# --- Kifu for Windows Pro V6.91β 棋譜ファイル --- 対局ID:20114 記録ID:694254eb0b07563c8d76d03c 開始日時:2026/02/08 09:00 終了日時:2026/02/08 19:05 棋戦:第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第1局 戦型:相掛かり 持ち時間:4時間 秒読み:60秒 消費時間:118▲239△229 場所:愛媛県松山市「道後温泉ふなや」 備考:昼休前33手目13分\n 図:投了 振り駒:4,0,藤 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜13:00 昼休前消費時間:33手13分 手合割:平手   先手:藤井聡太棋王 後手:増田康宏八段 先手省略名:藤井聡 後手省略名:増田 手数----指手---------消費時間-- *藤井聡太棋王(六冠)に増田康宏八段が挑戦する第51期棋王戦コナミグループ杯五番勝負(主催:共同通信社、日本将棋連盟、特別協賛:コナミホールディングス)が開幕する。愛媛新聞社主催の第1局は2月8日(日)、愛媛県松山市の「道後温泉ふなや」で行われる。第1局の共催は松山市。対局開始は9時。持ち時間は各4時間。12時から13時が昼食休憩。立会人は井上慶太九段、現地大盤解説は山崎隆之九段、ゲスト解説はその師匠の森信雄七段、聞き手は山根ことみ女流三段、記録係は生垣諒人三段(井上九段門下)がそれぞれ務める。先後は第1局につき、藤井の振り歩先の振り駒で決定する。 *対局当日の朝、松山市は雲が広がるものの青空も見られた。予報は曇りのち雪。日中は3度までしか上がらず、全国的に寒波に見舞われるようだ。増田は8時38分に早くも入室。深緑の着物に紺の羽織、濃いグレーの袴を身に着けている。着座するとグラスに水を注いで口に運ぶ。緊張の第1局となる一方、リラックスしているような表情も見せた。盤側に関係者がそろい、藤井は8時45分に入室。白い着物に淡い緑の羽織、グレーの袴姿で本局に臨む。8時47分に一礼が交わされ、藤井が駒箱から駒を取り出す。駒を並べ終えると井上九段の発声で生垣三段が振り駒を行う。白布を広げ、藤井陣から歩を5枚取り、よく振って白布の上に散らす。歩が4枚出て藤井の先手に決まった。本シリーズは奇数局が藤井の先手、偶数局が増田の先手となる。 * *【主催:共同通信社】 *https://www.kyodo.co.jp/ *【第1局主催:愛媛新聞】 *https://www.ehime-np.co.jp/online/information/kiosen/ *【松山市】 *https://www.city.matsuyama.ehime.jp/ *【特別協賛:コナミホールディングス】 *https://www.konami.com/ja/ *【第51期五番勝負開幕】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/51-35cb.html * *(棋譜・コメント入力=飛龍) *[棋譜表示の*はコメントつきの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] *【】内は中継ブログタイトルならびにリンク 1 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *定刻の9時になり、井上九段が対局開始を告げた。藤井はお茶を飲み、手を拭いてから▲2六歩と飛車先の歩を突く。 * *【本日9時から第1局】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-ff4c.html *【対局開始(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-308a.html *【対局開始(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-3413.html *【対局開始(3)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-5438.html 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *増田は静かに一拍置き、△8四歩と追随した。 3 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *◆藤井 聡太(ふじい そうた)棋王(竜王・名人・王位・棋聖・王将)◆ *2002年7月19日生まれの23歳、愛知県瀬戸市出身。杉本昌隆八段門下。2016年、四段。2021年、九段。棋士番号は307。 *タイトル戦登場は36回。獲得は竜王5期(永世竜王)、名人3期、叡王3期、王位6期(永世王位)、王座2期、棋聖6期(永世棋聖)、棋王3期、王将4期の計32期。棋戦優勝は12回。 4 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *◆増田 康宏(ますだ やすひろ)八段◆ *1997年11月4日生まれの28歳、東京都昭島市出身。森下卓九段門下。2014年、四段。2024年、八段。棋士番号は297。 *タイトル戦登場は2回。棋戦優勝は2回。 5 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *▲7六歩と角道を開ける。前後して盤側の関係者が対局室を出ていった。 6 7二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *立会人の井上九段まで引き揚げたところで△7二銀と立つ。前日の戦型予想は振り駒の結果を踏まえた回答が得られ、増田先手の場合は井上九段が角換わり、山崎九段が相掛かり、山根女流三段が矢倉と別々の戦型が挙がる一方、藤井が先手の場合は3人とも角換わりの予想だった。