# --- Kifu for Windows (Pro) V6.64.11 棋譜ファイル --- 対局ID:5730 記録ID:5843ac9ac264380400a3e18f 開始日時:2016/12/06 10:00 終了日時:2016/12/06 12:05 表題:朝日杯将棋オープン戦 棋戦:第10回朝日杯将棋オープン戦二次予選 戦型:横歩取り△3三角型 持ち時間:各40分 消費時間:114▲40△40 場所:東京都千代田区「都市センターホテル」 図:投了 振り駒:2,0,橋 計測時方式:チェスクロック 秒読み:60秒 先手消費時間加算:0 後手消費時間加算:0 手合割:平手   先手:佐々木勇気五段 後手:橋本崇載八段 先手省略名:佐々勇 手数----指手---------消費時間-- *第10回朝日杯将棋オープン戦二次予選(主催・朝日新聞社)から、橋本崇載八段−佐々木勇気五段戦を中継する。対局は東京都千代田区「都市センターホテル」で12月6日(火)10時に開始される。持ち時間は各40分(チェスクロック方式)。切れると1手60秒の秒読み。先後は振り駒で決定する。 *二次予選を勝ち上がるにはあと2勝が必要。本局の勝者は本日14時から、佐藤康光九段−八代弥五段戦の勝者と対局する。 * *9時43分、佐々木が到着。下座に着き、お盆とコップ、そして2L入りの大きなペットボトルを脇に置く。対局立会人の塚田泰明九段に挨拶するためにいったん出て、戻ってきた。 *9時50分、橋本も到着。お盆、コップ、500ml入りのお茶を2本置く。盤、駒台の位置を整えて、駒を並べ始めた。 *振り駒は橋本の振り歩先で「と」が3枚。佐々木の先手となった。 * *(棋譜・コメント入力=独楽) *[棋譜表示の*はコメントつきの指し手。#は局後の感想が追記された指し手] 1 7六歩(77) ( 0:10/00:00:10) *◆佐々木 勇気(ささき ゆうき)五段◆ *1994年8月5日生まれ、埼玉県三郷市出身。石田和雄九段門下。2010年、四段。2014年、五段。棋士番号は280。 *2013年、第3期加古川青流戦で優勝。 2 3四歩(33) ( 0:12/00:00:12) *◆橋本 崇載(はしもと たかのり)八段◆ *1983年3月3日生まれ、石川県小松市出身。(故)剱持松二九段門下。2001年、四段。2012年、八段。棋士番号は239。 3 2六歩(27) ( 0:12/00:00:22) *佐々木の通算成績は189勝85敗(勝率0.690)。 *昨年度成績は34勝13敗(0723)。 *本年度成績は34勝8敗(0.810)。 *対局数、勝数、勝率ランキングにランクイン。最高は勝数1位タイ。本日対局する対局で2連勝すれば、勝数、勝率ランキングで単独1位になる。 4 8四歩(83) ( 0:13/00:00:25) *橋本の通算成績は352勝231敗(勝率0.604)。 *昨年度成績は15勝17敗(0.469)。 *本年度成績は9勝8敗(0.529)。 5 2五歩(26) ( 0:14/00:00:36) *佐々木は一次予選から登場。順に松本佳介六段、渡辺大夢五段、遠山雄亮五段に勝った。 6 8五歩(84) ( 0:10/00:00:35) *橋本は二次予選から登場。 7 7八金(69) ( 0:13/00:00:49) *両者は初手合い。 8 3二金(41) ( 0:08/00:00:43) 9 2四歩(25) ( 0:10/00:00:59) 10 同 歩(23) ( 0:13/00:00:56) 11 同 飛(28) ( 0:10/00:01:09) 12 8六歩(85) ( 0:06/00:01:02) *橋本は小さくうなずいて着手。 13 同 歩(87) ( 0:11/00:01:20) 14 同 飛(82) ( 0:10/00:01:12) 15 3四飛(24) ( 0:16/00:01:36) *横歩取りになった。 16 3三角(22) ( 0:13/00:01:25) 17 6八玉(59) ( 0:45/00:02:21) *佐々木は天井を見上げ、気息を整えて玉を上がる。 *佐々木が連採している手だ。 18 8二飛(86) ( 0:22/00:01:47) *橋本は斜め上を見上げ、息を吐きながら着手した。