜王戦、1991年の第49期名人戦七番勝負第4局▲米長邦雄九段ー△中原名人戦と、1973年の第32期名人戦七番勝負第2局▲加藤一二三八段ー△中原名人戦、1966年の第15期王将戦七番勝負第3局、▲大山康晴王将−△山田道美八段戦の6局が行われている(段位、肩書、姓は対局当時)。 * 22 8六歩(85) ( 1:00/00:04:00) *対戦成績は藤井13勝、増田3勝。本期戦での顔合わせは前期と今期の五番勝負のみで、藤井の5勝2敗。2017年に初対戦後、2024年までは5局しか対戦がなかったが、ここ1年3ヵ月ほどで11局と増えており、今後もさらに対戦が増えていくことが予想される。 * 23 同 歩(87) ( 1:00/00:56:00) *棋王戦が最終局までもつれ込んだのは、第43期の渡辺明棋王ー永瀬拓矢七段戦以来、9年ぶり。今期が13回目のフルセットで、そのうち4局目まですべて後手番が勝ったのは前述のとおりだが、すべて先手番が勝ったのは6回とかなり多い。なお、フルセットで棋王が防衛したのは6回、挑戦者が奪取を果たしたのも6回。直近で挑戦者がフルセットで棋王を奪取したのは、第34期の久保八段が最後となり、棋王が3連続防衛中である(段位、肩書は当時)。なお、中継ブログでは五番勝負における先後の連勝記録について掲載している。 * *【棋王戦で見る手番の連勝記録】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-2b28.html 24 同 飛(82) ( 0:00/00:04:00) *増田は時間を使うことなく指し進める。時間で差をつけることも予定のひとつにあるかもしれない。 *鳥取県は、旧地名である東部の因幡(いなば)と西部の伯耆(ほうき)に区分される。古代、因幡国庁は『万葉集』最後の歌が詠まれた文化の拠点であり、戦国期には、羽柴秀吉による兵糧攻め「鳥取の飢え殺し」の舞台となり、城主・吉川経家の遺言状が今日まで凄惨な歴史を伝える。江戸時代は精密な城下町絵図や藩政史料『因府歴年大雑集』に記された統治のもと、たたら製鉄や牛馬市が独自の経済を支えた。明治期の島根県併合を経て、1881年に現在の鳥取県を再置。震災や大火を乗り越え、豊かな自然と伝統を継承する現在の姿を築き上げた。ハタハタの漁獲量や、らっきょうの出荷量など全国1位を誇る豊かな農林水産物がある。また、県自らが「まんが王国」を宣言するほど、アニメやマンガと深いかかわり持つ。『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげる氏や『名探偵コナン』の青山剛昌氏など、世界的な巨匠の出身地として知られる。境港市の「水木しげるロード」や北栄町の「コナン通り」に加え、空港名にキャラクターを冠した「鳥取砂丘コナン空港」「米子鬼太郎空港」など、街全体が作品の世界観に包まれる。 *なお、県出身棋士は佐伯昌優九段、山口恵梨子女流三段がいる。中原誠十六世名人の生まれもそうだが、生まれた直後に宮城県に転居し、宮城県を出身地としている。 * *【鳥取県】 *https://www.pref.tottori.lg.jp/ * *※局後の感想※ *本譜は▲2四歩△同歩を入れて▲7七桂だったが、単に▲7七桂は「△8二飛▲3五歩△同歩▲同銀△3四歩▲2四歩に△3五歩▲2三歩成△2七歩の選択が生じるのを消した」と、藤井。ただ、▲2四歩△同歩と突き捨てたことで▲7七桂△8二飛▲3五歩△同歩▲同銀のときに、△8七歩▲同銀(▲同金)に△8六歩が打てるようになるのをどう見るかで、増田は「本譜でなくその順を選ぶべきだったかもですね」とした。 25 2四歩(25) ( 1:00/00:57:00) *前例は▲8七銀だったが、藤井は2筋を突き出す。先の熟考で構想は出来上がったのだろう。 *藤井は先週25日から26日(水、木)にかけて、ALSOK杯第75期王将戦七番勝負第7局を永瀬拓矢九段と戦い勝利。フルセットの末に防衛を果たし、窮地をひとつ乗り越えて本局に臨む形となった。その七番勝負では第4局を終えて1勝3敗と防衛に赤信号が灯ったが、そこからの3連勝は藤井が棋士になって初めて見せた底力と言えるのではないか。そしてこの棋王戦も同時期に1勝2敗と追い込まれたが、1番返してフルセットまでこぎつけた。