# --- Kifu for Windows (Pro) V6.65.55 棋譜ファイル --- 対局ID:11515 記録ID:5fcdcd726b42b60004a2e997 開始日時:2020/12/18 19:00 終了日時:2020/12/18 20:53 表題:朝日杯将棋オープン戦 棋戦:第14回朝日杯将棋オープン戦二次予選 戦型:相掛かり 持ち時間:各40分 消費時間:97▲40△40 場所:東京・シャトーアメーバ 図:投了 振り駒:3,0,飯 計時方式:チェスクロック 秒読み:60秒 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 手合割:平手   先手:飯島栄治七段 後手:渡辺大夢五段 先手省略名:飯島 後手省略名:渡辺大 手数----指手---------消費時間-- *第14回朝日杯将棋オープン戦(主催:朝日新聞社)二次予選決勝より、飯島栄治七段−渡辺大夢五段戦を中継する。12月18日(金)19時に対局開始。対局は東京都渋谷区「シャトーアメーバ」で行われる。持ち時間はチェスクロック使用で40分。使いきると1手60秒未満の着手となる。飯島の振り歩先で振り駒が行われ、結果は歩が3枚。飯島の先手に決まった。本局の勝者は本戦トーナメントに進出し、初戦で豊島将之竜王と対戦する。 * *本局の模様はABEMAの将棋LIVEチャンネルで生中継される。解説はなし。 *【朝日杯二次予選 屋敷伸之九段−三浦弘行九段/飯島栄治七段−渡辺大夢五段 *https://abema.tv/channels/shogi-live/slots/8xwirtsxt8mPJX * *本局の感想戦取材はありません。 *https://twitter.com/shogi_mobile/status/1247034286126985218 * *(棋譜・コメント入力=生姜) *[棋譜表示の*はコメント付きの指し手] 1 2六歩(27) ( 0:13/00:00:13) *◆飯島 栄治(いいじま えいじ)七段◆ *1979年9月16日生まれ、東京都江東区出身。桜井昇八段門下。2000年、四段。2010年、七段。棋士番号は236。 2 8四歩(83) ( 0:22/00:00:22) *◆渡辺 大夢(わたなべ ひろむ)五段◆ *1988年7月29日生まれ、東京都江東区出身。石田和雄九段門下。2012年、四段。2016年、五段。棋士番号は290。 3 2五歩(26) ( 0:22/00:00:35) *【飯島の公式戦成績】 *通算成績は434勝301敗(0.590) *昨年度成績は19勝15敗(0.559) *今年度成績は21勝10敗(0.677) 4 8五歩(84) ( 0:08/00:00:30) *【渡辺の公式戦成績】 *通算成績は172勝115敗(0.599) *昨年度成績は24勝17敗(0.585) *今年度成績は17勝11敗(0.607) 5 7八金(69) ( 0:21/00:00:56) *朝日杯将棋オープン戦は朝日新聞社が主催している棋戦。全棋士、アマチュア10名、女流棋士3人によるトーナメントが行われる。今年は新型コロナウィルスの影響で、アマチュア代表は2名で行われた。一次予選から決勝戦まで、すべて持ち時間は40分(チェスクロック使用)。優勝賞金は750万円。 *第13回の優勝者は千田翔太七段。 6 3二金(41) ( 0:10/00:00:40) *両者の対戦成績は渡辺の1勝0敗。2015年3月に指された第41棋王戦予選以来の対戦だ。戦型は飯島の先手で相掛かりだった。 7 3八銀(39) ( 0:31/00:01:27) *両者とも東京都江東区の出身で、研究会仲間など親しい間柄のようだ。ともに読売ジャイアンツのファンという共通点もある。 8 7二銀(71) ( 0:06/00:00:46) *来年1月に渡辺が著者を務める一手損角換わりの書籍がマイナビ出版から発売される。本局は飯島の得意戦法である相掛かりを真正面から受けて立った。 * *【大夢流一手損角換わり 〜受け師直伝の受け将棋〜(マイナビ出版)】 *https://book.mynavi.jp/shogi/products/detail/id=120128 9 1六歩(17) ( 0:43/00:02:10) *飯島の本棋戦成績は39勝19敗(0.672)。本戦トーナメント進出はまだない。今期は一次予選で橋本崇載八段、佐々木大地五段、川上猛七段を破って二次予選進出。二次予選の初戦では広瀬章人八段に横歩取りの将棋で破った。 10 1四歩(13) ( 0:05/00:00:51) *渡辺の本棋戦成績は18勝7敗(0.720)。第12回に本戦トーナメント進出の経験がある。