# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.09 棋譜ファイル ---
対局ID：7510
記録ID：5acf01f8cb96960004a467ec
開始日時：2018/04/28 10:00
終了日時：2018/04/28 21:35
表題：叡王戦
棋戦：第３期叡王戦決勝七番勝負　第２局
戦型：その他の戦型
持ち時間：各５時間
消費時間：135▲283△300
場所：福岡・宗像大社
備考：昼休前34手目▲79分△69分\n夕休前62手目▲201分△217分\n
図：投了
振り駒：なし
計時方式：チェスクロック
秒読み：60秒
先手消費時間加算：0
後手消費時間加算：0
昼食休憩：12:30〜13:30
夕食休憩：18:00〜18:30
昼休前消費時間：34手▲79分△70分
夕休前消費時間：62手▲201分△217分
手合割：平手　　
先手：高見泰地六段
後手：金井恒太六段
先手省略名：高見
後手省略名：金井
手数----指手---------消費時間--
*金井恒太六段と高見泰地六段による第３期叡王戦（主催：ドワンゴ、協賛：キリン・生茶、マカフィー、タカラレーベン、デンソー）決勝七番勝負は高見の先勝を受け、第２局が2018年４月28日（土）に福岡県宗像市の「宗像大社」で行われる。本局の先手は高見。対局開始は10時で、12時30分から13時30分が昼食休憩、18時から18時30分が夕食休憩。持ち時間は各５時間（チェスクロック使用）。使いきると１手60秒未満の秒読み。本局の立会人は深浦康市九段、記録係は宮嶋健太初段（大野八一雄七段門下）がそれぞれ務める。また、ニコニコ生放送では解説が渡辺明棋王、聞き手が村田智穂女流二段、聞き手・現地リポーターが北村桂香女流初段。福岡市博多区の「TKPガーデンシティ博多新幹線口」で行われる現地大盤解説会は中田功七段と豊川孝弘七段が解説をそれぞれ担当する。
*対局の朝、宗像市は好天に恵まれた。最高気温は24度、終日晴れると見込まれている。
*９時45分、高見が先に入室。続いて金井は９時47分になる直前に入室した。
*
*【株式会社ドワンゴ】
*http://dwango.co.jp 
*【叡王戦公式ホームページ】
*http://www.eiou.jp 
*【本局ニコニコ生放送（８時50分開場、９時開演）】
*http://live.nicovideo.jp/watch/lv311157600 
*【第２局は福岡県宗像市「宗像大社」】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-a9b0.html 
*【対局当日】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-a00b.html 
*
*（棋譜・コメント入力＝飛龍）
*[棋譜表示の*はコメントつきの指し手。#は局後の感想が追記された指し手]
*【】内は中継ブログタイトルならびにリンク
   1 ７六歩(77)   ( 0:57/00:00:57)
*定刻の10時になり、立会人の深浦九段が対局開始を宣言すると、両者は深々と一礼を交わす。高見はグラスの生茶を口に運んでから前傾姿勢になった。１分近くを費やして▲７六歩と角道を開ける。
*
*【開始前の様子（１）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-a137.html 
*【開始前の様子（２）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-004b.html 
   2 ８四歩(83)   ( 0:37/00:00:37)
*金井は▲７六歩を見て落ち着いた様子で間を取り、△８四歩と飛車先の歩を突いた。予想された出だしだ。
*
*【対局開始】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-75cb-1.html 
   3 ６八銀(79)   ( 0:16/00:01:13)
*▲６八銀と上がる。矢倉を含みとした手で、前夜祭から渡辺明棋王が言及していた。対局開始前のニコニコ生放送でも触れており、変化球を投げるなら横歩取りとしつつも、この出だしを本命と見ていたようだ。
   4 ３四歩(33)   ( 1:04/00:01:41)
*前手▲６八銀が着手された後、盤側の関係者たちが引き揚げる。室内が落ち着くのを待っていたのか、１分あまりを消費して角道を開けた。
   5 ７七銀(68)   ( 1:18/00:02:31)
*◆高見 泰地（たかみ たいち）六段◆
*1993年７月12日生まれの24歳、神奈川県横浜市出身。石田和雄九段門下。2011年、四段。2018年、六段。棋士番号は284。
*タイトル戦登場は１回。
   6 ６二銀(71)   ( 0:33/00:02:14)
*◆金井 恒太（かない こうた）六段◆
*1986年５月25日生まれの31歳、埼玉県上尾市出身。飯野健二七段門下。2007年、四段。2016年、六段。棋士番号は265。
*タイトル戦登場は１回。
   7 ２六歩(27)   ( 1:10/00:03:41)
*飛車先の歩を突く。日本将棋連盟常務理事として現地を訪れている脇謙二八段が控室に戻ってきている。「矢倉になりましたね。最近の矢倉はここで飛車先を突くからなあ」と話していたところで指された。
   8 ７四歩(73)   ( 1:21/00:03:35)
*「急戦です。飛車先を受けるつもりはないのでしょうね」（脇八段）
   9 ２五歩(26)   ( 2:49/00:06:30)
*高見の本年度成績は４勝２敗（0.667）。対局数ランキグ１位タイ、勝数ランキング３位タイ、連勝ランキング17位タイ。
*昨年度成績は36勝14敗（0.720）。
*通算成績は160勝100敗（0.615）。
  10 ３二金(41)   ( 0:49/00:04:24)
*金井の本年度成績は１勝１敗（0.500）。
*昨年度成績は15勝15敗（0.500）。
*通算成績は209勝166敗（0.557）。
  11 ２四歩(25)   ( 2:10/00:08:40)
*飛車先交換を図る。▲２六歩を含めて３手を費やしており、１歩を手持ちにするメリットと相殺されるとの見方が広がってきた。
  12 同　歩(23)   ( 0:34/00:04:58)
*叡王戦は株式会社ドワンゴ主催で行われ、2015年にエントリー制の優勝棋戦として発足。段位別に予選を開催し、本戦トーナメント出場者を決定する。第１期は山崎隆之八段、第２期は佐藤天彦名人がそれぞれ優勝した。今期から全棋士参加の新たなタイトル戦として昇格し、今期は本戦トーナメントの決勝戦を七番勝負で行う。八大タイトル戦では唯一、チェスクロック使用となる。持ち時間が２局ずつ区切ってそれぞれ異なる点も独特で、今期は第２局までが各５時間、第３局と第４局が各３時間と決まった。さらに続く場合は第５局と第６局は各１時間、第７局は各６時間で行われる（いずれも使いきると１手60秒未満の秒読み）。
