# --- Kifu for Windows (Pro) V6.63.1 棋譜ファイル --- 対局ID:3520 記録ID: 開始日時:2015/01/19 14:00 終了日時:2015/01/19 16:23 表題:朝日杯将棋オープン戦 棋戦:第8回朝日杯将棋オープン戦本戦 持ち時間:各40分 消費時間:142▲40△40 場所:東京・将棋会館 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 手合割:平手   先手:屋敷伸之九段 後手:郷田真隆九段 先手省略名:屋敷 後手省略名:郷田 手数----指手---------消費時間-- *第8回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞主催)は本戦が行われている。本局は1回戦の屋敷伸之九段−郷田真隆九段戦。1月19日(月)14時開始予定。持ち時間は各40分(チェスクロック使用)。切れたら一手60秒の秒読み。先後は振り駒で決める。過去の対戦成績は郷田の18勝9敗。 *屋敷は13時35分ごろ将棋会館入り。下座に着き、ふすまをそっと閉める。郷田は13時44分着。かばんから扇子を取り出す。脇息の具合が気になったらしく、別のものに交換してもらう。 *両者、大橋流で並べる。記録係の川崎直人三段(勝浦修九段門下)による振り駒はと金が4枚。屋敷の先手に決まった。郷田はゆっくり水を飲む。 *(棋譜・コメント入力=銀杏) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手。#は局後の感想が追記された指し手。【】はブログやリンクのタイトル] *【将棋:朝日新聞デジタル】 *http://www.asahi.com/shougi/ 1 7六歩(77) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は口元をぬぐい、お茶を飲んだ後、初手を指した。 2 8四歩(83) ( 0:00/00:00:00) 3 6八銀(79) ( 0:00/00:00:00) *◆屋敷 伸之(やしき のぶゆき)九段◆ *1972年1月18日生まれ、北海道札幌市出身。(故)五十嵐豊一九段門下。1988年、四段。2004年、九段。棋士番号は189。 *タイトル戦登場は7回。獲得は棋聖3期。棋戦優勝は2回。 4 3四歩(33) ( 0:00/00:00:00) *◆郷田 真隆(ごうだ まさたか)九段◆ *1971年3月17日生まれ、東京都出身。(故)大友昇九段門下。1990年、四段。2001年、九段。棋士番号は195。 *タイトル戦登場は16回。獲得は王位1期、棋王1期、棋聖2期の計4期。棋戦優勝は7回。 5 7七銀(68) ( 0:00/00:00:00) *屋敷の本年度成績は17勝14敗(0.548)。 *通算成績は716勝421敗(0.630)。 6 6二銀(71) ( 0:00/00:00:00) *郷田の本年度成績は16勝17敗(0.485)。 *通算成績は784勝454敗(0.633)。 7 2六歩(27) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は2回連続、通算3回目の本戦出場。 *今回は二次予選からの出場。深浦康市九段、佐々木勇気五段を破って本戦進出を果たした。 8 4二銀(31) ( 0:00/00:00:00) *郷田は5年連続、通算6回目の本戦出場。 *昨年度のNHK杯で優勝したため今回はシード。本戦からの出場となる。 9 2五歩(26) ( 0:00/00:00:00) *本局の隣で渡辺明二冠−永瀬拓矢六段戦が行われている。 *その勝者と本局の勝者が19時から2回戦で対戦する。 10 3三銀(42) ( 0:00/00:00:00) *郷田は現在第64期王将戦で渡辺明二冠に挑戦中。第1局は11・12日に行われ、渡辺勝ちとなった。 *本棋戦でも2回戦で対戦する可能性がある。 11 3八銀(39) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は第73期順位戦B級1組で7勝3敗。昇級争いの2番手につけており、2月に行われる12回戦対木村一基八段戦に勝てばA級復帰が決まる。 12 3二金(41) ( 0:00/00:00:00) *今回の本戦はニコニコ生放送で対局の模様がライブストリーミング中継する。また、2月14日の準決勝・決勝はCSテレビ「テレ朝チャンネル2」で生放送する。