今期は一次予選で神谷広志八段、高橋道雄九段、高野智史五段に勝ち二次予選進出。二次予選の初戦で郷田真隆九段の角換わり右玉を打ち破った。 11 6八玉(59) ( 0:31/00:02:41) *6八玉型に構えた。飯島も2019年に相掛かり6八玉型について著書を出している。 * *【相掛かり▲6八玉型 徹底ガイド(マイナビ出版)】 *https://book.mynavi.jp/shogi/products/detail/id=105362 12 5二玉(51) ( 0:18/00:01:09) *渡辺は中住まいを選ぶ。 13 7六歩(77) ( 1:20/00:04:01) *飯島と渡辺は今期の対局数・勝ち数ランキングで上位につけている。飯島の対局数は31局で11位タイ、勝ち数は21勝で7位タイ。渡辺の対局数は28局で17位タイ、勝ち数は17勝で20位タイ(いずれの成績も本局と未放送の対局を含めない)。対局数が多いことは勝っている証拠でもある。 * *【今年度棋士成績・記録】 *https://www.shogi.or.jp/game/record/year_ranking.html 14 8六歩(85) ( 0:11/00:01:20) *本局を持って二次予選はすべて終了する。最後の本戦入り切符を手にするのはどちらか。 15 同 歩(87) ( 0:17/00:04:18) *飯島の直近10局の成績は7勝3敗(1千日手)。 *古い対局から順に●●○○○千○○○●○。 16 同 飛(82) ( 0:10/00:01:30) *渡辺の直近10局の成績は8勝2敗(1千日手)。 *古い対局から順に○○○●○千○●○○○。 17 3六歩(37) ( 0:35/00:04:53) *現局面の前例は7局あり、▲2勝△5勝。先手で2勝を挙げているのは飯島だ。 18 9四歩(93) ( 0:33/00:02:03) *9筋の歩を突く。△7六飛のときに▲8二歩△9三桂を用意した。前例は3局に減少している。直近の対局は今年11月に行われた王将戦挑戦者決定リーグ戦▲木村一基九段−△広瀬章人八段戦。▲3七桂△7六飛▲2四歩△同歩▲同飛△3六飛と進んだ。結果は後手の勝ち。 19 3七桂(29) ( 1:20/00:06:13) *ともに研究があるのか指し手が早い。飯島も先手で1局経験しており、勝利を収めている(2018年王将戦予選対千田翔太六段戦、段位は当時)。その将棋は△8四飛と引いて横歩を取らなかった。 20 7六飛(86) ( 0:50/00:02:53) *さっと横歩を取って後手が1歩得に。 21 2四歩(25) ( 1:52/00:08:05) *0手目に記載した通り、本戦トーナメント初戦の相手は豊島将之竜王。そのブロックの1回戦、2回戦の対局場は愛知県名古屋市熱田区「名古屋国際会議場」で行われる。 * *【朝日新聞デジタル 藤井聡太二冠も登場 来月、朝日杯将棋の名古屋対局開催】 *https://www.asahi.com/articles/ASNDJ5T4MNDJUCVL00N.html 22 同 歩(23) ( 0:09/00:03:02) 23 同 飛(28) ( 0:19/00:08:24) *このときに△1四歩と突いているので△2三歩と打たなくて済むのが後手の主張だ。部分的には1筋の交換をとがめているともいえる。 24 3六飛(76) ( 0:28/00:03:30) *前例の▲木村−△広瀬戦をなぞる。後手は2歩得になった。 25 8二歩打 ( 1:16/00:09:40) *1分ほどの考慮で▲8二歩と打った。この手で前例に別れを告げている。代えて▲1五歩△2三歩▲8四飛△8三歩▲8七飛△7一金▲1四歩△1六歩が前例の進行で、後手が1筋の攻めをうまく逆用した。 26 9三桂(81) ( 0:26/00:03:56) *簡単に桂を取らせるわけにはいかないので9三に逃げる。 27 8一歩成(82) ( 0:23/00:10:03) 28 同 銀(72) ( 0:31/00:04:27) *19時15分の局面。 29 8四飛(24) ( 2:18/00:12:21) *8筋の成り捨てを入れてから▲8四飛と回った。先手は歩損の代償に△9三桂と跳ねさせて8筋を不安定な形にしている。△8二歩と受ける一手に▲9六歩と桂を狙ってどうか。 30 8二歩打 ( 0:56/00:05:23) *ここで▲8三歩は△7二金と上がっておけば大丈夫。 31 9六歩(97) ( 1:01/00:13:22) *9筋に狙いを定める。▲9五歩を防ぐ手段は難しいので、後手は何か動いていく必要がありそうだ。 32 2七歩打 ( 3:21/00:08:44) *△2七歩と垂らした。ここまで渡辺に目立った長考はなく、まだまだ研究範囲であることがうかがえる。 