*
*【叡王戦開催概要】
*http://www.eiou.jp/outline.html 
*【叡王戦中継サイト】
*http://live.shogi.or.jp/eiou/ 
  13 同　飛(28)   ( 0:10/00:08:50)
*対戦成績は高見の１勝０敗。この七番勝負の第１局が初手合いだった。両者はともにタイトル戦初登場で、叡王戦で本戦トーナメントに進出したのも今期が初であること、本戦トーナメントで破ってきた棋士にタイトルホルダーがおり、全員がタイトル戦経験を持つそうそうたる面々である点も共通している。
  14 ８五歩(84)   ( 0:59/00:05:57)
*金井はバランスの取れた居飛車党。今期は順に段位別予選六段戦で村中秀史六段、村田智弘六段を破ると、千田翔太六段、永瀬拓矢六段（段位は当時）とタイトル戦経験者を連破して本戦トーナメントに進出した。快進撃は止まらず、本戦トーナメントでは佐藤天名人、佐藤康光九段、行方尚史八段をそれぞれ破って決勝七番勝負に駒を進めている。
  15 ７八金(69)   ( 0:51/00:09:41)
*高見は先手矢倉や横歩取りを得意とする居飛車党。今期は順に段位別予選五段戦で中尾敏之五段、渡辺大夢五段、村田顕弘五段（段位は当時）をそれぞれ破り、本戦トーナメントに進んだ。本戦トーナメントでは、豊島将之八段、渡辺明棋王、丸山忠久九段を撃破して決勝七番勝負に名乗りを挙げた。さらに第１局に勝ち、本棋戦では７連勝を継続している。
  16 ７三銀(62)   ( 0:46/00:06:43)
*右銀の活用を急ぐ。現局面の前例は２局。１号局は昨年４月の第75期名人戦七番勝負第２局の▲稲葉陽八段−△佐藤天名人戦で、▲３四飛△４四角▲２四飛△２二銀▲２八飛と進行している。
*「▲３四飛がどうかといわれていました」（脇八段）
*結果は後手の佐藤天名人が勝っている。同年８月に行われた第76期Ａ級順位戦▲屋敷伸之九段−△渡辺明竜王（当時）戦は▲６九玉△６四銀▲６六銀△４一玉▲２八飛の進行で、屋敷九段が制した。
*
*【矢倉の出だしから】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-c2cd.html 
  17 ３八銀(39)   ( 8:56/00:18:37)
*高見は８分の少考で第３の手を繰り出す。
*「これで前例はなくなりましたね。横歩を取る手を含みにしているのでしょう」（脇八段）
*△２三歩なら▲３四飛と横歩を取る。２筋に歩を打たれないうちに▲３四飛は△２八歩があるので、△２三歩と打ってこないのであれば横歩は取らない。また、▲３八銀も珍しいという。
*「▲２八飛〜▲２七銀〜▲３六銀とするのでしょうか。▲３六歩〜▲３七銀、▲４六歩〜▲４七銀もあります」（脇八段）
*代えて▲４八銀でも腰掛け銀になる。３八に上がったからには棒銀かもしれないという。
*
*※局後の感想※
*高見は後手玉がどこに移動するかを見てから飛車を引きたいとして、▲３八銀で様子を見た。
  18 ４一玉(51)   ( 2:30/00:09:13)
*未知の局面を迎えても金井の決断は早い。僅か２分30秒の少考で△４一玉と寄った。
  19 ２八飛(24)   (14:05/00:32:42)
*本局のウェブ観戦記は漫画家の鈴木大四郎さんが担当する。鈴木さんの代表作に、野月浩貴八段監修の『ナリキン！』（全８刊）がある。将棋とサッカーの異色コラボの作品で、サッカー好きで知られる野月八段はぴったりの監修役だ。
*
*【叡王戦観戦記】
*http://www.eiou.jp/watch/ 
*
*※局後の感想※
*金井は本譜▲２八飛と▲１六歩を想定した。
  20 ２三歩打     ( 0:42/00:09:55)
*△２三歩は忘れてはいけない。▲２四歩と垂らされては失敗だ。ニコニコ生放送で中継される叡王戦は、TV対局と同様に一文字駒が使われる。盤上、マス目の中央に置かれている駒はない。両者は駒をマス目の下線にピッタリとつけて並べており、各棋士の流儀による。ニコニコ生放送では渡辺明棋王が、そうした棋士同士のタイトル戦は昨年の名人戦、佐藤天名人−稲葉八段戦が初だったのではないかと述べた。
*「昔はマスの真ん中に置くように教わったのですがね」（脇八段）
  21 ２七銀(38)   ( 0:08/00:32:50)
*叡王戦の協賛各社のリンクは以下のとおり。
*
*【生茶（キリン）】
*http://www.kirin.co.jp/products/softdrink/namacya/ 
*【マカフィー】
*https://www.mcafee.com/jp/index.html 
*【タカラレーベン】
*http://www.leben.co.jp 
*【デンソー】
*https://www.denso.com/jp/ja/ 
  22 ６四銀(73)   ( 3:19/00:13:14)
*現局面、１局の前例と合流した。昨年の第67回NHK杯将棋トーナメント本戦の▲高見−△糸谷哲郎八段戦で、▲３六銀△７五歩▲同歩△同銀▲４五銀△８六歩▲同銀△同銀▲同歩△８八角成▲同金△２二銀と進んだ。高見はその将棋に敗れている。
*「激しい進行ですね。今日はこうは進まないと思います。▲６六銀が自然で穏やかですね」（脇八段）
*前例の進行もいい勝負だったとの見解だ。
*時刻は11時を回った。高見は前傾姿勢を深くして考える。金井は背筋を伸ばして着手を待つ。
*
*※局後の感想※
*高見は▲６六銀も考えた。以下、△８六歩▲同歩△同飛で一局のようだ。
  23 ３六銀(27)   (15:31/00:48:21)
*15分考え、自身の前例を踏襲した。
*▲３六銀までの消費時間は▲高見48分、△金井13分。
*「ここは金井さんも考えるでしょうね」（脇八段）
*前例どおりの△７五歩は激しいが、ほかに指す手も難しいようだ。
*
*【自身の前例】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-46f7.html 
  24 ４二銀(31)   ( 5:50/00:19:04)
*△７五歩の変化には踏み込まず、金井は△４二銀と上がった。再び前例を離れている。ニコニコ生放送では▲２五銀△３三銀▲２四歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△２三歩▲２八飛に、△７五歩や△５二金の進行が挙がった。
*
*■ニコニコ生放送■
*渡辺明棋王＞（上記の順は）先手は銀交換したのですが、案外、次がありません。
*
*※局後の感想※
*「ここは難しかった」と高見。じっと▲５八金も考えたが、形を決める本譜を選ぶ。
  25 ２五銀(36)   ( 6:34/00:54:55)
*初志貫徹で銀を繰り出す。△３三銀▲２四歩から銀交換に進みそうだ。
*宗像市は県内の二大政令都市である福岡市と北九州市の中間に位置し、玄関灘を挟んで４つの島を域内に含む。対局場の宗像大社や前夜祭会場の「Royal Hotel宗像」のある旧玄海町は、2003年に旧宗像市と合併。宗像市はその２年後、旧大島村と合併して現在の市域になった。