ダブル防衛には王将戦で3連勝、そしてこの棋王戦で2連勝の5連勝が絶対条件だったが、本局に勝てばそれがかなうところまできている。不調説も囁かれたが、それすら自身の力に変えるかのように逆境を乗り越える姿を見せており、また新たなドラマを作り出すのか注目される。 * 26 同 歩(23) ( 0:00/00:04:00) *増田は王将戦七番勝負の藤井の戦いぶりをどのように見ただろうか。そしてその結果が自身、及び本局にどのような重圧となっているかもファンは気になっていることだろう。前期、タイトル初挑戦を果たしたものの3連敗で、藤井が大きく立ちはだかったわけだが、今期は先にタイトルに王手を掛けた。並ばれはしたものの、このパターンは伊藤匠二冠が竜王戦や本棋戦で藤井の壁に跳ね返されたあと、叡王奪取につなげた時とかなり展開が似ている。藤井は伊藤匠二冠に2度、五番勝負において敗れているが、ともに挑戦者の伊藤匠二冠が3戦を終えてリードし、フルセット決着だった点で今期と同じである。逆風を跳ね除けた先に映るものは何か。 27 7七桂(89) ( 0:00/00:57:00) *2筋を突き捨てておいて左桂を活用。8筋は収める気がないのかもしれない。 *増田がようやく手を止めた。次に▲8五歩があるため、△8二飛と引き揚げておくのが自然な一手だ。そのときに9筋の交換を入れてあることで、△9三桂〜△8五桂と桂交換を迫ることが可能だ。また、△8二飛のあと▲3五歩△同歩▲同銀△8七歩▲同銀△8六歩▲9八銀と進んだ際、△9五歩の攻めが利くのも端の交換を入れてある効果だ。 *10時25分、ともに席を外しており、対局室には戸川三段のみとなっている。控室に運ばれたおやつを食べにいっているのかもしれない。 *10時28分、藤井が対局室に戻ってきた。増田はその15分後の43分に戻る。すると入れ替わるように藤井が席を立った。 * *【戦型は一手損角換わり】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-e8a0.html * *※局後の感想※ *「対局中は△8二飛▲3五歩の展開はあんまりなのかなと思いましたが、すぐに△9五歩はよくなかったですか」(増田) *△8二飛▲3五歩△同歩▲同銀(1)△9五歩▲3四歩△2二銀▲6六角(A)△8七歩(ア)▲同金△8六歩▲8三歩△同銀▲8六金△7四銀の進行は藤井は自信を持てない様子を示す。(イ)▲7九銀△9六歩▲2三歩△同銀▲1一角成は先手十分のようだ。(B)△9六歩と8筋の叩きを利かさないのも▲2三歩△同銀▲1一角成△9七歩成▲8五香△8八と▲8二香成△7八と▲同玉△9九香成▲7二成香△同金▲9一飛で、「先手玉が広い」と、増田。(2)△8七歩は▲同金△8六歩▲9七金△5五角(△9五歩は▲8五歩で先手ペース)▲4六角△7七角成▲同玉△8五桂▲7八玉△9七桂成▲同香△8七金▲6九玉△8八金▲2四銀が並ぶと、藤井は「なんとかなるかどうかですけど、(後手が)ちょっときついですか」と問い掛け、増田は「いやそうかー、うーん、ちょっと」と反応した。 28 9五歩(94) (49:00/00:53:00) *49分の長考。飛車を8六のままで増田は端を攻めていった。序盤の端の交換を生かす手で、増田の研究手である可能性が高そうだ。▲9五同歩には(1)△9八歩▲同香△8九角が攻めの形。ただしそこで▲8七歩や▲8七銀が飛車に当たるなど、課題はある。(2)△8二飛と端の突き捨てを入れておいてから飛車を引くような手があるかどうか。 *先手は▲9五同歩の一手ではなく、▲8五歩も魅力だ。以下△9六歩なら▲8七銀で飛車を捕獲できる。▲8五歩には△7六飛だろうが、そこで▲8七銀や▲8七金、▲8二角など手が広い。 * *【挑戦者の研究手】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-5da5.html 29 同 歩(96) ( 5:00/01:02:00) *少考で▲9五同歩を選択。▲8五歩は嫌な手があったか。本譜の▲9五同歩は△9八歩▲同香△8九角の進行に自信がないと指せない順だ。 *久保九段と瀬川六段が囲む継ぎ盤では上記の△8九角以下、▲8七銀△同飛成▲同金△9八角成▲8六金が示され、先手の模様がよさそうと言われている。 *「その進行は先手は▲8二歩を間に合わせればいいので、指し手が分かりやすいですよね。先手玉は右辺が広いので、後手はと金攻めが間に合う感じではないですし」(久保九段) *鳥取市は東部である因幡の区域にあたる。岡山藩から池田光仲が鳥取藩に移ると、鳥取城を中心に大規模なまちづくりを行い、現在の碁盤目状の城下町が整備された。市内には日本最大級の鳥取砂丘や、神話ゆかりの白兎海岸など風光明媚な名所に恵まれる。 * *【鳥取市ホームページ】 *https://www.city.tottori.lg.jp/ *【鳥取駅】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-d10b.html * 30 9八歩打 (19:00/01:12:00) *厳しく香取りに歩を打つ。手数はまだ30手の段階だが、これは激しくなりそうだ。 *先手は▲9八同香に自信がなければ、▲8七銀△8二飛▲9八銀の柔らかい対応も部分的な形として考えられる。ただ、その順はやや妥協したもので、嫌みも残る。藤井の棋風なら▲9八同香と取り、△8九角を打たせてそれをとがめにいく形になるのではないか。ここは藤井にとって大きな岐路だ。 *藤井は前傾姿勢で小さく頷きながら考えている。本日は詰将棋解答選手権2026の開催日で、優勝5回の実績を誇る藤井は残念ながら欠場となったが、その様は詰将棋を解く時のそれと似ている。 * *12時、この局面で藤井が28分考えて昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲藤井1時間30分、△増田1時間12分。昼食は藤井が「煮物御膳」、増田は「有隣御膳」。対局再開は13時。 *煮物御膳の中身は、小鉢(菜酒酢味噌掛け、花山葵、蛍烏賊、うるい霙和え)、造里(白バイ、横輪、鮃、あしらい一式)、炊合せ(喉黒、筍)、蒸物(鰻、銀杏、海老、餅、百合根)、揚物(牡蠣香揚げ、猛者海老)、留椀(味噌汁)、御飯(鳥取県産星空舞)、果物(フルーツ盛り合わせ)。 *有隣御膳の中身は、口取り(エシャロット生ハム巻、スナップ豌豆黄金巻き、丸十オレンジ煮、牛肉八幡巻、虹鱒甘露煮、貝割合鴨巻、牡蠣有馬煮、零余子真丈、目張寿司、小袖巻、小串焼、海老)、造里(旬の造り)、炊合せ(蒟蒻東寺巻、菜種、南京、桜麩、小芋、筍)、合肴(サーモンマリネ、寄せ生野菜)、小鉢(うるい霙和え、花山葵お浸し)、揚物(牡蠣香揚げ、猛者海老)、酢物(蛍烏賊万年酢、鰆松前押、豆乳豆腐、胡瓜、平貝、茗荷)、蒸物(茶碗蒸し)、留椀(味噌汁)、御飯(鳥取県産星空舞)、果物(フルーツ盛り合わせ)。 * *【昼食休憩】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-bc24-2.html 31 同 香(99) (29:00/01:31:00) *13時に対局再開。藤井はすぐに▲9八同香と応じた。 *現地では大盤解説会が開始されている。 * *【対局再開】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-2985-1.html 32 8九角打 ( 0:00/01:12:00) *対局場の「有隣荘」は、江戸時代に大庄屋を務めた西尾家の旧宅を起源とする歴史的邸宅。 *現在は、国の登録有形文化財に指定され、懐石料理を提供している。名称は『論語』の「徳は孤ならず、必ず隣あり」に由来し、鳥取市名誉市民の米原章三翁が晩年に愛した憩いの場としても知られる。 * *【有隣荘】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-6362.html * *※局後の感想※ *本譜は▲8七金だったが、「銀でしたか」と、藤井。▲8七銀△同飛成▲同金△9八角成▲8六金△3一金▲8二歩△9三桂▲8一歩成△同銀▲9四歩が並び、藤井は「積極的に選ぶ順なのかどうか。8六の金が気になりますし。ただ、後手も持ち駒が多いわけではないですし。となると本譜とのリスクの比較がどうだったか」と述べた。 33 8七金(78) ( 2:00/01:33:00) *銀ではなく金で応じる。▲8七銀と比べ▲8七金は、(1)△9八角成▲8六金△8八馬のときに馬と金の位置が違うほか、(2)△8二飛のときに馬を捕獲する手がなく、香取りも残る。