# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.09 棋譜ファイル --- 対局ID:7352 記録ID:5a97b0d080444d0004ba1eb9 開始日時:2018/03/11 09:00 終了日時:2018/03/11 17:53 表題:棋王戦 棋戦:第43期棋王戦五番勝負 第3局 戦型:角換わりその他 持ち時間:各4時間 消費時間:103▲178△239 場所:新潟・新潟グランドホテル 備考:昼休前48手目38分\n 振り駒:なし 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 昼食休憩:12:00〜13:00 昼休前消費時間:48手38分 手合割:平手   先手:渡辺明棋王 後手:永瀬拓矢七段 先手省略名:渡辺明 手数----指手---------消費時間-- *渡辺明棋王に永瀬拓矢七段が挑戦する第43期棋王戦五番勝負第3局(共同通信社・新潟日報社主催)は、3月11日に新潟市「新潟グランドホテル」で指される。五番勝負はここまで1勝1敗。持ち時間は各4時間。 *立会人は屋敷伸之九段。解説は佐藤紳哉七段。大盤解説の聞き手は中村桃子女流初段。記録係は関矢寛之三段(武者野勝巳七段門下)。 *ニコニコ生放送の解説・聞き手は田中寅彦九段、藤田綾女流二段。AbemaTVの解説・聞き手は深浦康市九段、高見泰地六段、山口恵梨子女流二段、飯野愛女流1級。 *永瀬は8時37分、渡辺は8時48分に対局室入り。両者、大橋流で駒を並べる。 *【囲碁・将棋 | 株式会社共同通信社】 *https://www.kyodo.co.jp/igo-shogi/ *【新潟日報モア】 *http://www.niigata-nippo.co.jp *【ニコニコ生放送】 *http://live.nicovideo.jp/gate/lv310006349 *【AbemaTV】 *https://abema.tv/channels/shogi/slots/DEGvxR3stSxfEo *(棋譜・コメント入力=銀杏) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手。【】はブログやリンクのタイトル] 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *◆渡辺 明(わたなべ あきら)棋王◆ *1984年4月23日生まれ、東京都葛飾区出身。所司和晴七段門下。2000年、四段。2005年、九段。棋士番号は235。 *タイトル戦登場は28回。獲得は竜王11期(永世竜王)、王座1期、棋王5期(永世棋王)、王将2期の計19期。棋戦優勝は9回。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *AbemaTVで高見泰地六段が「2手目に△8四歩とするか、△3四歩とするか注目です」と話しているところで、永瀬は△8四歩と指した。ここで関係者が退室する。 * *◆永瀬 拓矢(ながせ たくや)七段◆ *1992年9月5日生まれ、神奈川県横浜市出身。安恵照剛八段門下。2009年、四段。2017年、七段。棋士番号は276。 *タイトル戦登場は2回。棋戦優勝は2回。 3 2六歩(27) ( 1:00/00:01:00) *渡辺の2017年度の成績は19勝25敗(0.432)。 *対局数ランキング12位。 *本年度は竜王失冠、A級順位戦降級と厳しい状況。年度での負け越しもこれまでなかったことだ。苦しいがそれだけに棋王位は死守したい。 *通算成績は574勝304敗(0.654)。 4 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *■AbemaTV■ *高見泰地六段>角換わりになるのではないかと思います。 * *永瀬の2017年度の成績は39勝11敗(0.780)。 *対局数ランキング7位、勝数ランキング4位、勝率ランキング3位、連勝ランキング3位。 *通算成績は272勝109敗(0.714)。 5 7七角(88) ( 0:00/00:01:00) *過去の対戦成績は渡辺6勝、永瀬2勝。 6 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *棋王戦は1974年に設立。翌75年にタイトル戦となった。予選をトーナメントで行い、通過者とシード者で挑戦者決定トーナメントを戦う。 *本棋戦の特徴は、ベスト4以上は敗者復活戦(ダブルエリミネーション方式)を取り入れていること。ベスト4以上は2敗するまでは挑戦者になるチャンスがある。 *挑戦者決定戦は、本戦優勝者と敗者復活戦優勝者による変則二番勝負で、本戦優勝者は2局のうち1勝すれば挑戦権を得るが、敗者復活戦優勝者は2連勝が条件となる。棋王と挑戦者は2月から3月にかけて五番勝負を戦う。 *【囲碁・将棋|共同通信社】 *http://www.kyodo.co.jp/igo-shogi/ *【棋王戦中継サイト】 *http://live.shogi.or.jp/kiou/ 7 6八銀(79) ( 0:00/00:01:00) *■AbemaTV■ *高見泰地六段>▲6八銀は最近の流行です。以前は▲8八銀でしたが、後手が第1局のような雁木のときに、6八銀型のほうがすばやく動きやすいです。 * *本局の観戦記は内田晶さんが担当する。 *棋王戦の観戦記は以下の20紙に掲載される。 *河北新報、下野新聞、千葉日報、新潟日報、信濃毎日新聞、山梨日日新聞、静岡新聞、北日本新聞、北國新聞、京都新聞、日本海新聞、山陽新聞、中国新聞、愛媛新聞、高知新聞、佐賀新聞、長崎新聞、熊本日日新聞、南日本新聞、沖縄タイムス。 *【棋王戦掲載紙一覧】 *http://www.shogi.or.jp/match/kiou/#ancSponsorship 8 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *渡辺は前期に棋王5連覇を果たして、永世棋王の資格を得た。永世棋王の条件は5連覇のみで難易度が高い。渡辺のほかに羽生善治竜王が永世棋王の資格を得ている。 *【渡辺明棋王が史上2人目の「永世棋王」資格を獲得|日本将棋連盟】 *https://www.shogi.or.jp/news/2017/03/post_1531.html 9 7八金(69) ( 0:00/00:01:00) *永瀬は予選から勝ち上がって挑戦者になった。予選から挑戦者になった棋士は、これまで第23期の郷田真隆六段と第26期の久保利明六段がいる。 *なお、予選から挑戦者決定二番勝負に2回(第39期と第43期)進んだ棋士は永瀬が初めて。 *【第43期棋王戦決勝トーナメント】 *https://www.shogi.or.jp/match/kiou/43/honsen.html *【第43期棋王戦予選】 *https://www.shogi.or.jp/match/kiou/43/yosen.html 10 7七角成(22) ( 0:00/00:00:00) *新潟日報は1942年に新潟日日新聞、新潟県中央新聞、上越新聞の3紙が合併して誕生した。現在の発行部数は朝刊約45万部、おとなプラス(夕刊)約4万部。 *2013年1月に竣工した新潟日報メディアシップは、対局場の新潟グランドホテルからは、信濃川を渡ったところにあり、ホテルからよく見える。 *【新潟日報】 *http://www.niigata-nippo.co.jp/ 11 同 銀(68) ( 0:00/00:01:00) *本局が行われる「新潟グランドホテル」は1972年創業。87年にリニューアルオープンして現在に至る。市のシンボルである萬代橋のすぐ近くにある。 *萬代橋は信濃川にかかる橋。現在の橋は1929年に竣工。2004年に国の重要文化財に指定された。 *信濃川は幹川流路延長が日本で最も長い367km。 *【新潟グランドホテル】 *http://www.ni-grand.co.jp/index.php *【萬代橋|新潟市】 *https://www.city.niigata.lg.jp/shisei/seisaku/it/open-data/opendata-gazou/od-fukei/od-bandaibashi/index.html *【信濃川】 *http://www.hrr.mlit.go.jp/shinage/shinanogawa/index.html 12 2二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *新潟では1979年の第4期第3局から棋王戦対局が恒例。今回で37回目となる。新潟グランドホテルで棋王戦対局が行われるのは、3年連続10回目。 *渡辺の棋王戦新潟対局はこれまで4勝2敗である。 13 3八銀(39) ( 1:00/00:02:00) *本局は現地と関西将棋会館で大盤解説会が開かれる。 *現地は料金なし。解説・聞き手は佐藤紳哉七段と中村桃子女流初段。 *関西将棋会館は一般1500円(各種割引あり)。解説・聞き手は斎藤慎太郎七段と石本さくら女流初段。 *【現地大盤解説会】 *https://www.shogi.or.jp/event/2018/02/433.html *【関西将棋会館】 *https://www.kansai-shogi.info/%E9%81%93%E5%A0%B4/%E5%A4%A7%E7%9B%A4%E8%A7%A3%E8%AA%AC%E4%BC%9A/ * 14 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *新潟市は日本海側の最大の都市で、政令指定都市。人口は約80万人。2007年に現在の市域になった。 *戦前・戦後に活躍した小説家の坂口安吾の出身地。坂口は囲碁好きで碁会所を開いたこともあるが、将棋の随筆も書いている。特に木村義雄名人が塚田正夫八段に敗れた1947年の第6期名人戦を書いた「散る日本」はよく知られている。 *2009年から旧市長公舎を「安吾 風の館」として活用、研究やさまざまな展示をしている。2017年12月9日から18年3月25日まで「安吾 風の館」で企画展「安吾の将棋観戦記」が開催されている。 *【坂口安吾デジタルミュージアム】 *http://www.ango-museum.jp *【安吾の将棋観戦記】 *http://www.ango-museum.jp/info/event/ev_1712_01.html 15 4六歩(47) ( 0:00/00:02:00) *ここで9時10分。テキパキと指し手が進む。 *今日の新潟市は晴れ。ホテルから見える信濃川の川面がきらめいている。 *最高気温は9度と予報されている。 16 4二玉(51) ( 0:00/00:00:00) *本局の行われている3月11日は、東日本大震災からちょうど7年になる。渡辺は第36期棋王戦で五番勝負に初めて登場、当時の久保利明棋王に挑戦中。