# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.60 棋譜ファイル --- 対局ID:12691 記録ID: 開始日時:2021/09/20 15:20 終了日時:2021/09/20 16:18 表題:将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 棋戦:【無料】第42回日本シリーズJTプロ公式戦 戦型:その他の戦型 持ち時間:各10分 消費時間:92▲10△10 場所:東京都渋谷区「シャトーアメーバ」 図:投了 振り駒:2,0,永 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 手合割:平手   先手:糸谷哲郎八段 後手:永瀬拓矢王座 手数----指手---------消費時間-- *第42回将棋日本シリーズJTプロ公式戦2回戦第3局、永瀬拓矢王座−糸谷哲郎八段戦を中継する。勝者は準決勝に進む。 *2021年9月20日(月)に東京都渋谷区「シャトーアメーバ」で指される。解説は森内俊之九段、聞き手は室谷由紀女流三段、読み上げは塚田恵梨花女流初段。対局開始は15時20分ごろの予定。持ち時間は各10分(チェスクロック使用)、使いきると1手30秒の秒読み。秒読みに入ってからは1分単位の考慮時間が5回用意されている。対局の様子はABEMAで動画中継される。振り駒は永瀬の振り歩先で、結果はと金が3枚。糸谷の先手と決まった。 * *【JT|将棋日本シリーズ】 *https://www.jti.co.jp/knowledge/shogi/index.html *【ABEMA番組紹介ページ】 *https://abema.tv/channels/shogi-live/slots/EkJmYq8RVxYwmh * *(棋譜・コメント入力=牛蒡) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 7八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *初手から意表の手がきた。糸谷らしいフリースタイル。 *初手▲7八銀を手元のデータベースで調べると、2012年2月の新人王戦、▲小泉祐三段−△永瀬拓矢四段戦が見つかった。データベース上では唯一の前例だ。持将棋指し直し局であり、結果は千日手だった。その日の3局目で永瀬が勝っている。小泉三段はさまざまな初手を指したことで知られる。▲4八玉、▲5八玉、▲4六歩、▲6八金などの初手が棋譜に残っている。ちなみに▲5八玉と▲4六歩を最初に指したのは、元女流棋士の林葉直子さんである。 * *※局後の感想※ *永瀬は将棋電王戦FINAL(2015年春)で将棋ソフトの「Selene」(開発:西海枝昌彦さん)と戦った。その当時に初手▲7八銀も考えたことがあったという。 2 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *9年半ぶりに▲7八銀と遭遇した永瀬。淡々と△3四歩を指した。 3 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *▲6六歩は後手の角筋に突き出す手。△6六同角なら▲6八飛で切り返す作戦で「パックマン」と呼ばれる。糸谷の兄弟子である山崎隆之八段も昨年3月、棋聖戦決勝トーナメントの久保利明九段戦で似た形を指している。山崎八段は初手から▲9六歩△9四歩▲7八銀△3四歩▲6六歩とした。 4 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) *▲6六歩の誘いには乗らない。類型局の▲山崎−△久保戦も△6六同角は指されなかった。 * *※局後の感想※ *▲6六歩を△同角と取るのであれば、以下は互いに最善手を続けなければならないが、永瀬は「自分は興味がありません」とばっさり。「▲6六歩を取らなくても悪くないなら本譜が自然です」と話した。 5 6七銀(78) ( 0:00/00:00:00) *◆糸谷 哲郎(いとだに てつろう)八段◆ *1988年10月5日生まれ、広島県広島市出身。森信雄七段門下。2006年、四段。2014年、八段。棋士番号は260。 *タイトル戦登場は4回。獲得は竜王1期。棋戦優勝は1回。 6 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *◆永瀬 拓矢(ながせ たくや)王座◆ *1992年9月5日生まれ、神奈川県横浜市出身。安恵照剛八段門下。2009年、四段。