それでも藤井はこの金上がりがまさると見たわけだ。 34 8二飛(86) ( 3:00/01:15:00) *二段目まで飛車を引き揚げておく。このまま香を取れれば後手が優勢となる。 35 9六香(98) ( 0:00/01:33:00) *9六まで香を逃げた。▲9七香だと△8六歩のときに困った。ただしこれも△9八角成のときに△8八馬や△8七馬、△8七飛成、△8六歩などを受ける必要がある。その手段は自然な▲8六歩になるか。 *後手は△9八角成▲8六歩のときに手がないなら、ここで△9七歩も候補となるだろう。以下(1)▲8五歩△9八歩成▲7九銀△9九と▲8八金△9八と▲8七金△9九とは千日手模様。最終局での千日手指し直しがあるかどうか。棋王戦五番勝負史上、フルセットになっての千日手はまだない。なお、タイトル戦のフルセットにおける直近の千日手となると、1995年3月の第44期王将戦七番勝負第7局、▲羽生善治竜王・名人−△谷川浩司王将戦以来、およそ21年ぶり。谷川王将が指し直し局を制し、羽生竜王・名人の七冠制覇を阻止したシリーズ以来となる(肩書はいずれも当時。当時はタイトルが7つだった)。 *増田の考慮が40分に達した。その後、残り2時間を切る。現在は△9七歩に(2)▲8三歩△同銀▲9七金△9四歩の変化がどうかとされている。△8三同銀で△8三同飛は▲8四歩△同飛▲8五歩△8二飛と押さえて▲9七金で先手が指せる。 * *※局後の感想※ *本譜の△9八角成に代えて△9七歩が有力だったようだ。以下▲8三歩(A)△同飛▲8四歩△同飛▲8五歩は先手よし。(B)△8三同銀▲9七金△9四歩で両者の手が止まる。△9四歩は控室の検討順として示されたもので、増田は「そのほうが手が作りやすかったですか」との感想を述べた。ただし実戦的には飛車先が自身の駒で閉ざされるため、読みの本線から外れたようだ。 36 9八角成(89) (49:00/02:04:00) *49分の長考で角を成る。▲8六歩にどうするか。 *現局面までの消費時間は▲藤井1時間33分、△増田2時間4分。 37 8六歩打 ( 1:00/01:34:00) *昨日、藤井は陸路での現地入り。藤井が乗った「スーパーはくと」は名探偵コナンが各車両にデザインされているほか、車両によっては車内でブラインドを下ろすとコナンが浮き出る仕組みとなっており、子供はもちろんのこと、大人も楽しませてくれる工夫が設けられている。道中の景色もよく、鉄道好きの藤井にとっては心の癒やされる時間だったのではないか。一方、初めての鳥取となる増田は空路での現地入り。空港に着くと、増田が大好きな名探偵コナン一色に包まれていたそうで、心を踊らされたそうだ。棋界では永瀬九段のアニメ好きは有名だが、親しい間柄である増田も、実は引けを取らないといったことがあるかもしれない。 * *【スーパーはくと】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-6a05.html 38 4二玉(51) (14:00/02:18:00) *居玉を解消。△9五香▲同香△9六歩のような筋を敢行するための事前準備だろう。さらに△3一玉は3筋や2筋を攻められた際に当たりが強くなり、損になる可能性も大きい。 *久保九段は先手持ちの見解。ここで▲3七桂と▲7八玉を候補に挙げている。ほかに▲5八金は終盤に入った際に金は4九にいたほうがまさる展開がありそうで、やや指しにくいとのこと。 *藤井も次の手の考慮中に残り2時間を切った。 *15時、午後のおやつの時間となった。藤井は「因幡の白うさぎ、温かい緑茶、白バラフルーツ」、増田は「因幡の白うさぎ、白バラフルーツ・白バラ牛乳・白バラコーヒー」。 * *【午後のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-ecc5-2.html * *※局後の感想※ *「次の△7四歩が結構うるさい」(藤井) *「▲7八玉△7四歩で完封されたら仕方がないかなと」(増田) *「うーん、△7四歩を突かれるのは嫌ですね」(藤井) 39 3五歩(36) (50:00/02:24:00) *藤井は攻めを選択。50分の長考の末の決断だった。