本日の中継の解説は佐々木慎六段、聞き手は熊倉紫野女流初段が務める。 *【第8回朝日杯将棋オープン戦本戦第2ブロック - ニコニコ生放送】 *http://live.nicovideo.jp/watch/lv205825062 *【朝日杯将棋、16日に本戦開幕 1回戦からニコ生で中継】 *http://www.asahi.com/articles/ASH1F4Q09H1FUCLV00B.html 13 2七銀(38) ( 0:00/00:00:00) *これは珍しい、単純な棒銀。これをタイトル獲得3期の一流棋士屋敷が指しているのが面白い。 14 5四歩(53) ( 0:00/00:00:00) *少し時間を使って△5四歩とした。 15 2六銀(27) ( 0:00/00:00:00) *ズンズンと繰り出す。屋敷は先月の王位戦対三浦弘行九段戦で同じ局面を指している。結果は負け。どのような改良策を用意しているのか。 16 3一角(22) ( 0:00/00:00:00) *朝日新聞デジタルの有料記事は、無料会員になることでを1日3本まで閲覧可。有料会員は無制限に閲覧できる。 *【朝日新聞デジタル購読コース・申し込み】 *http://digital.asahi.com/info/price/ *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>△3一角が重要なところで、△5三銀だと▲1五銀からの2筋突破が受かりません。 17 5六歩(57) ( 0:00/00:00:00) *今回の本戦は1回戦が14時、2回戦を19時開始と、これまでの1回戦10時、2回戦14時開始から変更された。 *会社や学校から帰ってから、スポーツのナイター観戦と同じ要領で対局観戦を楽しめるようになった。 18 5三銀(62) ( 0:00/00:00:00) *先述の王位戦では、三浦九段は6二銀型のまま矢倉に組んでいた。類型でも矢倉に組む将棋が多い。郷田は中央で銀を使う作戦かもしれない。例えば△6四銀から△5二飛として5筋を攻めることもできる。 *※局後の感想※ *△4一玉は▲7八金△5二金▲1五銀△2二銀の展開。後手は中央を手厚く指すことになる。 19 7八金(69) ( 0:00/00:00:00) *重々しい手つきで指した。 20 4一玉(51) ( 0:00/00:00:00) *今日の東京は晴れ。最低気温が氷点下になり、寒い朝だった。 21 6九玉(59) ( 0:00/00:00:00) *「居玉は避けよ」で互いに玉を寄せた。郷田はかばんからポケットティッシュを取り出す。 22 4四銀(53) ( 0:00/00:00:00) *対局開始から10分経過。驚いたことに隣の渡辺−永瀬戦は57手目の局面だ。 *【第8回朝日杯将棋オープン戦本戦 渡辺明二冠−永瀬拓矢六段】 *http://live.shogi.or.jp/asahi/kifu/8/asahi201501190101.html *△4四銀右と使うのが郷田の構想だった。これで棒銀を牽制しようとしている。屋敷は前傾姿勢になって読みを入れる。 *※局後の感想※ *「いまさら矢倉には組みにくい(矢倉に組むなら△5三銀としていない方が得)ので、行きがかり上、仕方ありません」と郷田。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>力強い手です。 23 6六銀(77) ( 0:00/00:00:00) *3分ほど使って指したのは▲6六銀。攻めに厚みを加えている。 24 8五歩(84) ( 0:00/00:00:00) *郷田はノータイム。▲6六銀で薄くなった8筋を攻められるようにした。 *屋敷はマテ茶、郷田は水とほうじ茶を用意している。郷田は鼻をかみ、顔ふきペーパーで、顔をふく。屋敷は先ほどよりも前かがみになっている。 25 4六歩(47) ( 0:00/00:00:00) *ここまでの消費時間は▲屋敷12分、△郷田7分。4分使って指されたのは▲4六歩だった。「歩越し銀には歩で対抗」だ。郷田がうなる。 26 5二金(61) ( 0:00/00:00:00) *14時22分、郷田はほうじ茶を湯飲みについで飲んだ。 27 3六歩(37) ( 0:00/00:00:00) *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>2六の銀が気になりますが、これで指せるというのがすごいです。腕力がないと指せないですね。 