2020年、九段。棋士番号は276。 *タイトル戦登場は8回。獲得は王座2期、叡王1期の計3期。棋戦優勝は2回。 7 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *【糸谷の公式戦成績】 *通算成績は419勝230敗(0.646) *昨年度成績は26勝19敗(0.578) *本年度成績は10勝3敗(0.769) 8 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *【永瀬の公式戦成績】 *通算成績は406勝166敗(0.710) *昨年度成績は44勝23敗(0.657) *本年度成績は12勝9敗(0.571) 9 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *糸谷の本棋戦成績は2勝3敗(0.400)。4年ぶり4回目の出場。今期は1回戦で深浦康市九段に勝った。 10 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *永瀬の本棋戦成績は2勝1敗(0.667)。2年連続2回目の出場。前期は準優勝だった。今期は1回戦シードで本局が初戦。 11 4八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *対戦成績は永瀬3勝、糸谷2勝。直近の対局は今年7月、第80期順位戦A級で永瀬が勝った。 12 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *本日は敬老の日で祝日。東京は晴天で気持ちのよい一日となった。 13 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) 14 5四歩(53) ( 0:00/00:00:00) *将棋日本シリーズは各地区の新聞社が主催し、日本たばこ産業株式会社、テーブルマーク株式会社協賛のもと、全国11地区で開催している国内最大規模のイベント。今回は静岡新聞社・静岡放送が主催する。優勝賞金は500万円、準優勝賞金は150万円。対局は和服を着ての公開対局で行われ、序盤戦から中盤戦にかけての局面で封じ手予想クイズを出題するのが特徴である。 * *【ひとのときを、想う。JT】 *https://www.jti.co.jp/ *【うどん,パン,お好み焼,たこ焼,パックご飯ならテーブルマーク】 *https://www.tablemark.co.jp/ 15 7九角(88) ( 0:00/00:00:00) *将棋日本シリーズの出場者は12人。前年度のJT杯覇者(前回優勝者)、2021年2月28日時点の公式戦タイトルホルダー(竜王/名人/王位/王座/棋王/叡王/王将/棋聖)、賞金ランキング上位者の順で選抜される。 * *【第42回将棋日本シリーズJTプロ公式戦 棋戦表】 *https://www.shogi.or.jp/match/jt/42/index.html 16 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00) *JTプロ公式戦のツイッター公式アカウントは、写真や動画でプロ公式戦の情報を伝えている。 * *【将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 @jt_shogi】 *https://twitter.com/jt_shogi 17 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *本局は静岡大会として開催される予定だったが、新型コロナウイルス流行にともなう緊急事態宣言(9月30日まで静岡県を含む19都道府県が対象)のため中止され、JTプロ公式戦はシャトーアメーバで開催となった。 * *【静岡新聞社・静岡放送】 *https://www.at-s.com/ 18 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) 19 4六角(79) ( 0:00/00:00:00) *▲3五歩△同歩▲同角は△8六歩▲同歩△8五歩(▲同歩は△同飛が十字飛車)が気になった。 20 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) *今期開幕前に将棋日本シリーズのサイトに掲載されたメッセージ(意気込み、こどもたちに向けて)を紹介する。 * *永瀬「憧れだったJTプロ公式戦に今年も出場できて本当にうれしいです。