本局は角換わりにはならないかもしれない。増田は昨日の愛媛新聞社の取材で、定跡ではない形で勝負したいと話していた。 7 7八金(69) ( 1:00/00:01:00) *藤井の本年度成績は32勝9敗(0.780)。対局数ランキング10位、勝数ランキング4位タイ、勝率ランキング3位、連勝ランキング6位タイ。 *通算成績は436勝92敗(0.826)。 8 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *増田の本年度成績は23勝11敗(0.676)。勝数ランキング16位タイ、勝率ランキング20位、連勝ランキング6位タイ。 *通算成績は330勝169敗(0.661)。 * *【藤井棋王の先手で対局開始】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-9e5b.html 9 3八銀(39) ( 3:00/00:04:00) *対戦成績は藤井10勝、増田1勝(1千日手)。本棋戦の顔合わせはこれまで前期の五番勝負のみで藤井の3戦3勝(1千日手)。両者の対戦も前期五番勝負以来となる。両者の初対戦は藤井がデビュー直後から無傷の29連勝を達成し、歴代連勝記録の更新を果たした一局でもあった。翌年、次に顔を合わせた際には増田が雪辱を果たしている。直近は藤井が9連勝中。 10 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *△7四歩と突き、現局面で前例を離れた。直前に△1四歩と突いた効果で▲2四歩△同歩▲同飛には△7三銀と、突いたばかりの歩を守れる。以下、▲2三歩に△1三角で角は捕まらない。用意してきた作戦か、増田は現局面まで持ち時間を使わず、前手で3分使った藤井はさらに手を止める。昨日の愛媛新聞社の取材では、増田は終盤に持ち時間を残して戦いたい旨を述べた。 * *※局後の感想※ *増田「この指し方は、やってみたかったです。力戦調になるので、どういう展開になるか予想しづらいですが、それなりに使える作戦だと思っていました」 *▲3六歩だと△7三銀から激しい展開も含みとなる。成算を持てなかった藤井は避けたが、口頭で検討すると先手も戦える変化があり、考えられたようだ。また、▲4六歩にも言及されたが、藤井は「さえない」、増田も「主張がある」と先手が自信を持てる変化ではない。 11 1六歩(17) (11:00/00:15:00) *11分の考慮で1筋の歩を突き合う。将来的に▲1五歩と端を争点にする含みがある。着手した藤井は羽織を脱ぎ、席を外した。 * *※局後の感想※ *藤井「▲1六歩が微妙に余計ですかね」 12 7三銀(72) ( 2:00/00:02:00) *控室に山崎九段、続いて山根女流三段が顔を出す。 *「端を突き合って△7三銀とする形は珍しいですね。7三銀型は△1四歩と突かないで△7四歩に、▲2四歩から横歩を取らせる指し方が多いです。端歩を突く場合は△6四歩〜△6三銀のほうが多い印象ですね」(山崎九段) * *※局後の感想※ *▲3六歩は△8五歩▲3七桂△8六歩▲同歩△同飛▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2九飛△7六飛が考えられ、増田は後手としてはしょうがないと考えていた。藤井は先手がさえないという。 *藤井「そうか、横歩取りを狙われているのですか」 * *【増田八段の工夫】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-d0bd.html 13 2四歩(25) (11:00/00:26:00) *冬のオリンピック、ミラノ・コルティナ大会の開会式が行われた日本時間の昨日、藤井は鉄道で、増田は飛行機でそれぞれ松山入りし、両者は14時30分から検分に臨んだ。盤駒や照明、室温の具合などを確かめている。駒は日本将棋連盟松山坊ちゃん支部の児島有一郎さん所蔵のものが3組用意され、1組目に出されたものですんなり決まった。道心師作の昇龍斎書が選ばれ、児島さんと山根女流三段の共同所有の駒だという。また、照明は暗くすることもできたが、最も明るく照らすことで特に支障なく終了している。 * *【特急しおかぜと藤井棋王】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-1cc1.html *【検分(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-a556.html *【検分(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-bd89.html *【検分(3)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-202b.html 14 同 歩(23) ( 0:00/00:02:00) *前日18時からは、ANAクラウンプラザホテル松山で前夜祭が行われた。抽選会では両者は自らクジを引き、直筆のサイン色紙を参加者の方に贈呈している。ともに愛媛県を訪ねるのは今回が初めて。前夜祭では中村時広知事が登壇して挨拶し、両者はそれぞれ印象を語った。 * *【前夜祭(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-b995.html *【前夜祭(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-8f9f.html *【前夜祭(3)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-5d4f.html *【前夜祭(4)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-8889.html *【愛媛県庁公式ホームページ】 *https://www.pref.ehime.jp/ 15 同 飛(28) ( 0:00/00:26:00) *本局の観戦記は池田将之指導棋士五段が執筆する。