28 8六歩(85) ( 0:00/00:00:00) 29 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 30 同 角(31) ( 0:00/00:00:00) *▲8七歩に△4二角や△6四角などと引くつもり。歩交換しながら角を3一から移動できる。ご飯を食べるときの「ながら食い」は行儀がよくないが、将棋では「○○しながら◎◎」といった一挙両得の指し方を狙いたい。 31 8七歩打 ( 0:00/00:00:00) 32 6四角(86) ( 0:00/00:00:00) 33 4八飛(28) ( 0:00/00:00:00) *歩を支えているが、2枚の銀との関連は薄い。どのように進めていくつもりだろうか。後手は後手で▲3七桂から▲4五歩△5三銀▲7五銀などと角を捕獲されてはつまらない。工夫が必要だ。 *郷田はうなり、ハンカチを口元に当てる。 34 7四歩(73) ( 0:00/00:00:00) *5分考えて指されたのは△7四歩だった。 35 6五銀(66) ( 0:00/00:00:00) *△4二角に▲7四銀は△6四歩の銀ばさみにあう。△4二角には▲4五歩△5三銀▲5五歩と攻めるのだろう。 36 8六歩打 ( 0:00/00:00:00) *激しい。ともに最強の手段で打ち合っている感じだ。△8六歩は急戦矢倉で見られる手筋。▲6四銀は△8七歩成で後手良しとなる。 *※局後の感想※ *△7三角もあった。一例は▲5四銀△8四角▲4七飛△5三銀▲同銀成△同金。先手は▲3五歩と攻めることになる。「どうやっても難しいので迷った」と郷田。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>▲7四銀と出てくるのが目に見えているのに△7三桂と跳ねるというのはすごい手です。 37 同 歩(87) ( 0:00/00:00:00) 38 同 角(64) ( 0:00/00:00:00) *ここまでの消費時間はともに17分。 39 9六歩(97) ( 0:00/00:00:00) *▲8七歩だと、△9五角から△8四角で飛車取りになるところだった。▲9六歩は△9五角を消している。次に▲4五歩△5三銀▲8七歩で角が詰む。 *屋敷の隣では永瀬六段が指している。永瀬六段は盤にかなり近づいて指しているが、屋敷は離れている。 *※局後の感想※ *▲8七歩△9五角の展開は、35手目▲6五銀に△7三角と引くよりも角の負担が軽く、後手が得する。 40 4二角(86) ( 0:00/00:00:00) 41 8七歩打 ( 0:00/00:00:00) *35手目▲6五銀で△4二角▲9六歩と進んだのと同じ局面だ。▲9六歩の一手をどう評価するか。緩手なのか有効手なのか。 *「いやっ、うーーん」と郷田がうなり、左手で扇子をギュッと握る。屋敷は姿勢が変わらない。ジッと盤面を見つめている。 42 7三桂(81) ( 0:00/00:00:00) *14時40分過ぎの局面。残り時間は▲屋敷21分、△郷田17分。 *郷田は2六銀が働く前にどんどん動いている。 43 7四銀(65) ( 0:00/00:00:00) 44 6四角(42) ( 0:00/00:00:00) *読み筋とばかりにノータイム。後手からは△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△7六飛の銀取りが見えてきた。 *14時45分、郷田が席を外す。 45 6六歩(67) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は▲6六歩として、首を傾げた。そして、ハンドタオルを持って席を外した。郷田はチェスクロックをチラリと見る。残りはともに15分ほど。 46 8四飛(82) ( 0:00/00:00:00) *▲6五歩が見えているところで剛直に。 *※局後の感想※ *△7二歩では勢いなく、△6二金は形が乱れる。そこで本譜を選んだ。 47 6五歩(66) ( 0:00/00:00:00) *屋敷はハンドタオルで手をぬぐってから▲6五歩とした。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>これで後手は駒損になりますが、△7四飛▲6四歩に△同飛が王手になるのが気持ち良いということなんですね。 48 7四飛(84) ( 0:00/00:00:00) 49 6四歩(65) ( 0:00/00:00:00) 50 同 飛(74) ( 0:00/00:00:00) *二人の読みと読みが火花散る局面。郷田は一貫して激しい展開に持ち込もうとしている。