比較的、穏やかな対応といえる。△8五飛から飛車をブンブン振り回す展開も指されていた。 19 3六歩(37) ( 0:29/00:02:50) *飛車を引かずに、2九桂の活用を急ぐ。飛車が狭くなるが、苦にならないようにしたい。 20 2二銀(31) ( 0:17/00:02:04) *現局面は8局の前例があり、先手3勝、後手5勝。平均手数は約95手。激しい戦いになりやすいことが分かる。 21 3五飛(34) ( 1:02/00:03:52) *ここで進行が止まった。橋本は深く前傾し、扇子を口元に当てる。佐々木は目薬を差し、腕組み。 *前例を見ると、▲3七桂が多く、▲3五飛は1局だった。佐々木が対八代五段戦で指していた。その八代五段は隣で対局中だ。 22 8六歩打 ( 3:04/00:05:08) *3分の考慮。この手で前例がなくなった。 23 8五歩打 ( 0:24/00:04:16) *△8七歩成を受ける。 24 4一玉(51) ( 0:11/00:05:19) 25 3八銀(39) ( 0:28/00:04:44) *10時10分の着手。 26 5一金(61) ( 0:19/00:05:38) 27 3七桂(29) ( 0:38/00:05:22) 28 6二銀(71) ( 0:12/00:05:50) 29 3三角成(88) ( 6:32/00:11:54) *ここで橋本が、「うーん」とうなる。選択肢があるのは特殊な事情。普通の横歩取りでは飛車が2筋にいるため、△3三同桂の一手だ。 * *※局後の感想※ *本譜の構想は無理気味だったとして、代えて(1)▲4六歩と突く展開や、(2)▲8四歩を突く展開を検討。本譜と似ているが、「角を交換するタイミングが難しいですね」と橋本。 30 同 銀(22) ( 5:47/00:11:37) *銀で取り返した。 31 6六角打 ( 1:43/00:13:37) *後手からの△4四角を受けた。 32 4四角打 ( 1:20/00:12:57) 33 同 角(66) ( 0:36/00:14:13) 34 同 銀(33) ( 0:10/00:13:07) 35 2五飛(35) ( 0:16/00:14:29) 36 2二歩打 ( 0:12/00:13:19) *10時29分、橋本も目薬を差す。 37 8四歩(85) ( 2:17/00:16:46) *釣り針を深く落とす。△8四同飛には▲6六角△8二飛▲8三歩△同飛▲8四歩△8二飛▲8五飛と飛車を転換する狙いか。 *橋本は1分ほど考慮して、「いやーそっか」。 38 同 飛(82) ( 2:55/00:16:14) *橋本は着手して、手を膝に降ろし、パチンと音をさせる。 39 6六角打 ( 0:36/00:17:22) *佐々木が前傾して、鋭い目つきのまま着手。 40 8二飛(84) ( 0:03/00:16:17) *▲8四歩と垂らす手もありそうだ。ただし、△7四角、または△9四角と打たれて飛車が回れなくなるかもしれない。 41 8三歩打 ( 2:15/00:19:37) *10時36分、佐々木はチラッと時計を見てから歩を叩いた。 * *※局後の感想※ *▲8四歩以下は、△7四角▲8八銀△6四歩▲7七銀△6五歩▲7五角と並べられた。 42 同 飛(82) ( 0:15/00:16:32) 43 8四歩打 ( 0:04/00:19:41) 44 8二飛(83) ( 0:02/00:16:34) 45 4四角(66) ( 0:25/00:20:06) *凶暴な順に踏み込んだ。 46 同 歩(43) ( 0:04/00:16:38) 47 8三銀打 ( 0:04/00:20:10) *上からかぶせて、飛車を捕獲できた。 48 7一銀(62) ( 0:07/00:16:45) *手筋の受け。▲8二銀成△同銀で収まれば、飛車角交換で済む。 49 8二銀成(83) ( 0:13/00:20:23) 50 同 銀(71) ( 0:03/00:16:48) *▲7二飛は△7一銀打で大丈夫だ。 51 7七桂(89) ( 0:49/00:21:12) *10時40分、佐々木が席を立つ。橋本は「うーん、分からん」と苦しそうな声。首を振って、姿勢を変えたところで、佐々木が戻ってきた。目を手で覆う。 