# --- Kifu for Windows Pro V7.00 棋譜ファイル --- 対局ID:20320 記録ID:694254f0aa9da33ae31e9aac 開始日時:2026/03/15 09:00 終了日時:2026/03/15 19:15 棋戦:第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第4局 戦型:相掛かり 持ち時間:4時間 秒読み:60秒 消費時間:126▲237△236 場所:栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」 備考:昼休前65手目17分\n 振り駒:なし 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜13:00 昼休前消費時間:65手17分 手合割:平手   先手:増田康宏八段 後手:藤井聡太棋王 後手省略名:藤井聡 手数----指手---------消費時間-- *藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑戦する、第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負。増田の2勝1敗で第4局を迎えた。増田が勝てば初戴冠となる。カド番の藤井は最終局に望みをつなげられるか。 *対局は3月15日(日)に栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で行われる。対局開始は9時、持ち時間は各4時間。昼食休憩は12時から1時間。先手番は増田。 *立会人は木村一基九段、記録係は渡邊晴磨三段(石田和雄九段門下)が務め、観戦記は鈴木宏彦さんが執筆する。現地大盤解説会(申し込みは締め切り済み)は鈴木大介九段、長谷部浩平五段、宮嶋健太四段、聞き手は竹部さゆり女流四段、野原未蘭女流二段が担当する。 *対局当日の朝、鬼怒川温泉は曇り空で、午後は雨が降る予報だ。日中の予想最高気温は12度。対局室には増田が8時47分、藤井が49分に入室した。 * *【棋王戦中継サイト】 *http://live.shogi.or.jp/kiou/ *【共同通信社『棋王戦』特設サイト】 *https://digital.kyodonews.jp/shogikio/ *【第4局主催:下野新聞社】 *https://www.shimotsuke.co.jp/ *【主催:共同通信社】 *https://www.kyodo.co.jp/ *【主催:日本将棋連盟】 *https://www.shogi.or.jp/ *【特別協賛:コナミグループ株式会社】 *https://www.konami.com/ja/ *【第4局協賛:ホテル三日月グループ】 *https://www.mikazuki.co.jp/ * *(棋譜・コメント入力=紋蛇) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手] 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *初手は▲2六歩。前夜祭では、鈴木大介九段と長谷部浩平五段が矢倉か雁木を予想していた。第2局と同様に矢倉にするなら、初手は▲7六歩だったので、本局は相掛かりや角換わり、雁木になる可能性が高い。 *ちなみに、第1局と第2局の間に指された第75回NHK杯将棋トーナメント決勝戦▲増田−△藤井戦では、増田が角換わりを採用した。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *◆藤井 聡太(ふじい そうた)棋王(竜王・名人・王位・棋聖・王将)◆ *2002年7月19日生まれ、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2016年、四段。2021年、九段。棋士番号は307。 *タイトル戦登場は36回。獲得は竜王5期(永世竜王)、名人3期、叡王3期、王位6期(永世王位)、王座2期、棋聖6期(永世棋聖)、棋王3期、王将4期の計32期。棋戦優勝は14回。 3 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *◆増田 康宏(ますだ やすひろ)八段◆ *1997年11月4日生まれ、東京都昭島市出身。森下卓九段門下。2014年、四段。2024年、八段。棋士番号は297。 *タイトル戦登場は2回。棋戦優勝は2回。 4 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *棋王戦は共同通信社と日本将棋連盟が主催する棋戦。特別協賛はコナミグループ。予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士で挑戦者決定トーナメントを行う。挑戦者決定トーナメントは、ベスト4以上が2敗失格制(ダブルイリミネーション方式)となる。挑戦者決定戦は変則二番勝負で、挑戦権獲得にトーナメントの勝者組優勝者は1勝、敗者復活戦優勝者は2勝が必要になる。 5 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *本局の観戦記は鈴木宏彦さんが担当する。 *棋王戦の観戦記は、河北新報、下野新聞、千葉日報、新潟日報、信濃毎日新聞、山梨日日新聞、静岡新聞、北日本新聞、北國新聞、京都新聞、日本海新聞、山陰中央新報、山陽新聞、中国新聞、愛媛新聞、高知新聞、佐賀新聞、長崎新聞、熊本日日新聞、南日本新聞、沖縄タイムスの21紙に掲載される。 * *【棋王戦掲載紙一覧】 *https://www.shogi.or.jp/match/kiou/#ancSponsorship 6 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *これまでの対戦成績は、 藤井の12勝3敗(0.800)。初手合いは2017年の第30期竜王戦決勝トーナメントで、藤井が勝ってデビューからの無敗を守り、歴代単独1位となる29連勝を達成した。2戦目は翌年の第31期竜王戦決勝トーナメントで、増田勝ちとリベンジする。 *以降は藤井が9連勝と圧倒した。増田が連敗を止めたのは、今年2月の第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局。続く第75回NHK杯将棋トーナメント決勝、棋王戦五番勝負第2局は敗れた。しかし、第3局で勝利して、初タイトルまであと1勝に迫った。 7 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *本局の模様は「ABEMA」の将棋チャンネルで動画中継される。解説・聞き手は郷田真隆九段、梶浦宏孝七段、宮宗紫野女流二段、和田あき女流二段。 * *【ABEMA将棋チャンネル】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/8TRgYZycHYDxHM 8 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *藤井が棋王戦と王将戦のダブルタイトル戦に臨むのは、2022年度から4年連続。22年は棋王戦で渡辺明棋王(現九段)・王将戦は羽生善治九段、23年は棋王戦で伊藤匠七段(現二冠)・王将戦で菅井竜也八段、2024年度は棋王戦で増田康宏八段、王将戦で永瀬拓矢九段を破った。 *今年は昨年と同じ組み合わせだが、どちらもカド番と追い詰められている。ふたつとも防衛するには2連勝が必要。王将戦第6局は先手番なので利がある。本局は藤井が後手番なので増田に主導権を握られそうだが、今期の棋王戦五番勝負は後手番が全勝している。シリーズのデータ上では藤井有利、オーソドックスに考えれば増田乗りといったところだろう。 9 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) *「相掛かりなんですねぇ。相掛かりの先手で必殺の作戦があるのかどうか。どうも力戦になりやすいイメージなんですけどね」(振り飛車党の鈴木九段) 10 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *藤井の今年度成績は38勝13敗(0.745) *通算成績は442勝96敗(0.822) 11 5八玉(59) ( 0:00/00:00:00) *増田の今年度成績は28勝13敗(0.683) *通算成績は335勝171敗(0.662) 12 9四歩(93) ( 1:00/00:01:00) *【朝の対局室】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-5cf3.html *【対局開始】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-75cb-1.html 13 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *「あ、端を受けなかった。まあ、▲9六歩を突けるから(笑)」(鈴木九段) *対局開始前の控室で、鈴木九段は今月のALSOK杯第75期王将戦七番勝負第5局▲永瀬拓矢九段−△藤井聡太王将戦の▲9六歩が衝撃だったと話していた。角換わり拒否の相掛かりで、後手が△9五歩と位を取ったのに対し、先手が▲9六歩と反発して仕掛ける手順を披露したのだ。「端の位でも取ってゆっくりやろうと思っても、それを許してくれないんですよねぇ。怖くて将棋が指せない」と鈴木九段はぼやいた。 14 同 歩(23) ( 0:00/00:01:00) *鬼怒川温泉は都心から電車で約2時間ほど。温泉や四季折々の自然だけでなく、鬼怒川ライン下りのレジャーやSLの運行、「東武ワールドスクウェア」などの観光地も人気を博している。 *「日光きぬ川スパホテル三日月」は東武日光線の鬼怒川温泉駅から徒歩5分と近く、アクセスがよい。屋内施設のガーデンスパは、季節や天候を問わずに水流浴プールやウォータースライダーを楽しめる。ホテル内には御社「三日月神社」がある。三日月神社は日光東照宮分霊社で、徳川初代将軍の家康公をまつる日光東照宮を奉祀し、鬼怒川温泉を訪れる全ての旅行者や訪問者の安全を祈願する施設となっている。リニューアルに伴って東照宮より授与された御神木「日光杉」が使用された。 * *【栃木県日光市鬼怒川温泉 日光きぬ川ホテル三日月 公式サイト】 *https://www.mikazuki.co.jp/kinugawa/ 15 同 飛(28) ( 0:00/00:00:00) *増田は挑戦者決定トーナメントから登場し、高見泰地七段、吉池隆真四段、糸谷哲郎八段、斎藤明日斗六段を破って、挑戦者決定二番勝負に進出した。 *挑戦者決定二番勝負では、斎藤明六段に再び勝って、挑戦権を獲得している。打ち上げで増田と斎藤明六段は和やかに歓談していたが、終了後に皆で駅に向かう途中、斎藤明六段が「いやー、力が足りない」と苦笑していたのを覚えている。年末が近づいて寒いなか、増田はコートを着ていなかった。ウェイトトレーニングで筋肉をつけて、代謝がよくて寒くないからだと思われる。 * *【2025年12月16日 第51期棋王戦 挑戦者決定二番勝負 第1局 *増田康宏八段 対 斎藤明日斗六段】 *http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/51/kiou202512160101.html 16 2三歩打 ( 0:00/00:01:00) *藤井は棋王戦に第43期から参加し、通算成績は30勝9敗(0.769)。第48期に棋王に初挑戦し、渡辺明棋王(永世棋王資格保持者)から奪取した。現在は3連覇中。今期に防衛すると、来年は5連覇で得られる永世棋王の称号が懸かった勝負になる。 * *【2023年3月19日 第48期棋王戦 五番勝負 第4局 *渡辺明棋王 対 藤井聡太竜王】 *http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/48/kiou202303190101.html 17 2六飛(24) ( 0:00/00:00:00) *【検分】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-42ac.html 18 3四歩(33) ( 0:00/00:01:00) *【前夜祭(1)〜(7)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-b995.html *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-8f9f.html *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-5d4f-1.html *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-5d4f.html *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-8889.html *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-249a.html *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-1ea6.html 19 3六飛(26) ( 0:00/00:00:00) *縦歩取りへ。後手は3四の歩をどう守るか。△3三金と△8四飛で展開が異なる。 20 3三金(32) ( 3:00/00:04:00) 21 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) 22 8六歩(85) ( 1:00/00:05:00) 23 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 24 同 飛(82) ( 0:00/00:05:00) 25 8七歩打 ( 0:00/00:00:00) *「決着局になるかもしれない一局に、増田八段は珍しい作戦を持ってきましたね。先手は桐山先生のイメージです」(片上大輔七段・日本将棋連盟常務理事) *縦歩取りは、2022年に引退した桐山清澄九段が得意にしていた。 26 8二飛(86) ( 1:00/00:06:00) 27 2六飛(36) ( 0:00/00:00:00) *飛車を2筋に戻る。「△2四歩を誘っていますね」と片上七段。△2四歩はここ5年ほどで出てきた構想で、2三金型に組んで手厚く指す狙いがある。局面は異なるが、雁木で大山康晴十五世名人が奨励会時代に組んだことがあった。 28 3二金(33) ( 1:00/00:07:00) *▲3六飛と戻れば△3三金から千日手模様だが、それは冗談の話。先手番を失うだけで意味がない。 29 2四歩打 ( 1:00/00:01:00) *「おっとぉ、練りに練っているね。どういうことなの、これ」(片上七段) *▲2四歩△同歩▲同飛で横歩を狙う狙い自体はよくある動きだが、なぜ縦歩取りを交えたのだろう。▲3六飛の縦歩取りから▲2六飛と戻り、△3二金に▲2四歩と合わせる手順はみたことがない。 *「▲3六飛と寄ってから▲7六歩を突けば、△8六歩と交換してくる。▲2六飛と戻れば△3二金と引いてくるから、▲2四歩と動けるという構えなんですね。増田八段はいろいろなプランを練ってきたんだろうと思います」(片上七段) *18手目△3四歩の局面で▲7六歩△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8二飛▲2四歩なら現局面と合流するが、増田はどこかで後手に変化されると考えて、▲3六飛から本譜の順を選んだのかもしれない。 *現局面の前例は2局あり、1号局は昨年12月の第51期棋王戦コナミグループ杯挑戦者決定トーナメント(勝者組決勝)▲増田−△斎藤明六段戦である。増田が短期間で2局目の採用に踏みきったことを思うと、自信のほどがうかがえる。△2四同歩▲同飛△6二玉▲7七角△8四飛▲6八銀と進んだ。結果は先手勝ち。2号局は今年1月の第39期竜王戦ランキング戦1組▲郷田真隆九段−△伊藤匠二冠戦で、途中の△6二玉に代えて△8八角成▲同銀△2二銀▲3四飛△3三桂▲2四飛△6二玉と進み、結果は後手勝ち。 30 同 歩(23) ( 0:00/00:07:00) 31 同 飛(26) ( 0:00/00:01:00) 32 8八角成(22) ( 0:00/00:07:00) *29手目に書いた前例2局のうち、伊藤匠二冠が指した△8八角成のほうを選んだ。 33 同 銀(79) ( 0:00/00:01:00) 34 2二銀(31) ( 0:00/00:07:00) 35 7七銀(88) ( 0:00/00:01:00) *▲3四飛を選ばず、左銀の立て直しを急ぐ。