*
*【宗像市】
*http://www.city.munakata.lg.jp/ 
  26 ３三銀(42)   ( 0:54/00:19:58)
*宗像大社は天照大神の三柱の御子神（三女神）をそれぞれ祭った沖津宮、中津宮、辺津宮の三宮を総称し、交通安全の守護神として篤く崇敬されている。沖津宮、中津宮はそれぞれ玄界灘に浮かぶ離島にあり、九州本土にあるのが辺津宮だ。これらを含む８つの構成要素からなる「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が、昨年７月にユネスコの世界遺産に登録された。日本書紀には神勅によって三女神が宗像に降臨したことが記されており、対局場となる辺津宮の主祭神は市杵島姫神。本殿、拝殿は国の重要文化財で、神宝館には三角縁神獣鏡や５世紀頃の純金製指輪をはじめとする国宝、重要文化財等の数々が収蔵展示されている。
*
*【宗像大社】
*http://www.munakata-taisha.or.jp/ 
*【「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界文化遺産登録決定について】
*http://www.okinoshima-heritage.jp/news/detail/230 
*【宗像大社（１）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-cace.html 
  27 ５八金(49)   ( 0:23/00:55:18)
*銀交換は権利として保留し、▲５八金と自陣を整備した。控室では深浦九段と脇八段が口頭で検討している。
*「これは△７五歩だと？」（脇八段）
*「取るのではないですかね。△７五同銀に▲６六銀とぶつけるような手もありそうです」（深浦九段）
*ニコニコ生放送では、先手は次に▲６六歩〜▲６七金右とどんどん形がよくなるので、△７五歩と仕掛けるしかないと見られている。手番の金井は席を外す。高見はアメなのか、自身で用意した菓子を口に運び、生茶を飲む。
*
*※局後の感想※
*金井は「この辺でいくのでしたか」と△７五歩を示すも、掘り下げられなかった。「このあとどうなるか」と、互いに難しい変化だったことをにじませる。
  28 ５四歩(53)   (29:34/00:49:32)
*30分近く考え、５筋の歩を突いた。ニコニコ生放送では休憩に入った解説がちょうど再開された直後の着手で、見計らったかのようなタイミングだ。
*
*※局後の感想※
*金井「突いて変な将棋になってしまいましたか」
*対して高見は想定のひとつだったことを明かす。
  29 ６九玉(59)   ( 7:21/01:02:39)
*後手の狙い筋に△３一角から△７五歩▲同歩△同銀、さらに△８六歩▲同歩△同銀▲同銀に△同角と王手をかけるものがあった。▲６九玉と寄り、王手の筋を避ける。
  30 ５二金(61)   ( 8:40/00:58:12)
*12時頃、△５二金までの消費時間は▲高見１時間２分、△金井58分。
*昼食休憩まであと30分ほどとなった。福岡市博多区のTKPガーデンシティ博多新幹線口で行われる現地大盤解説会も12時30分から受け付けられ、13時に開始される。
*
*【大盤解説会のお知らせ】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-9553.html 
*【控室の様子（１）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-4d7f.html 
  31 ６六歩(67)   (10:32/01:13:11)
*【検分（１）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-a556.html 
*【検分（２）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-bd89.html 
*【前夜祭（１）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-b995-1.html 
*【前夜祭（２）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-8f9f-1.html 
  32 ３一角(22)   ( 2:30/01:00:42)
*角を３一に引く。▲２四歩から銀交換される筋が残っており、後手は常に気をつけておく必要がある。
  33 ６七金(58)   ( 6:25/01:19:36)
*昼食休憩に入るかと見られていたところ、高見は金矢倉の構えを作った。今度こそ休憩に入りそうだ。
*この局面で定刻の12時30分になり、昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲高見１時間19分、△金井１時間10分。対局は13時30分から再開される。昼食のメニューについてはニコニコ生放送での発表後に記す。
*13時30分になり、対局再開。金井はあぐらに崩し、時間を使いそうな気配だ。ニコ生では両者の昼食が発表される。高見が寿司定食、金井が天刺し定食だった。
*
*■ニコニコ生放送■
*村田智穂女流二段＞あ、指しましたね。
*
*【昼食休憩】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-bc24-1.html 
*【昼食休憩時の対局室】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-e82f.html 
*【両対局者の昼食】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-6fbd-1.html 
  34 ４四歩(43)   (16:03/01:16:45)
*13時36分、金井の手が盤上に伸びた。△４四歩と突き、自陣整備の継続を見せる。
*「穏やかですね。いくぞいくぞと見せて、なかなかいかないと」（脇八段）
*先手は角が８八にいても使いにくい。脇八段は▲５六歩〜▲７九角の展開を予想した。
  35 ５六歩(57)   ( 3:36/01:23:12)
*脇八段の予想がビシビシ当たる。次にすんなり▲７九角と駒の活用を図れる形になれば、先手が指しやすくなりそうだ。
  36 ７五歩(74)   ( 5:17/01:22:02)
*代えて△４三金右▲７九角の交換は先手が十分と見られていた。金井は△７五歩と動く。△４四歩と突けば△４三金右がセットに映るところで、意表の組み立てだと見られている。ニコニコ生放送では（１）▲７五同歩、（２）▲７九角、（３）その他で次の一手アンケートが出された。（１）▲７五同歩は△同銀▲７九角、（２）▲７九角は△７六歩▲同銀△７五歩▲６五銀のような進行がそれぞれ予想される。