五番勝負の第3局と第4局の間に東日本大震災の東北地方太平洋沖地震が発生した。永瀬にとっては棋士2年目のころのことだ。 *新潟県は東北地方太平洋沖地震の翌日の長野県北部地震による被害が出た。また、福島県から避難した方が多かった。 17 4七銀(38) ( 0:00/00:02:00) *棋王戦五番勝負は第41期第4局から先手側が8連勝中だ。 *過去には第31期第2局▲森内俊之名人−△羽生善治棋王戦から第33期第5局▲佐藤康光棋王−△羽生善治二冠戦まで先手側が13連勝という記録がある。 *2017年度の渡辺は、後手番の成績が7勝16敗と極端に悪い。それが各棋戦で苦戦している原因でもある。竜王失冠、A級陥落の対局はいずれも後手番だ。 *ここは先手番局を制して、リードしておきたいところ。後手番の第4局を防衛にあと1勝の状況で迎えるか、カド番で迎えるかでは大きな違いがある。 *永瀬は先手番で19勝3敗、後手では20勝8敗。 18 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *流行している出だし。後手は早繰り銀や棒銀を含みにしている。本戦決勝の▲三浦弘行九段−△永瀬戦でも指され、そのときは永瀬が棒銀にして快勝。挑戦者に向けて大きな1勝だった。 *△7四歩は12手目に△4二銀ではなく△2二銀としたから可能な手だ。2二銀は壁銀だが、▲5五角を受けている意味もある。 19 3六歩(37) ( 3:00/00:05:00) *本局で使用されている駒は大竹竹風師作の錦旗書。 *竹風師は新潟県三条市在住の駒師。昨年は三条市で行われた第30期竜王戦第4局でも竹風師の駒が使用された。 20 7三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *【新潟へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-1857.html *【検分】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-42ac.html *【揮毫】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-17c1.html 21 6六歩(67) ( 0:00/00:05:00) *【前夜祭1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-a2ff.html *【前夜祭2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-3946.html *【前夜祭3】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-8aaf.html *【前夜祭4】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-836d.html *【前夜祭5】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-cb46.html 22 8四銀(73) ( 2:00/00:02:00) *先後は違うが、第2局も永瀬が角換わりから棒銀にした。 *【第43期棋王戦五番勝負第2局 ▲永瀬拓矢七段−△渡辺明棋王】 *http://live.shogi.or.jp/kiou/kifu/43/kiou201802240101.html?te=25 23 2五歩(26) ( 0:00/00:05:00) *攻め合いを目指す。ただし、すぐに▲2四歩△同歩▲同飛の歩交換をすると、△1五角の王手飛車取りで試合終了となる。▲1六歩や▲6八玉などの備えが必要だ。 *▲2五歩は渡辺の工夫の一手で、同一局面はない。▲2五歩に代えて▲9六歩と銀の進出を阻んだ対局は3局あった。△9五銀と出させていいという指し方が目新しいようだ。 24 3三銀(22) ( 5:00/00:07:00) *【朝の様子】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-b35b.html *【対局開始】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-445c.html 25 3七桂(29) ( 0:00/00:05:00) *棒銀で積極的な永瀬に対して、渡辺も▲2五歩から▲3七桂と攻撃的に進める。囲いに手をかけすぎず、コンパクトに固めて速攻を仕掛けるつもりだろうか。 *※局後の感想※ *「▲9六歩と受けた前例はあるが、このあたりは作戦だった」と渡辺。 26 9五銀(84) ( 5:00/00:12:00) *9時30分、永瀬の銀がずんずんと銀が出てきた。このまま△8六歩から銀交換できれば後手が成功だ。ここまでの消費時間は▲渡辺5分、△永瀬12分。 27 8八銀(77) ( 0:00/00:05:00) *棒銀に対する受けの手筋。△8六歩▲同歩△同銀に▲8七歩と追い払えるようにしている。銀交換を避けつつ、争点を8七にずらすことで後手の攻めに対応している。 *「互いに突っ張っていますね」と佐藤紳七段。 *永瀬は前傾姿勢で考えている。 28 8六歩(85) ( 8:00/00:20:00) 29 同 歩(87) ( 0:00/00:05:00) *渡辺は消費時間をほとんど使っていない。渡辺の予想していたとおりに進んでいるのだろう。 