33 2四飛(84) ( 2:01/00:15:23) *2四に飛車を戻って△2八歩成に▲同飛を用意。△2六飛も防いだ。 34 3四歩(33) ( 2:24/00:11:08) *お互いの飛車を狭くさせる歩突き。角が向かい合って局面の緊張感がさらに高まった。 35 7七桂(89) ( 1:11/00:16:34) *角道を閉ざしながら左桂を跳ねた。桂の働きは先手のほうがいい。7七桂の頭は7三に歩がいるのでしばらく安心か。 36 3五飛(36) ( 4:58/00:16:06) *△3五飛と引いた。9筋から9三桂を狙われた際に△8五桂と跳ねられるようになっている。 37 4六歩(47) ( 4:17/00:20:51) *4筋の歩を伸ばした。▲4五桂と跳ねていく土台を作ったか。代えて▲2七飛と歩を取る手もありそうだった。 38 7二銀(81) ( 6:31/00:22:37) *△7二銀と上がって形を整えた。6分31秒とまとまった時間を使っている。 39 2七飛(24) ( 3:28/00:24:19) *2七歩を取った。これで▲2四歩と垂らす攻めも生じている。 40 2五歩打 ( 3:34/00:26:11) *△2五歩と止めた。ここ数手は互いに時間を使っている。傍目には研究から外れたようにも見えるが、どうだろうか。 41 8六歩打 ( 3:31/00:27:50) *飯島は▲8六歩と打って△8五桂を防いだ。ともに残り時間は14分ほどに。 42 4四角(22) ( 3:09/00:29:20) *時刻は20時を回った。 43 9五歩(96) ( 3:41/00:31:31) *いよいよ9筋に手をつける。 44 2六歩(25) ( 0:41/00:30:01) *△4四角からの継続手。▲2六同飛は△3七飛成▲同銀△2六角▲同銀△2九飛の筋が厳しそうだ。△7六桂の王手角取りもある。 45 2九飛(27) ( 0:11/00:31:42) *取らずにじっと引き揚げた。9三桂を取りきるまで激しい戦いにはしたくない。 46 3三桂(21) ( 1:18/00:31:19) *後手も左桂を活用した。次の△2五桂がなかなかの味。桂を持てばやはり△7六桂がある。 47 3六歩打 ( 1:37/00:33:19) *五段目からずらしにかかる歩打ち。△3六同飛なら左桂が跳ねられない。 48 同 飛(35) ( 3:25/00:34:44) *あまり取りたくない歩だが△7五飛では先手陣に響きが薄かった。 49 9四歩(95) ( 0:21/00:33:40) *待望の取り込みが回る。▲9三歩成〜▲8二との自然な攻めが目前だ。形勢は難しそうだが、先手のほうが方針がわかりやすい。 50 2五桂(33) ( 3:05/00:37:49) *おっとそれでも桂を跳ねた。▲2五同桂でタダのようだが、継続手は何か。 51 同 桂(37) ( 2:23/00:36:03) *慎重に2分23秒使っての着手。 52 3五飛(36) ( 0:04/00:37:53) *ノータイムかつ力強い手つきで飛車を引いた。桂を飛車で取り返そうとしている。▲3七桂と打たれると桂にヒモをつけられてしまうが、2枚の桂が負担気味ということか。 53 3七桂打 ( 1:43/00:37:46) *桂得をキープする一着。2五桂は3三を封じる役目があるので簡単に取らせたくない。 54 2七歩成(26) ( 0:28/00:38:21) *拠点を成り捨てた。 55 同 飛(29) ( 0:09/00:37:55) 56 2四歩打 ( 0:04/00:38:25) *△2四歩と打って2五桂の捕獲に成功。苦労を感じさせる手順だった。 *先手は桂を取られてもまだ駒損をしていない。むしろ9三桂が取れるので駒得が見込める状況だ。 57 7六歩打 ( 1:54/00:39:49) *7六の地点を埋めて△7六桂の筋を消した。△6四桂と控えて打たれても▲8七金と上がって受ける手がある。 58 2五歩(24) ( 0:08/00:38:33) 59 9三歩成(94) ( 0:11/00:40:00) *この手で飯島は持ち時間を使いきった。渡辺もそろそろ持ち時間を使いきる。 60 9七歩打 ( 1:27/00:40:00) *この手で渡辺も持ち時間を使いきった。△9七歩は▲8二とに△9八歩成の反撃を見ている。△9五飛と回る筋もあるだろうか。 61 4五歩(46) ( 0:00/00:40:00) *角取りに歩を突き出して飛車の横利きを止めた。△5五角なら▲4七桂の両取りがかかる。 62 2六歩(25) ( 0:00/00:40:00) *自陣に火の手が上がっている後手は忙しい。角を逃げずに△2六歩と迫った。 63 同 飛(27) ( 0:00/00:40:00) *落ち着いて応じる。