後手は△2三銀から銀冠にするのが権利になった。 36 5二玉(51) ( 4:00/00:11:00) *バランスを重視して中住まいにした。 37 2八飛(24) (12:00/00:13:00) *横歩を取らずに飛車を引く。2筋の動きは手損になっているものの、後手に角交換させて手順に左銀を活用できたのが先手の主張と思われる。 38 2三歩打 ( 0:00/00:11:00) 39 9六歩(97) ( 0:00/00:13:00) *9筋の均衡を保った。 40 6四歩(63) ( 1:00/00:12:00) 41 4六歩(47) ( 0:00/00:13:00) *先手が4筋、後手が6筋を突いたので、相中住まいから4七銀・6三銀型になる可能性が高い。 42 6三銀(72) ( 0:00/00:12:00) 43 4七銀(38) ( 0:00/00:13:00) 44 7四歩(73) ( 0:00/00:12:00) 45 3六歩(37) ( 0:00/00:13:00) *この辺りはお互いに陣形整備する流れなので、しばらくはノータイムが続きそうだ。 46 7三桂(81) ( 0:00/00:12:00) 47 3七桂(29) ( 0:00/00:13:00) 48 6二金(61) ( 0:00/00:12:00) 49 4八金(49) ( 2:00/00:15:00) 50 8一飛(82) ( 2:00/00:14:00) *10時になり、午前のおやつが出された。増田が「ろっくバウム」「ジンジャーエール」、藤井が「鬼平の水羊羹」「ICEレモンティー」。 * *【午前のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-02c9-1.html 51 2九飛(28) (11:00/00:26:00) *一段飛車のバランス型にする。 52 3三銀(22) ( 9:00/00:23:00) *先後同形になった。 53 5六歩(57) ( 4:00/00:30:00) 54 5四歩(53) ( 3:00/00:26:00) *5筋を突き合う。同形が続いているので、先手が打開できるかがポイントだ。 55 4五歩(46) ( 1:00/00:31:00) *4筋の位を取った。 56 6五歩(64) ( 4:00/00:30:00) *藤井も追随する。 57 5七角打 ( 6:00/00:37:00) *自陣角を据えて、動きをみせた。部分的にはよくみられる角打ちである。直接的な狙いは▲9五歩△同歩▲9三歩から▲9五香。ほかに▲3五歩△同歩▲同角と交換して力をためる方針もありえる。 *「▲5七角が増田八段のやりたかったことなんですね。△6四銀がいちばん積極的で、▲9五歩△同歩▲9三歩だと△7五歩▲9五香△9四歩▲同香に△8四飛の香取りで切り返せます。銀上がりには▲3五歩と交換してどうでしょうか。細かい動きが続きそうです」(木村九段) *序盤の駆け引きは、比較が難しいところもあったようだ。本局は先手が早々に7七銀型に構えていた。相中住まいでは6八銀型が多く、後手が△2四歩(▲同飛は△3三角が飛車香の両取り)から銀冠にする展開がよく指されている。7七銀型なら△2四歩の筋がなく、先手からすれば3三銀型に限定できた意味がある。ただ、木村九段は「だから先手がはっきり得、ともいいにくいんですよね。6八銀型から▲8八角と打って攻める形も有力なので」と話した。 * *【戦型は相掛かり】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-0f38.html 58 8三飛(81) (19:00/00:49:00) *11時ちょうどの着手。△8三飛までの消費時間は▲増田37分、△藤井49分。 *△8三飛は▲9五歩△同歩▲9三歩に△同香を用意した受けだ。 *「▲7五歩や▲3五歩と交換したり、▲4六角から▲6六歩△同歩▲同銀が考えられます」(木村九段) 59 7五歩(76) (11:00/00:48:00) *7筋を交換しにいく。 60 同 歩(74) (15:00/01:04:00) 61 同 角(57) ( 0:00/00:48:00) *先手の狙いだけを書けば、▲5七角から▲1五歩△同歩▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲2五桂の端攻めである。以下△2四銀は▲1三桂成から▲8四香△9三飛▲8二香成が厳しい。後手は漫然と組んでいると手を作られてしまうので、△7四銀から7筋交換を逆用したい。 * *※局後の感想※ *藤井は△7四歩▲5七角△6四銀だったかと振り返った。以下(1)▲1五歩は△同歩▲1三歩△同香▲2五桂△2四銀▲1三桂成△同桂▲8四香△9三飛▲8二香成が並べられた。藤井の提案した(2)▲8六歩も有力のようだ。 62 7四銀(63) ( 2:00/01:06:00) *銀を攻めに使う。 63 5七角(75) (10:00/00:58:00) 64 5三角打 ( 0:00/01:06:00) *11時42分の着手。 *後手も自陣角を据えた。狙いはふたつある。まず1筋の端攻めを牽制しており、▲1五歩は▲1四歩の瞬間に△1八歩▲同香△1七歩で香を取ればよい。もうひとつは△7六歩。▲同銀は△7五歩なので▲8六銀しかないが、△8五歩▲9七銀で先手の銀が9筋に撤退してしまうため、後手の模様がよい。 *「△7六歩は打たれたくないので、現局面で▲7六歩はありそうですね」と宮嶋四段。▲7六歩に△6三銀なら、▲8六銀△7四歩の渋い展開や▲9五歩△同歩▲8六銀のような手順が予想されるという。 *先手がどれほど主導権を握って攻められるのか、現段階ではわからない。増田の予定なのか、それとも外れているのかは不明である。 *12時、この局面で増田が17分使って、昼食休憩に入った。消費時間は▲増田1時間15分、△藤井1時間6分。昼食は増田が「ローストビーフ丼温泉卵添え」、藤井が「日光そば 鴨なんばん」。対局は13時から再開される。 *対局が再開されたが、増田の手が止まっている。どう指すか、悩ましいようだ。「敵の打ちたいところに打て」の▲7六歩は、勢力負けしないようでも、せっかく交換した歩を打ち直すので抵抗があるのかもしれない。 * *【昼食休憩】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-bc24-1.html *【昼食休憩時の対局室】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-e82f-1.html *【昼食休憩明け】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-7c34.html * *※局後の感想※ *▲8六歩も有力とされた。 65 1五歩(16) (48:00/01:46:00) *昼食休憩を挟み、48分の考慮だった。▲1五歩とは激しい。△同歩▲1三歩△同香▲2五桂△2二銀▲1三桂成△同銀▲8四香と攻められる。ただ、後手が▲1五歩を放置したときに先手がどう攻めるかもはっきりしない。▲1四歩は△1八歩▲同香△1七歩がある。また先述した変化手順の▲1三歩に△同香ではなく、香を渡さないで端を守る△2四銀も考えられる。 *「▲1五歩は一気に攻め倒そうというよりも、局面を動かして相手の様子をみようという意味に思えます。(1)△1五同歩に▲1三歩△同香▲2五桂△2二銀▲1三桂成△同銀▲8四香はみえますが、△9三飛▲8二香成の局面が本当に先手有利なのか、よくわからないです。(2)△7六歩は▲6八銀と引いて、今度は▲1四歩と先手が取り込めるようになります。後手の持ち歩が1枚なので、△1八歩▲同香△1七歩がありません。後手は飛車をどう使うがポイントでしょう。8三飛型のままなら△6六歩▲同角△6五桂のように使う筋で、(1)△1五同歩からいなすような展開が予想されます。一段飛車にするなら、いまのタイミングで(3)△8一飛でしょうか」(鈴木九段) 66 7六歩打 (22:00/01:28:00) *銀をタタいた。▲6八銀で、7筋の制空権が後手のものになる。デメリットは、鈴木九段が話していたように▲1四歩に△1八歩▲同香△1七歩がなくなること。 67 6八銀(77) ( 1:00/01:47:00) *控室では木村九段がひとりで継ぎ盤を動かしている。現局面の見解を聞いた。 *「(1)△1五歩は▲5五歩が嫌ですね。△同歩は▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲2五桂△2四銀▲1三桂成△同銀▲5四香で田楽刺しがかかるため、先手よし。△6三銀も▲7四歩△8五桂▲8六歩△同角▲8四歩△8一飛に▲8七金から責める手がありそうなので、後手が嫌でしょう。増田八段は自分から攻められる展開になりそうです。(2)△3五歩▲同歩△1五歩はありそうですか」(木村九段) *木村九段の前に、指導対局を終えた鈴木九段が座る。(1)△1五歩▲5五歩△同歩▲1二歩△同香▲1三歩△同香▲2五桂の手順を聞くと「木村さんも短気になったねぇ」と軽口をタタいてから△3一角と引いた。▲5四香の田楽刺しを避けながら1三の地点を守っており、木村九段も感心していた。以下▲3五歩に△8五桂と指したが、直後に「あ、銀取られちゃう」と苦笑する。木村は「何いっているんだ、もう飲んでいるんじゃないか?」と笑う。先手に歩切れ解消のめどが立っているのに、銀を取られては後手がまずそうだ。ちなみに「「日光きぬ川スパホテル三日月」」の朝食・昼食・夕食バイキングは、いずれもアルコールが飲み放題で、大勢のお客さんが楽しんでいた。検討の▲3五歩に改善案は△2四銀▲3四歩△8五桂。 * *【指導対局会(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-0ec0.html 68 1五歩(14) ( 4:00/01:32:00) *14時ちょうどの着手。△1五歩までの消費時間は▲増田1時間47分、△藤井1時間32分。 69 1三歩打 ( 3:00/01:50:00) *14時3分、増田は歩を垂らした。「単に▲1三歩か。過激はだめなのか」と木村九段。木村推奨の▲5五歩を入れず、▲1二歩もタタかないところに味がある。しかし調べてみると、(1)△2四銀に▲5五歩の迫力があるとわかった。以下△5五同歩は▲2四角△同歩▲同飛△2三歩に▲3四飛の十字飛車、△6三銀は▲5四歩△同銀▲2四角△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛でやはり技がかかる。 *「人間的には間違えやすい局面です。普通は▲1二歩△同香▲1三歩を指しそうなところで▲1三歩と単に垂らされると、研究(の蓄積がある)という名の迫力を感じます。筋は(2)△6六歩なんですよね。私だとノータイムで指しちゃう。意味は▲6六同歩と取らせて、のちの▲7五歩△同角▲同角△同銀▲7四角の王手飛車を消す意味です。▲6六同角は△6五桂と跳ねられるようになり、飛車も使えます。▲6六同歩以下の進行は△9五歩▲1五香△9六歩▲1二歩成△9七歩成で、後手はと金の位置が先手よりもよくて△8七とが楽しみになります。ほかは(3)△9五歩でしょうか。