30 同 銀(95) ( 0:00/00:20:00) 31 8七歩打 ( 0:00/00:05:00) 32 9五銀(86) ( 0:00/00:20:00) *■AbemaTV■ *高見泰地六段>個人的にここでの先手の一手に注目しています。▲6八玉とするか、▲4八金とするか。 33 4八金(49) ( 0:00/00:05:00) *9時40分過ぎ、渡辺は▲4八金を指して席を外す。永瀬は棋譜を借りた。 *近年見られるようになった4八金型。飛車のコビンや5七を守る好形として多用されるようになった。以前は▲5八金と上がることが多かった。駒の配置がひとつ変わるだけで、全体のバランスや戦い方が変わってくる。 *■AbemaTV■ *高見泰地六段>バランスがいいと、一点集中の攻めに弱い面もあります。そういう展開にしないことが大事です。 *■AbemaTV■ *深浦康市九段>このような戦型で、以前谷川浩司九段が郷田真隆九段に▲4八金の1手で済ませて指した将棋がありました。 34 8四銀(95) ( 8:00/00:28:00) *棒銀を立て直す。端にいたままでは働かない。 *相居飛車の棒銀、居飛車対振り飛車の棒銀、いずれも柔軟に配置を変えていくのが大事だ。銀はフットワークの軽さが特徴でもある。 35 3五歩(36) ( 3:00/00:08:00) *9時54分、渡辺が▲3五歩と指すと、ニコニコ生放送で田中寅彦九段が「おー、やったよ」と声を上げた。 *▲3五歩を見て、控室では雑談モードだった屋敷九段と佐藤紳七段が継ぎ盤を並べ始めた。渡辺が居玉のまま歩をぶつけたことで、盤上盤外に緊張が走る。 *10時になり、対局者におやつが出された。渡辺はロールケーキとホットコーヒー。永瀬はカットしたバナナ2本とホットコーヒー。 *10時過ぎ、ニコニコ生放送に中村桃子女流初段が電話出演した。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>△3五同歩として、▲4五桂に普通は△4四銀ですね。「桂先の銀」は受けの形です。そこで▲7七桂としてみたいですね。もう1枚▲6五桂とできたら迫力がありますよ。 *■AbemaTV■ *深浦康市九段>渡辺棋王はこの一番のために用意してきた作戦だと思います。 *【10時のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/10-b3b0.html *【中村桃子女流初段が電話出演】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-ae8e.html *【お祝いのメッセージ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-6337.html *※局後の感想※ *「△7三銀と引かれると攻めがつながらない。いまなら▲5五角の筋がある」と渡辺。 36 同 歩(34) (14:00/00:42:00) 37 2四歩(25) ( 0:00/00:08:00) *渡辺の指し手が依然として早い。どこまで研究範囲かが注目される。 *△2四同銀は▲5五角が飛車香両取りになる。▲5五角が先手の狙い筋だ。 *佐藤紳七段は△2四同歩に▲4五桂△2二銀▲7七桂を示す。2枚目の桂も攻めに使っていく構想だ。 38 同 歩(23) ( 2:00/00:44:00) 39 4五桂(37) ( 0:00/00:08:00) *渡辺は▲4五桂を指して、おやつのロールケーキに手をつける。まず、おやつを攻略して、次は後手陣といったところか。永瀬もバナナを食べて栄養補給。 *「ここはどこに銀がいくか岐路ですね。角換わりで4九金・4八銀の形で▲4五桂と跳ねる将棋もありますが、そういう将棋より本局は先手が飛車を渡しにくい面がありますね。△2九飛とする手がいきなり王手になりますから」と佐藤紳七段。 *屋敷九段と佐藤紳七段は△2二銀▲7七桂△3三桂▲2四飛△2三歩▲2九飛という進行を調べている。「後手は全力で受け止められればよくなりそうです」と屋敷九段。 *【激しい戦い】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-dfe6.html 40 4四銀(33) (20:00/01:04:00) *10時30分過ぎ、永瀬は20分使って△4四銀とかわした。「桂先の銀、定跡なり」といわれる受けの形。ただし、「銀先の桂は歩のえじきにならない」という面もある。先手としては、桂を取られる心配がないのでホッとできるという見方もできるだろう。 *■AbemaTV■ *深浦康市九段>僕だと△4四銀は少し悔しいですね。 *高見泰地六段>引くと危ないとみたのでしょうか。微差ですけど、渡辺棋王の作戦がとおったように思います。 *※局後の感想※ *△2二銀は▲7七桂で▲6五桂を狙われるのが嫌。 41 2四飛(28) ( 1:00/00:09:00) *控室では、11時から始まる現地大盤解説会の最終打ち合わせをしている。佐藤紳七段と中村桃女流初段が担当する。すでに観戦者が訪れているそうだ。 *打ち合わせを終え、佐藤紳七段は大盤解説会に向けて、メンテナンスに余念がない。お楽しみにしていただきたい。 *【現地解説会1】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-6f74.html *【現地解説会2】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-fb6a.html 42 2二歩打 ( 9:00/01:13:00) *永瀬は低く歩を打つ。