共同通信社と契約新聞社の21紙に予選から五番勝負の観戦記を配信しており、掲載紙は以下のとおり。河北新報、下野新聞、千葉日報、新潟日報、信濃毎日新聞、山梨日日新聞、静岡新聞、北日本新聞、北國新聞、京都新聞、日本海新聞、山陰中央新報、山陽新聞、中国新聞、愛媛新聞、高知新聞、佐賀新聞、長崎新聞、熊本日日新聞、南日本新聞、沖縄タイムス。また、共同通信社では以下のページで本局の様子を随時更新していく。 * *【第51期棋王戦五番勝負】 *https://digital.kyodonews.jp/shogikio/ 16 2三歩打 ( 0:00/00:02:00) *本局は愛媛新聞創刊150周年記念事業として開催された。愛媛県で本棋戦が行われるのは2016年2月の第41期五番勝負第1局以来の10年ぶりとなる。渡辺明棋王に佐藤天彦八段(肩書・段位は当時)が挑戦するシリーズだった。 * *【第51期棋王戦コナミグループ杯第1局】 *https://www.ehime-np.co.jp/online/information/kiosen/ 17 2八飛(24) ( 0:00/00:26:00) *本局の協賛には伊予銀行、杉住宅、ダイキアクシス、ハッピーファーマシー、山田屋がそれぞれつく。 * *【伊予銀行】 *https://www.iyobank.co.jp/ *【杉住宅】 *https://www.sugibuild.com/ *【ダイキアクシス】 *https://www.daiki-axis.com/ *【ハッピーファーマシー】 *https://www.happy-pharmacy.com/ *【山田屋】 *https://shop.yamadayamanju.jp/ 18 8五歩(84) ( 2:00/00:04:00) *本局は8時30分から23時までABEMAで動画配信している。解説は佐藤康光九段、井出隼平五段、聞き手は伊藤沙恵女流四段、脇田菜々子女流初段。 * *【ABEMA番組表】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/EgTokf7sHRrt1m *【ABEMAオンエア】 *https://abema.tv/now-on-air/shogi *【大盤解説会・動画配信】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-f5d3.html 19 2七銀(38) ( 2:00/00:28:00) *▲2七銀と右銀を繰り出す。▲2六銀〜▲2五銀〜▲2四歩と攻められれば2筋を突破でき、後手は目標にされそうな角を△3四歩からさばくことで回避できる。 *「シンプルにいきました。強制的に角道を突かせる作戦です」(山崎九段) 20 3四歩(33) ( 8:00/00:12:00) *8分考え、注文どおりに△3四歩と突くのは仕方なかった。山崎九段は増田の研究から外れた可能性に言及する。 * *【朝の控室】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-c389.html 21 3六銀(27) ( 1:00/00:29:00) *10時頃、▲3六銀までの消費時間は▲藤井29分、△増田12分。両者に午前のおやつが用意され、藤井は夕しぼり瓶詰めミルクチーズケーキとホットストレートティ、増田はかんきつの盛り合わせ、ポンジュース。増田は再び手を止めた。2筋を手厚く守るなら△8八角成▲同銀△2二銀だが、▲7七銀が間に合って先手だけ飛車先交換できたことになる。そうなれば後手に主張が乏しいかもしれない。 * *【10時のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/10-b3b0.html 22 8六歩(85) (15:00/00:27:00) *15分考え、増田も飛車先を換えにいく。得意の相掛かりを後手番で挑む。▲8六同歩の一手に見えるが、藤井は少考する。記録係に何分使ったかを尋ね、「3分です」の答えが返ってきたところで盤上に手を伸ばす。増田はおやつを食べにいったのか、席を外している。現局面の類型に先後逆だが、後手の手番の将棋が1局あった。先に飛車先を交換した先手が再び▲2四歩(本局になぞらえれば△8六歩)と合わせて手損し、実質的に本局と同じ局面になっている。2018年4月、第59期王位戦挑戦者決定リーグ白組の▲野月浩貴八段−△佐々木大地四段戦(段位は当時)で、△2四同歩▲同飛△4二玉▲5八玉△5二金▲3八金△8五銀(本局になぞらえれば▲8六同歩△同飛▲6八玉△5二玉▲5八金△7二金▲2五銀)と進行した。鎖鎌銀を出した後手が勝っている。 23 同 歩(87) ( 3:00/00:32:00) *現地大盤解説会の解説陣が会場に向かった。ゲスト解説を務める森信七段は愛媛県東部の伊予三島(現四国中央市)出身。名伯楽として知られ、現役棋士は山崎九段以下13人、現役女流棋士は4人の弟子を持つ。また、聞き手の山根女流三段は松山市出身の地元女流棋士となる。大盤解説会は松山市立子規記念博物館で12時30分開場、13時開始だが、すでにチケットは売り切れている点にはご注意いただきたい。 24 同 飛(82) ( 7:00/00:34:00) *松山市は愛媛県の中央部、松山平野に位置する。瀬戸内海に面しており、気候は温暖な瀬戸内気候で過ごしやすい。人口は50万人に迫り、四国最大規模を誇る。道後温泉や松山城など観光資源にも恵まれ、文豪、俳人として名高い正岡子規を輩出した。出身の現役棋士には黒田尭之五段がいる。道後温泉は日本最古の温泉の1つとして名高い。足に傷を負った白鷺が連日足を浸したところ、癒えたという白鷺の伝説で知られる。