現局面は研究込みで増田ペースにみえます。藤井棋王は(2)△6六歩みたいな抽象的な手が好きじゃないかもしれません。後に▲7五歩△同角▲6七銀から立て直されると、どれほど得かはっきりしないので」(鈴木九段) *藤井が長考に沈んでいる。先手の攻めの組み合わせを読んで、しっかりバランスを保たないといけない。 * *【先手の狙い筋】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-ee56.html * *【日光きぬ川スパホテル三日月】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-2a43.html * *※局後の感想※ *「△2四銀は▲5五歩ですよね?」(藤井) *「それは(後手が)まとまらないかと思いました」(増田) *△2四歩は▲1五香△1四歩▲同香△1三桂は「自信ないです」と藤井。 70 6六歩(65) (57:00/02:29:00) *15時1分、57分の長考で指した。1現局面までの消費時間は▲増田2時間10分、△藤井五2時間29分。 *「みました? これぞ将棋ですよ。私ならノータイムで指しちゃう。まあ読んでないからだけど(笑)」(鈴木九段) *△6六歩は筋なので、プロの第一感だ。藤井は長考で読みの裏付けが入っている。 *15時に午後のおやつが出されている。増田は「ニルバーナチーズケーキ」「レモンスカッシュ」、藤井は「酒饅頭」「りんごジュース」。 *今度は増田が長考の気配だ。▲1五香と慌てて攻めるのは、△7七歩成がある。▲同桂は△7六歩、▲同銀は△6五桂。6筋の歩を相手にするのが本命である。 * *【午後のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-ecc5-1.html * *【現地大盤解説会】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-403b.html * *※局後の感想※ *▲6六同角は△6五桂▲1五香△1四歩▲同香△1三桂▲1九飛△1七歩▲5五歩が並べられて「自信ないですか」と藤井。増田は▲6六同角に△7五銀と出られるのも気になっていたようだ。 71 同 歩(67) (65:00/02:55:00) *16時6分、1時間5分の考慮で着手。現局面までの消費時間は▲増田2時間55分、△藤井2時間29分。 72 8六歩打 (12:00/02:41:00) *鈴木説の△9五歩ではなかった。△8六歩は▲同歩で△8五桂を跳ねられなくなるので、藤井は端攻めをするつもりではないようだ。 73 同 歩(87) ( 0:00/02:55:00) *【指導対局会(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-8914.html 74 8七歩打 ( 0:00/02:41:00) *歩を垂らす。▲8七同金なら△8六角から突破するつもりだ。垂らしを放置すれば、△8六飛が気持ちよい。 * *※局後の感想※ *木村が▲6七銀に言及すると、藤井は「あるかと思っていた」「本命ではないかなと思っていた」といった。△8六飛に▲7九角と引けば▲9七角を狙え、後手がそれを警戒して飛車を引けば▲7六銀と拠点を払える。「▲6七銀でしたか」と増田。気づいていなかったようだ。 75 同 金(78) ( 8:00/03:03:00) *大盤解説会では鈴木九段と野原女流二段が出演している。鈴木九段は△8六角で後手に勢いがあり藤井ペース、増田八段の様子も苦しそうと話している。 76 8六角(53) ( 0:00/02:41:00) *局面の焦点は先手陣の左辺に絞られている。藤井の攻めを増田が跳ね返せるか、勝負どころだ。しかし、その手段は容易ではない。▲8五歩△同飛▲7六金は、△6八角成▲同角△8八飛成で後手よし。 77 8五歩打 ( 0:00/03:03:00) *手筋の受けだが、△8五同飛にどう指すか。先述したように▲7六金は△6八角成で先手がまずい。 *大盤解説会に出演していた鈴木九段が控室に戻ってきた。木村九段と意見を交わす。木村説は▲8八歩と受けて、先手もやれるという。「ええ?」と驚く鈴木九段。8筋を屈服したようでも、▲6七銀から▲7六銀が間に合うかもしれないという。7筋の拠点を払えば、景色が変わる。▲8八歩に△5三角なら、▲7五歩が手筋になる。△同銀は▲7四歩の桂取りが厳しく、△7五同角なら1手稼げるので▲6七銀から▲7六銀と立て直せそうだ。 * *【大駒は近づけて受けよ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-ea25.html 78 同 飛(83) (23:00/03:04:00) *△8五同飛に23分使った。ともに残りは1時間を切っており、ほぼ互角だ。 79 8八歩打 ( 1:00/03:04:00) *△6八角成▲同角△8七飛成を受ける。瞬間的に後手がかなり押し込んでいるが、継続手がないと先手の立て直しが間に合いかねない。 *藤井の考慮中に時刻は17時を過ぎた。現局面までの消費時間は、ともに3時間4分。盤上も時間も互角の戦いである。 80 8四飛(85) ( 9:00/03:13:00) *飛車を引いて、▲6七銀から▲7六銀が当たらないようにした。△8四飛では△8一飛も考えられた。浮き飛車は後に銀を繰り出したときに▲7四歩の桂取りを警戒した意味と思われるが、5七の角で狙われるリスクがある。 *お互いに一手一手が難しい。最善手以外は悪手になり、すぐに形勢のバランスを崩しそうな局面である。残り時間が少なくなり、疲労も溜まっているので、難度は高そうだ。