52 9四角打 ( 4:47/00:21:35) *橋本は力強い手つきで角を打って、席を立つ。佐々木が前傾して、大きく息を吐く。 *△9四角は▲6五桂△5二金など形を乱されたときの、6一と7二からの飛車打ちを防いでいる。 53 8三歩成(84) ( 4:14/00:25:26) *佐々木は扇子を広げて胸元であおぐ。細い攻めをつなぐためには、歩を使った技が大事になっていく。△8三同角と取らせることで、角をいじめることができるようになるのだろう。 54 同 銀(82) ( 3:00/00:24:35) *堂々とした受けだ。後手は1歩でも渡すと▲8二歩で崩されてしまうが、それも許さない自信をみなぎらせている。また、飛車の打ち込みには手持ちの角銀で対応することになる。駒を取らせないように受けられそうだ。 55 6五桂(77) ( 2:59/00:28:25) *後手はつま先立ちでバランスを保っているようなきわどい状況。ここでどう受けるかは難しい。しかも一度バランスを崩すと、マウントポジションを取られて反撃の暇を与えてもらえない可能性もある。例として、△5二金や△5二玉は、いずれも▲7一飛と打ち込まれてしまう。 * *※局後の感想※ *代えて▲2四飛を先にするべきだった。△4三銀▲8八銀△7二銀▲6五桂は後手が困る。それを踏まえて、▲2四飛で、「しっくりした手が見えない、痛いかもしれない」と橋本、「銀を使わせるべきでしたね。組み合わせがおかしかった」と佐々木。 56 6二銀打 ( 6:52/00:31:27) *11時ちょうどの着手。△6二銀までの消費時間は、▲佐々木28分、△橋本31分。 *佐々木は声を発さず眼球は小刻みに運動。主に後手陣を見ているようだ。 57 8二飛打 ( 1:52/00:30:17) *銀を打たせたことで、捕獲されづらくなった。 *橋本は左手で頭を抱える。 58 7二角打 ( 1:33/00:33:00) *角を自陣に使う。 59 2四飛(25) ( 1:33/00:31:50) *ふわりと浮いた。▲4四飛△4三歩▲9四飛△同歩▲8四歩という狙いも秘めている。このまま攻めが続けば、先手がよくなりそうだ。 60 7六角(94) ( 7:00/00:40:00) *11時13分、橋本はこの手に7分使って持ち時間を使いきった。 61 4四飛(24) ( 0:42/00:32:32) *佐々木は持ち時間を約8分残している。 62 4三歩打 ( 0:00/00:40:00) *▲8四歩と打つか、飛車を逃げておくか。11時16分、橋本が脇息を引き寄せる。 63 4五飛(44) ( 1:50/00:34:22) *※局後の感想※ *▲5三桂成△同銀に(1)▲8四歩△4四歩▲8三歩成△6一角▲7二とは先手が攻めきれなそう。▲4六飛でもよくはならない。 64 8七歩成(86) ( 0:00/00:40:00) 65 8四歩打 ( 0:12/00:34:34) *金を渡すと、△7一金と飛車の捕獲を間に合わされる。ここは踏み込むべきタイミングだ。 66 7八と(87) ( 0:00/00:40:00) 67 同 銀(79) ( 0:02/00:34:36) 68 7一金打 ( 0:00/00:40:00) *取った駒をドシドシ自陣に埋めていく。 69 8三飛成(82) ( 0:54/00:35:30) *△8三同角▲同歩成なら、▲8三歩成△8二金▲7二と△同金の進行よりも得。と金が残る。 * *※局後の感想※ *「▲8三歩成の一手でした」という佐々木に、「なるほど」と橋本は応じる。 70 8六歩打 ( 0:00/00:40:00) *代えて△6一角は▲7二歩で攻めが続く。△8二歩は弱気な受け。いい受けがないときは攻めに手を求める。 *11時25分、佐々木が3分の考慮中だ。 71 7二龍(83) ( 4:30/00:40:00) *佐々木はこの手で持ち時間を使いきった。 72 同 金(71) ( 0:00/00:40:00) *橋本は駒の位置を直してから着手。落ち着いている。 73 8三歩成(84) ( 0:00/00:40:00) *両対局者の手つきが変わってきた。橋本は強い手つきで駒音を立てて着手することが増えてきている。佐々木はこの▲8三歩成を駒音を立てないように指していた。 