*14時頃、着手から15分近くがたつ。△７五歩までの消費時間は▲高見１時間23分、△金井１時間22分。
*
*【金井六段が動く】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-fcdb.html 
  37 同　歩(76)   (31:33/01:54:45)
*30分あまり考え、高見は▲７五同歩を選ぶ。注文どおりに応じた。
*
*※局後の感想※
*金井はどのタイミングで前手△７五歩を突くかという将棋だと振り返る。本譜の組み立ては、あまりうまくいっていないと感じていた。
  38 同　銀(64)   ( 0:45/01:22:47)
  39 ７九角(88)   ( 0:12/01:54:57)
*狙われそうな角を８筋攻めの脅威からかわし、好機の▲４六角を見せる。△８六歩▲同歩△同銀に（１）▲同銀△同角▲８七歩△６四角が進行の一例。（２）▲４六角は△６四角▲同角△同歩（Ａ）▲８六銀△同飛に▲６三角の反撃が利かない。金井が△４三金右を保留して５二に金をとどめている効果だ。金井は左手を右腕に添えるポーズで盤面を見下ろす。高見は盤から距離を置いたところに座布団を置き、前傾姿勢を取る。ニコニコ生放送では、（Ａ）▲８六銀に代えて（Ｂ）▲８三歩△同飛▲６一角が新たに示された。以下、△８二飛（△８四飛は▲８五歩△同飛▲７六金で先手よし）▲８三歩△６二飛▲５二角成△同玉▲８六銀は２枚換えの駒得が大きく、先手がいいと見られている。このように現局面から△８六歩の変化で後手がまずいとすれば、△４五歩も考えられるようだ。
*
*【宗像大社（２）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-03b9.html 
  40 ８六歩(85)   (30:33/01:53:20)
*30分の考慮で△８六歩と突き出した。
*「いきましたね。いけないと変ですよね。（代えて）△４五歩は変化球だから」（脇八段）
*「面白いですね」（深浦九段）
*前手コメントのとおり、▲８六同歩△同銀▲４六角の進行で後手に思わしい変化が見つかっていない。金井は何を用意しているのか。
*
*【長考の末に】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-b395.html 
  41 同　歩(87)   ( 0:41/01:55:38)
  42 同　銀(75)   ( 0:09/01:53:29)
*（１）▲８六同銀は△同角で、銀交換を図った後手の主張が通る。（２）▲４六角の飛車取りが手筋だ。着手した金井は席を外す。高見は記録係から棋譜を受け取り、時間をかけて目を通した。
*15時、両対局者におやつが巫女さんによって運ばれ、ニコニコ生放送のコメントが盛り上がる。注文は高見が「イチゴとブルーベリーのケーキ」と宗像名物「鎮国」、金井が「甘夏まんじゅう」。△８六同銀までの消費時間は▲高見１時間55分、△金井１時間53分。着手から10分ほどが経過した。
*
*【おやつ】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-6c0a-1.html 
  43 ４六角(79)   (26:11/02:21:49)
*26分の考慮で飛車取りを利かす。ニコニコ生放送では評価ソフトに「電王ぽんぽこ」が使われている。評価値はほぼ形勢互角の数値だ。△７三歩▲８六銀△同角▲８七歩△４五歩▲５七角△５三角▲２四歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛△２三歩の順を示す。「△７三歩は悔しいので浮かばない」と脇八段。感情を持たないソフトならではの読み筋となる。
  44 ７三歩打     ( 9:49/02:03:18)
*７筋に歩を打って攻めたいところ、10分弱の少考で自陣に歩を打って飛車取りを受けた。攻め筋が減る分、悔しいのが人間の感情だ。控室では、代えて△６四角では一気に将棋が終わる危険性が指摘されていた。
  45 ８六銀(77)   ( 0:35/02:22:24)
*銀交換に進めば後手の主張が通るが、７筋に歩を打たせたのが先手の主張となり、バランスは取れている。
  46 同　角(31)   ( 0:25/02:03:43)
  47 ８七歩打     ( 0:23/02:22:47)
  48 ６四角(86)   ( 0:19/02:04:02)
*△４五歩は利かさず、角をぶつけた。▲６四同角なら△同歩で手順に歩が前進する。角をかわすと見られているが、いき場所が難しい。５七は将来の△５五歩が気になり、７九は７筋が壁形だ。とはいえ、６八だと△８六歩▲同歩△同角で再び交換を迫られる。角を持たれると△４九角が厳しく、選びづらい。
*
*■ニコニコ生放送■
*渡辺明棋王＞（先手は放置すると）△４六角▲同歩に△４七角が生じますので、△４六角と取らせる手は考えません。
*
*【バランスを取る受け】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/40-264c.html 
*
*※局後の感想※
*高見は▲６四同角は指しすぎとして自重した。△６四同歩▲６一銀△６二金▲７一角△９二飛▲６二角成△同飛▲５二金△同飛▲同銀成△同玉▲８二飛△６二銀▲７二歩の順が並べられる。先手の攻めは重く、対して△６一金（▲８一飛成に△４九角）で後手が指せそうだ。
  49 ５七角(46)   (16:57/02:39:44)
*角を５七にかわす。渡辺明棋王が本命視していた。
*
*※局後の感想※
*「角交換すると忙しい」と高見。いつでも▲７二歩（△同飛は飛車を攻めに使いづらい）があるのが主張だという。
  50 ４三金(52)   ( 0:52/02:04:54)
*１分と使わずに右金を４三に上がる。２五の銀がさばけないようだと先手は面白くない。▲２四歩が利くかどうか。
  51 １六歩(17)   ( 6:43/02:46:27)
*じっと１筋の歩を突いた。
*「▲２四歩からの銀交換よりも、端を攻めるほうが厳しいという意味ですね」（深浦九段）
*▲１五歩から▲１四歩△同歩▲１三歩と１筋を攻める含みがある。２五の銀は端攻めに参加しやすい。
*
*※局後の感想※
*高見は「指す手が分からない」と振り返ったが、金井は▲１六歩を想定した。対しても「どうしていいか分からなかった」と明かす。
  52 ９四歩(93)   ( 9:17/02:14:11)
*16時頃、△９四歩までの消費時間は▲高見２時間46分、△金井２時間14分。
*同様に、じっと端歩を突いた。ニコニコ生放送の渡辺明棋王は△９五歩から△９六歩▲同歩△９七歩まで進むと後手は手になると解説する。先手はどこかで▲７二歩が利く。現局面でも有力のようだ。△７二同飛▲２四歩△同歩▲同銀△同銀▲同角△２七歩▲同飛△２三歩▲６一銀△８二飛▲５二銀打△３一玉▲５一角成は先手が主導権を握る変化となる。深浦九段は▲１六歩の継続手として▲１五歩と伸ばしたいという。▲７二歩はあとからでも利きそうだ。