17時20分過ぎ、増田は左手を口元に当てて、険しい表情で考えている。藤井は左手に持ったハンカチを目元に当てている。 *「▲1二歩成△同香▲1三歩△同香▲同角成△同桂▲8六金△同飛▲8七香で飛車を取りにいきたくなるんですけど、△6七歩▲同銀△7七歩成▲同桂△7六歩で負けちゃうんでしょうね。▲1五香も△5三角▲1二歩成△8六歩▲7六金△6七歩▲同銀△8七歩成▲同歩△同飛成▲7七金△8八竜▲7八金△9九竜で先手自信なしです。現局面は先手が間違えやすいように思います」(鈴木九段) * *※局後の感想※ *▲1五香は△4二角▲1二歩成△8六歩▲7六金△8七歩成▲同歩△同飛成▲7七金△8八竜に、(1)▲1一と△8六歩▲2一と△8七歩成と(2)▲2二歩△8六歩▲2一歩成△8七歩成▲同金△同竜▲2二と引△同銀▲同と△同金▲1一香成△7七歩が並べられた。(2)の変化は「ちょっと悪いということもあるかも」と藤井、増田は「こっちで勝負しないとだめでしたか」と話した。 81 1二歩成(13) (28:00/03:32:00) *28分としっかり考えて、▲1二歩成。△同香▲1三歩△同香▲同角成だと、前手で鈴木九段が解説した飛車を取りにいく変化になる。 82 同 香(11) ( 0:00/03:13:00) *【鬼怒川温泉】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-6aa9.html 83 1三歩打 ( 0:00/03:32:00) 84 同 香(12) ( 0:00/03:13:00) 85 2五桂(37) ( 0:00/03:32:00) *桂で香を取りにいく。後手は▲1三桂成から▲8六金△同飛▲8七香の飛車取りをくらってはまずい。現局面は狙われている角を引くのが自然である。△3一角は有力で、▲1三桂成に△同角とさばける。 86 3一角(86) ( 5:00/03:18:00) *狙われそうな角を避難しながら、端を強化する。 * *※局後の感想※ *▲3三桂成でAIの評価値が後手に傾いたことに言及されて、▲1二歩が検討された。藤井は△2二銀の予定だったという。以下▲1一歩成△同銀▲1三桂成△同桂▲1五香△1四歩▲同香△1二歩でどうか。後手はやはり△7五桂を狙うことになる。 87 3三桂成(25) ( 0:00/03:32:00) *先手は銀桂交換の成果を挙げた。ただ、△3三同桂で△4五桂と使われると、遊び駒を働かせたことになってしまう。また素朴に△7五桂と打たれると、▲7六金に△8八飛成から△8五桂や△6七歩の攻めが生じる。後手に利が多いことを思うと、駒得はそれほど大きいとはいえない。 88 同 桂(21) ( 0:00/03:18:00) 89 4六角(57) ( 0:00/03:32:00) *▲4六角では先手が苦労している印象を受ける。△4五桂の当たりを事前に緩和しながら▲6四銀のプレッシャーをかけているが、やはり△7五桂が厳しそうだ。 *藤井が考えている。桂が入り、アタックチャンスを迎えている。 90 7五桂打 ( 8:00/03:26:00) *先手の攻めを逆用する桂打ち。形勢は藤井に傾いた。先手は▲3三桂成と駒得しても、大駒をさばくなどの攻める継続手がなかった。しかし△7五桂は飛車をさばく明快な狙いがある。 91 2四歩打 ( 2:00/03:34:00) *「△2四同歩▲同飛△2三歩▲3四飛として、△8七桂成▲同歩△同飛成に▲5四飛の王手銀取りを作るつもりです」(宮嶋四段) 92 同 歩(23) ( 5:00/03:31:00) 93 同 飛(29) ( 0:00/03:34:00) *18時ごろの局面。現局面までの消費時間は▲増田3時間34分、△藤井3時間31分。 94 8七桂成(75) ( 0:00/03:31:00) *驚いたことに、△2三歩と受けないで一直線に攻め合えば、後手勝ちのようだ。△8七桂成に▲同歩△同飛成▲2一飛成△2二金打▲1一竜△8九竜▲2四桂△6七歩▲同銀△7七歩成で先手陣が崩壊する。途中、先手に飛車を成らせても△2二金打で手を稼げるのが大きい。宮嶋四段は「さすがですね。△7七歩成まで進むと激痛です」と感心している。後手は後に△8六角と出れば、自陣で眠っている大駒を寄せにまで使えてしまう。 *藤井が席を外した。増田は盤上を見つめている。 * *【後手有利に】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-6bb7.html 95 同 歩(88) ( 2:00/03:36:00) *第5局の鳥取県開催が濃厚になってきた。鳥取県でタイトル戦が行われるのは、2007年の第65期名人戦七番勝負第2局▲森内俊之名人−△郷田真隆九段戦以来、女流タイトル戦を含めると2019年の第27期大山名人杯倉敷藤花戦▲伊藤沙恵女流三段−△里見(現福間)香奈倉敷藤花戦以来と珍しい(肩書と段位は当時)。 96 同 飛成(84) (14:00/03:45:00) *18時20分、残り時間29分のうち14分も割いた。長考ともいえる使い方で、最後まで読みきっていてもおかしくない。 97 2一飛成(24) ( 0:00/03:36:00) 98 2二金打 ( 0:00/03:45:00) *94手目△8七桂成の棋譜コメントに記したように、宮嶋四段が指摘していた金打ち。▲1一竜は△8九竜で後手が攻め合い勝ちになる。 99 3一竜(21) ( 0:00/03:36:00) *増田の指し手が早い。竜と角を交換したのは、△3一同金に▲6四角打と迫るつもりだろう。角打ちは金取りと▲7三角成の狙いになる。 100 同 金(32) ( 0:00/03:45:00) 101 6四角打 ( 0:00/03:36:00) *18時28分、藤井の残り時間が10分になり、秒読みが始まった。 *△4一玉が金にヒモをつけながら▲7三角成に備える好手にみえるが、▲4四歩△同歩▲4三銀で逆転する。上から押さえつけられる展開は、終盤で避けないといけない。 102 4一金(31) ( 6:00/03:51:00) *残り9分まで考えて、金を寄せた。5二玉型のままだと▲7三角成△同金に、▲同角成が▲7四馬と王手で銀を取る狙いになる。 103 7三角成(64) ( 1:00/03:37:00) 104 同 金(62) ( 0:00/03:51:00) 105 同 角成(46) ( 0:00/03:37:00) 106 8五角打 ( 0:00/03:51:00) *美しい角打ち。銀にヒモをつけながら△7七歩成の開き王手の狙いを秘めている。この好手があるからこそ、102手目で玉を逃げずにすんだのだ。 * *【後手が優位を拡大】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-e6d7.html 107 6七桂打 ( 2:00/03:39:00) *△7七歩成の王手を先受けした。藤井は慌ただしくペットボトルの緑茶を手に取り、グラスに注いでグイっと飲む。 108 8九竜(87) ( 0:00/03:51:00) *次の△7七歩成▲同銀△5九飛がきつい。現局面で▲4六銀と逃げ道を作って粘るのは、△7七歩成▲同銀△7八竜▲6八銀打△6七角成で困る。 109 8六歩打 ( 2:00/03:41:00) *手筋の歩打ち。△8六同竜なら、竜が先手玉から遠ざかる。藤井は頭に手をやった。「55秒〜」と読まれても、指さずに考える。 110 7七歩成(76) ( 1:00/03:52:00) *藤井の残り時間は8分になった。▲8五歩で後手玉も危険になる。 111 8五歩(86) ( 0:00/03:41:00) 112 4五桂(33) ( 0:00/03:52:00) *ああ、あの桂が攻防の決め手になるとは。藤井は席を立った。 *△4五桂は▲5七玉の逃げ道を消している。▲7七銀は△5九飛からの詰みだ。また、4五に先手の歩がいると▲5三銀△同玉▲6四角△5二玉▲6二金までの詰みだったが、4四に玉の逃げ道があれば▲6四角に△4四玉▲6二馬△3三玉で耐えている。つまりは詰めろ逃れの詰めろだ。中盤まで2一に眠っていた桂が跳躍したのは、87手目▲3三桂成に△同桂と応じたから。増田の攻めを最後の最後まで、逆用している。 *木村九段が静かにモニタをみている。「もう投げてもおかしくありません。どこが悪かったのか、先手は難しい一局でしたね」。増田は背筋を伸ばして考えている。 113 4六銀(47) (11:00/03:52:00) *銀を立って、▲4七玉の逃げ道を作った。しかし、4筋に玉を上がっても、やはり玉は狭い。3七は桂がにらんでおり、▲3八玉と引く展開になると△3九飛から迫られてしまう。 *もし先手に手番が回ってくれば、▲5三銀△同玉▲6四角△4四玉▲4五銀で逆転につなげられるかもしれない。しかし、藤井がそれを許してくれる可能性は低いだろう。 114 6八と(77) ( 0:00/03:52:00) 115 4七玉(58) ( 0:00/03:52:00) 116 5九竜(89) ( 2:00/03:54:00) *△4八竜からの詰めろになっている。藤井は急いで席を立ち、すぐに戻ってきた。 *増田の表情は硬い。腕組みをしたり、頬に手を当てている。 117 7四馬(73) ( 4:00/03:56:00) *19時5分の着手。現局面までの消費時間は▲増田3時間56分、△藤井3時間54分。 118 6三歩打 ( 0:00/03:54:00) *▲5三銀△同玉▲6五桂と迫っても、△4二玉で詰まない。もし6八のと金がいなければ、△5三同玉に▲8六角の王手竜取りがあった。 119 同 馬(74) ( 0:00/03:56:00) *最後の勝負。後手玉が詰むかどうか。 120 同 玉(52) ( 0:00/03:54:00) *すぐに△6三同玉と応じた。自玉は詰まないと見きっているのだろう。 121 5五桂(67) ( 1:00/03:57:00) *打たされた桂を攻めに使う。△5五同歩に、後手玉を追って▲5五銀と王手で使う筋を作れるか。 122 同 歩(54) ( 1:00/03:55:00) 123 5四銀打 ( 0:00/03:57:00) 124 同 玉(63) ( 1:00/03:56:00) *▲4五銀△同玉▲6三角は△5四銀、▲5五銀も△6三玉で詰まない。 125 5五銀(46) ( 0:00/03:57:00) 126 6三玉(54) ( 0:00/03:56:00) *ノータイムで玉を引く。▲7五桂や▲5四銀打としても、△5二玉で詰まない。 *この局面で増田が投了した。終局時刻は19時15分。消費時間は、▲増田3時間57分、△藤井聡3時間56分。藤井がカド番をしのぎ、シリーズ成績は2勝2敗のタイになった。第5局は鳥取県鳥取市「有隣荘」で行われる。  * *【終局直後】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-bb10-1.html * *【大盤解説会場に】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/03/post-e4fe.html * *※局後の感想※ *藤井は▲5七角から▲7五歩でペースをつかまれたと感じていたようだ。中盤はねじり合いが続いたが、増田の攻めを藤井がうまく逆用して優勢になり、そのまま押し切った。 127 投了 ( 0:00/03:57:00) まで126手で後手の勝ち