道後温泉ふなやは老舗温泉旅館で創業400年に迫る歴史を持つ。紙幣の肖像に使われた人物も投宿しており、日帰り入浴も楽しめる。 * *【松山市の位置・気候・地形・人口】 *https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/matsuyama/iti.html *【道後温泉ふなや】 *https://www.dogo-funaya.co.jp/ *【道後温泉(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-e16f.html *【道後温泉(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-5ac2.html *【道後温泉(3)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-3998.html 25 8七歩打 ( 4:00/00:36:00) *藤井は先端の研究に余念のない居飛車党で序、中、終盤にわたって隙がない。特に終盤の力は図抜けている。 26 8四飛(86) ( 0:00/00:34:00) *増田は居飛車党で相居飛車の戦型は幅広く指す。中盤の戦いがうまく、終盤に入る前に差をつけて勝ちきる展開を得意とする。 * *※局後の感想※ *増田は▲2五銀△8八角成▲同銀△2二銀▲3四銀△7五歩▲4三銀成△同金▲3二角の変化を挙げた。藤井は否定的で以下、△4二金▲2一角成△3三角を示す。続けて▲6五馬△6四銀▲5六馬△5五銀▲4五馬の順はさえないと見たようだ。増田は▲3四桂が残る点を気にした。 *藤井「難しいかもしれませんが、こちらが指せるという線はあまりないのかなと思ったのですが」 27 6八玉(59) (30:00/01:06:00) *11時頃、▲6八玉までの消費時間は▲藤井1時間6分、△増田34分。30分の考慮で▲6八玉と上がった。 *「玉には玉で(1)△5二玉でしょうかね。(2)△4二玉だと先手の銀に近いですから。▲4五銀△7五歩▲同歩が自然かと思いましたが、何か強く戦うような気になる順があったのでしょうね。先手はいずれ▲4五銀か▲2五銀か出ていかないと顔が立たないと思います。(3)△6四銀は指したらいけません」(井上九段) *▲2二角成△同銀▲9五角から飛車を取られてしまう。 * *【穏やかな序盤戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-2320.html 28 7五歩(74) (29:00/01:03:00) *29分考え、増田は後手番ながら積極的に手を出していく。前期挑戦者の増田は今期、挑戦者決定トーナメントのベスト16から出場した。初戦から高見泰地七段、吉池隆真四段、糸谷哲郎八段、斎藤明日斗六段をそれぞれ破り、勝者組を制して挑戦者決定二番勝負に進出。さらに敗者復活戦を勝ち上がってきた斎藤明六段を二番勝負の初戦で下し、負けなしの5連勝で2期連続の五番勝負に挑む。 29 同 歩(76) ( 0:00/01:06:00) 30 7二金(61) ( 0:00/01:03:00) *7筋に突き捨てを入れ、金を上がって左右にバランスを取る。ABEMAではスタジオの佐藤康九段、脇田女流初段と、大盤解説会場に先入りしている山崎九段、山根女流三段を結んで互いに言葉を交わす。山崎九段は後手は(玉の位置を整えたあと)△6四銀〜△7五銀の含みがあり、先手は3六の銀をどのタイミングで活用するかが序盤のポイントだと解説した。 * *※局後の感想※ *▲1五歩△同歩▲1三歩は脅威的でないと両者は一致している。 31 4六歩(47) (18:00/01:24:00) *18分の考慮で▲4六歩と突く。継ぎ盤では代えて▲4五銀△5二玉の局面で手が止まっていた。 *「▲4六歩と突かずに▲4五銀〜▲5六銀はいい形なのかもしれませんが、▲4七銀と引くのはいい形なんでしょうか」(井上九段) *3八にいた銀が2七と3六を経由して4七にくれば手損となる。井上九段は互いに右銀の活用がポイントになると解説した。代えて▲4五銀の類型があるのではないかという。9筋の突き合いも入った類型でその局面が1局指されており、的中している。2002年2月、第15期竜王戦6組ランキング戦の▲小林宏六段−△橋本崇載四段戦(段位は当時)で△3五歩▲5八金△5二玉▲4六歩△2四飛▲2五歩△8四飛▲5六銀と進行した。両棋士はすでに現役を退いている。結果は先手の勝ち。 32 5二玉(51) ( 0:00/01:03:00) *この局面で定刻の12時になり、昼食休憩に入った。△5二玉に対して藤井が使った時間は13分。消費時間は▲藤井1時間37分、△増田1時間3分。昼食のメニューは藤井が鯛にゅうめん、霧の森大福、新宮茶、増田が南予風鯛めし、新宮茶。対局は13時から再開される。 * *【昼食休憩】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-bc24.html *【対局者の昼食】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post.html 33 4五銀(36) (17:00/01:41:00) *13時になり、対局再開。数分して藤井は右銀を4五に進出した。△6四銀に▲3四銀を見せ、相手の銀の進出を牽制している。継ぎ盤では△8六歩▲同歩△同飛▲5六銀△7七歩が並ぶが、▲7七同金がありそうとされた。△7七同角成に(1)▲同玉△8七金▲6八玉△8八金▲7七角で後手はなかなかうまくいかない。井上九段は(2)▲7七同桂もありそうだと解説する。 * *【対局再開】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-2985.html 34 3五歩(34) (17:00/01:20:00) *17分考え、△3五歩と伸ばす。いずれ飛車の横利きが止まった際、取られないようにしている。 