74 同 金(72) ( 0:00/00:40:00) 75 8八歩打 ( 0:00/00:40:00) 76 7四金(83) ( 0:00/00:40:00) *次に桂を取れれば、攻めが細くなる。後手の受けが功を奏したか。 77 6六歩(67) ( 0:00/00:40:00) *ずっと攻めていた先手が、2手連続で受けに回った。流れが変わってきたのは間違いない。 78 6四歩(63) ( 0:00/00:40:00) *後手は催促。自分から攻めると反動が大きいのだろう。 79 5三桂成(65) ( 0:00/00:40:00) 80 同 銀(62) ( 0:00/00:40:00) 81 6三角打 ( 0:00/00:40:00) *角を打ち込むスペースができていた。 82 5二歩打 ( 0:00/00:40:00) 83 8一角成(63) ( 0:00/00:40:00) 84 2六桂打 ( 0:00/00:40:00) 85 6七銀打 ( 0:00/00:40:00) *受けに回ればまだまだ大変だぞと。 86 3八桂成(26) ( 0:00/00:40:00) 87 同 金(49) ( 0:00/00:40:00) *後手は△6七角成から攻め続けるか、いったん角を引いておくか。ここまでの流れを踏まえて、現局面をどう判断しているかが見えてきそうだ。 88 5四角(76) ( 0:00/00:40:00) *まだ我慢した。 89 9一馬(81) ( 0:00/00:40:00) 90 2九飛打 ( 0:00/00:40:00) 91 3九香打 ( 0:00/00:40:00) 92 4五角(54) ( 0:00/00:40:00) 93 同 桂(37) ( 0:00/00:40:00) *11時45分、橋本が再び頭を抱える。佐々木は小さくうなずく 94 3七歩打 ( 0:00/00:40:00) *確実な攻めを間に合わせる方針だ。 95 6三桂打 ( 0:00/00:40:00) *▲5三桂成と取らないで、嫌みをつける。 96 4二金(51) ( 0:00/00:40:00) 97 7五歩打 ( 0:00/00:40:00) 98 同 金(74) ( 0:00/00:40:00) *橋本は「そうか」と呟き、着手。 99 5一桂成(63) ( 0:00/00:40:00) *桂の押し売りで、攻めを加速させる。 100 同 玉(41) ( 0:00/00:40:00) *この手で100手に達した。△5一同玉までの消費時間は、▲佐々木、△橋本ともに40分。 101 7三馬(91) ( 0:00/00:40:00) *橋本は「そうか」を連発しながら考慮中だ。 102 4一玉(51) ( 0:00/00:40:00) *△6二桂は▲6三桂△4一玉▲5三桂不成△同歩▲6二馬で取られてしまう。 103 7六歩打 ( 0:00/00:40:00) *7五金を取れれば、先手玉の上部が広がる。 104 3八歩成(37) ( 0:00/00:40:00) 105 7五歩(76) ( 0:00/00:40:00) 106 8五桂打 ( 0:00/00:40:00) *先手玉の脱出を阻止するため、7七に利かした。▲5三桂不成には△同金と取ることになるか。 107 3四桂打 ( 0:00/00:40:00) 108 5九銀打 ( 0:00/00:40:00) *▲5九同玉なら△3九飛成以下の詰みがある。後手は8五桂が生きているうちに、下に追いたい。 109 7九玉(68) ( 0:00/00:40:00) 110 6八金打 ( 0:00/00:40:00) 111 8九玉(79) ( 0:00/00:40:00) 112 6七金(68) ( 0:00/00:40:00) *△7七桂不成以下の詰めろで、▲6七同金には△6九飛で合駒が悪い。受けはなさそうだ。 113 5三桂(45) ( 0:00/00:40:00) 114 同 金(42) ( 0:00/00:40:00) *ここで佐々木が投了した。王手は続くものの、▲4二銀△同金▲同桂成△同玉▲5一角△3二玉▲4一銀△2三玉で後手玉は詰まない。終局時刻は12時5分。消費時間は、▲佐々木、△橋本ともに40分。 *感想戦は12時45分頃まで行われた。 115 投了 ( 0:00/00:40:00) まで114手で後手の勝ち