屋敷は右の銀桂香が遊んでいる。 *※局後の感想※ *郷田は△6四同飛の他に(1)△6五桂や(2)△5五歩を読んでいた。しかし、(1)は▲6三歩成△同金▲4七飛、(2)△5五歩も▲6三歩成△同金▲4五歩で後手大変。 51 7九玉(69) ( 0:00/00:00:00) *歩切れになるのを嫌って頑張った受け方だ。 *隣で対局中の渡辺二冠が本局の様子を見ている。 52 6五桂(73) ( 0:00/00:00:00) *屋敷はずっと対局姿勢が変わらない。見事なものだ。 *※局後の感想※ *△6七銀が実戦的な食いつきだった。▲6八歩なら△7六銀成として△8四飛の楽しみがある。 53 9七角(88) ( 0:00/00:00:00) *39手目▲9六歩を生かす。 54 3一玉(41) ( 0:00/00:00:00) *ノータイムで着手。4一玉型だと、飛車の王手に弱いが、3一玉型なら▲6四角△同歩▲6一飛に△2二玉と手順に入城できる。 *15時になった。屋敷が再び席を外した。郷田は脇息をたぐり寄せる。そして、脇息に置いたハンカチの上にひじを載せる。 *※局後の感想※ *(1)△7七歩▲同桂△同桂成▲同金△8五桂は▲6四角から▲8一飛の筋があるので時期尚早。また、(2)△8四飛は▲4五歩のときに△5三銀と逃げられず(△5三銀は▲7五角打が痛打)、後手つらい。 55 2四歩(25) ( 0:00/00:00:00) *残り時間は▲屋敷7分、△郷田10分。 *手筋の突き捨て。△同歩なら▲2三歩が厳しくなる。 56 同 銀(33) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は指さずに席を外す。残り時間は5分を切った。郷田は前傾姿勢で体を揺らす。しばらくして屋敷が戻ってくる。ハンドタオルをたたみ、手をぬぐって駒を持った。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>△2四同歩▲2三歩は後手玉が狭くなるのでやりにくいです。 57 6六歩打 ( 0:00/00:00:00) 58 5七桂成(65) ( 0:00/00:00:00) *「いやぁ」とうなりながら桂を成った。 59 6五歩(66) ( 0:00/00:00:00) 60 4八成桂(57) ( 0:00/00:00:00) 61 6四歩(65) ( 0:00/00:00:00) *とても激しい。どちらが読み勝っているのか。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>パッと見は屋敷九段がやれているように見えます。 62 同 歩(63) ( 0:00/00:00:00) *△4九成桂よりも▲6三歩成の方が厳しい。しかし、手番を渡すのも痛い。 63 4八金(49) ( 0:00/00:00:00) *角桂と銀の交換で先手が駒得。ただし、手番は後手で、先手は歩切れ。 64 2八飛打 ( 0:00/00:00:00) *3枚当たり。先手としても4八金は取らせたくないので▲3七銀だろうか。ただし、△2九飛成から△6六桂も先手は嫌み。 *15時14分、屋敷はチェスクロックを見やり、時間が切れたことを自己申告した。ここからは1分将棋。郷田は残り6分ほど。長考派といわれる郷田だが、本局は時間を残している。 *※局後の感想※ *自然な△5九飛は▲8八玉△2九飛成▲6四角で先手指せる。 65 6四角(97) ( 0:00/00:00:00) *大きく手を伸ばして王手をかけた。 66 5三銀打 ( 0:00/00:00:00) *郷田は銀を打って首を傾げた。 67 7五角(64) ( 0:00/00:00:00) *手順に4八金を守った。 68 7四歩打 ( 0:00/00:00:00) *「角よ、どこかへ行け」の歩。 *▲6六角なら、そこも好位置なのでもう一回△6五歩と追うことになりそうだ。 69 6一飛打 ( 0:00/00:00:00) *歩を取りに行く▲7一飛ではなく、自陣に利かす▲6一飛だった。 70 2二玉(31) ( 0:00/00:00:00) *チェスクロックを見やって△2二玉とした。屋敷は金銀5枚の矢倉城をどう崩していくのか。 71 5三角成(75) ( 0:00/00:00:00) *ずばり踏み込んだ。△同金でも△同銀でも▲4一銀がある。 *※局後の感想※ *▲6六角は△6五歩▲同飛成△6四歩▲7四竜△2九飛成▲8八玉△2六竜の展開を嫌った。 