▲2二歩と打たれないようにし、▲5五角にも備えている。 *控室では▲7七桂が予想されている。以下△7三銀▲6五桂△6二銀▲2九飛という進行が一例。後手の棒銀が戻って受けに回る。 *※局後の感想※ *△2三歩は▲2九飛のあとに、▲2二歩△同金▲5三桂成(△同銀は▲5五角、△同玉は▲3一角)の筋が残る。 43 2九飛(24) (16:00/00:25:00) *11時前、渡辺は▲2九飛。この下段飛車と4八金の組み合わせが隙の無い好形だ。 *「△1五角の筋を消していて、渡辺棋王らしい落ち着いた手です」と屋敷九段。 *現地は大盤解説会が始まった。 *※局後の感想※ *「まとめづらい気がした」と永瀬。 44 8五銀(84) ( 6:00/01:19:00) *11時6分の着手。△8五銀までの消費時間は、▲渡辺25分、△永瀬1時間19分。後手は▲7七桂と跳ねられると、△8五銀と出られない意味もあった。ここで▲7七桂なら△7六銀と進出できる。 45 7七銀(88) ( 3:00/00:28:00) *二人の銀が屈伸した。 *▲7七銀と指した渡辺は腕を組んで背筋を伸ばす。永瀬は前傾姿勢だ。 46 7三桂(81) ( 5:00/01:24:00) *屋敷九段は△8六歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲8七歩△8二飛の銀交換を示していた。後手からは次に△6七銀▲同金△8七飛成という強襲がある。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>私の年代は▲6八玉ですけど、▲5八玉なのかなぁ。▲6八玉は4八金と離れるし、▲5八玉は7八金と離れるんですよ。 47 6八玉(59) ( 5:00/00:33:00) *11時21分の着手。ニコニコ生放送で田中寅九段が示していた▲6八玉だった。2九飛の利きを8九まで通した意味がある。屋敷九段に話を聞いた。 *屋敷九段「渡辺棋王が早い段階で動きました。永瀬七段の作戦を想定し、用意してきたのでしょう。 *局面が落ち着いて、これからどうなるか。4五の桂馬が生きているので、先手を持ってみたいと感じる棋士が多いと思います。▲3三歩や▲3四歩から3三に駒を打っていくなど、指し方がわかりやすいので楽な面があります。 *後手がどうまとめるか注目ですね。自陣に手を入れるか、攻めるか。ここはまた考えるでしょうね。後手は▲8六歩とされるのも気になるんです。▲8六歩△同銀▲同銀△同飛に▲9五角で7三の桂馬をとがめられてしまうかもしれません。なので、△9四歩とするかもしれません」 *永瀬は体を揺らして読みを入れる。消費時間に1時間20分ほどの差がついた。11時57分、永瀬は残り2時間を告げられた。 *永瀬が38分使って12時となり、昼食休憩に入った。消費時間は▲渡辺33分、△永瀬2時間2分。対局は13時再開。 *対局者の昼食は、渡辺が焼魚御膳。永瀬はお任せ寿司(さび抜き)、バナナ3本(カットしない)、ホットコーヒー。 *現地大盤解説会では、▲6八玉の局面で「次の一手」の問題が出された。候補手は(1)△5二金(2)△6二金(3)△5四角(4)その他。 *永瀬は12時47分には対局室に戻って考えている。渡辺もしばらくして戻ってきた。 *■AbemaTV■ *高見泰地六段>まだまだこれからですが、後手のほうが神経を使いそうです。 *【対局者の昼食】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-7632.html *【休憩中の対局室】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-eb76.html 48 7二金(61) (39:00/02:03:00) *13時1分、永瀬が金を手に持つ。ところが着手は△7二金。検討で出てこなかった指し手だ。控室では「7二!?」と声が上がった。「これは渡辺棋王も長考でしょう」という意見も。 *予想になかった手だが、本局のように早繰り銀模様から棒銀にして△7二金(▲3八金)と上がる発想は、青野照市九段が若手時代のころの将棋にある。青野九段は角換わりの大家である。 *■AbemaTV■ *深浦康市九段>うわぁー、これは当たらない。びっくりしましたね。 *【対局再開】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-2985.html *※局後の感想※ *「▲8六歩と突かれるわけにいかない」と永瀬。ただ、△6二金は▲8六歩△同銀▲7一角でつぶれてしまう懸念がある。 49 9六歩(97) (30:00/01:03:00) *▲9六歩は30分の長考。 50 5二玉(42) ( 3:00/02:06:00) *中住まいにするための△7二金だったようだ。3手一組の構想だった。なるほど、▲3三歩など、3筋の当たりからかわしている。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>先手が後手の弱点を突こうとするなら▲5六歩かもしれません。以下▲5五歩から▲5九飛と回るんです。3手かかるから悠長だと思えば違うことを考えます。 51 5八金(48) ( 2:00/01:05:00) *※局後の感想※ *△5四角の筋に備えている。 52 8一飛(82) (10:00/02:16:00) *地下鉄飛車が2路線開通した。 