  53 １五歩(16)   (11:29/02:57:56)
*10分あまり考え、▲１五歩と伸ばした。深浦九段推奨の手だ。
*
*※局後の感想※
*△３一玉は相手の攻めに近づく。「怖いのかなあと思ってしまいました」と金井。とはいえ、その進行も難しかったようだ。
*金井「これもありましたか。この辺は分からないで指していましたね」
  54 ２二銀(33)   ( 0:46/02:14:57)
*△２二銀と引き、端攻めに備えた。先手から動く手段を防いでしまえば、△９五歩〜△９六歩と攻める手段が楽しみとして残る。脇八段は驚きの声を上げた。深浦九段は△３三桂を作っている点を指摘する。着手した金井は席を外し、高見は前傾姿勢を深くした。控室でもニコニコ生放送でも、先手の具体的な指し手が難しいと見られている。
*
*【宗像大社（３）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-77fa.html 
*
*※局後の感想※
*高見はここまで互いに「変な手」がないと指摘。こうした戦いはバランスが崩れやすいそうだ。
*金井「どちらかというと、こちらが危ないかなと思っていました」
*対して高見は次に△３三桂▲３六銀の進行を警戒。▲３六銀と下がらされると攻め味がなくなり、現局面は忙しいという。
  55 ７二歩打     (13:46/03:11:42)
*△２二銀で壁ができたところで手裏剣を放つ。13分の考慮だった。一発△８八歩があるようだ。▲８八同金と形を乱せば、△７二飛と手を戻しやすい。以下、先手は攻めるなら（１）▲１四歩△同歩▲同銀△１三歩▲同銀成△同銀▲同香成△同香▲１二銀だが、自陣がバラバラのため踏み込みにくいと見られている。冗談交じりに（２）▲７八金△８二飛（以下、▲７二歩△８八歩▲同金△７二飛……、）で千日手との声も聞かれた。電王ぽんぽこの評価値は、現局面でもほぼ互角を示す。金井は時間を使う。△８八歩か、単に△７二同飛か。脇八段は△８八歩〜△７二飛は相手陣に手をつけてから自陣に手を戻す組み立てで、見えづらい点を指摘した。
*ニコニコ生放送では、前夜祭での金井のスピーチに触れられている。本局で一緒になる各先輩棋士との思い出が飛行機の中でふと浮かび、逐一披露した。前夜祭の模様はニコ生のプレミアム会員になれば、生放送終了後でも視聴できる。両者はともに大学卒の棋士だが、学士棋士同士のタイトル戦は珍しいとの話も聞かれた。
*17時頃、▲７二歩までの消費時間は▲高見３時間11分、△金井２時間14分。金井が手を止めて30分以上がたつ。
*
*【第２局前夜祭】
*http://live.nicovideo.jp/watch/lv311154324 
*【前夜祭（８）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-381a.html 
*【控室の様子（２）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-9557.html 
  56 ３三桂(21)   (51:48/03:06:45)
*50分あまりの長考の末、銀取りに△３三桂と跳ねた。
*「ひえー、えええ」（深浦九段）
*「受けの勝負手ですね。いったん▲６五歩と突いてみたいです」（脇八段）
*
*■ニコニコ生放送■
*渡辺明棋王＞思いきった手ですよね。▲７一歩成を受けないわけですから。
*
*【受けの勝負手】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-a67e.html 
*
*※局後の感想※
*金井は前手▲７二歩への対応が悩ましかったと明かす。代えて△７二同飛は先手陣への直通がなくなる。以下、▲１四歩△同歩▲同銀△１三歩▲同銀成（１）△同銀▲同香成△同香▲６一銀△８二飛▲５二銀打△４二玉の順はギリギリだ。先手の攻めが切れそうでもあるが、後手も怖い。金井は（１）△１三同銀に代えて（２）△１三同香▲同香成△同銀▲６五香の変化が勝てないと考え、本譜を選んだ。
  57 ３六銀(25)   ( 6:26/03:18:08)
*６分の少考で、おとなしく▲３六銀と引き揚げた。深浦九段は再び驚きの声を上げる。▲７一歩成が実現すれば大きいと見られていた。
*「早かったですね」（脇八段）
*「▲２一銀に期待したのですか」（深浦九段）
*継ぎ盤で検討が進む。△７二飛なら▲１四歩△同歩に▲２一銀（▲１二歩△同香▲２一銀は△１三香で後続が難しい）が示された。対して△３一金には▲１二歩から香を入手し、▲６五香を狙う。
  58 ７二飛(82)   (10:20/03:17:05)
*10分考え、嫌みな垂れ歩を払った。直前の△３三桂で１筋が薄くなっている。手番が渡り、金井は猛攻を受ける覚悟があるのだろう。
*
*※局後の感想※
*金井は７二の歩を取るのは不本意だったものの、代わる手も難しかったという。高見は代えて△４五桂を示したが、▲４六角と角交換を挑まれると後手は自信を持てないようだ。
  59 １四歩(15)   ( 1:55/03:20:03)
  60 同　歩(13)   ( 0:13/03:17:18)
*ニコニコ生放送でも▲２一銀が厳しいと解説されている。渡辺明棋王は先手ペースとの見解だ。
*
*※局後の感想※
*▲１二歩△同香▲２一銀は△１三香で、高見は攻めきれないと考えた。
  61 ２一銀打     ( 1:26/03:21:29)
*放置すれば次に▲１二歩が厳しく、後手は部分的に受けが利かない。ニコニコ生放送では電王ぽんぽこが△３五歩▲同角△３八歩を示した。△３九歩成から△２九と▲同飛△３七角成が実現すれば後手成功だが、渡辺明棋王は▲３八同飛でも先手が困らないという。以下、△３一金▲１二歩△２一金▲１一歩成△同金▲１四香△２一金▲６五香は先手ペースと見ている。
*この局面で定刻の18時になり、夕食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲高見３時間21分、△金井３時間37分。一時期は１時間近く消費時間の差があったが、現局面の考慮中に逆転した。玉の近くに嫌みをつけられて苦しくなってきたか、いまは金井のほうが多く時間を消費している。ひねり出すなら△１三香か。▲１二銀成△３五歩▲同角△２四銀▲５七角△３五歩▲同銀△同銀▲同角△３六歩のように進めば先手も油断ならない。
*
*【夕食休憩】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-d57e-1.html 
*
*※局後の感想※
*高見は接戦との意識だったが、金井は指しづらさを感じたという。
  62 ８八歩打     (21:43/03:39:01)
*18時30分になり、対局再開。金井は３歩を手にしたところで△８八歩を決行した。その直後に両者の夕食がニコニコ生放送で紹介される。両者ともにおにぎりとサンドイッチが出された。着手を見た高見は深い前傾姿勢になる。対して金井は背筋を伸ばして着手を待つ。
*
*■ニコニコ生放送■