72 同 銀(44) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は「ふーっ」と大きく息をついて、少しのけぞった。 73 4一銀打 ( 0:00/00:00:00) 74 4二金(52) ( 0:00/00:00:00) *郷田、右手を腰に当てる。 75 3二銀成(41) ( 0:00/00:00:00) 76 同 金(42) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は桂得だが、駒が当たっていて忙しい。 77 3五銀(26) ( 0:00/00:00:00) *すごい手があった。郷田は右手を頭にやり、「うひゃぁ」と小さな声を出した。△同歩なら▲3四桂がある。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>この銀をこう使う人はなかなかいませんよ。とにかく遊んでいる銀を使っていこうということですね。△4八飛成と金を取るのは▲6六角の王手飛車があります。 78 2九飛成(28) ( 0:00/00:00:00) *何はともあれ王手一発。4八金を取る筋は▲6六角の王手竜取りがあるため無効だった。 *郷田はほうじ茶を飲む。 79 6九歩打 ( 0:00/00:00:00) *一歩千金。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>大熱戦ですね。普通はこれだけ大さばきをすると差が付いていそうなものですが、そこまで差があるようには見えません。 80 3五銀(24) ( 0:00/00:00:00) *△3五歩▲3四桂△1二玉▲4一飛成は受けが難しい。2四を開ける受け方で頑張る。「いやぁ」とうなる郷田。前傾姿勢の屋敷。 81 同 歩(36) ( 0:00/00:00:00) *次の▲3四歩が▲3三銀以下の詰めろになる。 *ここで隣の渡辺−永瀬戦が終局した。 82 4四角打 ( 0:00/00:00:00) *郷田はノータイム。屋敷は意外だったか、「ん?」といった具合に顔を突き出した。 83 3四歩(35) ( 0:00/00:00:00) 84 6七桂打 ( 0:00/00:00:00) *パチンと高い駒音で指された。尋常な手では追いつかない。勝負手だ。屋敷が思わず、両手で顔を覆おうとする。 *※局後の感想※ *△3一歩と打っても、▲3三銀△同桂▲同歩成△同金▲4五桂と攻められて後手苦戦。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>すごい手ですよ。タダですからね。▲同金、▲同飛成どちらもやってみたいですけど。▲同金は△8八銀▲6八玉でどうするのでしょう。 85 同 飛成(61) ( 0:00/00:00:00) *▲同金は△8八銀から危なかった。ただし、これで後手も少し楽になった。15時31分、郷田も1分将棋に入った。 *※局後の感想※ *▲6七同金だった。△8八銀▲6八玉△5九銀▲7八玉で大丈夫。これは先手勝ち筋だった。 *本譜は後手が持ち直す。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>手堅い手ですが、後手は少し安心しますよね。 86 6六歩打 ( 0:00/00:00:00) *竜の利きを止める。▲3七竜には△3六歩▲同竜△6七銀(あるいは△6七歩成)と迫れる。 87 3七龍(67) ( 0:00/00:00:00) 88 3六歩打 ( 0:00/00:00:00) *力を込めていても、駒音は小さかった。▲同竜なら竜が守りに利かなくなるので、△6七銀や△6七歩成が厳しくなる。 89 5七龍(37) ( 0:00/00:00:00) *△6七桂一発で攻守逆転の感がある。後手陣は3三が厚い。4四角が攻防に利いている。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>ずっと先手が攻めていたんですが、攻守が入れ替わりましたね。 90 6七銀打 ( 0:00/00:00:00) *うなりながら銀を打ち込む。 91 5九桂打 ( 0:00/00:00:00) *顔を突き出す郷田、天を仰ぐ屋敷。そして、屋敷は頭をかく。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>ここに桂を打つようでは先手が苦しくなってきた気がします。 92 7八銀成(67) ( 0:00/00:00:00) 93 同 玉(79) ( 0:00/00:00:00) *「うーん、ううー」と前傾姿勢の郷田がうなる。 