53 1六歩(17) ( 3:00/01:08:00) *「端歩は心の余裕」といわれる。互いに角で牽制しているので、うかつな手を指せない。間合いを詰めながら1筋の端攻めを含みにしている。 54 9四歩(93) (11:00/02:27:00) *14時2分の着手。△9四歩までの消費時間は、▲渡辺1時間8分、△永瀬2時間27分。 *永瀬も端歩を突く。局面が落ち着いて間合いを詰め合っている。先手はもう1手▲1五歩と端歩を動かせる。そのとき、後手はどうするか。 55 5六歩(57) (17:00/01:25:00) *14時23分、永瀬は残り1時間30分を告げられた。渡辺の残り時間は2時間35分。控室では▲1五歩△2三歩が予想されていた。先手は▲3四角から1筋や2筋を狙う。後手は△2三歩で▲3四角に△4一角や△2四角の受けを用意する。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>渡辺棋王としては、指し手がわかりやすいと思っているでしょうね。 *※局後の感想※ *△6四歩も示されたが、玉のコビンを開けるので指しにくい。 56 6二金(72) (10:00/02:37:00) *【萬代橋】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-2f80.html *【渡辺棋王と新潟】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-b86a.html *【坂口安吾 風の館】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-698f.html 57 5五歩(56) ( 4:00/01:29:00) *14時35分ごろ、観戦記者の内田晶さんが「▲5五歩としたらどうでしょうか」と話しているところで▲5五歩が指された。後手玉の急所を狙う本筋を感じさせる手だ。 *▲5五歩に△同銀は▲8六歩△同銀▲同銀△同飛▲5四歩△同歩▲9七角といった筋がある。飛車取りと▲5三銀の筋が厳しい。▲9七角に△8九飛成とできないのが2九飛型の効果。この筋が一般的になって、世界が広がったといえる。 *こうした変化を踏まえ、▲5五歩に△6四歩と突いて、▲9七角の筋を緩和する手が予想されている。 *永瀬は20分以上考えている。14時58分、おやつが出される前に永瀬は残り1時間を切った。 *【間合いを計る展開】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-3d74.html 58 6四歩(63) (24:00/03:01:00) *15時前に指された。ここまでの消費時間は▲渡辺1時間29分、△永瀬3時間1分。 *少しして対局者に午後のおやつが出される。渡辺はいちごのショートケーキとホットコーヒー。永瀬はカットしたバナナ3本、フルーツ、ホットコーヒー。 *永瀬は午前、午後のおやつと昼食で、バナナを合計8本分注文したことになる。頭脳スポーツ将棋を戦うアスリートといった感じがする。 *なお、バナナは日本では果物だが、アフリカでは料理用のバナナを主食としている国や地域もある。 *【15時のおやつ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/15-43b0.html 59 5四歩(55) (13:00/01:42:00) *3手連続で5筋の歩。ずんずんずんと伸びてきた。△5四同歩とさせれば、いつでも▲5三歩など5三に駒が打てるようになる。 *【渡辺棋王が動く】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-968f.html 60 同 歩(53) ( 2:00/03:03:00) 61 5三歩打 ( 0:00/01:42:00) *先手の符号は▲5六歩〜▲5五歩〜▲5四歩〜▲5三歩と続いた。歩の行進。これは珍しい。 *永瀬はうつむいて考え込むようなしぐさをする。 *先手は▲8六歩を切り札にしているので、後手は対応を誤ると大変なことになる。例えば△6三玉は▲8六歩△同銀▲同銀△同飛に▲4一角の痛打があって、後手は敗勢に陥る。▲8六歩から△8六同飛までの手順がセットなので、後手は飛車の横利きがあるようでないものと考えねばならない。 62 同 銀(44) ( 2:00/03:05:00) 63 同 桂成(45) ( 0:00/01:42:00) 64 同 玉(52) ( 1:00/03:06:00) *永瀬はバナナに手を伸ばす。後手は△5三同金だと▲7二銀や▲7二角の筋が生じるため、△5三同玉はこの一手だ。 *盤上から4四銀が消えて、後手陣が薄くなったように見える。具体的には▲2五飛から▲3五飛と軽快に動く手段が浮かぶ。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>ここで▲8六歩を決行するかどうかですね。▲8六歩△同銀▲同銀△同飛に▲4一角と打ってどうでしょうか。私の見立てでは、渡辺棋王が有利だと思います。ただ、8筋の関係は後手から△8六歩とくるところなので、自分から▲8六歩といきたくないところでもあります。それで▲2五飛から▲3五飛を狙っていくかもしれません。 65 8六歩(87) (16:00/01:58:00) *後手が銀交換を目指して棒銀を採用した。それなのに、先手のほうから「銀交換してください」とばかりに▲8六歩だ。