35 5六銀(45) ( 9:00/01:50:00) *10分近い考慮で振り上げた拳を収めた。手数をかけて腰掛け銀に構える。継ぎ盤には△6四銀▲6六角△7六歩▲8八銀△6六角▲同歩△7五銀▲6七銀△3三桂▲5八金の順が並ぶ。浮き飛車からこの順のように右銀を繰り出す攻めは、中原誠十六世名人が得意としていた。井上九段は何度も指したと懐かしむ。中原十六世名人の現役時代、井上九段は10局対戦して6勝4敗の成績を残す。20年前、2006年7月の第32期棋王戦挑戦者決定トーナメントが本棋戦で唯一の顔合わせで、両者の最後の対戦だった。結果は当時の井上八段の勝ち。 * *※局後の感想※ *藤井は先手番として消極的な展開になってしまい、自信を持てなかったという。 *藤井「一手一手難しいと思っていましたが、組み合わせが悪くて序盤は失敗したと思っていました」 36 6四銀(73) ( 6:00/01:26:00) *ならばと6分考えて銀を進出し、△7五銀を見せる。対して藤井は時間を使う。14時を前に記録係に何分考えたかを尋ねる。タイトル戦の中では持ち時間が少ない棋戦だからか、尋ねる頻度が高いようだ。 *14時頃、△6四銀までの消費時間は▲藤井1時間50分、△増田1時間26分。藤井は20分以上、考えている。 37 7四歩(75) (29:00/02:19:00) *30分近い考慮で▲7四歩と突き出した。増田は席を外しており、その間の着手。藤井も着手後に記録係から棋譜を受け取り、それから席を立つ。 38 同 飛(84) ( 4:00/01:30:00) *席に戻った増田、4分を費やして素直に△7四同飛と差し出された歩を取る。井上九段がゲスト登壇のため大盤解説会場に向かった。 * *【大盤解説会(1)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-bb6b.html *【大盤解説会(2)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-4f6e.html *【大盤解説会(3)】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-ce72.html 39 2二角成(88) ( 0:00/02:19:00) 40 同 銀(31) ( 0:00/01:30:00) 41 8八銀(79) ( 0:00/02:19:00) *相手の飛車が7筋にきたところで角を換え、左銀を活用する。 42 7三桂(81) (17:00/01:47:00) *17分考え、右桂を跳ねた。7筋に歩が立つ形で五段目に跳ねれば攻めに活用しやすい。 * *※局後の感想※ *増田「桂ですよね」 *藤井「ええ」 43 6六歩(67) ( 1:00/02:20:00) *歩を6五に利かせ、△6五銀▲同銀△同桂の筋を防ぐ。 44 3三桂(21) (27:00/02:14:00) *15時頃、△3三桂までの消費時間は▲藤井2時間20分、△増田2時間14分。両者に午後のおやつが用意された。藤井は山田屋まんじゅう、新宮茶、ポンジュース、増田は霧の森大福、ホットコーヒー。それぞれの控室に運ばれる。増田は27分の考慮で左の桂を跳ねた。左右の桂を4五、6五に跳ね出し、先手なら5三、後手なら5七を狙う攻めは実現すれば強烈だが、藤井は4六と6六に歩を突いて備えている。単純にヒットするような攻めはまだ見えない。 * *【15時のおやつ】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/15-43b0.html 45 9六歩(97) (13:00/02:33:00) *13分の考慮で▲9六歩と突く。「難しいですね」と井上九段。代えて▲5八金は△3六歩▲同歩△3八歩の筋があったか。▲3八同飛なら△2七角から馬を作られる。 *「△9四歩と突き合うなら得と見たのでしょうが、得なんかな。感想戦で聞いてみたいですね」(井上九段) *△9五歩の攻め筋も生じ、「お互い様」の発言も聞かれた。 * *※局後の感想※ *藤井は前手△3三桂の局面で「困っているかなと」と話す。▲5八金なら△3六歩以下、上記のとおりに馬を作られる。先手が反撃できない形だと指摘した。増田は現局面、「△9四歩は明らかにこっちが損なので」と本譜を選んだ。 46 7五銀(64) (23:00/02:37:00) *23分考え、手番を生かして攻めにいく。飛車の横利きを通しながら銀を進出した。継ぎ盤には▲6七銀△6四飛▲7七銀△8八歩▲同金△7六歩▲同銀直△6六銀▲同銀△同飛▲6七銀打△4六飛▲4八歩の順が並ぶ。 *「進行の一例です。難しいですね」(井上九段) 47 6七銀(56) ( 8:00/02:41:00) 48 7六歩打 ( 0:00/02:37:00) *前手、自然な▲6七銀に藤井は8分使った。対して増田はノータイムで、じっと拠点を設けておく。 *「これは意外でした」(井上九段) 49 5八金(49) ( 9:00/02:50:00) *16時頃、▲5八金までの消費時間は▲藤井2時間50分、△増田2時間37分。10分近い考慮で右金を上がり、玉形を引き締める。井上九段は先手玉が堅くなり、後手は自ら攻める展開になったとしても、玉が薄い点に気を使わなければならない点を指摘した。増田は左手の人差し指をこめかみに当てて考える。 * *※局後の感想※ *このタイミングの▲5八金については「金ですよね」と両者は合意。対して△6四歩が突きづらいのも、共通認識だった。 * *【長期戦の予想】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-87d6.html 50 6四飛(74) (18:00/02:55:00) *18分考えて飛車を寄り、6六の地点を狙う。銀を7五に進出したからには自然な一手となる。ABEMAでは井上九段と、スタジオの佐藤康九段、井出五段とをつないで見解を交わす。