初参加の前回は準優勝でテーブルマークこども大会に出場したときと、くしくも同じ成績。この壁を越えていきたいです。こどもたちへ。ガラリと日常が変わりましたね。将棋も1手指すごとに局面が目まぐるしく変化します。たくさん考えて自分なりの最善手を見つけてください」 * *糸谷「久しぶりの出場ですが、また皆さまの前で戦える場に戻ってこられたことを光栄に思います。楽しい将棋をお見せできるよう頑張ります。こどもたちへ。集中することはかけがえのない一生の財産になります。他のことが見えなくなるくらい真剣勝負を楽しんでください」 21 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *こちらは本日対局開始前のコメント。 * *永瀬「今年度のJT杯の初戦になりますので、精いっぱい戦いたいと思います」 * *糸谷「今年のJT杯2戦目なんですけど、自分らしい楽しい将棋を指していければと思います」 22 3一角(22) ( 0:00/00:00:00) *JTプロ公式戦は和服で指す。最近の永瀬はタイトル戦もスーツで通すことが多く、和服での対局は久しぶりだ。 23 5七銀(48) ( 0:00/00:00:00) 24 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) 25 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 26 同 角(31) ( 0:00/00:00:00) *後手は歩交換と角の移動を同時に済ませ、玉を2二まで囲えるようになった。 27 8七歩打 ( 0:00/00:00:00) 28 4二角(86) ( 0:00/00:00:00) *対局開始からまだ5分もたっていない。手将棋とは思えない速さだ。「個人的には後手が不満のない展開だと思います。主導権を渡していません」と森内九段。 29 6九玉(59) ( 0:00/00:00:00) *▲7六歩を突かない駒組みが目を引く。 30 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00) 31 5八金(49) ( 0:00/00:00:00) 32 2二玉(31) ( 0:00/00:00:00) *「△4四歩を急ぐ手もありました」(森内九段) 33 1六歩(17) ( 0:00/00:00:00) *後手玉が2二まで来たタイミングで端を打診した。 34 9四歩(93) ( 0:00/00:00:00) *▲9六歩と受けるべきか。手抜いて△9五歩とされてもよいのか。7七銀型は▲8六銀や▲8八銀で9筋を補強することができないため、端の対応はかなり気を使う。 35 5五歩(56) ( 0:00/00:00:00) *15時27分、端を放置して動いた。 36 5三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *素直には応じない。 37 3五歩(36) ( 0:00/00:00:00) *「すごい手順ですね。(3筋と5筋の)一間とびで攻めるのは珍しいです」(森内九段) 38 同 歩(34) ( 0:00/00:00:00) *▲5四歩△同銀は構わないが、▲3四歩△同銀は嫌った。玉近くの金銀は整然とした配置が望ましい。 39 5四歩(55) ( 0:00/00:00:00) 40 同 銀(53) ( 0:00/00:00:00) 41 3五角(46) ( 0:00/00:00:00) *▲7一角成の先手になっている。 42 5三金(52) ( 0:00/00:00:00) *「積極的な受け方です」(森内九段) *△7二飛は守備的と解説されていた。15時31分、森内九段はここで封じ手にするよう、対局室に伝えた。糸谷は少し考えてから封じ手の意思表示をし、盤の前に座ったまま封じ手を書く。永瀬は糸谷のほうに視線を向けないようにしていた。 *封じ手は難問である。▲1七角、▲2六角、▲7九玉、「その他」が候補に挙がった。ABEMAのアンケートでは「その他」が5割近い支持を集めた。 * *※局後の感想※ *「△5三金が素晴らしい対応で、何も見えなくなってしまいました」(糸谷) 43 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *15時50分、対局再開。 *「予想しづらい手でした。△2四同銀が角に当たりますので」(森内九段) 44 同 銀(33) ( 0:00/00:00:00) 45 1七角(35) ( 0:00/00:00:00) 46 3四歩打 ( 0:00/00:00:00) *「渋い一手が出ましたね」(室谷女流三段) *▲3四歩から▲2五歩で銀を捕獲されないようにした。