渡辺は棒銀を否定しようとしているのか。 *※局後の感想※ *「▲3九飛も考えたが、直線的にいったほうがいいと思った」と渡辺。 66 8八歩打 ( 3:00/03:09:00) *永瀬は手筋を放つ。代えて△5五桂は▲5六銀△3八角に▲5五銀△2九角成▲5四銀△4二玉(△5四同玉は▲4五角が王手飛車取り)▲4五桂で先手よさそうと佐藤紳七段が検討していた。「△8八歩は勝負手という感じがします」と佐藤紳七段。 *15時40分過ぎ、AbemaTVに屋敷九段と中村桃女流初段がゲスト出演した。 *※局後の感想※ *(1)△8六同銀は▲同銀△同飛に▲5一銀が厳しい。 *(2)△5五桂は▲5六銀△3八角に▲5五銀△2九角成▲5四銀と攻めて先手よし。 67 8五歩(86) ( 4:00/02:02:00) 68 8九歩成(88) ( 0:00/03:09:00) 69 同 飛(29) ( 0:00/02:02:00) *地下鉄が東から西へ。 70 4四歩(43) ( 0:00/03:09:00) *渡辺はシンプルに応じ、永瀬は△4四歩と渋く受けた。▲5五歩△同歩▲5四銀△同玉▲4五角といった攻めを受けつつ、玉を広くして粘り強い。 *■AbemaTV■ *屋敷伸之九段>ここで一転△4四歩ですか。4、5手ザっと進みましたが、依然として先手有利でしょうか。銀銀と桂桂の交換ですから。ただ、飛車が向かい合っているのが不気味ですね。 71 8四歩(85) ( 7:00/02:09:00) *逆襲する渡辺。後手が棒銀をしていた面影がない。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>△8五歩だと▲8三歩成△同飛▲4一角が痛打です。なので、ここは△8五桂打でしょう。 *■AbemaTV■ *高見泰地六段>渡辺棋王の▲8四歩は▲8三歩成を見せて、後手に攻めさせようということだと思います。相手が無理な動きをしてくるところをいなしてリードしようという考えです。 *【先手駒得】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-39d9.html 72 5五桂打 ( 5:00/03:14:00) *常務理事として現地を訪れている森下卓九段は「三段目に玉がいて、永瀬流という感じがします」と話す。 *第1局は劣勢で最後は敗れたものの、入玉含みで粘って189手の熱戦になった。 *渡辺は扇子であおぎながら読みを入れる。 73 5六銀(47) ( 8:00/02:17:00) *渡辺は自然な指し回し。無理がない。 *「後手が苦しそうなので、複雑にしないといけないです」と屋敷九段。 74 8七歩打 ( 6:00/03:20:00) *16時13分、残り時間は▲渡辺1時間43分、△永瀬40分。 *「具体的な指し方をすると、はっきりしてしまいそうなので、こういう手で悩んでもらうということですね」と屋敷九段。 *渡辺は盤に近づく。 75 8三歩成(84) ( 4:00/02:21:00) *決めに出た。△同飛に▲4一角や▲7一角が厳しいようだ。 *永瀬は頭に手を当てた。しばらくして、うつむく。局面も残り時間も厳しい状況だ。考慮中に残り25分を切った。 *■AbemaTV■ *8筋が生命線なのですが、△8三同飛▲4一角△4二金▲7四角成となると、馬が強いので後手は飛車を押さえ込まれてしまいます。▲8三歩成は厳しいですね。 *勝負手を放ったときに的確に対応されるのは、とても困るんですよね。 *【先手優勢】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-05e5.html 76 同 飛(81) (16:00/03:36:00) *渡辺は△8三同飛を見て、スッと席を外す。 *控室では▲4一角に△2三角が示されるが、「人生焦らずで▲4五歩でどうでしょう」と森下九段。落ち着いて指されると、取りつく島もない。 *永瀬は扇子で激しくあおいでいる。渡辺は右袖をまくる。 *16時43分、渡辺は残り1時間30分を告げられた。 77 7一角打 (10:00/02:31:00) *この手も予想されていた。▲5一銀や▲7二銀の筋を見ている。△8一飛も▲8二銀で飛車を取ればいい。 *控室では継ぎ盤が止まっている。永瀬はここでも時間を投入。時おり、関矢三段に残り時間を聞く。色紙に揮毫する「不倒」の構えだ。前かがみで懸命に手段を探す。 *16時58分、永瀬は残り10分になった。うつむいて動かない。そして、天を仰ぐ。 78 8一飛(83) (14:00/03:50:00) 79 8二銀打 ( 1:00/02:32:00) 80 7一飛(81) ( 0:00/03:50:00) 81 同 銀(82) ( 0:00/02:32:00) *渡辺は駒得のうえに厳しく攻めつけている。着実に優位を広げている。 82 6一金(62) ( 0:00/03:50:00) *「▲4一飛には△3四角で頑張るつもりですか」と森下九段。 83 8二銀(71) ( 1:00/02:33:00) *上体を起こし、身をよじるようにして考える永瀬。苦しさをこらえるようにして天をあおぐ。 *17時8分、残り6分になった永瀬は眼鏡を外して、目薬を差した。左手でハンカチを口に当てる。 *渡辺は身を引いて、永瀬の指し手を待っている。 *終盤の時間は短い。みるみるうちに永瀬の残り時間が減っていく。残り3分になった。 *■AbemaTV■ *深浦康市九段>慎重に、慎重に。渡辺棋王は永瀬七段があまり読んでいないような手を選んでいる印象を受けます。