94 6七歩成(66) ( 0:00/00:00:00) *郷田は追撃の手を緩めない。▲同竜なら△5九竜▲同桂なら△8八金や△9九角成だ。 *屋敷が再び天をあおぐ。 *※局後の感想※ *ここで▲6七同玉は△9九角成から△6一香が痛打になる。 95 同 龍(57) ( 0:00/00:00:00) 96 5九龍(29) ( 0:00/00:00:00) *ついに駒の損得がなくなった。△8八金の詰みと△4八竜の両狙い。実質後手番であり、陣形差も大きいため、形勢は後手に傾いていそうだ。 97 5五桂打 ( 0:00/00:00:00) *非常手段で受ける。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>強い人はなかなか簡単には崩れません。 98 4八龍(59) ( 0:00/00:00:00) *ポロリと取れたのは大きい。 99 6八銀打 ( 0:00/00:00:00) *▲5八金は△6六桂があった。竜を弾くことはできない。 100 6四歩打 ( 0:00/00:00:00) *うなって指したのは△6四歩だった。 *※局後の感想※ *△5八銀は▲6一竜△6九銀不成▲同玉△5八金▲7八玉△6八金▲8八玉で、郷田はその先を読み切れなかった。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>渋い手です。こうやるものなんですか。 101 1五角打 ( 0:00/00:00:00) *屋敷は嫌らしく勝負勝負と迫っている。後手は金得でも油断できない。 102 2八龍(48) ( 0:00/00:00:00) *ここで▲3三銀は△同桂▲同歩成に△同角なら▲3四桂が入るが、△同金で攻めが難しいか。 *※局後の感想※ *△2六銀も有力だった。上部の厚い受け方で、▲3三銀なら△同桂▲同歩成△同金▲同角成△同玉▲4五桂△2四玉。 *郷田は判断がつかなかったという。 103 3三銀打 ( 0:00/00:00:00) *行った。▲4一銀では△2四銀で次が難しかったのかもしれない。 104 同 桂(21) ( 0:00/00:00:00) *郷田は左手を頬に当てて、体をゆすっている。 105 同 歩成(34) ( 0:00/00:00:00) *△3三同角は▲3四桂△3一玉▲3三角成△同金▲2二角でまずい。ここは△3三同金だろう。郷田は上体を起こす。屋敷は左手のつめを弾いている。 106 同 金(32) ( 0:00/00:00:00) 107 4五桂打 ( 0:00/00:00:00) *▲3四歩△同金▲4三桂成の筋は△8八金の1手詰。5五桂は動けない。 108 2四歩(23) ( 0:00/00:00:00) *スッと突いて、チョンチョンと駒の位置を整えた。軽い受け方。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>正確に指せば後手が残していると思います。 109 3三桂成(45) ( 0:00/00:00:00) 110 同 玉(22) ( 0:00/00:00:00) *一度盤上に出た手を引っ込めたが、△3三同玉とした。△同角は▲3四歩△4四角▲4五歩で△3五角は▲3三金から詰んでしまうのでまずい。 111 4五金打 ( 0:00/00:00:00) *▲3四金打から角を取れば▲4三桂成と成れる。屋敷が嫌らしく迫っている。 112 5八銀打 ( 0:00/00:00:00) *ここで攻め合い。後手も怖いが大丈夫と見たか。 113 4四金(45) ( 0:00/00:00:00) *うなる郷田は首をかしげる。屋敷は険しい表情。 114 同 玉(33) ( 0:00/00:00:00) *際どい応手だ。どちらが勝っているのだろうか。 115 5七龍(67) ( 0:00/00:00:00) *ここで手を戻した。金を渡したので先手玉も危ないが。 *※局後の感想※ *▲5八竜△同玉▲2二角としても、△3四玉から1四に逃げる筋があって詰まない。 116 8五桂打 ( 0:00/00:00:00) *退路封鎖して△6九銀不成▲同玉△5八金からの詰みを狙う。 *屋敷はハンドタオルを口元に当てて、大きく息をついた。 *※局後の感想※ *駒を多く持っていたので、△6九銀不成▲同玉△5八金から詰んでいたようだ。ただし、形勢は後手が残している。 117 3八歩打 ( 0:00/00:00:00) *小技を使う。△同竜は▲4八金が竜取りになる。「いやー」と郷田。 118 2九龍(28) ( 0:00/00:00:00) *死角を突いた。