後手にさらに歩を渡すと△8五歩▲同桂(▲同歩は△8六歩)△8四歩の攻めがあるだけに、嫌みをつけておくだけの手ではなさそうだ。 40 同 歩(34) ( 2:00/02:20:00) *本局は新日本海新聞社主催。発刊50周年の記念事業として、この第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負の第5局が開催される運びとなった。前夜祭での挨拶で、吉岡徹・新日本海新聞社代表取締役社長は「たくさんの将棋ファンの方に鳥取の地へお越しいただいた。第5局の開催が決まり、鳥取は沸きに沸いている。新日本海新聞社は発刊50周年となったが、今回のような名誉なことは初めて。地元新聞社として、全力で努める」と喜びを表した。 * *【新日本海新聞社】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-2a9a.html 41 同 銀(46) ( 3:00/02:27:00) *昨日は14時55分から検分が行われた。駒は日本将棋連盟関西本部所有の児玉龍兒師作、錦旗書を使用。大きな問題もなく、10分ほどで終了した。 *継ぎ盤では△8五歩▲同桂△8四歩が示されているが、▲9三桂成△同香▲2四銀△同銀▲同飛△2三銀▲6四飛△8五歩に▲2四歩で先手指せるとされている。 * *【検分】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-42ac-1.html * 42 8五歩打 (12:00/02:32:00) *18時からは前夜祭が開かれた。両対局者の挨拶は以下の通り。 * *藤井「これまでの4局は増田八段の序盤の工夫だったり、中盤の強さだったりを感じることが非常に多かった。明日は五番勝負の最終局ということで、注目して見ていただけると思うので、これまでの第4局までの経験を生かして、期待に応えられるような熱戦にできるよう、精一杯頑張る」 * *増田「今期の五番勝負は、自分から工夫してそれがうまくいっているのかなと。最終戦ということで緊張感のある将棋になると思うが、第5局の作戦はしっかり用意してきたつもりなので、熱戦にできればと思う」 * *【前夜祭〜関係者あいさつから乾杯まで〜】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-27a4.html *【前夜祭〜抽選会から花束贈呈〜】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-6e12.html *【前夜祭〜見どころ紹介〜】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-f32d.html * 43 同 桂(77) ( 0:00/02:27:00) *桂で応じる。△8四歩で桂は取られるが、そこで後手は歩切れ。▲9三桂成を入れるかどうかは悩みどころだが、▲2四銀が厳しいと見られている。 * *※局後の感想※ *本譜の△8四歩に代えて△8五同飛には、取らずに▲2四銀が藤井の予定。以下△8六飛▲3三銀不成△同桂▲8六金△8八馬▲3四歩△4五桂▲4六銀△7七銀▲5八玉△8六銀成▲4五銀△2三歩▲8四桂△5五馬▲3三角が並ぶと「そうか」と、増田。 44 8四歩打 ( 0:00/02:32:00) *増田は桂取りに歩を打って席を立つ。藤井は白バラフルーツに口をつけた。▲2四銀、▲9三桂成、▲3四歩から選ぶことになるだろう。 * *【分水嶺】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-7914.html 45 3四歩打 (31:00/02:58:00) *31分の長考で銀取りの歩を選んだ。藤井の残りは1時間2分に。増田は1時間28分残す。 *藤井が席を立つ。入れ替わりに対局室を出ていた増田が飲み物を手に戻ってきた。 46 2二銀(33) ( 1:00/02:33:00) *引く手で対応。△4四銀は▲同銀でなく、▲2四飛で困りそうだった。やはり歩切れがたたる。 47 2四銀(35) ( 0:00/02:58:00) *小細工なしに銀を出ていく。次に▲3三歩成が厳しい。△同桂は▲3四歩、△3三同銀は▲同銀成△同桂に▲3四歩や▲2一飛成がある。 