かなりの高級テクニックですけどね。自分は不器用なので、うまくできませんけど。 84 8五桂(73) ( 7:00/03:57:00) *おとりの桂。▲8三飛が王手桂取りだが、手順に△4二玉と逃げることで玉を安全にしようとしている。 85 8三飛打 ( 1:00/02:34:00) 86 4二玉(53) ( 0:00/03:57:00) 87 8五飛成(83) ( 0:00/02:34:00) *「駒得は裏切らない」。控室で対局を見守る森下九段の名言だ。 *先手は桂と銀銀の交換で大きな駒得。 88 2五角打 ( 0:00/03:57:00) *攻防の角でアヤを求める。後手陣と先手陣の両方に利いている。 *渡辺は座り直した。持ち時間はまだ潤沢にある。落ち着いて考えたい。永瀬は脇息にもたれる。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>このラインはあなどれないですよ。▲2九飛とすると、△5八角成▲同玉△3八角で勝負されてしまいます。 89 8三竜(85) ( 7:00/02:41:00) 90 3八角打 ( 0:00/03:57:00) *▲5七金が冷静のようだ。後手から継続の攻めが難しい。 91 5七金(58) ( 3:00/02:44:00) *冷静。永瀬はうつむく。△4七桂成は▲同銀△同角引成▲同金△同角成に▲3四桂から後手玉が詰んでしまう。 *■ニコニコ生放送■ *田中寅彦九段>急がば回れですね。 92 5二金(61) ( 1:00/03:58:00) *控室では▲8七飛が示されている。▲7九玉から▲8八玉と逃げられるようになると、先手玉は寄りつかなくなる。 *■AbemaTV■ *深浦康市九段>数分考えて▲3九飛だと思います。 93 8七飛(89) ( 6:00/02:50:00) *17時36分、残り2分の永瀬は額に右手を当てる。その手が盤に伸びず、一分将棋に入った。 *【後手一分将棋】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-e02d.html 94 7五歩(74) ( 1:00/03:59:00) *嫌みを突こうとする。遠く、3八角が8三竜を狙っている。控室では▲7九玉が示されている。安全にする手だ。 *■AbemaTV■ *高見泰地六段>▲7九玉以外には▲2六歩もあるかなと思います。△3六角なら攻めにしか利かなくなりますし、△3四角なら▲4五歩として角を攻めようという意味です。 95 5三歩打 ( 3:00/02:53:00) *最短の勝ちを目指す。△5三同金は▲7二竜から▲8三飛成とさばくことができる。 96 6二金(52) ( 0:00/03:59:00) 97 7一銀(82) ( 0:00/02:53:00) *ここで遊び駒が使えた。先手は駒得のうえに無駄な駒がない。 *永瀬は前かがみで盤面を見つめる。 98 4七桂成(55) ( 0:00/03:59:00) *うなだれるしぐさも見せるが、永瀬は指し続ける。 *▲6七金寄や▲4七同銀△同角引成▲同金△同角成▲7九玉、▲6二銀不成△5七成桂▲7九玉。どの手段も有力だ。 *それだけに迷うところだ。渡辺は棋譜用紙をのぞき込み、残り時間を確認して席を外した。永瀬は棋譜用紙を借りる。 *渡辺は席に戻ると、すぐに次の手を指した。 99 同 銀(56) ( 5:00/02:58:00) 100 同 角成(25) ( 0:00/03:59:00) *この手で100手に達した。△4七同角上成までの消費時間は、▲渡辺2時間58分、△永瀬3時間59分。 101 同 金(57) ( 0:00/02:58:00) *渡辺の手が少し震えているように見えた。 102 同 角成(38) ( 0:00/03:59:00) 103 7九玉(68) ( 0:00/02:58:00) *控室で予想されていた手順だ。これで先手玉は安全。竜や飛車も守りに利いている。後手は△6一金としても、▲5二歩成△同金▲3四桂の寄せがあるので受からない。 *秒を読まれた永瀬は58秒まで使って「負けました」と告げて頭を下げた。 *終局時刻は17時53分。消費時間は▲渡辺2時間58分、△永瀬3時間59分。 *五番勝負は渡辺が2勝1敗とし、防衛にあと1勝とした。渡辺は前夜祭での決意表明で「五番勝負は第1局が非常に長かったのですが、あまり長くなると永瀬さんのペースになってしまうので、明日の対局はそうならないような将棋を、と思っています」と述べた。それを有言実行するかのように、工夫の駒組みから早い▲4五桂でペースをつかんでの快勝だった。 *第4局は3月20日に東京都千代田区「都市センターホテル」で指される。 *※局後の感想※ *感想戦は18時23分ごろに終了した。55手目▲5六歩の局面あたりで、永瀬は「何かありましたか」と屋敷九段に尋ねていたが「模様が少し悪いと思った」という回答だった。感想戦で後手がよくなる展開は示されなかった。 *【終了直後】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-bb10.html *【大盤解説会場へ】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-359b.html *【感想戦】 *http://kifulog.shogi.or.jp/kiou/2018/03/post-10da.html 104 投了 ( 0:00/03:59:00) まで103手で先手の勝ち