*村田智穂女流二段＞ここは中盤から終盤の入り口という感じでしょうか。
*渡辺明棋王＞そうですね。
*
*【再開直後の一手】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-74db.html 
*
*※局後の感想※
*高見は△８八歩を最も恐れており、ほかの手ならば自信を持っていた。▲１二歩、▲７七桂、▲８八同金のどれもありそうだという。
*高見「▲８八同金で勝てればいいですが、うまくいかないと後悔します」
*金井「この次の手が分かりませんでした」
*高見「取る手もありましたかね」
*▲８八同金は考えられたようだ。高見は本譜、「数手でおかしく」なったという。
  63 ７七桂(89)   (15:36/03:37:05)
*桂取りを放置して▲１二歩も挙げられていたが、高見は15分の考慮で桂を逃げる。ニコニコ生放送では現地リポーターの役目を終えた北村女流初段が大盤解説会場に到着し、中田功七段、豊川七段と合流した様子が映し出された。スタジオとつなぎ、豊川七段のトークに渡辺明棋王が厳しい突っ込みを入れる。19時が近づき、深浦九段と脇八段が敷地内に設けられたスタジオに向かった。ニコ生に現地棋士、女流棋士がフル出演だ。
*19時頃、▲７七桂までの消費時間は▲高見３時間37分、△金井３時間39分。金井は15分近く手を止めている。△４五桂は考えられるようだ。本譜▲７七桂に代えて▲８八同金でも△４五桂が有力で、▲４五同銀△同歩に▲１二歩なら△４六歩▲同歩△５五歩▲同歩△５六歩▲同金△６七銀の攻めがあった。
*
*■ニコニコ生放送■
*豊川孝弘七段＞形勢はどうですか。
*深浦康市九段＞先手持ちの声が多いようですが、△８八歩▲７七桂の交換で後手がポイントを挙げたように思いますね。
  64 ８九歩成(88) (25:25/04:04:26)
*25分考え、じっとと金を作った。「堂々と」との声が上がる。
*
*【いよいよ夜の戦いへ】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-1684.html 
  65 ６五歩(66)   ( 4:26/03:41:31)
*代えて▲１二歩△４五桂▲同銀△同歩▲１一歩成△４六歩▲同歩（▲４五香は△４七歩成で後手が勝ちそう）△５五歩▲１二と△３一銀▲６五香△５六歩▲６八角は先手がよさそうと検討されていたところで▲６五歩が指された。
*
*■ニコニコ生放送■
*豊川孝弘七段＞全然、違いましたよ。
  66 ５三角(64)   ( 0:32/04:04:58)
  67 １二歩打     ( 0:07/03:41:38)
*角を引かせてから香を取りにいく。ニコニコ生放送では△３五歩が指摘された。▲３五同角なら△７五角で、先手は直前の▲６五歩をとがめられてしまう。
*
*【攻め合い】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-cf62.html 
  68 ９九と(89)   ( 3:45/04:08:43)
*３分の少考で香を取った。先手は歩切れで、次に△２四香が嫌みだ。△９七角成も見せている。
  69 ３二銀成(21) ( 1:31/03:43:09)
*金を取って王手をかけた。どこかで△３一金とかわされるのを嫌ったと見られている。ニコニコ生放送では代えて▲１一歩成を予想しており、ことごとく当たらない。金井は成銀を玉で取るか、飛車で取るか。玉で取れば守りのカナ駒に近づく。以下、▲１一歩成△２四香▲１八飛が想定され、深浦九段は互いに玉の安全な場所がないと指摘する。金井が追い上げているようだ。
*
*※局後の感想※
*高見は▲３二銀成のタイミングがベストだったかどうか、懐疑的だった。
  70 同　飛(72)   (10:38/04:19:21)
*10分の考慮で、金井は△３二同飛を選ぶ。玉を相手の攻め駒に近づけない。
*
*※局後の感想※
*金井「予想と違いますか？」
*高見「いやいや、△同飛です」
  71 １一歩成(12) ( 0:04/03:43:13)
  72 ２四香打     ( 0:06/04:19:27)
*※局後の感想※
*金井「飛車と角が利いているところを香１本で止めるので、手前に比べると混戦かなという気がしていました」
  73 １八飛(28)   ( 0:45/03:43:58)
*この３手はパタパタと進んだ。持ち時間は秒単位も消費される。最終盤の戦いに備え、時間をセーブする意味があるのだろう。
  74 １一銀(22)   ( 1:48/04:21:15)
*▲２一とや▲１二とは許せなかった。後手を引くが、と金を払う。▲６四歩△同角▲６六香は筋だが、△９七角成▲６三香成に△６二歩と催促されると容易でない。
*
*※局後の感想※
*高見は△１一銀を軽視した。と金を取っても歩しか手に入らないし、銀が離れ駒になる。
*高見「取られてみると手がないかもしれません」
*感想戦に同席した脇八段は▲１四飛△１二歩▲１三歩の順を指摘。高見は次に▲１二歩成が実現したとして、さらにそのと金をどう使うかのビジョンが明確でなかった。▲１三とで次に▲２三とを見せるのがいいようだ（▲１一とと銀を取るのは重い）。金井は▲１四飛と走ると飛車が受けに利かなくなる点に触れ、決断を要する順であることを示唆した。
  75 ６四歩(65)   ( 3:22/03:47:20)
*△６四同歩なら角筋が止まり、大きな利かしになる。筋の突き出しで、９九に香があったときなら厳しい。この形では△６四同角とすれば△９七角成が残る。
  76 同　角(53)   ( 2:56/04:24:11)
  77 ６五香打     ( 0:05/03:47:25)
  78 ９七角成(64) ( 1:03/04:25:14)
*追われながら手順に馬を作った。
*「これは後手も視界が開けてきましたね」（脇八段）
*
*■ニコニコ生放送■
*渡辺明棋王＞先手は次に△５三馬と引かせてはいけません。
*
*【視界が開ける】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-717e.html 
  79 ６三香成(65) ( 0:07/03:47:32)
*△６二歩にどうするか。▲１四飛△１二歩の交換は先手が得するとはいえないようだ。先手玉の守備力が弱まる。ニコニコ生放送では△６二歩以下、▲５二金（１）△同飛▲同成香△同玉▲７一飛の順が示された。脇八段は▲５二金に（２）△３一玉もあるという。以下、▲６二成香には△２二玉と逃げておく。
*20時頃、▲６三香成までの消費時間は▲高見３時間47分、△金井４時間25分。金井は15分あまり考えており、惜しみなく時間を使う。電王ぽんぽこは△６二歩に▲８八金△３一馬を利かせてから▲５二金を示す。△５二同飛▲同成香△同玉▲７一飛△２二銀▲８一飛成△９八と▲７八金△２九香成の進行でほぼ互角の評価だ。
*
*※局後の感想※
*高見は本譜、成香を作れて挟撃態勢が築けると考えていたが、「このあとが難しい」と誤算があった点を認めた。
*高見「形勢判断がひどかったですね」