▲5八竜は△6六桂で良いと見ている。 119 5九金打 ( 0:00/00:00:00) 120 同 銀(58) ( 0:00/00:00:00) 121 同 角(15) ( 0:00/00:00:00) *屋敷の指し手も粘り強い。後手玉は安泰ではなく、盤側からはどちらが勝ちか分からない。 122 6五桂打 ( 0:00/00:00:00) *気付くと時刻は16時を過ぎている。二人は対局開始から一度も足を崩さずに対局している。 *△6五桂は竜取りをかけつつ7七に駒を足したもの。 123 4七龍(57) ( 0:00/00:00:00) *ここで△5九竜が浮かぶ。▲同銀なら△7七金から詰ますことができる。しかし、△5九竜に▲2六角の王手竜取りをかけて取れば先手玉は大丈夫だ。 124 3五金打 ( 0:00/00:00:00) *受けながら△5九竜を狙っている。 125 6三桂成(55) ( 0:00/00:00:00) *▲2六角を防がれたので今度は▲6六角を狙う。しぶとい。 *※局後の感想※ *すぐ▲2二角はあった。ここでは△3三銀とは打ちにくく、△3四玉と逃げる。以下▲6三桂成と利きを通せば△3三銀。少し後手が残しているようだ。 126 6六金打 ( 0:00/00:00:00) *上から攻めていく。▲2二角は△3三銀▲4五銀△同金▲同歩△3四玉で詰みはない。 127 2二角打 ( 0:00/00:00:00) 128 3三銀打 ( 0:00/00:00:00) *金金銀。3連打で盤上を圧しようとしている。 129 4五銀打 ( 0:00/00:00:00) *うつむき、頭をかいて銀を打った。時間があればもっと考えたいところ。しかし、いまは1分将棋。 130 同 金(35) ( 0:00/00:00:00) 131 同 歩(46) ( 0:00/00:00:00) *ここで△3五玉は▲3三角成とされて馬が自陣に利いてくる。 132 3四玉(44) ( 0:00/00:00:00) *よって△3四玉。ここで▲3六竜は△3五歩が一歩千金の守りになる。「うーん」とうなる屋敷。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>これでもうひと押しが足りません。▲1一角成と取るくらいですか。 133 1一角成(22) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は天を仰ぎ、腕を組んだ。郷田は先手玉を見つめている。 134 6七銀打 ( 0:00/00:00:00) *詰ましに行った。▲同銀なら△7七金打で押しつぶせる。 135 同 龍(47) ( 0:00/00:00:00) *郷田はほうじ茶を飲む。湯飲みに茶をついで盤面に向かう。 136 同 金(66) ( 0:00/00:00:00) *▲同銀はやはり△7七金からの攻めがある。▲同玉も△4七飛が厳しい。 137 同 玉(78) ( 0:00/00:00:00) *屋敷は厳しい表情で息をつき、天を仰ぐ。郷田は息をついて先手玉を見ている。 138 5七金打 ( 0:00/00:00:00) *屋敷は天をあおいだり、うつむいたりする。そして、マテ茶を湯飲みについで飲んだ。 139 7八玉(67) ( 0:00/00:00:00) *一度うなずいて▲7八玉。 140 6八金(57) ( 0:00/00:00:00) *この王手の取り方が難しい。 141 同 角(59) ( 0:00/00:00:00) 142 7七銀打 ( 0:00/00:00:00) *守りを1枚1枚はがしていく。▲同桂△同桂左成▲同角△同桂成▲同玉△8五桂と王手が続く。 *屋敷はマテ茶を飲む。天を仰いだ後、はっきりした声で「負けました」と投了の意思表示をした。郷田は天を仰いで「ふーっ」と息をつく。終局時刻は16時23分。消費時間はともに40分。郷田が2回戦に進出した。 *以下は▲7七同桂△同桂左成▲同角△同桂成▲同玉△8五桂に▲8六玉△7七角▲8五玉△8三飛▲8四桂△9四金▲7四玉△8四金までの詰み。 *※局後の感想※ *感想戦は16時57分に終了。84手目△6七桂を▲同金と取っていれば先手勝ちだった。▲同飛成と取ったため、攻守逆転。以下はもつれたところもあったが後手が残した。 *■ニコニコ生放送■ *佐々木慎六段>大熱戦でしたね。途中は目がくらくらしましたが、ちょっとすぐには敗着がわからないような素晴らしい将棋でしたね。 &元に戻す表示局面 143 投了 ( 0:00/00:00:00) まで142手で後手の勝ち