48 8五歩(84) ( 0:00/02:33:00) *桂を取る。増田にとって選択肢のないところだった。△8六歩を間に合わせるよりない。 49 3三歩成(34) ( 1:00/02:59:00) *攻めの迫力は後手に分があるが、スピードは先手がまさる。藤井はその利を最大に生かす攻めを繰り出しにいく。控室は先手優勢の見解で固まった。先手にとってかなり読みやすい展開であるのも大きい。 50 同 桂(21) ( 3:00/02:36:00) *桂で応じる。局面は間もなく終盤戦だが、手数はまだ50手に到達したところだ。 *藤井も次の手の考慮中に残り1時間を切った。 51 3四歩打 ( 0:00/02:59:00) *成り捨てた歩を打ち直す。3三の地点を攻めることで、△8六歩のときに▲3三銀成△同銀▲同歩成△同玉▲8三歩△同飛▲8四歩の筋も厳しくなる。 *増田は左肩を怒らせ、左手を脇息に押し当てて考えている。残り時間は1時間を切った。△8六歩が攻め合い負けとなれば△4五桂に託すことになるか。ただ、その場合でもやはり△8六歩が必要となる将棋だ。 52 4五桂(33) (32:00/03:08:00) *32分使い、桂を逃げておく。5七の地点に利かせており、カナ駒を多く持てば△5六桂の筋で勝負できる。 * *【両者、残り時間が1時間を切る】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-2cd1.html 53 3三銀(24) ( 4:00/03:03:00) *銀で突っ込むのがスピード重視の一手。代えて▲3三歩成は△5二玉▲3二とのあと、飛車をすぐに成り込むことができなかった。本譜なら△5二玉▲3二銀成のあと▲2二飛成と飛車を成り込める。 54 同 銀(22) ( 0:00/03:08:00) *いったんは取る手で応じる。 55 同 歩成(34) ( 0:00/03:03:00) *△3三同玉には▲2一飛成が▲3四歩を見て厳しい。 56 5二玉(42) ( 0:00/03:08:00) *よって取らずに逃げる。金を犠牲に手番を握りにいって、寄せ合い勝負を目指す方針だろう。 57 3二と(33) ( 1:00/03:04:00) *金を取っておく。▲2一飛成もあったが、2八の飛車は受けにも働いている飛車で、▲3二とでよければ話は早い。 58 6二玉(52) ( 3:00/03:11:00) *玉の早逃げ。5二にいたままでは▲2二飛成や▲7一銀、▲4二となど、厳しい攻めが多かった。増田は粘り強く指す姿勢で手を渡した。ただ、平凡に▲4二とが▲5二金を見て厳しい。 59 4二と(32) ( 5:00/03:09:00) *縦の攻めから横の攻めへ。次に▲5二金(1)△同金▲同と△同玉▲2二飛成となれば寄り。▲5二金に(2)△6三玉は▲4一角と斜めの攻めに映る。そうなればまるでフィギュアスケートのコンビネーションの舞のようだ。 * *【堂々とした勝ち方】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-8585.html 60 8六歩(85) (23:00/03:34:00) *23分使い、8筋を取り込む。残りは26分。(1)▲2二飛成なら△8七歩成で事件では済まさせない。(2)▲5二金を決めるのがよさそうで、△7一玉ならそこで▲2一飛成と飛車を成れば、▲6二銀までの詰めろになる。(3)▲8三歩が利かし得と見れば叩くことになりそうだ。 61 5二金打 ( 7:00/03:16:00) *王手で金を打つ。6三に逃げるよりないか。 62 6三玉(62) ( 0:00/03:34:00) *6三に逃げ、王手の掛かりにくい形で粘る。 63 4一角打 ( 7:00/03:23:00) *4一に角を打って後手玉を射程に入れる。次に▲6一金の開き王手が入れば寄りだ。ここで△3二銀が執念の犠打だが、▲同と△5二金に▲4二とが▲5二角成以下の詰めろになる。 * *※局後の感想※ *本譜は△8七歩成だったが、「△3二銀は解決していなかった」と、藤井。増田は▲同と△5二金(1)▲7一銀△5一金打▲8二銀不成△4一金▲8一銀不成を読んでいたそうだが、「でも、やってこないですか」と局面を見てつぶやく。