*この局面は手が広いという。対局中は△６二歩▲８八金の変化を掘り下げるも、金井はその順を嫌った。「どうやっていいか」との感想だったが、的確に急所を突く。
  80 ６六歩打     (25:24/04:50:38)
*25分の考慮で△６六歩とたたいた。利かしを入れるほうが得と見たようだ。残り時間は10分を切った。
*
*※局後の感想※
*「見抜かれた」と高見。先手に歩が１枚多く渡るので、指しづらい面がある。本譜は△６六歩が生きる展開に進む。
  81 同　金(67)   ( 0:49/03:48:21)
*代えて▲６六同角は角の１三への間接的なにらみがなくなり、△６二歩▲５二金△３一玉の順に進めやすい。角のにらみを残して金で応じた。深浦九段は、金井は△３五歩▲同銀△４五桂を実現させようとしているのではないかと指摘する。
  82 ６二歩打     ( 4:47/04:55:25)
*金を６六に呼んでから成香取りに歩を打った。▲６四歩なら△６三歩▲同歩成△６二歩▲６四歩△６三歩……、の千日手で避けるのが難しい。
*
*【金井六段、残り５分】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-3ce3.html 
*
*※局後の感想※
*高見は▲２五歩△６三歩▲２四歩なら本譜よりも粘り強いかもしれないと考えたが、６三の成香がなくなると後手玉への攻めが遠のく。実戦的には指しづらい。この辺り、金井は形勢のよさを感じていたという。
  83 ８八金(78)   (11:12/03:59:33)
*馬取りに金を寄った。ニコニコ生放送では大盤解説会の状況が流れている。
*
*■ニコニコ生放送■
*北村桂香女流初段＞あ、解説どおりに進みましたね。
  84 ４二馬(97)   ( 1:07/04:56:32)
*代えて△３一馬は壁になる。飛車の横利きは止まるが、４二に引いた。
*
*※局後の感想※
*高見「（前手）▲８八金は悪い手でしたね。△４二馬と引かせてと思ったら、その形の守備が強すぎました」
  85 ６二成香(63) ( 0:29/04:00:02)
  86 ２九香成(24) ( 0:29/04:57:01)
*じっと桂を取る。５七の角の利きが１三に直通するが、△２六桂の狙いが生じた。馬の守備力に期待した順だ。また、△４五桂打▲１三角成△２二銀から△５七桂成を狙う攻め筋もある。ニコニコ生放送ではスタジオで渡辺明棋王と深浦九段のコンビの解説になった。現局面で▲２四歩は映るものの、△４五桂打で５七の地点を攻められるのが厳しい。以下、（１）▲２三歩成は△５七桂成▲３二と△同玉で後手玉に有効な詰めろがかからず、後手が勝つ。（２）▲４六角は△２四歩と手を戻されて△５七銀が残る。渡辺明棋王は馬の守備力と△４五桂打の分かりやすい攻め筋がある点を指摘。電王ぽんぽこは金井優勢の評価値を示す。
*
*※局後の感想※
*高見は前手▲６二成香で激戦だと考えていたが、馬を作らせる△２九香成に驚いた。数手前の△６六歩▲同金の交換が入り、５七の地点が薄くなっているため痛い。金井は当初、香は２四を離れたくない駒だったが、桂を取る以外に指す手が難しいと指摘した。現局面から▲２四歩△同歩▲２三金は△４五桂打▲２四角△１九成香▲１四飛△１二歩で、先手は攻めの継続が難しい。▲３二金△同玉と金を渡すと、次に△５七銀で詰めろがかかる。
  87 １三角成(57) (20:16/04:20:18)
*20分の考慮で馬を作る。△４五桂打の当たりを避けた。後手玉は動けないが、馬の守りが強大で、手渡しの意味が強いという。
  88 １九成香(29) ( 0:16/04:57:17)
*【形勢と残り時間】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-b32e.html 
  89 同　飛(18)   ( 1:29/04:21:47)
  90 １二銀(11)   ( 0:08/04:57:25)
*１筋のロケットを壊してから馬にアタックした。５七の地点を守っているのは１三の馬しかない。飛車も下段に落とされており、馬の利きがそれれば△５七銀が厳しくなる。
  91 ６八馬(13)   ( 3:50/04:25:37)
*馬を自陣に引き揚げた。馬の守備力がなければ戦えない。
  92 ７四桂打     ( 0:17/04:57:42)
  93 ６七香打     ( 0:21/04:25:58)
*△６六桂▲同香に、攻めるならと深浦九段は△７六銀を挙げた。６七に打った香はその際、後手陣に直通してプレッシャーをかける。
*金井はこの局面での考慮中に持ち時間を使いきり、１手60秒未満の秒読みに入った。脇八段は△３五歩を指摘する。
*
*※局後の感想※
*金井「局面としてこちらが優勢ですね」
*ただ、ここで後続が分からなくなったという。
*金井「粘り強く指されましたね」
*△３五歩は考えられたようだ。以下、▲１三歩△２一銀▲２四歩△同歩▲２三金△３六歩▲２二歩の進行が一例として並ぶ。
*高見「ちょっと負けているかもしれませんが、１手違いにはなりそうな」
*明快ではないが、金井は本譜よりはよかっただろうと認める。
  94 ４八銀打     ( 2:18/05:00:00)
*金は取らず、先手陣に銀を打ち込む。５七に駒を打つ拠点を築いた。
*
*※局後の感想※
*金井「△４八銀がつまずきの始まりかなと思いましたね」
*高見は△２八銀かどちらかと予想し、本譜は金を使わされることになってつらいと見ていた。
  95 ５八金打     ( 0:17/04:26:15)
  96 ３七銀成(48) ( 0:00/05:00:00)
*相手は持ち駒の金を手放している。悠然と銀を成り返り、銀に当てた。
  97 １三歩打     ( 0:15/04:26:30)
  98 ２一銀(12)   ( 0:00/05:00:00)
  99 ２四歩打     ( 0:06/04:26:36)
*矢継ぎ早に指し手を繰り出す。２筋に歩を合わせて嫌みをつける。
 100 同　歩(23)   ( 0:00/05:00:00)
*※局後の感想※
*金井「分からないまま指し続けてしまいました」
*高見の着手は早く、金井に落ち着いて考える時間を与えていない。指せば指すほどに難しくなっていったようだ。
 101 ４六馬(68)   ( 0:16/04:26:52)
*歩は取らずに成銀に当てた。
*「△３六成銀▲同馬は▲１四馬の味があるのですね」（深浦九段）
*「▲１四馬は嫌ですね」（脇八段）
 102 ６八歩打     ( 0:00/05:00:00)
*手筋の歩。▲６八同馬なら１歩で１手を稼げる。
 103 同　玉(69)   ( 0:32/04:27:24)
*高見はさして時間を使わずに玉で応じた。時刻は21時を回っている。高見の残り時間は30分あまりだ。
 104 ６六桂(74)   ( 0:00/05:00:00)
 105 同　香(67)   ( 0:13/04:27:37)
*■ニコニコ生放送■
*渡辺明棋王＞筋は△６七歩なのですが。