35手目コメントに記したような、中原十六世名人の将棋は先手が浮き飛車にして右銀を繰り出していた。井上九段は本局、先後を逆にしたような形と指摘するが、そのような背景が考えられる。当時の将棋と比べ、後手の手が進んでいる印象だという。先手は右銀が3八から5六にくるまで2七、3六、4五を経由した分、手損している計算になる。とはいえ、手が進んでいるほうも具体的に形勢のよさに結びつける順は見えづらい。 * *※局後の感想※ *藤井「この局面はちょっと悪いかなという気がしたのですが。もうちょっとうまくやるんですかね」 *増田「▲5六角か▲7九玉、どちらかかなあと思っていました」 *藤井は▲7九玉だと壁形がひどく、見た目が悪いと指摘。後手はさまざまに手段が考えられ、一例として△3六歩▲同歩△3八歩で指せる。 51 5六角打 (14:00/03:04:00) *14分の考慮で筋違い角を据えた。▲7四歩が含みになる。 * *※局後の感想※ *藤井「何か、考えても何も浮かばない気がして」 *増田「角って自然ですよね」 *前手コメントのとおり、予想した手だった。 52 3六歩(35) ( 2:00/02:57:00) 53 同 歩(37) ( 1:00/03:05:00) 54 5五角打 ( 1:00/02:58:00) *3筋に突き捨てを入れて飛車のコビンを開けさせ、天王山に角を放つ。6六の地点に加圧しつつ、△4六角の飛車取りを見せている。 * *※局後の感想※ *増田「△3六歩▲同歩△5五角も成立するか分からなかったんですが」 *藤井は気の利く手がないと思ったという。▲4七金には増田は△3八歩や△6六銀を考えていた。確かに△3八歩があれば先手は▲4七金とは上がりにくそうとの結論に落ち着く。 55 7四歩打 ( 8:00/03:13:00) *8分考え、桂取りに歩を打って反発した。△8五桂に▲8六歩と引っ張り込めば激しくなる。 56 8五桂(73) ( 0:00/02:58:00) 57 8六歩(87) ( 0:00/03:13:00) *桂取りに歩を突き出す。(1)△7七歩成▲同桂△同桂成▲同銀△7六歩▲同銀直△6六銀▲同銀△同飛▲6七銀△5六飛▲同銀△9九角成は▲7三歩成の反撃が厳しそうだ。△7三同金に▲7一飛で、4三から6三まで歩が並んだままの後手玉が狭い。(2)△8六同銀でどうなっているのか。継ぎ盤には▲7六銀△4六角▲1八飛△7七歩▲同桂△同桂成▲同銀△同銀成▲同金△2四飛▲2五歩△同飛▲4四歩△7五歩▲6五銀の順が並ぶ。どこまでいっても難しい。検討では新たに(3)△8七歩▲同金△6六銀が挙がった。▲6六同銀△同飛▲6七銀△6四飛と進めば次に△4六角が厳しいようだ。 *17時頃、▲8六歩までの残り時間は▲藤井47分、△増田1時間2分。増田は15分ほど考えている。 * *※局後の感想※ *増田「△8六同銀は無理なので、本譜はしょうがないですよね」 58 4六角(55) (20:00/03:18:00) *20分の考慮で飛車取りに角を出た。左右両にらみの状態から一方に限定するため決断を要する。 59 1八飛(28) ( 0:00/03:13:00) 60 7七歩成(76) ( 0:00/03:18:00) *黙って▲8五歩を許せば桂損になってしまう。歩を成って清算を図った。 61 同 桂(89) ( 0:00/03:13:00) 62 同 桂成(85) ( 0:00/03:18:00) 63 同 銀(88) ( 0:00/03:13:00) *残り時間が1時間を切っている両者、互いにノータイムで指し手が進む。双方の駒台に桂がのった。 64 2四飛(64) ( 0:00/03:18:00) *手薄な2筋に飛車を回る。2九には角が利いているが、△2八角成から飛車を入手する順や、じっと竜を作る△2七飛成を見せた。先手も桂を持っており、▲2五歩△同飛▲4四桂△同歩▲3四角といった筋も目につく。 * *※局後の感想※ *藤井「これがどれくらい痛いのかよく分かっていなかったのですが、もしかしたら痛いんですか」 *増田は何を指されるか、分かっていなかったと明かす。 65 2五歩打 ( 5:00/03:18:00) *5分考え、飛車の頭をたたいて位置を変えにいった。△2五同飛に▲4四桂△同歩▲3四角△4三桂▲2五角△同桂はそこでいい手段があるかどうか。単に▲3四角も考えられる。 66 同 桂(33) ( 2:00/03:20:00) *代えて△2五同飛は▲3四角が危険だったか、桂で応じた。飛車の利きが止まるだけに辛抱の一手となる。とはいえ、先手も△3七桂成などを見せられ、かゆい状態ではありそうだ。藤井は残り時間をつぎ込む。25分あまり考えたところで記録机のほうに視線を飛ばし、ため息をつく。例えば▲4七金なら角の逃げ場所は5五、6四、8二と3ヵ所あり、△1七桂成▲同桂△1九角成といった順も見える。読むべき変化は多く、そう簡単に見通しをつけられる局面ではなさそうだ。藤井は残り時間が10分になり、記録係に秒読みさせて指すことができるようになった。生垣三段が秒読みをどうするか尋ねると、すぐに始めてほしい旨を伝える。 * *※局後の感想※ *藤井「△2四飛に▲2五歩△同桂で対処を考えられなかったので、そのへんでバランスを崩してしまったのかなと思います」 *増田「変化が多くてどれを選ぶか難しかったのですが、時間を使いすぎると終盤に足りなくなるので、直感的に△2五同桂を選択しました」 *藤井「普通に困っている図でしたか(苦笑)」 *本譜には否定的だったが、次に△3七桂成が実現すれば押さえ込まれてしまう。「もうちょっと大変な何か」があると思ってしまっていたと明かした。 67 4七金(58) (32:00/03:50:00) *金を上がって角を追う。△1七桂成▲同桂△1九角成は▲同飛なら△2八飛成が王手飛車取りだが、▲2五歩△1八馬▲2四歩と飛車を取り合う順があり、先手も戦えるようだ。和服に着替えた井上九段が控室に戻ってきた。手始めに△8二角の変化が調べられる。