藤井は(2)▲4二と△6一銀▲5二と△同銀(A)▲2三角成△3四歩▲同馬の進行を考えていたとのこと。そこで△4四金は「勝ちそうかなという気はしたんですけど」と、藤井。(B)▲8三歩を利かすのがまさりそうとされた。 64 8七歩成(86) ( 3:00/03:37:00) *金を取って下駄を預ける。▲6一金△5四玉までは進むだろう。そこで藤井がどのような着地を見せるか。 65 6一金(52) ( 3:00/03:26:00) *開き王手で金を取る。 66 5四玉(63) ( 0:00/03:37:00) *後手玉に詰みはないが、先手玉も詰まない。 67 2四飛(28) ( 2:00/03:28:00) *飛車走りで決める。△4四歩と突かれると先手玉が△5六桂以下の詰めろに変わるが、▲6三銀から後手玉が詰むため、その対応は問題ないことを見切っている。また、合駒を使えば自玉の詰めろが解ける。 *増田は何を思うか。本局に関して言えば力の出ない一局となった。ただ、十分に戦えることを示したシリーズでもある。 68 4四桂打 ( 5:00/03:42:00) *桂を打って王手を解いた。ただし前述の通り、先手玉への詰めろが消えている。ただし先手も▲6六金のような詰めろでは△7七銀を食う。▲5六金も△8八馬で勝ちとは言えない。 69 6六銀打 ( 7:00/03:35:00) *銀を打って席を立つ。▲5五金までの詰めろ。 70 7七銀打 ( 0:00/03:42:00) *王手で銀を打ち、6六の銀の除去を目指した。 71 同 銀(88) ( 0:00/03:35:00) *清算で応じにいく。△同とに▲同銀が▲5五銀以下の詰めろだ。 72 同 と(87) ( 0:00/03:42:00) *▲7七同銀に△5六桂は反則手で利かない。 73 同 銀(66) ( 0:00/03:35:00) *藤井は王将戦に続き、苦しみ抜いての逆転防衛が目前。この1カ月間において、王者の底力を証明してみせる藤井劇場が完結しようとしている。 *18時6分、増田は残り10分となった。 74 7八金打 (10:00/03:52:00) *王手で金を打ち、銀を抜きにいく。ただ、▲5八玉△7七金に▲5五銀から詰み。以下△5五同玉のとき、先手玉が5八に移動したことで▲5六歩に△同桂が王手にならず、▲6六金までで詰みだ。 75 5八玉(68) ( 2:00/03:37:00) *▲7八同玉でも詰みはなかったが、王手が続く。本譜が万全だ。 76 7七金(78) ( 0:00/03:52:00) *△8八飛成以下の詰めろ。 77 5五銀打 ( 0:00/03:37:00) *天王山への銀捨てで勝ちを決めた。 *この局面で増田の投了となった。以下△5五同玉▲5六歩△6五玉▲6六金△5四玉▲5五金までの詰み。 *終局時刻は18時13分。消費時間は▲藤井3時間37分、△増田3時間52分。 *この結果、五番勝負は3勝2敗で藤井が防衛。棋王4連覇を果たし、来期はいよいよ永世棋王の資格の懸かるシリーズとなる。 * *【藤井棋王が防衛】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-e09e.html *【終局直後インタビュー】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-c7a5.html *【感想戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-10da-2.html *【記者会見】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-1155.html *【第52期もお楽しみに】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/52-505a.html * *感想戦は40分ほど行われた。増田は「△9五歩(28手目)といったのがよくなかったかもしれないですが、△8二飛だと端が生きるか分からなかった。でも引いておくんでしたね」とし、藤井は「△8二飛だと▲3五歩といくことになりますが、△同歩▲同銀のときに何をやられても嫌ですし分からないです」とした。 78 投了 ( 0:00/03:52:00) まで77手で先手の勝ち