将来の▲3四桂も消している。 * *※局後の感想※ *「△3四歩と受けられて、▲2四歩(43手目)がやりすぎだったと思いました」(糸谷) 47 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *「▲3七桂から場合によっては▲4五桂を狙っています。△3四歩と打っているので▲3七桂に△3六歩がありません。永瀬王座は構想を練ってよくしたい局面です」(森内九段) 48 4四歩(43) ( 0:00/00:00:00) *4五歩に歩を利かした。▲3七桂△1四歩▲4五歩なら△1五歩が間に合う。 49 4五歩(46) ( 0:00/00:00:00) *「どんどん突いて攪乱(かくらん)戦法ですね」(森内九段) 50 同 銀(54) ( 0:00/00:00:00) 51 5六銀(57) ( 0:00/00:00:00) *糸谷は積極的だ。△5六同銀▲同銀から▲5五銀打と攻めていくのだろうか。ただし、歩損を重ねているし、玉も後手に比べると不安定だ。森内九段の形勢判断は「永瀬ペース」。 52 同 銀(45) ( 0:00/00:00:00) 53 同 銀(67) ( 0:00/00:00:00) 54 8八歩打 ( 0:00/00:00:00) *「あー、打たれちゃいましたね」(森内九段) *有力な手筋として数手前から指摘されていた。 55 同 金(78) ( 0:00/00:00:00) *壁金を受け入れるしかない。 56 1四歩(13) ( 0:00/00:00:00) *永瀬は持ち時間を使いきり、30秒将棋に入った。残りの考慮時間は5回。 *「プロならここに目がいきます。自玉を広くしつつ、△1五歩の攻めも見ています」(森内九段) * *※局後の感想※ *永瀬「△8八歩から△1四歩は実戦的なので、形勢はよくわからなかったのですが……。(後手が)指せてるんですか?」 *糸谷「(先手が)悪いんだろうとは思いました」 57 4八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *「さすがですね。気づきにくい手です。相手もとっさに反応しないといけないので大変です」(森内九段) *糸谷も持ち時間を使いきった。残りの考慮時間は5回。候補に挙がったのは△2五銀と△1五歩。4二角を使う意味でも△2五銀が本命視されている。 58 8六歩打 ( 0:00/00:00:00) *永瀬は攻め合い志向のようだ。 * *※局後の感想※ *△1五歩も有力だった。以下▲4五歩△1六歩▲4四角△同金▲同歩△5七歩で後手よし。「△5七歩が痛いです。後手玉が寄る形が見えません」と糸谷。 59 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 60 同 飛(82) ( 0:00/00:00:00) 61 8七歩打 ( 0:00/00:00:00) 62 6六飛(86) ( 0:00/00:00:00) 63 6七銀打 ( 0:00/00:00:00) *手厚く受けた。 * *※局後の感想※ *「▲6七銀打を指せたので難しくなったかと思ったのですが」(糸谷) 64 6四飛(66) ( 0:00/00:00:00) 65 5五銀(56) ( 0:00/00:00:00) *「積極的です。でもちょっと怖いです。大丈夫なのかな」(森内九段) * *※局後の感想※ *糸谷「▲5五銀の前に▲7八玉でしたか。ひと息入れなければいけませんでした。▲7八玉△8四飛▲5五銀に永瀬さんなら△4三銀ですか」 *永瀬「それは自信がないです。△3三銀ですか。しかし、以下▲4五歩△同歩▲3七桂は4二角が使えていない。そうか、▲7八玉は大きな手ですね」 *糸谷「▲7八玉なら、ちょっと悪いくらいで(済んだ)」 *永瀬「こちらも最善の手が難しいですね。互角でよければ△5四銀ですけど」 * *▲5五銀は攻め急ぎすぎで、▲7八玉がまさったということだ。▲7八玉に(1)△8四飛▲5五銀△3三銀▲4五歩△同歩▲3七桂や(2)△5四銀▲5五歩△4三銀▲6二歩△1五歩▲6一歩成△1六歩▲3九角が検討に出た手順。先手は少し苦しいが、まだまだ戦えた。 66 5七歩打 ( 0:00/00:00:00) *「これはヒットしたかもしれません」(森内九段) *先手玉の直上に飛車がいるのがポイント。▲5七同金は△5六銀がある。 67 6四銀(55) ( 0:00/00:00:00) *金を逃げては5七歩が大きな拠点になった。飛車を取って勝負する。 * *※局後の感想※ *糸谷は前手△5七歩に「金を寄れると思っていた」という。しかし、▲6四銀に代えて▲6八金は、△5八銀▲同銀△同歩成▲同玉△5七歩▲6九玉△5八銀▲7八玉△6八飛成▲同玉△6七金▲7九玉△5九銀不成▲2八飛△5八歩成で先手玉は寄り。「これが誤算でした」と糸谷。 68 5八歩成(57) ( 0:00/00:00:00) 69 同 飛(48) ( 0:00/00:00:00) 70 5七歩打 ( 0:00/00:00:00) *2回目の手裏剣。 71 同 飛(58) ( 0:00/00:00:00) *すぐに取った。やはり5七に歩は残せない。 72 4八銀打 ( 0:00/00:00:00) *「踏み込みがいいですね」(森内九段) *「一気に終盤戦ですね」(室谷女流三段) *▲5三飛成△同角▲同銀成は、△5九飛▲7八玉△7九金▲6八玉△6九飛成で先手玉が詰む。 73 5五飛(57) ( 0:00/00:00:00) 74 6四歩(63) ( 0:00/00:00:00) *次は△6五金で先手の飛車が詰む。▲8五飛と先逃げしても△5七銀成が詰めろ。以下▲6八歩には△5六銀(▲同銀は△5八金から詰み)がありそうだ。54手目△8八歩▲同金の利かしで先手玉は非常に狭い。 75 8五飛(55) ( 0:00/00:00:00) 76 5六歩打 ( 0:00/00:00:00) 77 5八歩打 ( 0:00/00:00:00) 78 5七歩成(56) ( 0:00/00:00:00) *「細かいテクニックですね」(森内九段) *▲5七同歩△同銀成とした形は、76手目に△5七銀成とした局面と同じ。本譜は手数を少し伸ばすことで読みの時間を稼いでいる。実戦的な手段だ。 79 同 歩(58) ( 0:00/00:00:00) 80 同 銀成(48) ( 0:00/00:00:00) 81 6八歩打 ( 0:00/00:00:00) 82 5六銀打 ( 0:00/00:00:00) *後手が一方的に攻めている。先手はつらい。 83 7八金(88) ( 0:00/00:00:00) *8八金は受けに役立たないばかりか、邪魔駒でもあった。ということは、あの手筋が再び浮かぶ。 84 8八歩打 ( 0:00/00:00:00) *この歩だ。▲8八同金は△6七銀成で受けがない。 85 5六銀(67) ( 0:00/00:00:00) 86 8九歩成(88) ( 0:00/00:00:00) *「本譜は受けなしです。82手目に△5六銀と△6六銀では違ったのですね。さすが永瀬王座です」(森内九段) *82手目△5六銀で△6六銀だと、▲7八金△8八歩▲6六銀△8九歩成に▲5七銀があった。本譜の順なら5七成銀が残り、先手は受けが難しい。 87 6七金(78) ( 0:00/00:00:00) 88 4八成銀(57) ( 0:00/00:00:00) *△4八成銀で十分だ。左右挟撃で△7九金までの詰めろ。 89 7九銀打 ( 0:00/00:00:00) *糸谷は5回の考慮時間を使いきった。永瀬は56手目に持ち時間を使いきり、54手目に考慮時間2回を投資。あとは手を止めることなく指し続けている。 90 8八金打 ( 0:00/00:00:00) 91 同 銀(79) ( 0:00/00:00:00) 92 同 と(89) ( 0:00/00:00:00) *典型的な必至。△5八銀と△7八銀の両方は受からない。 *ここで糸谷が投了した。終局時刻は16時18分。糸谷は持ち時間と5回の考慮時間を使いきっていた。永瀬は2回の考慮時間を残した。 *「△5七歩(66手目)が鋭い手でした。糸谷さんも細かいワナを用意していたのですが、永瀬さんはかいくぐりました。快勝だったと思います」(森内九段) *次回のJTプロ公式戦は9月25日、シャトーアメーバで藤井聡太三冠と千田翔太七段が戦う。その勝者と永瀬は11月3日、準決勝の東海大会で対戦する。 * *※局後の感想※ *以下は終局直後の談話。 * *糸谷「ちょっとアグレッシブに攻めすぎまして、封じ手のあたりは、もっとゆっくりやるのだったかと思いました。反省ですね。攻めすぎてしまいました。初手▲7八銀は用意してきたのですが、3手目▲6六歩を取ってもらえなかったので、そこからは力戦です」 * *永瀬は「初手▲7八銀は電王戦のときに考えたことがあるような気がするので、そんなに違和感はありませんでした。力戦になってからは手探りで、一手一手が難しいのかなと思いました。88手目△4八成銀で挟撃の形になったので、攻めがつながっているかなと思いました」 93 投了 ( 0:00/00:00:00) まで92手で後手の勝ち