 106 ６七歩打     ( 0:00/05:00:00)
 107 同　金(58)   ( 0:07/04:27:44)
*△４八成銀には▲６五桂があり、先手玉が安定してくる。
 108 ４八成銀(37) ( 0:00/05:00:00)
*電王ぽんぽこは▲５七馬を示す。金井が秒読みに入って以降、高見は早い着手を繰り返して時間攻めに出ている。数値上はまだ後手寄りだが、差が詰まってきているとの評価だ。
 109 ６三香成(66) ( 2:02/04:29:46)
*２枚目の成香を作った。じわりとプレッシャーをかける。
*
*※局後の感想※
*金井「２枚目の成香を作られて混戦模様ですね」
 110 ６六歩打     ( 0:00/05:00:00)
*先手玉の上部脱出を助長する可能性もあり、成否は分からない手のようだ。
*
*【形勢混沌】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-2756.html 
 111 同　金(67)   ( 0:07/04:29:53)
 112 ４五桂(33)   ( 0:00/05:00:00)
 113 ６四桂打     ( 0:13/04:30:06)
*馬の利きを止めつつ、５二への利きを足して着実な攻めを見せる。電王ぽんぽこの評価値はほぼ互角に戻った。
*
*※局後の感想※
*馬の利きが通っているのは大きい。高見はその遮断を優先した。
 114 ３一玉(41)   ( 0:00/05:00:00)
*△３一玉と逃げる。王手馬取りを食うわけにはいかない。
 115 ５二桂成(64) ( 0:22/04:30:28)
 116 ７五馬(42)   ( 0:00/05:00:00)
*タダのところに馬を飛び出した。決着をつけにいく。▲７五同金なら△６六銀と上から迫れる。
*
*※局後の感想※
*高見の読みになく、意表を突いた。代えて△３三馬なら形勢不明の長い勝負が見込まれる。
 117 同　金(66)   ( 0:41/04:31:09)
*深浦九段は△６六銀を指摘した。△６七歩以下の詰めろだ。
 118 ６六銀打     ( 0:00/05:00:00)
*△６七歩▲７八玉△６八金▲同馬△同歩成▲同玉△５七桂成以下の詰めろで金取り。
 119 ９九飛(19)   ( 0:38/04:31:47)
*９九のと金を外す。先手玉が広くなり、寄せが難しくなった。
 120 ７五銀(66)   ( 0:00/05:00:00)
*先手玉に詰めろをかけにくい。金を補充して手番を渡す。高見の辛抱が功を奏し、電王ぽんぽこは先手勝勢の評価値を出した。
 121 ４五銀(36)   ( 1:07/04:32:54)
*自玉に迫る桂を取る。▲２三桂△２二玉▲２四馬の筋があるが、手番は後手だ。
*
*※局後の感想※
*△２二玉は▲２三歩の追撃が厳しい。
 122 同　歩(44)   ( 0:00/05:00:00)
*59秒まで読まれ、素直に銀を取った。後手は△５二飛が詰めろで入るような組み立てを狙いたい。
 123 ２三桂打     ( 0:31/04:33:25)
 124 ２二玉(31)   ( 0:00/05:00:00)
 125 ２四馬(46)   ( 0:09/04:33:34)
*▲１一角までの詰めろ。△５二飛は▲１一角△３二玉▲３三歩以下の詰みだ。
*
*【高見六段がリードか】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-480c.html 
 126 １一香打     ( 0:00/05:00:00)
*▲１一角は許せない。香を埋めて受ける。先手は桂を渡して攻めるわけにはいかない。△７六桂を与えずに寄せる必要がある。▲３一角△同飛▲同桂成と進めれば後手玉は▲２三歩以下の詰めろ。角は渡すが、先手玉の詰みは見つかっていない。
 127 ２九飛(99)   ( 6:15/04:39:49)
*６分使い、▲２九飛と回った。詰めろになっていないようだが、先手玉に対する詰めろも難しいか。
 128 ２五歩打     ( 0:00/05:00:00)
*歩の犠打で考慮時間を稼ぐが、やはり▲３一角△同飛▲同桂成の筋がある。
 129 ３一角打     ( 1:02/04:40:51)
*決めにいった。△３一同飛▲同桂成と進んで後手玉に受けが利かない。
 130 同　飛(32)   ( 0:00/05:00:00)
 131 同　桂成(23) ( 0:05/04:40:56)
 132 ３五角打     ( 0:00/05:00:00)
*王手馬取りに角を打つ。▲３五同馬△同歩の局面で後手玉に詰みがあるかどうか。
 133 同　馬(24)   ( 0:53/04:41:49)
*△３五同歩に▲２五飛〜▲２一成桂で詰むようだ。
 134 同　歩(34)   ( 0:00/05:00:00)
 135 ２五飛(29)   ( 1:22/04:43:11)
*この手を見て金井が投了した。以下、△２三歩▲２一成桂△３三玉▲２三飛成△同玉▲２二飛△３三玉▲３四銀に（１）△同玉は▲２五角△３三玉▲４三角成△同玉▲２三飛成△３三合▲３四金まで、（２）△３四同金は▲４二角△４四玉▲５三角成△３三玉▲４三馬△同玉▲４二飛成まで、どのように応じても詰む。終局時刻は21時35分。消費時間は▲高見４時間43分、△金井５時間０分（チェスクロック使用）。高見は開幕２連勝とした。第３局は５月12日（土）、宮城県宮城郡松島町「瑞巌寺」で、第４局と同じく持ち時間がチェスクロック使用の各３時間（切れたら１手60秒未満の秒読み）で行われる。
*
*【高見六段が開幕２連勝】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-e3c8.html 
*【終局直後】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-97fc.html 
*【感想戦（１）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-8297-1.html 
*【感想戦（２）】
*http://kifulog.shogi.or.jp/eiou/2018/04/post-6398-1.html 
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*※局後の感想※
*感想戦は22時22分に終了。一局を通じて形勢が揺れ動く激戦だった。夕食休憩明けの△８八歩（62手目）までは高見がペースを握っていたが、対する▲７七桂から金井が指しやすくなっていく。苦戦を認めた高見は辛抱強く指し回して逆転に成功した。
*金井「粘られて秒に追われて、悪い手をたくさん指してしまいましたね」
*最終的に116手目△７五馬が敗着。秒読みの中で決めにいった手だが、決まっていない。代えて△３三馬ならこれからの勝負が見込まれた。
 136 投了         ( 0:00/05:00:00)
まで135手で先手の勝ち