△3七飛成▲同銀△2六角の強襲筋があるが、余せると見たようだ。 64 3七飛成(35) ( 0:00/00:40:00) 65 同 銀(38) ( 0:00/00:40:00) *ギリギリまで考えて竜を取った。 66 2六角(44) ( 0:00/00:40:00) *渡辺は30秒ほどで飛車を取った。飯島は額にハンカチを当てながら考えている。 67 同 銀(37) ( 0:00/00:40:00) *金銀がバラバラなので怖いが、これで後手の攻めが大したことなければ駒得が大きそうだ。 68 6四桂打 ( 0:00/00:40:00) *△6四桂と打った。▲8七金ならもう1枚桂を持っているので△9五桂が厳しい。 69 8七金(78) ( 0:00/00:40:00) *それでも金を上がった。△7六桂だけは許せなかったということだろう。飯島は時間いっぱいまで考えて着手し続けている。 70 9五桂打 ( 0:00/00:40:00) *この桂打ちは痛そうに見える。先手に余裕がありそうな展開に見えたが、駒損の渡辺が追い込んでいる印象だ。 71 6五桂(77) ( 0:00/00:40:00) *金を見捨てて桂を跳ねた。渡辺は額に手を当てる。この桂は玉頭を狙って脅威の存在だ。 72 8七桂(95) ( 0:00/00:40:00) *不成で入って両取りをかける。代えて△8七桂成は▲1一角成のときに厳しさに欠けていたか。 73 1一角成(88) ( 0:00/00:40:00) *香を入手。次に▲5三桂成△同玉▲5四香の筋がある。 74 4二銀(31) ( 0:00/00:40:00) *ギリギリまで考えて△4二銀。玉頭を補強した。この終盤で受け一方の手はつらいか。後頭部に手を当てる渡辺。 75 5五香打 ( 0:00/00:40:00) *玉頭に力を集める。飯島が抜け出したと見てよさそうだ。 76 7六桂(64) ( 0:00/00:40:00) *王手をかける。代えて△7九桂成は▲5三桂成でいかにも危なそうだった。玉を逃げられたときに何か受けの手を指しそうだ。 77 5八玉(68) ( 0:00/00:40:00) *カナ駒のいる中央に逃げる。 78 2八飛打 ( 0:00/00:40:00) *渡辺は首を振ったあとに△2八飛と打ちおろす。 79 3八歩打 ( 0:00/00:40:00) *2六銀は取られても構わないと、歩で合駒した。 80 2六飛成(28) ( 0:00/00:40:00) *やや慌て気味に銀を取った。後手としてはここで自玉が無事なら戦えそうだが、果たして。6四桂を跳ねて2六に竜を作っており、やや緩和されているようにも見える。 81 5三桂成(65) ( 0:00/00:40:00) *飛び込んでいった。 82 同 銀(42) ( 0:00/00:40:00) 83 同 香成(55) ( 0:00/00:40:00) 84 同 玉(52) ( 0:00/00:40:00) *急所を突かれると後手玉はもろい。露出されていかにも危ない格好だ。 85 6五桂打 ( 0:00/00:40:00) *▲6五桂と打って追い詰めていく。 86 5二玉(53) ( 0:00/00:40:00) *△6四玉は▲5三角の王手竜取りがあった。 87 5三銀打 ( 0:00/00:40:00) *自然に上部を押さえる。後手玉はそのまま詰んでいてもおかしくない。 88 5一玉(52) ( 0:00/00:40:00) 89 3三角打 ( 0:00/00:40:00) *飯島は詰ましにいっている。名古屋が見えてきたか。 90 4二香打 ( 0:00/00:40:00) *桂合いも清算して▲5四桂の筋があった。 91 同 銀成(53) ( 0:00/00:40:00) 92 同 金(32) ( 0:00/00:40:00) *渡辺の肩が落ちている。もう結末は見えているだろう。それでもわかりやすい局面まで指し続ける。 93 同 角成(33) ( 0:00/00:40:00) 94 同 玉(51) ( 0:00/00:40:00) 95 5三金打 ( 0:00/00:40:00) *飯島の指し手は早い。 96 3一玉(42) ( 0:00/00:40:00) 97 3三香打 ( 0:00/00:40:00) *ぴったり駒が足りている。 *この局面で渡辺が投了した。終局時刻は20時53分。消費時間は、▲飯島40分、△渡辺40分。最後の本戦トーナメント進出者は飯島に決まった。豊島将之竜王と初戦で対戦する。 *投了以下は(1)△4一玉は▲3一飛。(2)△3二桂は▲同香成△同玉▲3三飛△4一玉▲4三飛成△5一玉▲4二竜まで。どの合駒でも同様の筋で詰む。 98 投了 ( 0:00/00:40:00) まで97手で先手の勝ち