▲2六歩△7六歩▲同銀直△同銀▲同銀△6四桂▲6七角△7六桂▲同角△7七歩▲同金△7五銀▲4九角△7六歩▲6七金△4四飛▲4五歩△同飛▲4六歩△同角▲5六銀は△3七桂成で後手の攻めが続く。 * *※局後の感想※ *増田「△1七桂成の人、いないですよね」 *藤井「▲同桂△1九角成▲2五歩で」 *増田「大変ですよね。悪いまである」 *藤井「見た目は負けかと思ったのですが、意外と分からないと」 68 5五角(46) (10:00/03:30:00) *18時頃、△5五角までの残り時間は▲藤井10分、△増田30分。10分考え、角を5五にかわす。△5五桂はなくなるが、△6四角と違って△6四桂の含みが残る。どこに角を逃げるかの比較は難しかった。 * *※局後の感想※ *藤井「▲6五角でした? 何か嫌だった気がするのですが」 *△6四歩▲5六角に△1七桂成や△2六桂が挙がる。 *藤井「そうか、やっぱりダメですね」 69 2六歩打 ( 1:00/03:51:00) *桂取りに歩を打つ。同時に相手の飛車先を重くした。 70 7六歩打 ( 0:00/03:30:00) *△6四桂の筋を頼りに7六で清算を図る。銀は逃げにくい、と井上九段。 71 同 銀(77) ( 0:00/03:51:00) *△6四桂の筋は見えやすいが、清算に応じるのは仕方なかったか。 72 同 銀(75) ( 0:00/03:30:00) 73 同 銀(67) ( 0:00/03:51:00) 74 6四桂打 ( 0:00/03:30:00) *増田は藤井が着手すると間髪をいれずに指す。時間攻めの狙いもありそうだ。両取りが決まり、駒得が約束された。増田の盤をにらむ表情は厳しく、自信を持っていそうでもある。 75 6五銀(76) ( 4:00/03:55:00) *銀を逃げ、角を差し出す。この銀が中段を押さえ、攻め駒としての役割を担いそうだ。 *「△5六桂▲同金に△1七桂成がピッタリの気がしますね」(井上九段) 76 5六桂(64) ( 2:00/03:32:00) 77 同 金(47) ( 0:00/03:55:00) 78 1七桂成(25) ( 0:00/03:32:00) *桂を成り捨て、飛車先を通す。▲1七同飛は△2八角成がある。▲1七同桂△3七角成▲3五銀から飛車を取られるが、△5九角の筋があるのも厳しい。 *「これはキツイですね」(井上九段) * *【厳しい桂成りが炸裂】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-e29a.html 79 同 桂(29) ( 0:00/03:55:00) 80 3七角成(55) ( 0:00/03:32:00) *角を成り込み、後手好調の流れとなった。▲2五歩△3四飛▲3五桂は「お茶を濁せているのかどうか」と井上九段。 * *※局後の感想※ *増田「角が成れたので、うるさいかなと思いましたが、(将来の)▲6五桂や▲4五桂で寄ってしまう形でした」 *このあたりは残り時間を意識していたようだ。 *増田「でも、直感で押そうと進めていました」 81 2五歩(26) ( 1:00/03:56:00) *飛車取りに歩を突き出す。逆に△2六飛から飛車までさばかれてはたまらない。△3四飛なら▲4五銀と飛車のタダ取りを狙うのか。 82 4四飛(24) ( 5:00/03:37:00) *5分使い、4筋にかわした。成り込みを見せ、さらに受けさせる。 83 4五歩打 ( 0:00/03:56:00) *歩を打って再び飛車を追う。△3四飛に▲3五桂〜▲5五桂で4三の地点を狙うのか。 84 3四飛(44) ( 1:00/03:38:00) 85 3五銀打 ( 0:00/03:56:00) *銀まで投入して飛車を狙う。代えて▲3五桂では△3六馬から根こそぎ取られるところだったか。 86 同 飛(34) ( 1:00/03:39:00) *飛車を切り、手番を握りにいく。 87 同 歩(36) ( 0:00/03:56:00) 88 7六歩打 ( 0:00/03:39:00) *先手玉を先回りし、△7六歩と垂らす。 *「よう分からんけど、センスを感じます」(井上九段) * *【後手が勝ちに近づく】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-3994.html 89 同 銀(65) ( 0:00/03:56:00) *歩を取り払う。▲6五桂と玉頭の5三から迫る順が嫌みか。 90 5九角打 ( 0:00/03:39:00) *ノータイムで角の王手を決めた。寄せの筋道が思い描けているか。 91 6七玉(68) ( 0:00/03:56:00) 92 7七歩打 ( 2:00/03:41:00) *金取りに歩を放つ。「これはキツイな」と井上九段。持ち歩の数を勘違いしていた。歩切れで△7七銀としても後手有望かと見られていたところに歩が利いている。 *「▲7七同金には△3六馬から飛車を取れば△6八飛までの詰みですからね」(井上九段) 93 7九金(78) ( 2:00/03:58:00) *金引きで辛抱。この金は6八の地点に利かしておく。しかし、△7八銀▲同金△同歩成▲同飛△7七銀の要領で押していくのが分かりやすそうだ。 94 7八銀打 ( 1:00/03:42:00) 95 同 金(79) ( 0:00/03:58:00) *井上九段は先手玉が上に逃げ出せない点を指摘する。 96 同 歩成(77) ( 0:00/03:42:00) 97 同 玉(67) ( 0:00/03:58:00) 98 7七金打 ( 3:00/03:45:00) *金で玉の頭を押さえた。▲8九玉△7八銀(1)▲同飛△同金▲同玉△5八飛に、(A)▲8七玉は△7七角成▲同玉△5九馬▲8七玉△6七馬▲9七玉△7九馬▲8七玉△8八馬までの詰み。(B)▲8九玉に△7七角成でいよいよ受けが難しい。(1)▲7八同飛に代えて(2)▲9八玉も詰みはないが、△7六金が△8七金までの詰めろになる。▲7八飛で金を取っても△8七銀▲8九玉△7八銀不成▲同玉△7七金▲8九玉△8八飛▲7九玉△6八角成までで詰む。 99 8九玉(78) ( 0:00/03:58:00) 100 1九馬(37) ( 0:00/03:45:00) *飛車を支える土台の香を取る。 *「詰めろではありませんが、自玉も詰めろがこないと見たのでしょうね」(井上九段) 101 3六桂打 ( 0:00/03:58:00) *▲3六桂と据え、▲4四桂打の継ぎ桂を見せた。間違えれば許さないの雰囲気を出す。 * *※局後の感想※ *増田「△1九馬で勝ちになったと思いましたが、▲3六桂を軽視していて、そこでまた難しくしたと思いました」 *本譜の進行で「ギリギリ残している感じ」だという。 102 3三銀(22) ( 3:00/03:48:00) *銀を上がって受けた。代えて△1八馬は7三への守りが減り、危なかったようだ。 103 4四桂打 ( 0:00/03:58:00) *「何や分かりませんが、いかなければあきません」(井上九段) *△4四同歩▲同桂△同銀に▲同歩が詰めろにならないだろうとの見解を示す。 104 同 歩(43) ( 0:00/03:48:00) 105 同 桂(36) ( 0:00/03:58:00) 106 同 銀(33) ( 0:00/03:48:00) 107 同 歩(45) ( 0:00/03:58:00) *▲4三銀からしばらく王手が続く形だが、控室では詰めろになっていないと見られている。 108 7六金(77) ( 1:00/03:49:00) *銀を取り、△7七桂▲7九玉△6七桂▲8八玉△8七銀▲9七玉△8八銀打▲同飛△同銀不成▲同玉△8九飛▲7八玉△8七飛成までの詰めろ。 *「これで何もないと思うけどな」(井上九段) * *※局後の感想※ *増田「△7六金と銀を取ったあたりでよくなったと思いました」 109 4三銀打 ( 0:00/03:58:00) 110 6一玉(52) ( 0:00/03:49:00) *代えて△4三同金は▲同歩成以下の詰みがあったようだ。最後まで油断はできない。 *藤井はこの局面での考慮中に一分将棋に入った。 111 4一飛打 ( 1:00/03:59:00) *19時頃、▲4一飛までの残り時間は▲藤井1分(一分将棋)、△増田11分。飛車の王手で合駒請求。後手は先手玉の詰めろが維持される合駒が求められる。 *「桂合いですね」(井上九段) 112 5一桂打 ( 0:00/03:49:00) *藤井の仕掛けたいくつかのワナをかいくぐり、いよいよ増田が抜け出したようだ。 113 5二銀打 ( 0:00/03:59:00) 114 7一玉(61) ( 0:00/03:49:00) *先手玉は△7七桂▲7九玉△6八銀▲8八玉△8九桂成▲同玉△8七香以下の詰めろが維持されている。 115 5一飛成(41) ( 0:00/03:59:00) 116 8二玉(71) ( 0:00/03:49:00) *読みきっていると見え、増田の着手は早い。 117 8四桂打 ( 0:00/03:59:00) *▲7二桂成△同玉(△8三玉は▲7三金△同馬▲同歩成△8四玉▲8一竜△7五玉▲6五金まで)▲8四桂△8三玉▲8一竜△8二馬▲同竜△同玉▲7三金△8一玉▲7二金までの詰めろをかけ、形を作った。△7七桂以下の詰みを防げていない。 118 7七桂打 ( 0:00/03:49:00) *△7七桂まで藤井が投了した。(1)▲7九玉は△6八銀に、(A)▲同飛は△同角成▲同玉△6七銀▲5九玉△3七馬▲4九玉△5九飛まで、(B)▲8八玉は△8九桂成▲同玉△8七香▲9八玉△8八香成▲同玉△7七銀成▲8九玉△7八銀▲同飛△同成銀▲同玉△7七金▲8九玉△8八飛▲7九玉△6八角成まで、(2)▲8八玉は△8七銀▲9七玉△8八銀打▲同飛△同銀不成▲9八玉△9七飛▲8八玉△8七飛成▲7九玉△8九竜まで、どのように応じても詰む。終局時刻は19時5分。消費時間は▲藤井3時間59分、△増田3時間49分。五番勝負は増田が先勝。第2局は2月21日(土)、北國新聞会館(石川県金沢市)で増田の先手で指される。 * *※局後の感想※ *増田は後手番ながら攻められる展開になったとまずまずの手応えを感じ、藤井は19手目▲2七銀と意欲的に銀を繰り出したものの早急に攻めかかることなく、本譜は序盤から自信を持てなかった。11手目▲1六歩に代えて▲3六歩は考えられる変化だったようだ。 *藤井「増田八段にうまく指されてしまって、なかなかチャンスを見いだせない展開になってしまいました」 *増田は対局環境が素晴らしく、とても集中して対局することができたと振り返る。 *増田「序盤は用意していた作戦で、かなり力戦調の将棋になるかなと思っていたのですが、よく分からない展開が続きました。中終盤はずっと難しいとは思っていたのですが、昨年の経験から時間がないと勝てないのはハッキリ分かっていたので、かなりスピード重視で進めて直感で押していったのが、結果的によかったのかなあと思います」 *感想戦は20時6分に終了した。 * *【増田八段が先勝】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-5927.html *【終局直後】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-bb10.html *【対局者が大盤解説会に出演】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-578f.html *【感想戦】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-10da.html *【ご観戦ありがとうございました】 *https://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2026/02/post-7785.html 119 投了 ( 0:00/03:59:00) まで118手で後手の勝ち